Agaricus Muscarius(ベニテングタケ)

 この薬を貫く大変顕著な事は、筋肉がピクピク、ブルブル震え、引きつり、四肢の単収縮である。ブルブル震えと揺れ、どこでもこの2つの特徴は、胴や四肢のどの部分にもある。筋肉の単収縮が非常に広がるため、舞踏病がよく発達した症例である。その本質に、舞踏病で見つかる物がすべてあり、多くの症例を治している。これは、筋肉全てのあらゆる部分に一般的に属する。全身にノロノロ進み、這う感覚がある。それはほとんど皮膚に制限する事はなく、まるで肉の中に感じられ、蟻がいるかのような感覚がする。皮膚はそこら中痒く、掻くと場所が変わる。これが免れる所はない。皮膚や部分的にあちこち変な感覚がし、冷たい感覚や、冷たい針や熱い針のような感覚がし、耳や鼻や手の甲や手足の指といった循環が弱い部分が、刺すようだったり、燃えるようだったりし、赤い部分は、まるでしもやけのように痒みがあって燃える。しもやけにすばらしいレメディーである。患者は極めて神経質で、寒さに敏感である。痒く、チクチク痛み、ヒリヒリするなど、頭の使い過ぎから起き、身体の使い過ぎから楽になる。Agaricusの症例はすべて、セックスから悪化し、特に背骨の症状が悪化する。若く神経質な既婚女性が性行後に発生する症状、性行後にヒステリーで気絶する症状に役立つ。

精神面の症状は諸君が思うような事である。非常に変化しやすく、苛立ち、落ち込み、頭の使い過ぎや、長く勉強してから起きる病訴。脳の発達が遅れているように思える。子どもは話せる事や歩けるようになるのが遅く、Natrum muriaticumは「話せるようになるのが遅い」という症状と、Calcarea carb.は歩けるようになるのが遅い」という症状の、2つのレメディーの特徴が結合する。Calcareaにおいては、骨の弱さの欠陥のためにそうだと気づくだろう。Agaricusにおいては、精神面の欠陥であり、頭の発達が遅い。単収縮やすぐ気絶する子どもや、叱られたり、興奮やショックから痙攣を起こす、精神面の発達が遅れている思春期前の神経質な少女。覚えられず、間違え、学習が遅い子ども。手書きに、書き間違いや、つづり間違いが見つかる神経質な親。 精神面の状態は、考えを把握するのが遅く、万華鏡のように間違った言葉が浮く。本を読む時「まるで麻痺したかのような心理面全体」、行間を読まねばならない。精神と感覚中枢全体が麻痺しているようで、患者は不活発で、馬鹿げており、時折せん妄状態であるように見える。ほぼせん妄のように頭が混乱するため、それは陶酔に似ていない訳ではない。そのようなせん妄はアルコールで作り出される。患者は馬鹿げて、馬鹿な事を言い、不適当な時に歌ったり、口笛を吹いたりし、詩や哲学を創作する。或いは反対の状態に陥り、周囲に無関心になる。穏やかでおとなしい人が、剛情で頑固でうぬぼれるようになる。

体の筋肉の動きを調整するのが難しい。脳と脊髄の不均衡。手指や手の不器用な動き。物を扱う時、落としてしまう。物を持っている間に発作的に指が開く。皿を割り続ける問題がある時、AgaricusかApisで台所のブリジットを治す事がある。この2つのレメディーは相反する。Agaricusは火の側にいなければならず、一方Apiは台所から出たがる。ぎこちなさ、不器用さなどは、心身共に。いかなる変化も、患者と医者のベルを鳴らす。患者は馬鹿げており、ぎこちなく、不器用な時もあれば、素早く詩的な時もあり、努力なしに詩をスラスラと作る事ができ、特にそれは夜に起き、朝には疲れ、不活発で、正午まで続く。精神面の症状は朝に悪化し、晩に向かって楽になる。ピクピクしたり、グイッと引っ張られる動きはすべて、睡眠中に弱まる。外気中を歩く時に目眩が起きる。常に寒気がする。何かをする時、反対の事をする。目眩と頭の混乱が混じり合う。

 震えや痙動といった背骨の症状に関連する事が、このレメディーの頭痛に共通の特徴である。背骨の患者における頭痛。まるで氷か冷たい針が頭に触れたような鋭い痛み。これは一般的で、他の部分にも見られる。まるで針からのような痛みが頭にある。朝出血が起き、血はべとつき、黒く、ほとんど落ちない。頭の中が冷たい。頭蓋の中に変わった感覚があり、痒みや掻いた後で氷のような冷たさが起きる。それが全身に走る。痒いが、発疹は見えない。そのままにしておけず、掻いた後その部分に氷のように冷たい感覚や、まるで風がそこに吹いているような感覚が起きる。 頭は舞踏病のような動きをし続ける。頭皮が痒く、特に朝起きがけに痒い。ここにまた、一般的な朝の悪化がある。頭皮上に顕著な発疹がある。かさぶたを伴う発疹。

 目がピクピクしたり、グイッと引っ張られる。Agaricusの目では、この事が観察できるだろう。 患者があなたを見る時、振り子のような目の動きがあり、始終前後に動く。目は振り子のように揺れ、患者はあなたをじっと見ようと努力する。これは睡眠中は止まり、動きは全て睡眠中に弱まる。CicutaやArsenicum, Sulphur, Pulsatillaはこの目の症状を治しているが、Agaricusもそれを作り出して治す。色や視覚において考えられる種類のごまかしがある。目の前がピクピク動き、読みにくい。物がそこにない所にあるように見える。黒いハエが目の前に見える。黒い埃が二重に見えたり、目の前にハエが飛んで見える。目の筋肉が弱い。目の動きが不規則で、瞳孔が広がったり、縮んだりする。目の前にもやや、クモの巣がるような感覚。発作的にピクピクしたり、グイッと引っ張られる。ピクピクしたり、グイッと引っ張られるのは、最も顕著な症状で、また目の周りに舞踏病の動きが起き、目の前に色や形が偽って見える。

 耳が赤く、燃焼し、痒く、まるでしもやけのよう。凍傷の感覚があり、同様の感覚がそこら中に見られる。同様の痒みとチクチクする感じは、レメディーに一般的に起きる。耳が聞こえない。聴覚が鋭い。朝黙って、不活発で、馬鹿げて、疲れているが、夕方になると明るくなり、活気づき、興奮し、詩的で哲学的になり、夜更かししたがり、才気あふれ、ゲームをしたがる。

 鼻血は多量で、鼻から悪臭のある分泌液が出る。乾燥と鼻糞を伴う、非常に根深い慢性のカタルをAgaricusが治すだろう。結核体質において、かなり深く根付いている。

 これは、肺結核の初期の症例をたくさん治している。老齢者の咳やカタルを治す。まるでしもやけのような赤い鼻。年寄りの飲んだくれの赤鼻のために、LedumやLachesisと同じくらいよい。

 すでに見て来た事から、顔の筋肉がピクピク動き、痒みと赤さと、しもやけのような燃焼、麻痺性の衰弱などを期待する。というのは、これらは一般的な特徴であり、テキストでこれらを見ると期待するため、まるでしもやけた、麻痺した弱さなどのように、痒く赤く燃える、これらの事一般的な特徴で、ちょうど、テキストにあるこれらの事を見るだろうと期待するようである。舞踏病性発作。馬鹿のような表情。さて、この事に注意しなさい;患者によっては、自分の普通の休暇を過ごしている時は、かなり聡明であるが、仕事のルーティンでない新しい考えを提示されると、完全に馬鹿になる。この事は特に朝に目立つ。朝には何か新しい事ができないが、夕方には新しい考えを取り込む事ができ、聡明であり、それはまるでお茶やコーヒー、アルコール飲料のようである。このレメディーはアルコール飲料を解毒するすばらしい薬である。このレメディーとZincumは背骨に影響があり、どちらも刺激物から悪化する。

 Agaricusはてんかん型の痙攣の多くの症例を治して来ており、口から泡を出し、弓なりに緊張し、顔の筋肉が引っ張られるヒステリー性てんかん型が主である。Agaricusの患者には、顔の小さい筋肉や、筋肉の繊維細胞の数本が、数分間震えて止まり、そして顔の他の部分が同じようになり、目蓋が震え、他の繊維細胞がそうなり、それが非常にひどくて気が狂いそうになる、という事が起きる。このような事はNux vomica同様Agaricusの状態でもある。

 歯が長過ぎに感じられ、触られる事に過敏である。舌がしびれ、ピクピクしたり、グイッと引っ張られ、話しがひどい事になり、暴力的に発する。舌が乾燥し、揺れる。話す事を学ぶのが困難。舌が発作し、はっきり話せない。舌小帯に侵食性潰瘍ができ、浸食されてしまう。舌が痛い。口蓋に水銀性アフタができる。乳児の口内炎のような小さく白い水膨れ。慢性の喉の痛み。扁桃I腺の硬化。燃えるように喉が乾き、食欲旺盛。まるで空腹からのような、胃のむさぼり、だが食べ物の欲求はない。

 腸内ガス、苦しいおくび、ひどい太鼓腹、腹内が混乱し、ゴロゴロ鳴る。臭いガス、ゴロゴロ、ゴボゴボお腹の中で音がする。すべてが発酵し、ゴロゴロ大きな音がし、挟むような疝痛。恐ろしい腐敗臭のある分泌液。太鼓腹の状態は、腸チフスにおいて顕著である。チフスの初期、 筋肉がピクピクしたり、グイッと引っ張られ、麻痺した弱さがあり、やつれ、精神面の症状が起きる。

 朝の下痢、直腸内が燃える大量の熱い腸内ガス(Aloe)、柔らかい便、ひどいしぶり腹、激しい頻便、排便前・中・後に不随意に力む。排便後さえ、まるで直腸が破裂しそうな感覚がある(Merc.とSul.)。激しく突然痛み、待てない、苦しく、破裂しそうな感覚がある。排便前に、腹部に切れるような、挟むような感じがし、緊迫したしぶり腹があり、直腸内で痛い力みがある。排便中、疝痛が起き、ガスが出る。肛門の中が、燃えるような、痛い、ヒリヒリし、切れるよう。汗が出て、腰から脚まで痛く、排便後それが続く。排便後に、頭痛が楽になる。肛門が身を切るようで、直腸内が緊張する。肛門が切れるように痛く、下腹部がシクシクする。腹部が膨らむ。腹部とヘソの周りが重い。胸が痛い。排便後、テタヌスが強くなる。

 便秘と直腸の麻痺感があるかもしれない。便が固く、まるで人生がかかっているように便を力むが、便は出ない。下肢の麻痺の始まりで、筋肉がピクピクし、背骨が燃える。症例によっては、力んだが出なかった後で、便が不随意に出るだろう。この症状はArg. n. (便と尿)にだけ知られていた。排尿は排便くらい差し迫っている。尿が漏れる。このレメディーの特別な特徴は、尿が排出時に冷たく感じられる事である。尿が漏れている間、尿道を通る冷たい雫が数えられる。「尿がゆっくり絶え間なく出るか、或は滴が出て、流れにするため押さねばならない」「尿は水っぽく、透んでおり、レモン色、明るい黄色。暗い黄色で熱い。赤色で、綿状か粉っぽい沈殿物。午前は水っぽく、午後は乳状で乳清のよう、赤色か白色の沈殿物(マグネシウムのリン酸)。表面は虹色。表面はイリジウム。「リン酸塩。乳状の尿。油っぽい表面で虹色の表面、尿上に油っぽい薄膜。リューマチで、痛風で、ヒステリーになりやすい人で、乏しい尿。寒く、弱く、青白く、肺結核になる人。尿が乏しくなり、頭痛が起きる。何日も続き、便秘になり、頭痛は排便で楽になる。Fluoric acidでは、もし排尿したいという欲望がなければ、頭痛が起きる。

 変化が起きる。ある日、 母乳が消えるが、脳や背骨の鬱血が起きる。特にもし母乳が消え、病訴が起きたら、転移である。生殖器は冷たく萎縮する。男女の生殖器の症状の比較調査は、プルービングは広範囲に女性に行なわれていないが、男性において、女性にも似た状態の多くの症状がある事を示している。男性における症状は、セックスの後に悪化するが、女性にもそう見られる。性的興奮や快楽などの後に起きる病訴は、女性では気絶、男性では衰弱が起きる。ブルブル震えたり、ピクピク動くどんなAgaricusの症状も、性行後悪化するだろう。というのは性的機能は、紐状の器官に関連しているからである。背骨の疾患を患っている人は、この行為の後で苦しむ。

 男性ではセックス中、尿道内の燃焼が擦りむきからや、射精中に精液が熱い感覚が起き、そのためこれは男性のみの症状である。射精中に前立腺が燃焼する。前と間に激しい性的興奮が起きるが、射精時にオーガズムがなく、受け身で、喜びが少ない射精。この事は背骨が弱い、神経質な、そこら中うずき、這う感じがする男性に起きる。それは、老齢者の尿道からのカタルの分泌液の治癒や、あらゆる種類の局部治療が行なわれた慢性淋病や尿道炎で起きる。ペニスは冷たく、皺がより、睾丸に過度に痛く引き戻したもの。老齢者の尿道炎の分泌液は、尿道がずっと痒く、チクチクし続け、最後の一滴が残り、長い間分泌する。これには、多くの他よりもいいレメディーが2つある、Petroleumと Agaricusである。

 女性の共圧陣痛のため、型にはまった処方者はいつもPuls.やSep.,などの事を考えているが、背骨が被刺激性などで、まるでその部分が世界に落ちてしまうかのように、引きずり下ろされるような感覚を伴う女性には、このレメディーが一番よい。すらりとした、神経質で、落ち着きのない女性で、チクチクしたり、ムズムズする感覚を伴う人は、Agaricusを取らねばならない。月経中に、頭痛や歯痛などが起きる。一般的な症状はすべて、月経期間中に悪化し、前後にはあまり広がらない。心臓の症状の悪化と、子宮脱は、ちょうど月経が終わる時に起きる。

 帯下が非常に多く、暗い色で、刺激性で、部分的に表皮を剥ぐ。このレメディーはFluoric acidとの関係において述べられている。多くの点で関係がある。特に帯下においては互いに似ており、多量で刺激性で、皮を剥ぎ、性器の周りがヒリヒリし、患者は歩けない。Fluoric acidでは、神経質な症状を伴い、頭痛は排尿で改善するか、或いはもし尿がすぐ出なければ、多量の刺激性で、表皮を剥ぐ帯下を伴う。

 胸の問題において、Agaricusはすばらしいレメディーであるが、滅多にその事を考える事がない。消耗のように見えるものを治している。胸部のカタルの状態で、寝汗と神経の症状を伴う。激しい咳は、孤立して発病し、くしゃみで終わる。痙攣性の咳で、晩に向けて汗が出て、頻脈を伴い、膿のような粘液の痰を吐き、朝と仰向けに寝ている時に悪化する。前述のAgaricusの症状に加えて、Agaricusはその症例に効くだろう。肺結核初期の症例。結核体質に近い。ある人にTuberculinumのプルービングを始めたときの事を覚えている。その人の人生と症状から、それに敏感だと思っていた。初めての投薬はその人を殺す所で、その物質 が家畜における疾患を診断するのに使われている使用を考えると、それがその人をかき混ぜたように思える。その人は衰弱し、まるで死にそうに見えた。そのままにして、我慢強く見て待つと、Agaricusの症状が起き、2つのレメディーの間の関係ができ、結核体質へのAgaricusの関係についてのヘリングの観察を確認した。 Agaricusがその人を治し、 太らせさせることができた。

 このレメディーには、神経質な動悸がたくさん起き、晩に悪化する。心臓のショックと振動や、心臓の痙攣、内部の痙攣の症状の現れを治す。このショックは突然の音からや、おくびから、咳から、また左向きか仰向けに横になった時に起き、夜や発熱中に悪化し、腹部や背中や手足など他の部分に広がる。胸の外部は一般的に、チクチクしたり、ムズムズする。

 背中には多くの特別で、一般的な症状がある。背骨全体がこわばる。曲げようとすると、折れそうな感じがする。何かが非常にきつくなっているので、かがむと折れそうな感じがする。背中の筋肉がきつくなっている。背骨の中深くがチクチクする。激しく、撃たれるような、燃えるような痛み。背骨に沿って痛く、かがむと悪化する。背骨にあらゆる種類の痛みがある。痛みが背中を上下する。背骨は接触に敏感で、特に首の後ろと肩甲骨の間の胴部が過敏。背骨が刺激を受けやすい時、腰部の海綿骨に熱く、熱いスポンジに過敏。まるで冷たい空気が、てんかんの前兆で背中に沿って広がるような感覚がある。氷が体に触れるような感覚がある。冷たい部分がある。背中に寒気が走り、ムズムズ、這うような、蟻走感が起きる。背中の皮膚がしびれる。痛みの大部分は、首の後ろと腰から仙骨の部位に起きる。 この部位の痛みは、セックスと関連する。腰部や仙骨部の痛み、特に労作中や座っている間など。まるで殴られたように、あるで壊れてしまうかのように、仙骨が痛い。女性においては、腰のくびれの下が痛い。

 四肢には一般的に単収縮が起き、しびれ、舞踏病が起きる。燃焼があちこちに起きる。部分的に冷たい感じがし、麻痺している。四肢や手がピクピクし、動きがすべてぎこちない。関節のリューマチや痛風。下肢の麻痺。下肢がピクピクし弱い。

 手が燃えるようで、痒く、まるで凍っているかのよう。小さい関節は、循環が弱く、凍傷の症状がある。手足の指がこわばる。

 休息中、特に下肢が、まるで骨が折れそうな感じがする。 まるで脛骨が折れそうな感じがする。脛骨が痛い。子どもの成長痛、火の近くに座らねばならないと、四肢が冷たくなるだろう。骨が痛い。脚に重みを感じる。下肢が痛く、うずき、縫われるような、避けるような痛みで、暖かさや動きから改善する。

 妊娠してすぐに、下肢が麻痺したように弱くなる。妊娠する度にそうなり、寝込まねばならない。それらの症状はAgaricusへと導く。脚に重みがある。脚が重く感じられる。下肢がピクピクし痙攣する。