Kalium Iodatum(ケーライアイオド/ヨウ化カリウム)

 このレメディは抗乾癬と抗梅毒の薬である。これは抗梅毒として、旧学派によって非常に広範囲に渡って使われて来たが、 旧学派が非常に大量に投与して来た事で、それが有機組織上に作り出され、そのマヤズムを植え付け、多かれ少なかれ、それによって多くの梅毒を抑圧するすさまじい効果のために、それは、疾患に対しひどく広がるアロパシー薬となった。最強の物質の薬は、一般的に、疾患に対するホメオパシー的な関係があり、類似している場合には、そのまさに最小の一服で治す。薬が十分に似ていない場合に、そのような形で投与を増やして行くのはホメオパシー的ではない。投与を増やせば、レメディをよく似させられるという流行りの考えがある。それは基本から遠のく。レメディが似ていなければ、似させられる薬の形はない。

 様々な梅毒にかかった後の、腺状構造と骨膜に影響する。カタル性炎症を作り出す。深く働く薬で、Mercuriusに親密に関連している。それはMercuriusのように、潰瘍とカタルの状態、そして腺に影響がある。それはMercuriusに似た働きをし、それを解毒する。

 カロメル(塩化第一水銀)やブルーピルを、胆汁の疾患のために常にとって来た高齢者は、そのうち度々、鼻風邪、便秘、肝臓の痛みと障害、胃の異常の対象となり、Mercuryをもう1服とらねばならない。このような症例のいくつかは、このレメディを必要とする。非常に下手なホメオパスの近くで、薬を実習していたら、ほとんどの風邪と喉の痛みに対し、BiniodideかMercuryを準備をしているのを見るだろう。これは、このような患者全員に、天候の変化への過敏さを確立し、彼らは赤い水銀の粉をとり続ける。その何人かはそれをポケットに入れて持ち回る。しかし、この赤い水銀の粉をとればとるほど、しょっちゅう喉の痛みと風邪が来る。多くの場合、ポテンシー化したKali iodか、Heparを取らねば、このような問題は解決できないだろう。HeparとKali iod.は、そのような患者に必要な2大基本薬である。風邪や喉の痛み、天候の変化へのこのような感受性をを伴う個人で、水銀の影響から水銀の状態に入ってしまった人は2つの方向に走る。いつもブルブル震えて寒く、火の周りを離れないで、暖かくならない人はHeparが必要で、そして暖かくすぎて、布団を取りたがり、動き続けたがり、極端に落ち着きがなく、じっとしているととても疲れる人は、Kali iod.に解毒される水銀であろう。水銀の状態は解毒されるだろうが、いくつかの処方や、注意深く選ばれた一連のレメディをとる時がある。慢性状態にある乾癬は、水銀によって引き起こされたこのマヤズムの状態から外れるまでは、それ自身姿を現さないだろう。驚いた事にいかに多くの老若男女が、水銀が作り出すマヤズムに屈服している事か、そしていまだその処方が行なわれ、その水銀の形を与えており、ホメオパシーを実践していると言う。処方方法についていまだ学ぶ事は多いと私は言わざるをえない。

 このレメディは特別な精神状態がある。非常に強い度合いの苛つき、残酷さ、気質の辛辣さがある。自分の家族や子供に対し、辛辣に罵倒する。上品さの感覚を心からすべてを取り去り、悲しく涙もろくなる。極端に神経質で、あちこち歩き回らねばならない。暖かい部屋にいると弱わって疲れ、まるでわずかでも動く事ができず、動きたくなく、自分がどうしたのかわからないようである。家の暖かさで悪化するが、外気に出るとすぐによくなり、歩き始めるやいなやよくなり、疲れずに長く歩ける;また家に入ると衰弱し、疲れ、へとへとになる。休む事から神経と知能の疲労が起きる。

 頭は時々、梅毒に見られるような何か特別な事が現われ、他の症状が合えば、このレメディが制御する。神経性梅毒で、高齢で、長く立っているケースで、両頭蓋頭頂部が痛い。頭蓋頭頂部の骨の痛みは、頭の両側から来て、まるで万力で押しつぶされるように、頭の両側にひどく押された、脈打ち、圧迫され、引き裂かれそうな痛みがある。それらは家の中で悪化し、暖かさや動きから改善し、また外気の中を歩いて改善する。頭の中すべてに、ナイフが突き刺さったような、爪が食い込んだような痛さがある;頭蓋の中、こめかみ、目の上、目のすべてに突き刺すような痛みがある。頭蓋骨膜が敏感になり、小さいこぶでいっぱいになる。頭皮は結節性皮疹や、結核性皮疹、梅毒性皮疹で破れる。「潰瘍化しているかのように、頭皮は掻くと痛い」「髪の色が変わり、抜ける大きな傾向」。痛い部分の冷たさ。

 梅毒のケースを見ると、視覚障害がよく見られ、最終的に虹彩炎になる。それらはホメオパシー的に治療できる。非常に深刻な特徴がある梅毒性虹彩炎が、StaphysagriaやHepar, Nitric acid、Mercurius、Kali iod、その他の多くのレメディで治ったのを見てきた。炎症の過程はすぐに止まり、癒着も凝着も変形もなく、何も問題を残さない。炎症の症例が自然に治るべきだと考えているならば、線維素性の滲出が伴い、癒着のほとんどが流れ出し、当然アトロピンと散瞳薬のプランを選び、病気が自然に治るまで虹彩をそうしておかねばならない。しかし適切なレメディを取った後、病気はそのコースを通らず、最後の症状が現われる時、それはまずそう行くべきで、目の症状はホメオパシーのレメディ投与後、24時間以内に消える。

 このレメディには、目から緑色のカタルの分泌液が出る顕著な結膜の疾患がある。この緑色の特徴は、分泌がある度に適用される。べとついた緑色の痰がたくさん出たり、鼻や目や耳からべとついた緑色の膿様粘液の分泌があり、べとついた緑色の帯下、潰瘍から緑色の分泌がある。このべとついた緑色か黄緑色の分泌は非常に臭いときがある。

 結膜を調べると、その後ろに水があるかのように膨れて見える事があり、結膜浮腫がある。ヨウ化カリウムがその状態を作り出す。「結膜浮腫、化膿性の分泌液」。その昔、リューマチ患者に大流行していたヨウ化カリウムを与えた時、投与した1〜2日後、結膜浮腫が患者の目に起き、関節のリューマチは消えたが、全身の骨が痛くなり始めたのに私は気づいた。アロパシーの効果は患者に根付き、それが何年も続く。梅毒においては、大量の Kali iod. は、患者が翌朝起きる時、目蓋を開けにくくし、目を開ける時、結膜がその後ろに水があって膨らんでいるかのような水袋を形作るという事に私は気づいた。Kali iod.は目蓋の水腫と結膜の注入と腫れを作り出す。粘膜は赤く、赤むけて出血する。血管は膨らみ、表面は非常に痛く、炎症を起こし、ヒリヒリする。まばたきの間、目蓋を押さえざるをえない;まばたきは痛く、砂があるかのように擦れる。急性結膜炎、特にリューマチがある患者や、水銀を乱用して来た人、梅毒にかかっている人の場合。目の梅毒性、リューマチ性疾患。

 高齢者の痛風で、動き続けねばならず、外気の中にいなければならない人、いつも暖かすぎて、部屋の暖かさがどの温度でも耐えられない人、じっとしていると痛風の痛みで更に苦しむ人、じっとすると疲れ、外気の中では疲れずに動く人、特に寒い時、関節が伸び、落ち着きがなく、不安で神経質で、気質がとげとげしく、ひどい苛立ち、それらと交互に泣く人。この動きからの改善は、多くの例において定番ではRhusをあげるだろうが、Rhusは症例が何であれ関連がない。覚えているだろう、Rhusは寒い患者で、いつもブルブル震え、火のそばにいたがり、疾患は熱で改善し暖かい部屋で改善し、動きで疲れるが、一方Kali iod. は動き続けるから疲れない。

 鼻は多くの疾患がある。高齢者の梅毒性カタルにおいて、たくさんの鼻糞と骨のかけらを噴き出す;梅毒性水腫;鼻の骨は過敏で触れないで、壊死になり、鼻は平で、柔らかくなる。形作る骨組みを奪って平らにし、赤い鼻先だけ残す。Heparのように鼻根に極端な痛みがある。鼻からべとついた黄緑色の多量の分泌液が出る。季節の変わり目毎にカタルの状態になる。患者は風邪をひき続け、ずっとくしゃみをする。鼻から大量の鼻水が出て、通路の皮が剥け、鼻の中が燃えるように痛い。 この鼻風邪は外気で悪化するが、残りの全ては外気で改善する。その結果、お互いに反発するような2つの状態がある時、楽になる所がみつからず、患者はずっと苦しむ。暖かい部屋では鼻のカタルか鼻風邪は改善するが、外気では残りの病状が改善するように感じる。「ほんの少しの寒さから、繰り返し激しい刺激性の鼻風邪をひく」。鼻風邪と共に前頭部の服鼻腔が含まれるようになり、額を通じてひどい痛みがある;目の中が痛い、頬骨全体が痛い。

  梅毒と水銀との関連から来たと思われるように、喉にも多くの疾患がある。喉に深い潰瘍、高齢者の梅毒性潰瘍;穴を開ける潰瘍で、軟組織や口蓋垂や軟口蓋をすべて食いつくし破壊する。扁桃腺上の潰瘍;扁桃腺肥大;喉が非常に痛い。喉の粘膜上にこぶや小さい塊がある。「喉の乾燥と扁桃腺肥大」」「夜、舌の付け根がひどく痛む」。咽頭、喉頭、気管、気管支がカタル状態で苦しい。緑色の分泌を伴う炎症状態。

 外部の症状と、体の残りの症状は冷たい空気で改善し、外部の寒さとの接触や、内部の冷たい物で悪化する。冷たいミルク、アイスクリーム、冷水、冷たい飲料、冷たい食べ物、お腹に冷たい物は、すべての症状を悪化させる。異常に喉が乾き、大量の水を飲むが、それが冷たければ患者は病気になるだろう。

 Kali iod.は Carbo veg.とLycopodium.の腸内ガスと鼓腸がすべてある。

 全身の腺は腫れ上がり、肥大し、硬くなる。甲状腺肥大を治してきた;ヨードからこうなったかもしれない。

 非常に特徴的な事は、淋病に続く尿道炎で、べとついた緑色、或は黄緑色の分泌があり、痛みはない。前立腺炎は特徴的に梅毒性である。

 喉頭の痛みと皮が剥けた感じで、声枯れを伴う;喉頭の収縮から目が覚める。喉頭の瘻(ろう)にたいへん有効である。乾燥した切るような空咳, 声枯れの咳、多量の緑色の痰を伴う。カタル性の瘻で、べとついた多量の緑色の痰を伴う。胸膜炎の流出。心臓がパクパクする。少しだけ動いた時や歩行中の動悸。脈が速い。 高齢者の痛風だけでなく、瘻の治療を受けている患者や高齢者のマラリア疾患において、この薬は非常に役に立つ事だろう。

 腰を下ろす事から痛みが鋭く来る場合の、座骨神経痛を治す。横になる事や座る事、立つ事で悪化し、歩行で改善する。

 自分で「蕁麻疹」と呼んでいる物で苦しんでいる患者に、諸君は行くかもしれない、そしてその人の頭から足まで大きなこぶの形をした発疹で覆われているのを見つけるだろう;その人は頭から足までほとんど燃え上がっている。どんな覆いにも我慢できない;患者の体の熱は強烈であるが、体温は上がっていない。皮膚のあらゆる所に粗いこぶができている;2〜3時間でなくなるという状況だが、2〜3週間か2〜3か月たったらまた戻って来る。Kali iod.の非常に高いポテンシーの1回の投与で、この蕁麻疹の対象になっているこの人に秩序をもたらし、それが戻って来ることはないだろう。