Secale Cornutum(セカレ/麦角)

 Secaleの最高のプルーバーは、その作用に最も感受性がある人で、ガリガリに痩せ、自分を治すレメディーとしてそれを最も必要とする人々である。もちろん、太った人に逆を示す必要はない。ある特定の体質は、それに適したレメディと関連して述べられるが、症状が合えばどの作用も別の結果にはならないだろうと、推定すべきではない。ガリガリの人は特にSecaleに関連している。

 燃焼はこのレメディの特徴で、皮膚が燃え、四肢が燃え、その部分を触ると冷たく感じられる、本当は冷たい場合に燃える感覚があり、冷たさを伴う熱さの感覚がある。燃焼、特に内部に燃焼が起きる。燃焼を伴う乾燥、胃腸内の燃焼や、口や喉、鼻、気黒っぽい道の乾燥と燃焼、肺の燃焼がある。

 衰弱し、しぼんだ、肌は不健康な外観で、一般的或いは部分的に紫がかり、青っぽい皮膚で、枯れた皮膚上に紫がかった部分があり、特に手の甲や足や脛骨のような循環が弱い所にそれがある。その部分はしびれ、ゾクゾクし、しおれる。四肢はチクチクし、燃焼し、ズキズキする。まるで皮膚の下、皮膚と肉の間に虫がいるかのように這う感じがある。無感覚で死んだような、木のような感覚が手の指や、特に足の指にある。足の指が黒く、壊疽になる。そのような事は、弱った老齢者に見られる。血管が閉まり、血液が足の指まで行かず、しびれて黒くなり、感覚がなくなる。そのためSecaleは老化の循環をよくし、老人性壊疽を先に伸ばす。

 このレメディは腐肉にさえなる潰瘍を作り出す。古い潰瘍は変な、しおれた様相がある。肉芽組織を伴わないで乾燥する。ピカピカした黒っぽい外観で黒っぽい肉芽組織が全部一緒に出て来て、痛みはなく、最終的に黒い壊疽を形成し、それはゆっくり分離していく。その部分は乾燥し、時々黒い血が少し出る以外は、分泌液はない。

 炎症がない時、黒い流動性の血液が滲み出る。鼻血は黒く、静脈からで、不快臭があり、流動性の血液で、喉や肺、膀胱、直腸から黒い血が出る。インクのような尿が出る。長引く血尿のため、一回の月経の努力が次のにぶつかる。枯れやすい。初日に流動性の黒い血がかなり出、それが2週間続き、それから暗く水っぽい流れがあり、それが次の月経期まで続く。そしてべとついた、流動性の、恐ろしく不快臭のある出血がまた始まる。流産しようと麦角をとった女性や、出産促進のためそれを投薬した敏感な女性に、このような状態が見られる。もちろんその女性が敏感でなければ、プルービングの残存はないだろう。

 女性の中には非常に精神異常になる人がおり、そのためたとえ死んでも子孫を断つ事だろう。「中絶以来体の調子がよくない」とそこここで女性は話している。最悪の健康状態が麦角で作り出され、疥癬その物と同じくらい深いマヤズムを立ち上げる。子孫を断つための戦いは、疥癬に生着し、麦角によって淋病マヤズムか梅毒マヤズムをとる。

 私は流産しようと麦角をとった患者を診た事があるが、緩和させる以上の事はできなかった。彼女らはSecaleの症状と後遺症があり、彼女らの疥癬マヤズムの症状は抑圧され、押さえつけられ、ちょうど梅毒マヤズムが疥癬の顕現を押しているかのように押さえつけ、麦角マヤズムを覆って疥癬に接近する事によってしか、患者を助ける事ができない。それは治療家の手の施しようがなく、生存中に幸いにも十分注意深く継続的に処方されない限り、麦角は何年も寿命を縮めるだろう。

 一般的な体質の状態は、熱さから悪化し、これについては2〜3の例外があるだけである。手足は氷のように冷たいのに、冷たさを欲し、布団をはぎたがり、窓を開けたがる。出血している患者が、部屋は寒いのに布団をはぎたがる。潰瘍がある患者が布団をはぎたがる。胃腸が炎症状態で、腹にかかった布団をはぎたがる。

 時折、皮膚の熱さがいつまでも残る状態があり、患者は布団に包まる。また鋭い刺すような神経痛があり、それは火のように燃え、ナイフのように切れる痛みで、熱さをあてる事で楽になる。頭痛は冷たい空気中で悪化する。しかし一般的な状態は、覆わない事、寒い部屋、冷たい空気を患者に吹きかける事で改善する。

 体のどこもかしこも激しい炎症が起きる;壊疽性肺炎、腹膜炎、子宮炎や卵巣炎。炎症においてはArs.と競い合う。症状は双方ともほとんど似ているため、区別が難しい。どちらも激しい腹の膨らみがあり、鼓腸で、火がついた石炭のように燃え、激しい喉の乾き;接触に対して極めて過敏で圧痛があり、そのため動きやきしみに我慢できず、喀血したり、血餅を排出し、恐ろしくひどく、不快臭、腸から血の混じった分泌液が出るが、それは一般的な物とは違っている。Ars.は包まれたがり、暖かくしたがり、熱い物をあてたがり、それは湿気ていても乾燥していてもいいが、Secaleは布団を取りたがり、冷たい空気を欲する。

 筋肉系全体の一部分の痙攣、後弓反張、ふくらはぎやもも、足の裏や手の引きつり、ヒステリー性拘縮。痙攣は顔から始まる。大きな興奮を伴う活動的な躁病で、体を露出し、性器を裂く。指を膣に入れ、陰唇が出血するまで傷つけ、つつましさの考えを全く失う。

 発作、神経質、精神面の症状は出血中に悪化するため、分娩の痙攣は出血の真ん中で起きる。

 出血傾向と赤血球を破壊する力から、貧血が起きる。顔は干し肉のように見え、皺がより、ガリガリに痩せ、まるで洗っていないようだ。まるでグレーの汚れが皮膚上で乾燥しているかのようで、特に四肢の上のそれは汚いグレーに見える。

 粘膜すべてがカタル性疾患を患い、乾燥し出血し、カタルの表面から血が滲み出て、液体状で、黒く、不快臭があり、ゆっくり凝固するか、或は全くしない。「鼻血の血液は暗く、ずっと出続け、かなりの衰弱を伴い、糸のようにか細い脈で、老齢者や泥酔者、若い女性に見られ、衰弱から起きる」。

 麦角の毒に冒された人は、老齢期に見られるようにレンズが不透明になる。老齢者の白内障。

 枯れて痩せこけた人で、潰瘍になりやすく、不健康な皮膚で熱さから悪化し、急性・慢性状態共に顕著である。

 慢性の下痢で消耗、水っぽい分泌液、コレラ。Camphorに関連する。痩せた人がコレラになり、皮膚は冷たく青い。寒いとよくなる。喉の渇きは、激しく継続する。

  下痢と出血は同時に起こり得る;血の混じった下痢か、或いは暗く液体状の血。

 多量に投与すると中味を排出し、疲労困憊するほど出血する子宮の拘縮のようなものを作り出す。大きな血餅を排出したり、初期にいくらか赤い血と混じったりするが、最も顕著な特徴は液体状の黒い分泌液である。

 「アジア性コレラでは、虚脱、くぼみ、顔のゆがみ、特に口のゆがみ、蟻走感を伴う」。

 不全麻痺の状態。下肢の麻痺、片側の麻痺、片腕と片足の麻痺、うずきやしびれ、穿痛感を伴う上肢の麻痺。背骨全体を下りるしびれや燃焼感は、一般的な衰弱か或は疾患部のみ。

 皮疹や膿瘍、おでき、吹き出物は、緑色の膿が出たり、緑か紫の外観だったり、緑色の中味がある小さなおできで、熟してゆっくり治る。

 不妊を作り上げる。子宮が非常に弱いため、全く胎児を保持できず、そのため不妊か或は流産を繰り返す。

 乳腺の縮小。出産後の母乳の欠如。

 「細く、ガリガリに痩せた子供で、皮膚はしなび、発作的な単収縮が起き、突然泣き、熱が出る」。

 出血性紫斑病。四肢の麻痺。背骨の被刺激性。肌が荒れ、吹き出物が壊疽になりやすい悪液質の女性。