Allium cepa は基本的に「風邪」に使われる。この「風邪」には、鼻、喉、喉頭、気管支において様々な面がある。その患者と、鼻風邪、喉頭炎、咳といった「風邪」のあらゆる面、そして病状すべてが暖かさで悪化、暖かい部屋で悪化、喉頭内のくすぐり感が冷気に近づいて悪化する事もある。このように、咳が冷気によって興奮する事はあるが、患者自身は冷気で改善し、熱には過敏である。鼻風邪の症状、「風邪」、一般的症状といった症状のほとんどは夕方に悪化する。これらは Allium Cepaの最も顕著で一般的な特徴となる症状である。
風邪に影響を及ぼすほとんどすべての気候において、玉ネギが非常に頻繁に示されるため、おばあさんが玉ネギを耳痛には耳に、喉痛には首に縛り付けるのは不思議な事ではない。寒く湿った風が吹くいかなる気候でも、鼻風邪や流感、インフルエンザとも呼ばれるAllium cepaの病状がもたらされやすく、通常うっ血した頭痛がある。鼻の中がヒリヒリし、目から涙が流れ、それはいつも非刺激性である; 鼻水が多量に出て、それは常に刺激性である。喉頭と喉の中がヒリヒリし、胸にまで広がる。鼻の中がヒリヒリする。24時以内にそれは喉頭に達する。夜暖かい部屋で横になっていると、喉頭内がチクチクして咳が出る。夜床に着く時、Alliumは最も大変な悪化が起きる。患者が喉頭の痛みをこう表現したのを聞いた事がある;咳をする度に誰かがホックでなでているかのように感じると。咳の度に喉頭内が裂けるように痛い。くしゃみ、粘膜すべてがヒリヒリする、裂けるような咳、あらゆる症状が暖かい部屋で夕方に悪化する;どんなに速く玉ネギが「風邪」を止める事かは、驚くべき事である。
さて、鼻風邪を詳しく説明しよう。初期の症状としてはくしゃみが出て、それがどんどん頻繁になる。ずっと鼻水が落ち続け、火のように燃え、上唇と小鼻の皮を剥ぎ、ヒリヒリし赤くなる。鼻水は刺激性で、涙は非刺激性である事に注意しなさい。覚えておくといい、Euphrasia を調べると、それは全く逆であるのがわかるだろう。それに鼻からの水っぽい分泌液と、多量の涙が見つかるだろうが、涙は刺激性で、鼻水は非刺激性である。Cepaの鼻からの分泌液は、上唇の産毛をほとんど食い尽くす。そして非常にうっ血しているため、患者は鼻に充満感があり、ズキズキし、燃えるようで、鼻血が出る事もある。あごや顔を通して痛みがある;この痛みは頭まで広がる。前頭や後頭の鈍い痛み;非常にひどい頭痛で、目は光に我慢できない;頭の中が裂けるような、破裂するような、拍動性の痛み。
さて、この薬には別の面がある。左に始まり右へと移る、どうしてかわからないが通常そうなる。鼻の左側が水っぽい刺激性の分泌液で詰まり、24時間以内に右側が侵略される。「多量の鼻の分泌液。湿った北西の風の後に風邪をひく」。異なった地域において様々な方向から風は来るので、これは湿った冷たい風の後の事である。穏やかな鼻風邪で、頭痛を伴い、涙が出て、食欲が無く、咳が出て、外気で震える。「毎年8月になると、朝、激しいくしゃみを伴う鼻風邪となり、花の香りや桃の皮に非常に過敏になる」。これはAllium cepaで治った花粉症の一つの形態である。症状が合えば2〜3日で花粉症の攻撃を拭い去るだろう。ご存知だろうが、花粉症の真の本質は一般的に理解されていない。それは誠に慢性疾患の延長に過ぎず、ソーラの現れであり、抗ソーラの治療によってのみ絶滅できる。短く働くレメディで、花粉症が1シーズンで消えたのは何度も見て来たが、それは次の季節に同じように戻って来て、おそらく別のレメディが必要となるだろう。花粉症が止まるとすぐに、体質の治療を始めねばならない。その追跡の仕方を知っていれば、急性の発病と全く違う症状があるだろう。花粉症がある時、それは現われない。それは急性疾患に似ているため、花粉症が最高潮の時、体質レメディを見つけるのは困難な事だ;だが、発疹や咳などのようなソーラの別の現われのように、それもソーラの具現である。鼻が、たとえばAllium cepaに合うかもしれない一つの季節における慢性疾患の、ある特定の様相だけを現すかもしれない。ある時、遠距離でAllium cepaを処方する機会があり、その人はホメオパシー薬局の近くに住んでいた。Allium cepaを私の患者に送るよう私は薬剤師に電報を打ち、薬剤師はラベルを貼った。で、患者はそのビンを保管し翌シーズンに使ったが、それはうまくいかなかった。それは症状が同意するように見える時でさえ、その事が起こりうる。ソーラの状態において、短かく働くレメディは不適当である;1日しか助けないかもしれない、そして花粉症とその他の症状同様患者を含めた深く働くレメディが投与されねばならないだろう。花粉症を扱う最善の時は、急性の発病が低下し、次の季節に再発するまでの間だ。そして大いに修正され、患者が今までと違う形が起こり、別のレメディを要するようになるだろう。それが、体質レメディが適切に選ばれた場合のケースである。
この鼻風邪は、炎症が耳、喉、喉頭まですぐ広がる。耳が痛い時、昔の母親たちは赤ん坊の耳に玉ネギを置いたものだ。このレメディに属する痛みを見れば、それに驚きはしない。耳管に向かう喉からの痙攣性の痛み。激しい耳痛、耳からの膿の分泌にさえ。額から耳に向かう縫われるような痛み。頭の中深くから太い糸が引っ張っているような痛み。百日咳や鼻風邪や喉頭炎を伴う、縫われるような、裂けるような耳の痛み。薬箱がある家庭では、Pulsatillaが耳の痛みには標準のレメディであり、たまに医者に行くだけなのは本当だ。Pulsatillaは耳に非常に強い類似性を持つので、痛ましく泣く過敏な子供のほとんど全員の耳の痛みを治すだろう。だが、不機嫌で全く合わず、欲しがった物を投げ捨て、子守りの顔を叩く子供はChamomilaに違いない。PulsatillaとChamomilaとAllium cepaで、子供の耳の痛みの大半は治す事ができる。
さらにAllium cepaの風邪に伴う目の症状に関して、目の分泌液は刺激がない事を覚えておきなさい。目の中がヒリヒリしても、頬をつたう涙は刺激がない。多量の非刺激性の涙。夕方、暖かい部屋で涙が出る。
玉ネギは鼓腸性の野菜である事は皆知っている。それは赤ん坊の疝痛のためのすばらしい薬である。切れるような、悲痛な、裂けるような痛みがあり、その可哀想な小さな子は約2倍の大きさになる。下腹部の激しく切れるような痛みで泣き叫ぶ。「腹が縫われるように痛い」「疝痛が肝部で始まり、腹全体に広がり、へその周りが悪化し、座ると悪化する」。風気疝。Allium cepaは百日咳のすばらしいレメディで、子供が消化不良、嘔吐、不快臭のあるガスが出て疝痛で2倍になるような鼓腸がよく起きる時、それが示される。Allium cepa はまた、嬰児において肛門がぼろぼろで、過敏な状態で、出血を伴う症状を治す。
声の急性の病状;カタル性の声枯れ;喉頭から多量の痰が出る。前に話した咳と喉頭の裂けるような痛みを伴い、喉頭の激しい炎症が非常に速く来る。何かが弛んで外れたような感覚として描写する人もいるだろう。もっと正確に描写する人は、咳をする度に喉頭を通ってホックが引きづり出されたように感じると言うだろう。声枯れを伴い喉頭内がくすぐったい。百日咳では、これと同じ喉頭の痛みがある。喉頭内の裂けるような痛みのため、子供は揺れて身震いし、咳をするのを怖がっているのがわかる。冷たい空気を吸う事から咳が出て、呼吸困難になるが、暖かい風は非常にくすぐったさを増すため、患者を必ず咳かせる。このように冷たい空気と暖かい部屋の両方で、咳は悪化する。風邪は気管支まで降りる事があり、熱と速い脈を伴う。喉頭内がくすぐったく、冷気を吸い込む事から咳をし、暖かい部屋で夕方に悪化し、喉頭内に裂けるような痛みを伴う事があれば、Allium cepaはそれを治すだろう。咳は発作的で、クループや百日咳に似ている。Cepaはクループ性の咳としての記録がある。医者がいない所では、おばあちゃんが裏の林に出て、クループの子供の首にきっと玉ネギを結びつける。そしてそれは旧体制の学派の治療よりずっとよい。
ここに、ガイディング・シンプトンからかなりよい描写がある;「声枯れ、耳障りで鳴り響く、発作的な咳、喉頭内で絶えずくすぐったくて興奮している。喉頭内に割れるような痛みがあり、非常に急性で、非常に激しいので、患者は苦しみからしゃがんで、なんとか咳を抑えようとせざるをえない」「激しい喉頭部の咳で、患者は喉を摑むしかない;咳で喉頭が切り裂けてしまうのではないかと思う」。子供は喉頭まで届いて摑むかもしれない。子供が乾燥した冷たい風にさらされ、夜中前に起き上がり、枯れた吠えるような咳をし、喉を摑むAconite の状態と、これは全く違う。よってAconite はAllium cepaの代わりにはなりえない。
このレメディがもつ素晴らしい力に関わる別の性向は、トラウマ性神経炎で、しばしば切断術後の切断部に合う。痛みはほとんど耐えられず、患者の強さをすぐに使い果たしてしまう。