Actea Racemosa (ブラック・コホシュ)

  このレメディーはわずがにプルービングされているだけであるが、その中には2〜3役立つ点がある。そのプルービングからヒトにおける疾患の状態、 特に女性に関するヒステリー性、リューマチ性の状態にに類似している事が知覚できる。患者はいつも凍え、寒さに影響を受けやすく、寒さや湿気た天候に敏感であり、リューマチの状態になったり、体中の筋肉や関節だけでなく、神経に沿ったリューマチの状態が進んだりする。一般的な神経障害において、意志のバランスに欠けたり、随意神経系に大きな障害があったりし、それはヒステリーに内在する特徴であり、症状はリューマチと混じり合う。痛みを伴い、全身があちこち痛む。筋肉の震え、しびれ、痙攣。体の筋肉に意志を使う事ができず、随意神経系内が混乱し、こわばりを伴う。

 風邪をひきやすく、そのため腺や、肝臓や子宮といった大きい臓器内が敏感になる。これらの臓器の病訴は、冷たく湿気た天候から (Dulcamara) や寒気がしてから起きる。患者は頭以外のあらゆる部分が寒さに敏感で、体の部位と一般面のどちらも、寒くなると悪化する。しかし頭痛は外気や寒さで改善し、これが例外と特異性である。というのは一般的な特徴は寒さで悪化するからである。

 身体面の状態と交互に、ひどい精神面の状態が起きる。それは圧倒的な悲しみや憂鬱で、 悲しみと共に頭を垂れる。PsorinumやPulsatillaのように、悲しみがひどく、座り込み、意気消沈する。この事はすぐに過ぎ去るか、あるいは引き起こされ、動きや恐怖、興奮、風邪をひいて悪化する。筋肉痛が起きることが非常によくあり、全身が打ち身の感じがし、引っ張られ、グイッと引きつける痙攣を伴う。この事はかなり突然弱まり、神経質でヒステリーな少女を悲しみの状態に置き去りにし、彼女は何も言わず座っているだろう。質問するとおそらく彼女は泣き出すか、色々な表現で悲しみに打ちのめされるだろう。頭痛と共に、顕著な悲しみがある。気分が変わりやすい。心身共に終始変わり続ける。他の症状は交互に起き変化する。その痙攣は、ヒステリー性リューマチの体質における舞踏病に似ていると治療家に思わせるだろう。リューマチは1日で舞踏病に変わるだろうし、また舞踏病は体中の筋肉痛を伴い続けるだろう。痙攣、痛み、しびれはいっしょに起きる事がよくある。

 舞踏病については、注意すべきある特定の特徴がある。感情的な状態に入った時か、寒くなってから、筋肉の震えが起きる。体のどこかが圧迫されると、その部分の筋肉に震えが起きるだろう。このような神経質でヒステリーな対象の一つは、舞踏病が続かないかもしれないが、一旦夜床に就くとすぐに、横になった方の全体が震え始め、眠れなくなる。もし仰向けになったら、背中と肩の筋肉が震え、眠れなくなるだろう。別の方向に寝返るが、しばらくして筋肉が圧迫されると震え始める。このような時、患者は非常に落ち着きがなく、神経質になるため、注意散漫になる。どこを向いても休めないのがわかり、頭ははあらゆる想像で一杯になり、体はあらゆる不快で一杯になる。筋肉が非常に痛かたり、しびれが起きたり、震えが起きたりして、少しも横になれない。このような事は奇妙であるが、それは患者に起き、一部だけでなく、有機組織全体に影響を与える。

 恐れ、苦悩、落ち着きのなさが多く起きる。死への恐怖、興奮、猜疑心。「何かおかしいと思い、薬さえとらないだろう」。神経質でヒステリーな女性に起きるような熱狂があり、産褥性躁病をこれで治している。分娩中または分娩後に風邪をひいてから起きた産褥性躁病。その症状は婦人病に関連する事がよくあるため、このレメディーは特に女性のためである。リューマチが消えてから起きた精神状態は、強い特徴である。リューマチは改善するが、精神面が悪化する。短時間でリューマチが消え、精神面は妨害されないが、腸内が非常に痛みを伴う下痢が起きるので、あるいは子宮が楽になることで精神面が出る。Abrotanumのように幾分楽になったり、不調が起きたりするため、月経の出血や下痢で楽になる;.さもなければ、精神面に疾患が起き、患者は鬱になったり、軽い精神面の興奮が起きたりする。ある症状は、前述の悲しみをかなり描写する。 「まるで黒い雲がそこら中にかかったかのような感覚」」がある一方、同時に「頭にかぶさる」ような重みがある。この事は全く比喩的である。「悲しみ」ということばで、すべて表現され得る。我々のテキストでは「憂鬱」とか「陰気」「意気消沈」などが貫くが、「悲しみ」ということばは、そのどれにも同様であるおおまかなものに過ぎない。

 頭痛はリューマチ性。「痛く、打ち身のような感じが頭全体にある。後頭部に打ち身の感覚。まるで、頭が飛んで行ってしまいそうに、頭頂に打ち身の感じがする」「まるで冷たい空気が脳の上を吹いているかのよう」。だが、これらの頭痛のほとんどは、冷たい空気中でよくなる。「風邪をひいてから、天候の変化から、寒く湿気た天候から、頭痛が起きる」。多くの頭痛がある。圧迫するような頭痛。多くの頭痛は非常に激しく、まるで稲妻がうなじに落ちたかのように表現される。うなじの痛み。ヒステリックな少女で、うなじがかなり痛い。頭痛と共に、眼球が非常に痛く「どの方向に動かしても痛い」「目の中が痛く、、頭の中が打たれたように痛い」。

 「腹部が痛く、打ち身のように痛い。下痢と便秘が交互に起きる。下痢と身体面の病訴が交互に起きる」。

 さて、このレメディーの大きな中核をなす女性生殖器だ。Acteaについてお決まりで言われる事は、分娩しやすくさせる事だ。どのレメディーに関しても、それは合理的な言葉ではなく、そのような表現は型にはまった実践を助長する。このレメディーが、証明できた症状に一致した妊婦に与えられる場合、分娩しやすくさせる事は真実である。しかし、その投与法は、それが示されていない場合や、症例に類似していない場合でさえ、患者がその影響下にいるまで、チンクか2Dか3Dで、ルーティンにされて来ている。しかし、ホメオパスは決してそのようにしない。一般的な状態の症状がレメディーに見られる時、レメディーは一般的な状態に合う。すべての症状が合うので、そうするという事を覚えておきなさい。

 「一方から他方に撃つように、子宮部に痛みがある。圧迫するようで、搾り取るよう」。この圧痛感は、一般的に患者に関連する他の状態すべてに起き、子宮脱に非常に有効なレメディーである。その部分の弛緩がある。症状が合う時、我々のレメディーはこの状態を治すのに十分でないと、仮定してはいけない。症状が合えば、このレメディーがいつでも子宮脱を治す事は本当だ。一般的に患者に合えば、この圧痛感はなくなり、患者は楽になり、最終的に検査は、その部分は正常だと示すだろう。子宮脱のために処方する事はできず、女性のために処方せねばならない。その症状におそらく50レメディーがあるので、一つの症状に対して処方できない。,

 このヒステリーなリューマチ体質において、月経障害がある。生理不順。多量だったり、抑圧されたり、少量だったりするかもしれない。出血中、深刻な痛みが起きる。血が流れるほど、痛みが増す。この事は非常に特異である。一般的に出血は痛みを和らげるのだが、このレメディーについては、出血中に痛みがある。一般的に最もひどく、最も痛みのある発病は、出血の始まりに起き、また女性だが、出血が終わったちょうど後に起きる。どの女性も自分自身に基準を置く。このレメディーにおいては、疾患は基準として月経の出血中に起きる。非常にひどい月経の症状、非常にひどいリューマチの症状や、非常に極端な四肢の震えや痙攣、不眠は、生理中に起きる。月経期にてんかんの発作が起きる。神経のあらゆる種類の疾患。生理中に、神経に沿って痛かったり、筋肉や関節が痛かったりする。精神面の症状が増す。寒く、凍え、包まっていなければならない。「リューマチ。月経困難症」「子宮や卵巣部の痛み。歩行困難で、打ち身のような感じがそこら中にあり、生理痛がある」、そして誰かが「リューマチ性月経困難症」という名前をつけた。悪くない名前だ。 

 妊娠中の多くの症状。このように神経質で、リューマチ性で、そわそわした女性で、筋肉の震えを伴うような体質で、あらゆる状態を治す。非常に顕著に患者の疾患が交互に起きるため、その交互性は患者の症例の本質において起きる。患者の問題の残りは全てなくなり、代わりに吐き気が起きるのがわかるだろう。何年もの間ずっとヒステリーな体質だったのだが、妊娠してからはずっと吐き気が起きる。1組の症状が極めて深刻になった時、他のは一時的に弱まり、そのためPulsatillaのように変化するのが見つかるだろう。しかし、患者のイメージを得るよう、症状は集合的にとるべきだ。ある女性が今日はある一群の症状でやって来て、数週間後全く違ったグループで戻って来るかもしれない。これらは非常に厄介な症例で処方しにくく、何度も症例をとり、まるで1日に患者がその全部を感じたかのようにひとまとめにし、それで処方する。ヒステリーな患者は、このような症状の変化があり、また医者に嘘をつくので、取り扱いにくい。

 「分娩の初段階にブルブル震える。分娩中ずっとヒステリーが現れる」。陣痛が全く無くなったり、不規則になったりするためよくない。子宮口が開かない。しかし規則的に陣痛が起きたら、重要な症状がいくつか起きる。痛みが起き、順調に終わりそうに思える。3分の2くらいまでは規則的に続き、突然叫び声をあげ、腰をつかむ。痛みは子宮を離れ、腰に来て、腰に痙攣が起き、患者は擦ったり、ゴロゴロ動いたりせねばならない。この薬は陣痛を規則的にし、次の陣痛が起きたら、終わりまで固定させる。患者が分娩中に非常に感受性が強くなるため、部屋で感情的な話しをするというふううに、感情的になりやすい場合や、何か興奮が起きた場合、陣痛は止まるだろう。分娩が終わったら、帯下ができ、まるで風邪をひいたかのような原因から帯下が止まり、痙攣や厄介な後陣痛が起き、母乳は抑圧され、全身が痛く、打撲のような痛みがあり、熱が出る。このレメディーはCaulophyllumと比較すべきである。Caulophyllumは女性の生殖器系が弱いという症状がある。

 弱さのため、不妊だったり、妊娠初期に流産したりする。分娩中、子宮の収縮が弱すぎて、中身を出す事ができないで、ただ苦しむだけ。月経中に分娩痛のような痛みが起き、股や脚、足や足指にさえ、引っ張られるような痛みが起きる。子宮無力症から、子宮出血が起きる。筋肉や靭帯の弛緩。重く、子宮脱さえ起きる。子宮退縮不全。 皮を剥ぐような帯下。月経は早過ぎるか、遅過ぎる。患者は寒さに敏感で、暖かい服を着て、Pulsatillaと全然違う。ヒステリーでIgnatiaのようである。気難しく、不安。リューマチがあり、Acteaのようで、小さい部分だけが影響を受ける事が多い。,後で後陣痛が起き、それが鼠蹊部に感じられる。リューマチ性のこわばりが背中にあり、背骨が過敏である。眠れず、落ち着きがなく、その上とても興奮している。このレメディーは、生理が遅れる場合の、思春期の舞踏病を治している。

 そのような感情的な人が、そわそわし、脈が速く、心臓が不規則な動きをするのに、驚く必要はないが、そのヒステリーの最も顕著な特徴は、心臓の動きがどうであれ、妨害なく存在する。「まるで心臓が痛くて、まるで大きくなったかのような感じが、心臓部にある」。

 「後頭と首が痛い」。うなじの筋肉の収縮から、頭が後ろに引っ張られる。激しい痛みが背中を下りる。背中のリューマチ。背中の筋肉の収縮のため、仰向けに寝られない。 筋肉が収縮したり、震えるため、横向きに寝られない。「四肢のしびれ。震える。痛い」。

 神経の症状は先に述べたように、単に繰り返しになる。「ヒステリーな発作。痙攣。脚が震え、ほとんど歩く事ができない」。しびれは麻痺と関連する。麻痺性の衰弱。

 最良の効果は30c、200c、1000c以上のポテンシーから得られており、薬の使用法は1回の投与である。

 これはBlue Cohoshの症状にいくつかと似ている。.Puls.やSepiaやNatr. mur、Lit. t.,、Caulophyllum、Ign.と比べなさい。

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