作用の手法を示す症例

マーガレット・タイラー、ジョン・ワイア共著

症例 I

 Bさん(女性)、52歳。20年間紅茶を多量に飲んでいる。胃がかなり痛く不快で、食後すぐにガスが出て、次の食事までに徐々によくなり、腹の中がゴロゴロ鳴る。食欲が少なく、排便は正しく規則的。
 欲望ー塩、甘い物 
 嫌悪ー脂、酸味 
 ほてり、発汗を伴う、それで楽になる

たいへん細い;興奮しやすい人ー神経過敏な人
更に調べて、非常に寒がりなのがわかった。

一般面 GENERALS
 大変寒い。<春、<雷雨の前と間 
 苛立ち、朝。
 不安、人が 
 恐れ、強盗:何かが起きそう:群衆:窒息、だからトンネルも 
 我慢できない 
 猜疑的 
 非常に過敏:すぐ気分を害する`;ちょっとした音ですぐびくっとする 
  寒い患者  – 削除する症状として使う:次のリストに寒いレメディーだけ出してある。
 恐れ: 何かが起きそう(ケント・レパートリー p. 45) Alum., Ars., Calc., Carb-v., CAUST., Graph., Kali-ars., Kali-p., Mag-c., Mang., Nat-a., PHOS.
 恐れ:窒息  (p. 47) – Carb-an., Phos., Stram..
 恐れ:群衆 (p. 43) – Aloe, Ars., Bar-c., Calc., Carb-an., Caust., Con., Ferr., Graph., Hep., Kali-ar., K-bi., Kali-c., Kali-p., Nat-a., Nat-c., Nux-v., Phos., Plb., Rhus-t., Stann.
 不安、人の事が (p. 7) – Ars., Bar-c., Cocc., Phos.
  猜疑的  (p. 85) – ARS., Aur., BAR-C., Bar-m., Bell., Bor., Calc-p., Carb-s., Canth.,    CAUST., Cham., Chin., Cimic., Cocc., Con., Graph., Hyos., KALI-ARS., Kali-p., Mur-ac., Nat-a., Nat-c., Nit-ac., Nux-v., Phos., Plb., RHUS-T., Ruta, Sep., Sil., Stann., Staph., STRAM., Sul-ac., Viol-t.
 気分を害しやすい  (p. 69) – Agar., Alum., Ars., Aur., Bor., Calc., Camph., Caps., Carb-s., Carb-v., Caust., Cham., Chel., Chin., Chin-a., Cocc., Cycl., Graph., NUX-V., Petr., Phos., Ran-b., Sars., Sep., Spig., Stram., Zinc.
  < 接近、嵐  (p. 1403) – Agar., Aur., Caust., Hyper., Kali-bi., Nat-c., Nit-ac., Petr., Phos., PSOR., RHOD., Rhus-t., Sep., Sil.
  < 春  (p. 1403) – Aur., Bar-m., Bell., Calc., Carb-v., Chel., Colch., Dulc., Hep., Kali-bi., Nux-v., Rhus-t., Sars., Sep., Sil.
  嫌悪、脂  (p. 480) – Ars., Bell., Calc., Carb-an., Carb-v., CHIN., Chin-a., Colch., Cycl., Bell., Hep., Nat-c., PETR., Phos., Rheum, Rhus-t., Sep.
 嫌悪、酸  (p. 480) – Bell., Cocc., Ferr., Ign., Nux-v., Ph-ac., SABAD.
 欲求、塩  (p. 486) – Calc., Calc-p., CARB-V., Caust., Cocc., Con., Nit-ac., PHOS., Plb.
  欲求、甘い物  (p. 486) – Am-c., Arg-m., Ars., Bar-c., Calc., Carb-v., CHIN., Chin-a., Kali-ars., Kali-c., Kali-p., Nat-c., Nux-v., Petr., Plb., Rheum., Rhus-t., Sabad., Sep.

 コメント。症例を貫く主要レメディーはArs., Calc., Caust., Nat-c., Nux-v., Phos., Rhus., Sep.である。その価値に応じて違ったタイプにする (大文字 = 3 ; 斜体 = 2 ; 普通 = 1) ; Ars.は16の中8回現われる appears 8 times to value of 16 = Ars. 816 , Calc. 814, Caust. 713, Nat-c. 69, Nux-v. 69, Phos. 1018, Rhus-t. 712, Sep. 611.
患者の体質はArs.かPhos.だと思われる。
このように患者の一般面の症状を考えただけで、この2つのレメディーに来る。
胃の痛みは、暖かい飲み物で悪化し、一般的には患者に合っているワインでさえ、寒くて諦めねばならず、Phos.の患者のように胃の疾患があるのに冷たい飲み物(氷でさえ)を欲し、Ars.が残る。
Ars-alb. 30 – 6時間毎に3回の投薬。
(何年もあった)痛みは数日でよくなり、数週間後ほとんどよくなり、興奮もずっと少なくなった。
この症例は、精神面、気候、食べ物の欲求と嫌悪における一般面の重要性を示している;いかなる価値でも、その全てが顕著に存在しなければならない。

症例 II

 Wさん(女性)、58歳ー1910年12月6日ー 10代の頃から続いている頭痛。通常、毎月少なくとも2日は寝込む(定期的ではない)。まるで鉄の入れ物の中にいるかのように、頭のどこもかしこも重く、接触に過剰に敏感で、左側のこめかみがかなりズキズキする。
< 暖かい部屋;太陽にさらされる;暖まったら;東風;接触 

>休息;一人;静かさ;横になる
閉経2年前。きばると引き下ろされる感覚があり、内部が燃えるようで、膨張感がある。

胃ーかなりの食欲;魚が嫌い;油分を欲する
腸;便秘 
一般面 
精神面ー恐れ;暗闇、泥棒。常に急ぐ。印象全てに非常に過敏。気分屋: < 慰め(怒る

気候ー< 暖かさ (気絶しそう:夏ー太陽にさらされて。ほてり、汗を伴う熱。< 雷(髪の毛が逆立ち、ひどい頭痛がする

暖かい患者 ーそれゆえ、下記は暑さに影響される薬を含む物のリストのみ。
< 慰め  (Kent, p. 16) – Lil-t., Lyc., NAT-M., Plat., Thuj.
恐れ、暗闇 (p. 43) – Calc-s., Lyc., Puls.
   泥棒  (p. 47) – Arg-n., Lach., Nat-m., Sulph.
急ぐ (p. 52) – Aloe, Ambr., Apis, Arg-n., Bry., Calad., Calc-s., Grat., Iod., Kali-s., Lach., LIL-T., Lyc., NAT-M., Op., Ptel., Puls., SULPH., Thuj.
< 雷 (p. 1403) – Bry., Lach., Lyc., Nat-m., Puls., Sulph., Thuj., Tub.
< 夏  (p. 1404) – Arg-n., Bry., FL-AC., Iod., Lach., Lyc., Nat-m., Puls., Thuj.
気絶しそう、暖かい部屋  (p. 1361) – Lach., Lil-t., Lyc., PULS.
気絶しそう、混んだ部屋 (p. 1359) – Nat-m., Sulph.
嫌う、魚 Averse fish (p. 480) – Nat-m., Sulph.
欲求、油分  (p. 485) – Sulph.
特別、頭痛 
< 太陽  (p. 149) – Aloe, BRY., LACH., Nat-m., PULS., Sulph.
< 暖かい部屋 (p. 151) – Aloe, APIS, Bry., Coc-c., Croc., Ferr-i., Iod., Kali-s., Led., Lil-t. Lyc., Nat-m., PLAT., PULS., Spong., Sulph.
< 接触 (p. 149) – Bry., Grat., Led., Lyc., Nat-m., Sabin.

横になる(p.142)- Bry, Calc-s, Coc-c, Fer-i, Fl-ac., Lach, Lyc., Nat-m., Spong., Sulph.

圧迫 (p. 145) – Apis, Arg-n., BRY., LACH., Lil-t., Lyc., NAT-M., Nicc., PULS., Sabin., Sulph., Thuj

Bry. 814 ; Lach. 817 ; Lyc. 1015 ; Nat-m. 1222 ; Puls. 819 ; Sulph. 1016 .
注釈。Nat-mur.がこの症例に合いそうだ。高い得点のためだけでなく、患者のタイプに一致するためである。Nat-mur.は顕著に油分を嫌うが、この患者は欲している。しかしこの理由でこの薬を除外しないし、欲求と嫌悪は一般面の症状であるが、度合いでは精神面の症状よりずっと低いランクである。慰めで悪化にような顕著で強い精神面の症状は、より重要性が少ないものの多くを除外するだろう。またPuls.は顕著な慰めで悪化のため、どんなに得点が高くても、この症例に全く合わない。レパートリーの作業は、決して機械的ではなく、マテリア・メディカを調べるための案内にすぎない。

1910年12月9日 – Natrum-mur. 200, 3回
1910年12月15日 – 粉をとって3日後、頭痛の顕著な悪化が起きる。
1911年2月14日 – それ以来ひどい頭痛はない。重い感じや閉じ込められた感じもない。投薬後、腸は自然に動き始めた。ほてりはほとんどない。一般的にずっとよい;流感後に起きていたが、あやふやでなく、以前は回復に何週間もかかっていた。投薬なし。
1911年2月20日 – 寒気のためひどい疝痛が起き、頭痛が戻って来たが、1日だけだった。 Natrum-mur. 200, 3回。
1911年4月7日 – 前回の記録以来、本当の頭痛は起きていず、わずかにあるだけ。閉じ込められた感じはない。腸は全く規則的。燃焼を伴う引き下ろされる感じと、膨張は全くなくなった。ほてりなし。投薬なし
1911年5月16日 – 横になり始めに、少し目眩がするが、すぐになくなる。ひどい雷でも頭痛は起きない、以前は寝込んでいた。一度もそのような感覚は起きていない。腸はまだ調子がいい。
 一般的に人それぞれ違い、より明るく、ご主人が別人といっしょに住んでいるようだと言った。Nat-m. 200, 3 回。
1911年12月27日 – わずかに頭痛の気配があるが、何も起きない。新しい生き物のような感じがする。もっと働ける。とてもエネルギーがある。健康は一般的に良好。前回以来、投薬をしていない。

症例 III

     Cさん(女性)、35歳ー1910年6月13日ー20年来不眠;極端な音楽の練習から起きた。睡眠薬は全く取っていない。夜かなり目が冴え、脳が始終活発で、特に明かりが消えた後に頭が活発になる。持続する旋律でずっと起きている ; 寝床について3時間ぐらいしか寝られない; うとうとして寝床についたとたん眠くなった時でさえ、ほんのかすかな明かりで目が覚めてしまう。夢はいつも見る;悪夢。
一般的に健康状態はずっといい。
喉:無痛の声枯れ:風邪は全てここに飛んで来る。
胃:食欲はよい。油分と牛乳を嫌う。氷や冷たい食べ物を欲する。寝床に着くとすぐに空腹感なく空っぽになり、そのため眠れない。> 食べる。午前11時に空になる。
月経:正常。
精神面:音楽に非常に興奮する:苛立ち:我慢できない;不満。恐れ;人ごみ;囲まれる事;火;窒息感。人に対して無関心、特に親戚に。落ち込みやすい。
凍え:寒さが嫌い ; < 雷雨
凍えは「削除する症状」として使い、暖かいレメディーをすべて削除すると、次のリスト全てになる

無関心、関係 (Kent, p. 55) – Hell., Hep., Nat-c., PHOS., SEP.   
恐れ、群衆 (p. 43) – Ars., Aur., Bar-c., Calc., Carb-an., Caust., Con., Ferr., Ferr-ars., Graph.,
Hep., Kali-ar., Kali-bi., Kali-c., Kali-p., Nat-a., Nat-c., Nux-v., Phos., Plb., Rhus-t., Stann.   
恐れ、窒息  (p. 47) – Carb-an., Phos., Stram.   
恐れ、火 (p. 45) – Cupr.   
< 雷  (p. 1403) – Agar., Aur., Caust., Hyper., Kali-bi., Nat-c., Nit-ac., Petr., Phos., PSOR., RHOD.,
   Rhus-t., Sep., Sil.   
嫌う、油分  (p. 480) – Ars., Bell., Calc., Carb-an., Carb-v., CHIN., Chin-a., Colch., Cycl., Hell.,
   Hep., Nat-c., PETR., Phos., Rheum, Rhus-t., Sep.   
嫌う、牛乳  (p. 481) – Am-c., Bell., Calc., Carb-v., Guaj., Ign., LAC-D., Mag-c., NAT-C., Nux-v., Phos.,    Rheum, Sep., Sil.   
欲求、冷たい食べ物  (p. 484) – Am-c., PHOS., Sil., Zinc.   
欲求、 氷 (p. 485) – Calc., PHOS.   
空腹、午前11時. (p. 488) – Alumen, Nat-c., Phos., Sep., Zinc.   
空腹、空腹感なしで (p. 489) – Agar., Alum., Ars., Bar-c., Chin., Cocc., Dulc., Hell., Mur-ac., Phos., Rhus-    t., Sil., Sul-ac.   
不眠、寝床に行った後で(p. 1252) – Bor., Carb-v., Mag-c., Phos., Ph-ac.   
同じ考えがいつも繰り返えされる  (p. 1254) – Bar-c., Calc., Coff., Graph., Petr.   
声枯れ、無痛 (p. 760) – CALC., CARB-V., Caust., Phos.   
  = Calc. 611 ; Nat-c. 610 ; Phos. 1224 ; Sep. 510.

注釈。音に敏感、我慢できないなどのような大きいルーブリックは、競い合うレメディーが全て含まれるため、省略されている。

Phos.は最高に示されているだけでなく、関係に無関心という重要な特別な症状があり、(火以外の)恐れ全て;顕著に氷を切望する。

1910年6月16日 – Phos. 10Mを6時間毎に3回投与
1910年7月4日ー「よく寝られるようになり、夜もずっと気持ちが静かだ」と書いてきた。投薬なし。
1910年7月27日ー「一般的にずっといい;不安な時にさえ、よく寝られる。いままでの半分しか疲れない;午前11時にさえ空腹感がない;夜、頭の落ち着きのなさが無くなった;持続する旋律も考えもなくなった;あまり夢を見なくなった;極めていい」。投薬なし。
1910年10月10日ー外国へ大変な旅に出るので、Phos. 10Mを6時間毎に3回とる。
1911年1月27日ー「完璧によく寝られ、あらゆる点でずっとよい;夜、持続する旋律はなく、ほとんど夢も見なかった」。 投薬なし。
1912年1月14日 – 「今でもよく寝られるし、全く何も不調はない」 投薬なし。

症例 IV

 Bさん(男性)28歳ー1910年5月6日ーこの3年腹部が痛く、膨張し、特に午前6時か午後4時に起きる;まるで気泡が中にあるかのよう; ずっと炭酸ナトリウムをとっている。膨張は食後ではない。放屁(不快臭) ; >暖かい飲み物。朝6時に痛みで目が覚めるまでは、よく寝ている。
食欲はよい;特に欲する物や嫌う物はない;幾分胸焼けがある
一般的なリューマチ性の痛み;特にモダリティーはない。
天候の状態に影響を受けない。
精神面:< 怒ると自分の中にこもる。気にしないし、心配しない。怒りっぽいが自制する。集中力が弱い。 Lycop. 1Mを6時間毎に4回投与 1910年5月19日ーわずかな効果もなかった。追加の症状が出た。特に午前6時の痛みが波や発作的に起き、腹に膝を近づけねばならず、そのために不快でまるまる。 < 怒ると。> コーヒー。口論で、腕にすぐ痙攣が起きる

腹部 
 痛み <午前6時 (Kent, p. 555) – Coloc., Ox-ac.   

< 午後4時 (p. 555) – Caust., Coloc., Bell., LYC., Mag-m., Phys.        

< 怒り (p. 556) – Cham., Cocc., Coloc., Nux-v., Staph., Sulph.    

>コーヒー(p. 557) – COLOC.

Coloc. 1Mを6時間毎に4回投与。

1910年5月27日ー2〜3日ほとんど調子がいいー 投薬なし。
1910年6月3日ー「全く悪い所はない」 投薬なし。
1910年6月29日ー今では午前6時に目が覚めなくなった;午後4時に痛みはなくなった。完璧に寝られる;しかし、まだガスがある;胸焼けはない;膨張はほとんど残っている;リューマチの痛みはなくなった。だがほとんどいい。 投薬なし。
Coloc. 10Mを6時間毎に4回投与。
1911年6月18日ー はじめ患者をある程度怒らせたが、その後完全によくなったと、母親が報告してきた。特に問題なし。
注釈。作業できる特別性が何もなかったが、2度目の訪問まで得られなかったが、それは非常に明確だった。
Lycop.は午後4時に悪化が起きるし、一般的に怒った後悪化し、そして放屁で改善する。それゆえ、特別性に対して処方するのが非常に難しい事がわかる。ヘーリングの「我々の道具に3本の足」があったが、それは十分出なかった。

症例 V

     A. M.さん (32歳)。1911年9月30日ー (外来患者の症例)。生まれつきの頭頂と目の頭痛。ひどくなっている。3日から3週間続く。非常に酷く、どうしていいかわからない。寝ると悪化する。頭が敏感で、接触に耐えられない。10時間ほど気分が悪く、10分毎に嘔吐。いつも頭痛がする。食べられないので、非常に弱っている。

「発作前に気分がよくなる」 

 家族の歴史はよいし、一般的によい家系だ。何にもましてよい。枕に頭を埋める。目はよく、最近テストした。舌はギザギザ。食後、窒息感があり、そのため頭痛がひどく悪化する。

嫌う:油分、牛乳。
午後8時非常に眠い。興奮した夢。円形脱毛症。
<暑さ:雷:睡眠。鬱< 慰め。一人でいたい。
暑さで悪化は削除する症状として使われ、寒いレメディーを全て除外したのが、下記のリスト。 

< 慰め(p. 16) – Lyc., Merc., NAT-M., Plat., Thuj.   
< 雷(p. 1403) – Aur., Bry., K-bi., Lach., Lyc., Nat-m., Puls., Sul., Thuj., Tub.   
嫌う、油分t (p. 480) – Bry., Merc., Nat-m., PTEL., PULS., Sul.   
嫌う、牛乳(p. 481) – Bry., Puls., Sul.   
頭痛< 睡眠 (p. 148) -Arg-n., Aur., Bry., K-bi., LACH., Lyc., Merc., NAT-M., Puls., Sul., Thuj.

  = Lach. 25, Lyc. 35, Merc. 34, Nat-m. 49, Puls. 47, Sul. 47, Thuj. 34

 Puls.は「慰め」テストで決して除外に来ないし、患者の外見からも来ない。Nat-m.とSul.が残る。典型的な Nat-mur.の様相であるので、Nat-mur. 30を6時間毎に4回投与

 10月21日ーこの3週間頭痛で寝込んでいないし、病気でもないが、患者自身あまり調子がよくない。風邪をひき、重く鈍い。投薬しない。

 11月11日ー発作の恐れがあったが、消えた。以前だったら、1週間は寝込んでいた。患者はより強く、明るく、物事により心を注いでいる。睡眠は重くなくなり、夢は同じ。髪の毛も同じ。投薬なし。

12月7日ー今月3日に胆汁性の発作があったが、病気にはならず頭痛だけだった。同じ特徴。投薬なし。

1912年1月4日ー前回以来4回発作があり、2回はひどかった。同じ特徴。 Bry. 30を3時間毎に6回投与。 注釈。患者の苦しみを不必要に増加させがちなので、慢性疾患の急性の悪化の間に、慢性のレメディーを処方する事は、決して利口な事ではない。このような状況では、直のモダリティに対応するより表面的なレメディーを処方する。たとえば Nat-murの症例ではBry.を、Calc-c.の症例ではBell. を、など。
1月11日ー頭痛だが、食べられない。Nat-mur. 200を6時間毎に4回。
2月1日ー以後、発作はない。重労働にも関わらず、気分がいい。投薬なし。
2月22日ー2ヶ月頭痛が起きていない。すぐ消化不良を起こす。気分がいい。投薬なし。
3月14日ー以後、わずかな頭痛が起きるだけだが、仕事を止める事ができ、またよくなる。投薬なし。

症例 VI

 R.G.さん(女性、20歳)。 (病院の外来患者)ー1912年2月15日ー風邪をひくと背中が痛い。頭頂が燃えるように痛く、>目を閉じる。日常、頭痛で気分が悪く、月経で悪化。この4年間、咳が出たり、止まったりしている。始終、病院で治療を受けたり、プライベートで受けたりしている。咳が止まらない。痛くない。痰はない。「暑さで悪化」。
暖かい部屋で気絶しそう。慰めで、落ち込む。音で苛立つ。そわそわする。

< 暑さ(リストから寒いレメディーを除外するための削除の症状として使用)   

< 慰め (Kent, p. 16) – Lil-t., Lyc., NAT-M., Plat., Thuj.   

音、苛立つ (p. 59) – Iod., Nat-m., (後にレパートリーに追加)

気絶、暖かい部屋 (p. 1361) – Lach., Lil-t., Lyc., PULS.   

気絶、人ごみ (p. 1359) – Nat-m., Sul.   

頭痛>目を閉じる (p. 137) – Aloe, Bry., Iod., Nat-m., Plat., Sul.   
痛い、燃える、頭頂 (p. 177) – Bry., Lach., Nat-m., Nat-s., Sul.   
痛い、燃える、頭頂、月経中 (p. 177) – Lach., Nat-m., Sul. 

  = Bry. 24 ; Lach. 36 ; Lyc. 22 ; Nat-m. 611 ; Sul. 47.  

Nat-mur. 30を6時間毎に4回投与
1912年3月14日ー患者自身かなりよくなった。ほとんど頭痛がない。頭頂の燃える感じもない。背中の痛みもなくなった。咳もなくなった。何年も咳から解放されていなかった。 投薬なし。

 もちろん、先の症例のように明らかに顕著な精神面や他の一般面の症状が得られない症例は、山ほどあり、そこでは「削除する」目的で早すぎに症状を取らないように、あるいは不十分な原因で薬をたたきださないよう注意すべきである。もしそうしたならば、ほとんどの場合おそらくSepiaに到着してしまうかもしれず、しばしばより悪化させるだろう。

 もし非常に明確であったならば、最小の注意が助けとなる。ある人は、日中完全に元気だが、夜は煉獄となる。ある人は日中痛いが、夜は完全に大丈夫だ。ある人は惨めに気分が悪く疲れるが、夜休むと何もなくなる(これを確かめるのが大切だ!)そして日が暮れるとかなり元気に感じ、疲れただろうと思う晩になると心身共に明るくうれしくなり、仕事の準備ができる。他の人は晩になると倦怠感や無力感、全ての苦しみが起き、日中は骨折れも疲労困憊もない。これらは重要な一般性で、薬を識別するのに非常に役立つ。時計の表面のまさのその時間がある薬もあれば、非常に顕著に周期的である薬もある。ところで、晩に悪化する人はLycopodiumでうまく行く才能がある。.

 湿気から悪化や乾燥した天候から悪化は、根深く 、非常に重要である。もし患者に強く目立つのであれば、削除する症状として使用できるかもしれない。「 雨が降っているので10歳若く感じる。関節が全てゆるく、自由に動ける」と数年前にある患者が言った。一方、ちょっとしたにわか雨で、こわばり痛む人もいる。ケントのレパートリーにないが、小さく重要なリストがある。患者は湿気た天候で改善するpatient better in wet weather – Alum., Ars., ASAR., Bell., Bov. BRY., Carb-an., Carb-v., CAUST., Cham., Fl-ac., HEP., Ip., Laur., Mang., Med., Mez., Mur-ac., Nit-ac., NUX., Plat., Rhod., Saba., Sep., Sil., Spig., Spong., Staph., Sulph., Zinc. (実際には、リューマチの痛みが湿気た天候で改善する、Caust.、Hep.あるいはNux-v.)。「天候の変化から悪化する規則がある事を期待するリューマチにおいて、ないのな特殊になる。患者が天候の変化に影響されないのは、Dulc., Nux-mos., Phos., Ran-b., Rhodo., Rhus., Sil., Tubercを除く。そして患者が湿気た天候に影響されないのは、 Calc., Merc., Nat-c., Nat-s., Rutaを除く」とG.ミラー博士は述べている。

     * ケント博士は彼のレパートリーで「乾燥した天候で悪化 Dry weather agg.」 p. 1357と「寒く乾燥した天候で悪化Cold dry weather agg」p. 1349で、このルーブリックを示している。

 そして、水浴びに全く我慢できない患者がいる。 皮膚上に水が流れるとすぐ、気絶しそうになったり、実際気絶するため、「断面で洗う wash in sections」事をさせられる、という表現を使う。 少ない度数である一方、入浴後に惨めに弱く感じたり、気分が悪くなる人もいる。このような症状は非常に顕著であるに違いなく、明確に千鈞の重みをおくか、または薬を除外するが、それらは非常に手助けになり、最終的にPuls.とSulph.のどちらかの一票を投じるかもしれない。

 最後にあまり重要でないものに、患者の病名が来る。もしあなたがしたければ、本当に最後に見るといい。 甚だしく偏りのない薬を選んだ事を確認できて、嬉しくなるだろう。もし患者が喘息患者であったならば、患者の症状が要求する薬がひどい喘息の症例を何度も治して来た事を知って、患者はほっとするだろう。しかし、患者の症状が同種として、喘息を治して来た記録のないレメディーが大声を上げたならば、それらがいたずらをするだろう。薬が病変を作り出すのに全部十分遠くに押さなければ、偶発的な毒作用の症例を除いて、それらの声は概して、機能より深く伝わる事はない。しかし、正しい薬を得、必要な刺激が得られたら、確かに長期間、十分深く有機体の反応が見られるだろう。そうすれば、もう「干渉しない!」。あえて干渉する前に、まさに明確な叫びをしばらくの間待つ。何ヶ月も待たねばならないかもしれない。じゃ、待ちなさい!自分を治癒するのは、患者自身である事を覚えておきなさい。薬は患者を治癒できない。薬は生命の反応を始めるよう刺激するだけなのだ。治癒できる反応が進行している限り、邪魔する事は無分別で罪である。こうする事は自分の仕事を押しつぶし、経験を無効にし、心を粉々にする。患者がよくなっている限り、患者をありのままにさせ、「退歩が始まるまで」余計な世話をしない事だ。退歩は、リピートか、あるいは症例を考え直す事ができる始めの瞬間である。少し早いより、少し遅い方がより安全である。「ゆっくり速く行」かねばならす、他の方法はない。

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