Cicuta Virosa(シクータ/ドクセリ)

 その痙攣の傾向において、このレメディは興味深い。部分的にかかる圧迫が痙攣を引き起こすため、どんどん刺激を受けやすくなり、その状態に神経系全体をおく。痙攣は中心から周囲に広がり、頭や顔や目がまず影響を受ける。胃のオーラが痙攣の警告を与える。病訴のいくつかは胸から、特に心臓から広がり、悪寒や寒気が胸の中で始まり、心臓の辺りに冷たい感覚があり、そこから他の部分へ広がる。痙攣は頭や喉の辺りで始まる事がよくあり、下に向かって広がる。全身が緊張状態にあり、興奮後、火が有機組織を通して荒れ狂い、痙攣を引き起こす。喉や食道のどのような苛つきも、その部分に激しい痙攣を引き起こすだろう。魚の骨を呑み込んだ時、不活発な人にはチクチク刺すような感覚だけ起きるのだが、その代わりに苛立ちが非常にひどいため、発作が始まると他の部分まで広がる。破傷風と、皮膚や爪の下が裂けて起きる発作のために、Bell.と競い合う古くからのレメディであった。現在では神経の損傷のため非常によく示されるレメディは、Led.とHyper.である。

 症状のいくつかにおける特殊な特徴は、カタレプシーに似ている事である。カタレプシーの状態があるか、或はよく似た状態があるだろう。起こった出来事や、ある特定の期間に述べた事を何も思い出さない。誰も知らず、誰にも気づかないで横になるが、質問されると正確に答え、その後何が起きたかは思い出せない。

 それは脳と脊柱の刺激剤である。頭が後ろへ引っ張られる後弓反張で、四肢がすべて痙攣を起こして、こわばる。それは外傷性強直痙攣、てんかん、てんかん型痙攣を治している。

 腸にひどい痛みがあり、痙攣の動きと痙攣が起きる。胃が不調だったり、寒気がしたり、或は恐れや他の精神面の状態があれば、痙攣が起きる。接触に極めて過敏で、接触や通気で痙攣が起きる。痙攣は上から下へと広がり、Cuprumと相反する。Cupr.の痙攣は四肢から中心へ広がる、即ち小さな痙攣は滅多に引き付けはなく、まず指で感じられ、それから手、それから胸、そして全身に感じられるようになる。Cicuta は頭に小さな痙攣が起き、目、喉、背中を下り四肢に至り、激しいねじれを伴う。Secaleの痙攣は顔から始まる事もある。

 時折、誰もわからないが、触って話しかけると正しく答える。突然意識が戻り、起きた事を何も覚えていない。患者は過去と現在を混乱する。自分は小さい子供だと思っている。すべてが混乱し奇妙だ。自分がどこにいるかわからない。古い友人の顔が見知らぬ人のように見え、彼らを見て、自分が知っていた人と同じ人なのだろうかと思う。自分の家やよく知っていた場所が、知らない所に見える。声が変わって聞こえる。視覚や味覚や他の特別な感覚すべてが、妨害され混乱する。自分自身や、自分の年齢、状況について混乱する。カタレプシーの発作から抜け出した女性が、子供っぽい態度をとる事がよくある。ある男性は、自分は子供だと思い、そのようにふるまい、ばかげて笑い、おもちゃで遊び、その他子供っぽいふるまいをする。まるで見知らぬ場所にいるように感じ、怖くなる。不安に将来の事を考える。精神の不活発さ、考えの喪失、感覚がある特定の期間に広がる。記憶が何時間も何日も空白になり、痙攣を伴ったり伴わなかったりする。痙攣は一般的に恍惚的、或はカタレプシーの状態をとる。Natr. m.はこのレメディの精神状態に幾分似ている、というのはNatr. m.の患者は家事や他の事をすべて普通にこなし、次の日にはその事について何も覚えていないからだ。Nux mos.は普通に物事をこなした時にそのような完全な空白があり、完全に放心状態になるもう一つのレメディである。

 この患者は変わった欲望があり、食べられる物と、食べられない物を識別する事ができないため、石炭や多くの変わった物を食べたがる。石炭や生のジャガイモを食べる。一人でいたい、社会を嫌う。歌い、叫び、踊り、おもちゃが好きで、子供のように飛び回る。寝床で横になり、嘆き悲しみ、泣き叫ぶ。かなり動揺し、子供は恐ろしそうに服を掴む。この事は痙攣前に起こり得、顔つきは非常に恐ろしそうだが、痙攣から抜け出すと、恐怖の記憶はない。発作が始まった後で、痙攣はまだ起きていないが、不安と恐怖の状態が起きる。痙攣の間、患者は穏やかで優しく、落ち着きがあり、従順であり、それは Strych.やNux v.の痙攣と区別がつく。Nuxの痙攣は全身に起こり、接触や通気から悪化し、体は青色や紫色であり、痙攣の間患者は非常に苛ついている。もちろん一つの痙攣から別の痙攣に移行する場合、この事は見られないが、痙攣から抜け出すとNuxの患者は非常に苛立っている。痙攣から抜け出したCicutaの患者は、悲しみや不安や暗闇に満ちあふれ、将来から問題を取りこみ、悲しい話に影響され、悲観的である。社会を恐れ、仲間を恐れ、一人でいたい。猜疑的で人を避け、他人を軽蔑し、自分自身を高く見すぎる。この事においてはPlat.に近似するが、この2つのレメディにはそれ以上類似点はない。恐怖が多く、OpやIgn.やAconのように恐れから痙攣が起きる。

 目眩が多い。感覚全体が激しく興奮している。物が円を描いて回わる。歩くと目眩がし、目に生気がないなど。病訴は頭蓋にケガをしたり、頭を打ってから起きる。多くの場合ケガをした部分は問題がなく、圧縮があるかもしれないが、痛みはすべて離れた部分にあり、筋肉の引き付けや引きつりがある。脳震盪やそこから長く患うケガ、特に痙攣。半側の頭痛は患者をじっとまっすぐ座らせる。まるで歩くと脳が緩みそうな頭痛。痛みの正確な特徴の事を考えると、それは消える。痙攣があり、その痙攣は接触で悪化し、熱があり、皮膚にまだらな斑点さえある場合に、脳脊髄膜炎を治している。ケガをしてからの心と頭。脳脊髄膜炎に進む時、患者は椅子に座り、まるで何も悪くないように話し、閃光のようにすばやく誰も知らないという別の状態に移行し、弱々しく倒れ、寝床に運ばれ、質問に答えるが、半意識の状態におり、誰も知らない。これは痙攣に移行するかもしれない。頭は痙攣で後ろに折れ、頭の後ろがぐいっと引かれ、頭の中に痙攣が始まり、下に向って広がる。頭や腕や脚に激しいショック。Bell.のように痙攣中に頭が熱く、四肢が冷たい。睡眠中、頭蓋に汗をかく。子供は両側へ頭をゴロゴロ動かす。熱い頭。

 目の辺りに痙攣する動きがあり、瞳孔が広がり、無感覚な患者は一カ所に横になり、Cuprのように目は凝視し、固定し、生気なく、上に向いている。斜視は子供が脳の刺激状態からなりやすい唯一の痙攣であろう。子供が怯える度に斜視になる。接触や風邪、転落後頭を痛めた場合、或は定期的に、斜視になる。

 鼻は接触に敏感である。接触ときしみで病訴が起き、そのためケガや被刺激性や過敏性の結果に対して、それは非常に役立ち、始めに与えるレメディである。それは髭を剃ってからの疾患があり、頬髭に起きる発疹や、カミソリ負け、頬髭が生える所はどこでも顔中にできる堅い発疹の群れに役立つ。湿疹のような頬の発疹。顎下腺の腫れ。丹毒様の発疹。小さな圧迫で硬くなる唇や目蓋において、Coniumに親密に関連する。唇の上皮腫を治している。

 喉の問題はほとんどが発作的である。魚の骨を呑み込んだ後や、棒が喉に引っかかった後に発作が起きる。 Cicutaを取った後で発作は消え、それを取り出せる。激しい窒息を伴うケガの症例に役立つので、テストはいらない。

 胸に冷たい感覚。まるで心臓の拍動が止まったかのように感じる。背中の発作的な症状。後弓反張。手足の状態はすべて発作的な特徴の物である。

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