Ipecac(イペカック/吐根)

 Ipecacは急性疾患において広範に作用する。その急性疾患の大半は、吐き気や嘔吐で始まる。発熱の段階は肩の間の背中の痛みと共に始まり、背中を下りて広がり、まるで折れるかのような痛みで、苛酷さはあったりなかったりだが、かなり熱が出て、胆汁を吐き、喉の渇きは滅多にない。これが Ipecac.の熱や胃疾患、間欠熱や嘔吐発作における寒気の始まりの一般的な様子である。

 胃が混乱している。胃が一杯な感覚があり、胃や胃の下に切れるような痛みがあり、左から右へ移動する。疝痛における切れるような痛みは左から右へ動く。患者は痛みがなくなるまで、わずかに動く事も呼吸もできない。そのため一つの姿勢に釘付けにされ、胃の部分や臍の上にナイフを突き刺されたように痛みが起こり、左から右へ移動し、疲労と吐き気を伴って起きる。

 Ipecac.の病訴はすべて、多かれ少なかれ吐き気を伴って起きる。小さな痛みや苦痛の度に、吐き気が伴う。苦しみは胃の辺りに集まるように見え、それが吐き気を起こす。吐き気や息の詰まりが続く。咳で吐き気や嘔吐が起きる。乾燥した、声が枯れた、くすぐるような、発作的な咳で、吐き気や嘔吐が共に起きる。顔が赤くまるまで咳き、 その後窒息や息の詰まりが起きる。体のどの部分からでも血が少し湧き出る度に、吐き気や、気絶、衰弱感が起きる。それゆえ子宮出血に有用で、鮮やかな赤い血で吐き気を伴ったり、少しの出血は気絶や失神を伴ったりするが、このレメディにはたいへんな圧倒的な吐き気が貫いている。喉の渇きがある時もあるけれども、普通はない。Ipecac.が最高の働きをする時は、喉の渇きはない。Ipecac. と共に、発熱か寒気を伴い、後頭部に痛みが起きやすく、頭や首の後ろを打撲のような痛みが通り、時には背中を下り、首の後ろの筋肉に引っ張るような痛みが起きる。頭の中が鬱血して充満したり、頭の中や後頭部が押しつぶされる感じがする。頭全体がうずき、痛みが充満する。

 Ipecac.はArsenic.のように落ち着きがない事があるが、Ipecac.の衰弱は代わる代わる起き、一方Arsenic の衰弱は継続する。Ipecac.の患者を見ると、寝床の上で寝返りをうち、Rhus,が必要な場合くらい寝返りをうち転がり回り、手足を動かし、落ち着きがない。これは特に背骨がある程度含まれている症例である。Ipecac.は破傷風のように見える症状がある。後弓反張。胆汁を吐き、頭と首の後ろに痛みを伴い、背中の筋肉が引っ張られるようで、頭を後ろへ引っ張る大脳脊髄膜炎に役立っているレメディである。患者が衰弱するまで大脳脊髄膜炎が続き、レメディは一時的に和らげるしかないように見え、全身が後ろへ反り、胃に入った簡単な食べ物さえ何もかも吐き、舌は赤く皮を剥ぎ、吐き気や嘔吐が続く場合、Ipecac.が治すだろう。水一滴さえ下りず、胃に入った物すべて吐き、息が詰まり続き、胃に鋭い痛みがあり、背中や肩甲骨の下が痛く、それはまるで折れるのではないかと思えるほどで、胆汁を吐き、吐き気が続き、ひどく衰弱する場合、Ipecac.が根深い胃炎の症例を治す。刺激を受けやすい胃。腹が膨らみ、敏感で、鼓腸の状態の場合や、胆汁を吐く場合も、それは治す。患者がほとんどずっと排便しようと座り、少しの粘液か、少しの鮮血を排出し、下腹部と直腸と大腸の炎症がある場合に、伝染性赤痢にIpecac.は役立つと証明されている。しぶり腹は恐ろしくひどく、燃えて、排便にかられ続け、ほんの少しの粘液と血が出るだけ。これに伴い継続的な吐き気があり、気張って排便する間、痛みは非常にひどいために、吐き気が起き、胆汁を吐く。時折、家族全員がそれで寝込み、谷全体に広がり、風土病となるかもしれないが、通常は風土病に関する。嬰児において、コレラのような下痢があり、最終的に赤痢の段階になり、しぶり腹が続き、少し血の混じった粘液が排出され、子供は胃に入った物を何でも吐き、吐き気、嘔吐、激しい疲労、かなり蒼白になっている場合に、Ipecacが示される。また、便が多かれ少なかれ多量で緑色であり、子供が頻繁に緑色の粘液を吐き、緑色の凝固物を吐き、母乳が緑色になって吐かれてしまう場合の状態にも役立つ。

 Ipecacの胸の病訴は興味深い。Ipecacは特に嬰児の友人であり、通常、幼年期の気管支炎に示される。嬰児における胸部疾患に終わる、通常の悪い風邪が、気管支炎である。嬰児が本当の肺炎にかかる事は滅多になく、それは一般的に、粗いガラガラという音を伴う気管支炎である。子供が咳き、息が詰まり、窒息し、部屋中聞こえる声枯れしたガラガラという音がし、疾患はかなり迅速に起きる。子供は青白く、死んだように病み、非常に不安げに見える時がある。鼻はまるで危険な病気であるかのようにやつれ、呼吸は危険な症例に現れるようなものである。Ipecacはこれを大変シンプルな症例に修正し、風邪をとめ、子供を治す時がある。昔の本には、嬰児の肺炎ははっきりと異なり、違いを明らかにした描写があり、典型的な症状はIpecacのそれであった。胸部疾患においてIpecacとAnt. tart.を共に調べると、症状が大いに似ているのがわかるだろう。それらをいっしょに調べた事があるならば、「どうやって区別するのか。どちらもガラガラと言う咳や呼吸をし、どちらも嘔吐がある」と諸君は言うだろう。さてIpecac.の症状は刺激を受けやすい段階に対応し、一方Tartarの嘔吐は緩んだ段階において起きる。Ipecacの症状は急速に起き、急性の症状として起き、一方Tartarの嘔吐の病訴はゆっくりと現れる。後者は24時以内に立ち上がる症状には、滅多に合う事はないか、或いは24時以内に立ち上がるTartarの嘔吐の症状は、少なくともこの部類ではない。このグループは何日もたってから起き、肺が麻痺する恐れがあり、刺激を受けやすい段階でなく、刺激を受けやすい呼吸困難でなく、その種の窒息でないが、窒息が滲出からや、肺の麻痺の恐れから起きた場合、気管支炎が終わると起きる。肺が弱すぎて粘液を吐き出す事ができない時、粗いガラガラと言う音が起きる。それから、かなりの疲労が起き、顔は死んだように蒼白で、鼻腔はすすける。もう、この2つのレメディは似て見えないのがわかるね。この2つのレメディの速度を観察すると、病訴の差異が見える。それほどでもないが段階に属しそうするが、どちらかというとIpecac.はその症状が速く、危機に速く影響し、Ant. tart.はその症状をゆっくりもたらし、何日もたってから、危機に影響を与える。百日咳におけるIpecacの価値を見る準備ができているね、というのは百日咳は発作性の特徴があり、顔が赤く、吐き、咳で息が詰まる。赤い顔、喉の渇きがない、激しくゼーゼーと息をし、痙攣を伴い、息が詰まり、食べた物すべてを吐く事が、一般的に見つかる症状だ。

  出血でヒントを与えたが、これがIpecacの大きな領域を広げる。出血におけるその重要性のため、私はIpecacを除外して薬を実践する事はできなかった。私が出血と言う時、切れた動脈からの物を意味するのではなく、手術せねばならない出血を意味するのではなく、子宮出血や、腎臓や腸や胃や肺からの出血を意味する。出血におけるレメディを知らねばならない。もしそうしなければ、力学的手段を使うよう強要されるだろう。だがうまく指示を出すホメオパスは、それをせずにできる。子宮出血の最も深刻な形において、ホメオパシーの治療家は、力学的手段が出血を引き起こした場合を除いて、力学的手段を使わずにできる。この事は砂時計状収縮に関しないし、産後に保持する時や子宮内に異物がある時の状態に関しない、というのはそのような状況下では操作が必要だからだ。区別されねばならない。しかし考慮すべき純粋な力学的な要素があり、出血している簡素に純粋に緩んだ表面である場合、適切に働くのはレメディだけだろう。子宮が継続的に滲み出ているが、出血が少し出る度に勢いを増し、真っ赤な血が少し噴出する度に、その女性は 自分は気絶しそうだとか、あえぐとか思い、出血量はそのような衰弱には不十分で、吐き気、失神、蒼白さが起きる場合、Ipecac.がそのレメディである。真っ赤な血が噴き出て、圧倒的な死の恐怖がある時はAconiteである。分娩中の患者が、頭が熱く、氷のような冷水が無性に欲しく、分娩後すべてが正常に進み、胎盤が出て、このような出血があるとは思いもよらないが、それが発生するならば、Phosphorusがだいたい常にそのレメディであろう。そのようにしおれた女性で、痩せてほっそりし、熱さでいつも苦しみ、布団を剥ぎたがり、涼しくいたく、子宮から血が滲み出る傾向があり、今出血し、血餅か暗い液状の血を滲み出す傾向がある人には、Secale以外は、ほとんど何もできない。舌の上にこれらの薬のどれでも一回投薬で、多量の薬や強い薬よりも素早く、出血を止めるだろう。出血は非常に速く止まるので、経験したての頃は驚かされる。自ら止まれるはずないだろう、と不思議に思う事だろう。多量の月経においてIpecac.がよく示される。女性が風邪をひいたり、ショックを受けたりした時。月経期に特に多量の子宮出血の対象にならない症例において、それは以前全く悪くなかった事で、出血が何日も続きそうで、弱さが伴うため、当然その女性は警戒する。少し血が出ると力がすべてなくなるように思える。Ipecac.はそれを治癒し、最終的に月経は正常になる。自然の有り難い事は、出血を止めるその傾向であり、それは常によい。出血をコントロールする多くの薬があり、それらは指先につけねならない。それらは緊急事態に属する。激しい症状と」激しい発病に対応するレメディを諸君は知らねばならない。Ipecacは出血で溢れている。たくさんの血餅を吐き、潰瘍に関連して血を吐き続ける。激しい出血になりやすい人や出血しやすい人は、症状が合えば、Ipecac.が一時的に出血をコントロールするだろう。

 背中の腎臓の辺りに堪え難い痛みがあり、撃痛で、頻尿で、尿に血や小さな血餅が混じる。尿は血で極めて赤く、それは便器の底にたまり、便器全体にナイフの刃の厚さの血の層が、線になってつく。尿1パイント(約500cc)毎に、便器中に血の層ができる。腎臓が痛くなる度に、尿のそのような状態が伴う。Ipecacuanhaはその出血を止めるだろう。貧血になるまで患者が出血し、浮腫になりやすい時、Ipecacはそのレメディになる事をやめるのは本当だ。それから、その自然の花はChinaとなり、それは患者を、抗疥癬のレメディを必要とする位置に連れて行くだろう。

 そして、「風邪」がある。子供がかかる単純でよくある鼻風邪である。 風邪が鼻に留まり、鼻が夜詰まる場合か、大人が鼻風邪をひき、鼻がかなり詰まり、かむと鼻から粘液と血液を出し、かなりくしゃみが出て、風邪がずっと下へ降り、声枯れが後続し、表皮剥離を伴い気管内まで広がり、最終的には気管支まで広がり、窒息と胸内に沈殿する場合、Ipecacの事を考えなさい。Ipecac.の風邪は鼻で始まる事がよくあり、 非常に速く胸に広がる。この鼻の風邪と共に、多量の真っ赤な血が出る。鼻風邪をひく度に、多量の出血がある。風邪を伴う鼻血の傾向。Ipecac.では、粘膜上に起きる炎症は激しい。刺激が突然起き、粘膜が非常に素早く炎症を起こすため、その部分が紫色になって腫れ、出血は唯一自然な安堵であるかのように見える。鼻の閉塞、匂いの喪失。鼻がとても詰まったため、そこを通じて呼吸できない。

 頭の症状と共に、風邪、百日咳、寒気、多くの炎症疾患、顔がほてり真っ赤になるか、青っぽい赤になり、唇は青く、寒気を伴い唇や指の爪が青い。寒気は激しく、特質的に鬱血性の事があり、硬直している事がよくある。骨組み全体が震え、歯がガチガチ鳴る。

 老齢者の治らない喘息の症例があり、それはIpecac.で和らぎ、そのボトルを持ち歩き、それでずっと楽になったと言う。湿気た天候や突然の天気の変化で苦しむ場合、それは湿気た喘息の症例や喘息性気管支炎の症例において有用である。少し風邪をひく度に、この気管支炎が発病し、咳をする時や、少し血を吐き出す時に窒息し、息が詰まる。夜座って息をせねばならず、この発病は共通しており、頻繁に起きる。このような病人は Ipecacでよくなったと言い、Ipecac.がそのような喘息性の呼吸を楽にしたのは驚く事でもない、というのはそのような症状を持っているからである。このような症例の中には治癒できないものもあり、彼らは高い地位についた人々である。より賢明に投与されたこのレメディーは、より多くの安堵を与えるだろう。Ipecac.の力は発病を止め、そのため患者は快適になり、次に風邪をひくまで、普通の種類の喘息に進む。その咳はガラガラと言い、喘息性である。

 痙攣の薬としてのIpecacはあまりよく知られていない。妊娠における痙攣。百日咳における痙攣は、恐ろしい発作で、左半身全体に影響を与え、麻痺が後続する。子供とヒステリックな女性の間代性、筋緊張の発作。破傷風、体のこわばり、顔の赤いほてりを伴う。これらはIpecacの強い特徴であり、十分深く考えておらず、レメディーがこの状態を非常に著しく有するとしては、十分知られていない。Belladonnaのような薬はより頻繁に書物で述べられているが、発作についての論文の中で、Ipecac.は発作と背骨への作用に関して研究されるべき重要なレメディーである。

 抑圧された発疹において、症状はIpecac.を示す事が非常によくある。発疹が出なかったり、発疹が風邪で引っ込んだり、時には急性の胃腸の現れが後に続き、風邪が抑圧された発疹から胸に留まった場合、嘔吐や寒気、背中の痛み、喉の渇きのなさ、圧倒的な吐き気が起きる時、Ipecac.はまた丹毒も治すだろう。

 猩紅熱の皮疹がゆっくりと出て来た場合、Ipecac.は吐き気と嘔吐に十分である事がよくある。出るべき皮疹が出る代わりに、吐き気と嘔吐を伴いIpecacの症状が胃に起きる。Ipecac.が吐き気と嘔吐をチェックし、発疹をもたらし、疾患は穏やかな進行を進むだろう。

PAGE TOP