Aloe (アロエ)

 AloeはかなりAesculusに似ており、静脈が特に鬱血し、全身がこわばり,充満を引き起こすが、最大の障害は、門脈系静脈にあり、肝臓・下腹部・直腸・小腸の部位が非常に膨れることである。これは痔に関する。下腹部が痛み、Nux vomicaのように、排便したくなり、臍の周りに、切れるような、さし込む痛みが起きる。直腸まで撃つように降りる臍の周りの痛みは、ナイフで切ったかのようだ。赤痢や下痢の問題。下痢では、さらさらした黄色く、不快臭のある、皮膚を剥ぐような便が、溢れ出て、それは火のように燃え、肛門は痛い。患者は便を押さえにくく、すぐ便が出てしまうので、括約筋から目が離せない。急に便が出るかもしれないので、ほんの少しの放屁もできない。Aloeは下痢と共に、下腹部がガスで膨れ、それで充満感ときつさが感じられ、しょっちゅう排便に行かねばならない。歩き始めた途端、不随意に粘液や便の小さい黄色いしずくが、カーペットに落ちる。母親が小さい子を叱る事もあるが、これは仕方ない事で、不随意に出るため、便を押さえる事ができない。括約筋が制御欠陥。この状態は必ずしも下痢に限定されるとは限らない。なぜなら、子供たちは不随意に,小さく硬い、大理石のような、バラバラの便を落としてしまう時があるからである。子供は排便した事さえ知らない。直腸付近の肛門の突出が緩み、出血がたまる。一口食べる度に、排便したくなり、水を飲むと、急いで排便しに行く事がよくある。季節外れの牡蠣を食べてから、下痢が起きる。テキストのLyc.の項に、牡蠣からの中毒が書かれているので、諸君は Lycopodiumを与えようという気になるかもしれない。旬の牡蠣から中毒にかかったのが Lyc.で、季節外れの牡蠣はAloeだと言って、諸君は正当化するかどうかわからないが、暑い時期や繁殖期の牡蠣には、重大な中毒効果があり、他の時期には見られない。非常に多くの人々が吐き気を起こし、腹が膨れ、激しい下痢になり、牡蠣を食べた後、数日間はすべて吐き出す。今、その症状群がある場合、 Lycopodiumはそれを治し、牡蠣から病気になる傾向を取り除くだろう。しかし、病人が、暑い季節に牡蠣を食べてから、コレラのような疾患になったことがわかったら、 Aloeがそのレメディーであることがわかるだろう。

 このレメディーは十分に証明されていないため、私は初めの頃、臨床的に使用されているものを参照した。静脈の状態においては、他のどのレメディーよりもSulphurが近く関連している。 Kali biとSulphurとAloeを、合わせて調べたら、諸君は胃と腸との素晴らしい関係に驚く事だろう。

 私たちが気づいた数少ない精神的症状には「彼女は1週間で死ぬことを知っていた」「人生は重荷である」「動く事を嫌う」がある。区別できるものはほとんどなく、多くのレメディーに共通するものも、ほんのわずかだ。Aloeの患者は痛みの影響で、過剰に興奮気味で、痛みは一般的に下腹部に起きる。下腹部に疝痛のような痛みや、ガスの痛みがあり、そのため絶望し、その疝痛の発作中,過剰に苛つき興奮する。ある意味で目立つ小さな症状として「人を憎み、誰をも嫌がる」がある。

 腸障害の間に起きる頭の鬱血は、門脈系に見られる、一種の静脈鬱滞である。「額を横切る頭痛」「頭痛は暑さで悪化し、冷たい物を当てる事で改善する」。暑さから悪化し、寒さで楽になるのは、Aloeに共通している。寒い部屋にいたがり、暑くほてりを感じ、皮膚は暑く乾燥している事がよくあり、夜寝床で布団をはぎ、四肢が燃えるようで、手が暑く,足は冷たいか,あるいは手が冷たく,足が熱く、これらは交互に起きる。 頭は熱く、そこに何か冷たい物を当てたがる。これは表面の熱さから起き,発熱ではない。表面が熱い感覚がし、体の表面が鬱血し,充満感がしたり、体中の静脈が充満し、鬱血している感じがしたりする。このレメディーでは出血がよく起き、鼻や腸、膀胱から、静脈の漏れがある。一般的に出血する。静脈は静脈瘤になり、皮膚は熱くなる。 体の穴には多量の熱があり、目、口、喉が熱く燃える。肛門のあたりに、乾燥、灼熱、表皮剥離感が起きる。

 飲食の項で「夕食後すぐに腹部がゴロゴロ鳴る」が見つかる。下痢がない時や、便秘がある時でさえ、食べたり飲んだりすると、腸の中に疝痛の痛みが起きる。

、  このレメディーはビールを飲む老人の病訴に役立つ。ビールを飲んで下痢になる。ビールを飲むたびに下痢になる人は、 Aloeがその症状に合う事に気づくだろうが、Kali bi.が合う時もあり。この2つのレメディーは胃腸の症状に関し、非常に似ている。「胃の圧迫を伴うおくび」。毛細血管と静脈の鬱血の傾向の別の例がここにある。「喀血」と腸からの血液。

 肝臓部に燃焼感や熱など、多くの痛みがある。ほとんどの場合、右下肋部において、膨張と充満が見られる。これは卓越した肝臓の薬である。Sulphurほどは深く作用しない。Sulphurが後続せねばならない場合、Aloeは緩和剤として役立つ事が、よく見られる。Sulph. ac.やKali bi. やSepiaは、Aloeに後続する薬で、それを補完し、作用を完了する。肝臓部に大きな充満、膨張、縫うような痛みがあり、乾燥した暑く燃えるような皮膚、体温の上昇がない場合、これらの肝臓の問題において、Aloeはよいスタートを切るだろう。Aloeはいくぶん熱があるが、このような皮膚の熱さの感覚や乾燥感は、発熱なく起き、乾癬患者に見られるようなものだ。Aloeは、いくぶんかの範囲で発疹を起こすかどうかを立証するための、 このプルービングは十分に広範ではなかったが、もしそれが証明できれば、抗乾癬薬の中に置けるだろう。これはSulphurのように、深く長期に作用する体質的なレメディーではないが、AconiteやBelladonnaのように、短期間に作用するものでもない。病訴は中程度の速さでだけ起きる。それはBryoniaと非常によく関連しているかもしれない。Bryoniaは、Sulphurほど、生命物質には深く関わっていない。

 おそらく、腹部状態の、最も顕著な特徴の一つは、充満感、膨張そしてゴロゴロという音だ。それは、まるで腹部が破裂するようで、ゴロゴロという音がとても大きいので、部屋の誰かに聞こえるかのようだ。腹鳴が続く。ゴロゴロという大きな音を立てながら、水が栓から出て来るかのように、便が音を立てて出て来る。初期の著者のテキストでは、便が出る間、ゴロゴロ、パチパチと、かなりのガスを伴っており、飛び散るようだと述べられている。腹部は大量のガスが出た後でさえも、変わらず膨らんでいるように見える。楽にならない。痛みは、特に腹部を横切り、臀部辺りに感じられる。腹部が横行結腸を横切り、また上行・下行結腸を横切って破裂するかのようなひどい膨張で、 痛み、ゴボゴボ、ゴロゴロという音がし、重く、外に向かう圧迫感を感じる。「上腹部や臍の周りに、ねじれるような、握られるような痛みで、強いて抱き寄せるように座ると楽になる」「まるで下痢が起こるかのような腹部の衰弱感」。衰弱が非常に大きい時があるので、患者は余儀なく下痢で寝ること事になり、疲労困憊するほどなので、それをPodophyllumと間違える事がよくある。Pod.は大きく膨張し、激しくほとばしり、かなり腸内ガスがあり、腸内でゴロゴロと大きな音がし、朝4時に症状が起きる。AloeはここでもSulph.のようで、下痢で、早朝目が覚め、飛び出し、両足を冷やすために、布団から足を出す時もあり、足の裏が燃えるようで、布団をはぐ。腹部が握られるようで、腹部が衰弱した感じがする。「腹全体、特に側部および臍の両側の痛み」腹部が敏感なので、快適な姿勢が見つからない。「風邪をひいた後、朝晩繰り返し鈍い腹痛がおきる」。

 さて、ここに女性の状態に関し、下痢ではない腹部の症状がある。「まるで恥骨結合と尾骨の間に、栓が詰まっているかのように感じる」「立っていると股間や腰に、分娩のような痛みがある」。満腹感、体表の熱、朝の下痢傾向、子宮脱、結節性恥骨と尾骨の間に挟まれた栓の感覚と関連している場合、Aloeは、長期間にわたる子宮脱を治してきた。子宮の外へ向かう圧迫はその感覚を引き起こす。 まるで骨盤のすべての部分が押し出されるように引きずる。骨盤内や膣内の狭い所を通るような感覚。

 「排便を急くが、熱いおならが出るだけで、楽にはなるが、またすぐに行きたくなる」。患者が排便に行くよう強いられるが、便座に座ると風が通過するだけである。このような問題で苦しむ老齢者、便秘で苦しむ人、何日も便が出ないが、ほんの少しだけ、日中は何度か感じられる人、排便に行かねばならないが、ほんの少し風が通るだけの人にも、これは役立つ。Natrum sulph.は通常、まさに、この状態に打ち勝つ。「塊状で水分の多い便」。これはAloeの強い特徴である。水っぽい便と混じった硬い塊、 塊は水や液体の便の中にあり、大理石や羊の糞のように見える小さな硬い塊。便秘において便は塊が多く、大理石のようである。これらの小さな結節は便意なく、長時間直腸内に留まり、最終的に無意識のうち出てしまい,服の中で見つかる。肛門内の感覚が完全に喪失、麻酔。便が通過中でも感じがしない。

 多くのAloeの問題は、炎症性の直腸、および結腸下部の鋭い炎症状態を伴う、赤痢的な特徴であり、血が混じった分泌液や、黄色のゼリー様の粘液がある。Aloe患者はこのような大量のカタルや、ゼリー様の粘液だけを出すだろう。ブドウの房のような痔核のためにAloeをお忘れなく。「肛門のかゆみと燃えは、睡眠を妨げる」。患者はあえて肛門の中に指を入れる。痒みはそれほど激しく、患者はそのままにしておけず、そうすれば気を散らせるかのようだ。Aloeの共通の特徴は、軟膏で燃焼が増加する事だ。軟膏を塗布した後に、潰瘍の周りの皮膚が燃え上がる。Sulphur患者もまた、何を付けても我慢できない。それは患者に有毒であり、発疹が噴き出る。

 粘膜が炎症を起こしている所はどこでも、厚いゼリー状粘液の粘液の沈殿物が形成される。潰瘍化した斑点またはアフタの斑点、または炎症を起こした表面がある場合、厚いゼリー状の粘液の塊は、時には皮のように厚く剥がれる。時には、直腸の下部がこの状態にあり、塊状の便がゼリー状になっていると言うだろう。Graphitesの塊状の便は、凝固した卵の白味に、埋め込まれているかのように見える。Aloe患者は、便が出る前に、直腸の下部を占めていた、ティーカップ1杯分の厚いゼリー状の粘液の塊を、はき出すことがある。この症状を示した直腸狭窄の症例を、Aloeが治した。狭窄が、ほとんどすべての便が、肛門へ落ちていく事を防いでいたが、直腸が1日3〜4倍塞ぎ、余儀なく、患者に、大量のゼリー状の粘液を出させていた。なんとか通した便は、そのはパイプ軸より、かろうじて大きかった。我々の薬は狭窄を治せないと言われて来たが、狭窄を治す時もある。それらが患者を治すことができれば、いかに自然が炎症組織全体を受け入れて、管が正常になることか、すばらしいことだ。尿道の狭窄や、直腸の狭窄において、このような事が何度も見られている。

Ammonium Muriaticum (塩化アンモニウム)

 まるで血管の中が沸騰しているような感じが、しょっちゅうある。寒さに敏感。外気中で多くの病訴が増す。ほてりが起き、最終的に発汗する。裂けるような痛みがあり、広範囲にわたって、ヒリヒリした痛みがはびこる。粘膜の、燃えるような、肌を削ぐような痛み。引っ張られるような、靭帯が短くなったような感覚。これは長く作用するレメディーである。信憑性が高い周知の精神面の症状が2〜3ある。ある特定の人に対し、不安や焦燥感、毛嫌いする。頭の神経痛とリウマチ性の痛み。頭の中に裂くような痛みがある。こめかみに縫われるような、裂けるような痛みがある。頭皮や他の部分が痒い。麻疹のように全身に発疹が出る。そのため症状が合えば、莢膜白内障を治す。目の前に黄色い点が見える。黄昏時やぼんやりとした光の中では、目蓋と眼球が燃えるように痛い。明るい光の中では目の前に霧がかかる。冷たい空気の中を歩くと、耳が燃えるように痛い。聞こえにくい。右耳や喉、喉頭のカタル。

 かなりくしゃみが出て、水っぽく燃焼感のある分泌液が出るのだが、鼻が詰まる。喉頭部が燃焼する鼻風邪。鼻風邪に対する伝統医学の外用薬として使われてきた。喉の痛みや、喉頭の炎症が起きる時がある。この疾患では、昔はサルアンモニアの大きな塊ができる結晶のいくつかを、普通のジャックナイフで水の中に削り取ったものだ。症状にかかわらず、皆同じことをした。そのいくつかは、発熱の有無にかかわらず、このような悪い風邪を速やかに治癒した。それは今では見過ごされているレメディーである。その症状は注意深く調べる必要がある。

 その病訴の多くは、顔がひどく蒼白である。顔の骨を裂くような痛み。縫われるような痛みを伴う、顎下腺や耳下腺の腫れ。Am.c.のように、口と唇が燃え流ようで、肌を削ぐ。舌が腫れる。これは、なんとも言いようのない喉の痛みに、非常に役立つレメディーであるが、特に顕著な燃えるような、かなりネバネバするような粘液が起き、首や首の腺が脈打ち、ひどく腫れ、青白い顔をし、喉の中が縫われるように痛く、喉の渇きを伴ったり、伴わなかったりし、腫れた所にひどい痛みがある。

 食べると、食べ物のおくびが出たり、嘔吐したりする。満腹感を伴う空腹は、腸内ガスの状態である。空腹感、胃と脾臓の中の消耗、下腹部に燃えるような、縫うような、裂けるような痛みがある。腸内ガスで膨張する。腸の中でかなりゴロゴロ音がする。鼠蹊部がかなり痛い。月経中、腹部と背中の痛み。腹部が太く、緩み、重く、下肢が細い。排便中および直後の、直腸や肛門の表皮剥離や燃焼。会陰の縫うような、裂けるような痛み。硬くポロポロの便で、排出が非常に難しく、腹筋を使わねばならない。このようなアンモニアの塩は全て、痛みを伴う痔になる。便が擦り落とされたようで、血が混じり、水っぽく、また、午前中に緑色の粘り気の便が出る場合、これはその下痢を治すことができる。Am. cのような月経中の下痢と嘔吐。それは拡大した前立腺や、拡大した子宮も治癒している。

 毎月、月経が遅すぎに来て、背中や腹部に痛みがある。Am. c. のように出血は黒く、血餅を伴う。月経中に、コレラのような症状を伴い、腸または直腸からの出血がある事がしばしばある。

 大量の子宮出血。 痛みのない白い帯下。腹部や月経の症状全てを伴い、ゴロゴロという音や疝痛を伴う多量の腸内ガスが起きる。

 これらの症状は特に、青白く病的で、弱い女性に起こる。

 喉頭や気管支につながるカタルの問題では、縫うような、裂けるような、燃えるような痛みを伴う。喉頭内の燃焼を伴う声枯れや声の喪失。喉頭から白い粘液を絶えずかき集める。腕を使ったり、手作業をしている時に、呼吸が困難になる。外気または冷たい空気中で、胸が重くなる。喉頭がずっとくすぐったい、乾燥した咳。毎日繰り返えし起きる窒息感のある咳。毎日乾いた咳と速い脈拍を伴う、肺結核に向かっているか細い人。

 腰の線での激しい腰痛は、夜悪化する。肩の間が寒い。

 縫うような、引っ張られるような、四肢が裂けるような痛み。四肢が引っ張られるよう。下肢の筋肉や腱の緊張。歩いている時に、太ももの後部に緊張がある。夜寝床の中で足が冷たくなる。夜の後半に汗を多量にかく。火照りと発熱。

 もし読者の皆さんがプルービングを行い、慎重に研究すれば、指摘された方向にこのレメディーを使用することができ、言及されていない使用法を見出すはずだ。

Rhus Toxicodendron(ラストックス/ツタウルシ)

 このレメディーの病訴は、寒く湿った気候から、或は冷たく湿気た空気にさらされてから、発汗中に起きる。患者は冷気に過敏で、病訴はすべて冷気で悪化し、暖かさでよくなる。一般的に、全身にうずく痛みや傷ついた感じがあり、手足の至る所が落ち着きがなく、動きから改善する事は、Rhusの状態全てを一貫する特徴である。動きから改善し、歩く事から改善する一方、歩き続けるとヘトヘトになる。心身の継続する労作は何でも、Rhusの患者を疲れさせる。 発汗を抑圧してから、或は寒気が来てからの、骨の痛みや、筋肉の張り、腱や靭帯や関節の張りを伴う、リューマチの状態で苦しむ。これらは熱を伴い、或は伴わずに起きる。Rhusは老齢者の慢性リューマチの状態に適している、この人は硬く、足が不自由で、動き出しは傷ついたように痛い。 ウオーミング・アップでこれは消えるが、すぐ弱って、休憩せね ばならない。そして落ち着きのなさとうずきと不快感が起き、それで患者は動き、またよくなるのだが、すぐに弱わり、これが続くので、完全に楽になる事も、休まる事もない。腺と粘膜の炎症;筋肉の炎症。かなりの腫れを伴う骨盤や首や腺の周りの蜂巣炎。丹毒になる皮膚の炎症;紫色;押すとくぼみ、時には血が混じったリンパ液でいっぱいの大きな水ぶくれを伴う。膿瘍や癰(よう)や小胞性発疹がある。熱く痛い腺の炎症。それらは熱く、最後には化膿する。腋窩腺 と耳下腺の膿瘍。首や下顎の腺の瘰癧性炎症。骨膜と骨の炎症。瘰癧とくる病。骨の張り出した突起に触れると痛く、頬骨が痛い事もある。病状は多かれ少なかれ定期的に起きる。間欠熱の多くの症状を治し、弛張熱に適する事もよくあり、持続性の熱や腸チフスの初期に非常に役立つレメディーである。Rhusを通して走る痛みはうずくような、 裂けるような、傷つく痛みで、手足のしびれや麻痺性衰弱を伴う事がよくある。感覚の喪失を伴う手足の麻痺がある。 小児麻痺に、Rhusが最も一般的なレメディーである。最近では子守りの女の子が、このような麻痺状態の、脊髄麻痺の子供を連れて来る事がよくある。子守りが公園に赤ん坊を連れて行き、乳母車からその子を取り出し、冷たく湿った地面に下ろした数日後、その子は小児麻痺になってしまう。症状がRhusのタイプをとるので、Rhusはこのようなケ症例を治す。片側麻痺、特に右側。 手足や筋肉の単攣縮。水風呂に入ってから起きたコレラを治している。

 Rhusの精神面の症状のほとんどは、微熱の間、特に腸チフスにおいて見られる。首尾一貫なく話し、質問に焦って答える。不安や心配や恐怖があり、夜、激しく怖がる。Rhusの病状は夜に起きる事がよくある。精神面の症状は夜悪化す る。せん妄は夜悪化する。恐怖や不安は夜悪化する。Rhusの慢性の精神面の症状は、落胆、精神衰弱、頭脳労働が続けられない、人生に嫌気がさし自殺の事を考える。投身自殺したいが、死ぬのが怖い。死にたいが、自殺する勇気はない。多くの例において、患者は自殺の考えに溢れている;悲しみ嘆くが、どうしてかわから ない。まるで不運に出くわしかのような苛つきと不安、急性や慢性の病状において極端に落ち着きがなく、不安で神経質。風邪は体中や手足に留まる。 まるで酔っているかように目眩が多く、歩くとよろめく。

 頭痛は普通、発熱中やリューマチや膀胱炎の時に起きる。脳が緩むように感じられたり、頭にうねる感 じがあったりする。まるで脳が引き裂かれるかのように頭が痛い。耳の中でブンブン音がし、頭がボーッと する。 頭が縫われるように痛い;まるでその部分がいっしょにネジで留められたように感じる;まるで脳が押さえつけられたかのように感じる。頭の筋肉が痛い。頭蓋の骨膜を触ると痛い。後頭部の痛みは、頭を後ろに反らせる事で改善する。頭皮がチクチクうずく。 頭に血液が押し寄せる。耳の中でブーンという音がする。頭皮に蟻走感がある。脈打つ頭痛。高熱を伴う髄膜炎。このようなRhusの症状と共に、ひどく落ち着きがない。不安と落ち着きのなさを伴う脳脊髄膜炎。骨の中がうずき、動くと改善する。頭皮の表面に発疹がで き、接触に非常に敏感。横になる側の頭皮が非常に敏感。頭の骨膜に裂けるよう な、引っ張られるような痛みがある;まるでいっしょにネジで留められたかのように頭蓋骨に圧迫感がある。寒く湿気た気候にさらされる度に、或いは頭の汗を抑圧してから、頭が痛くなる;リューマチ性の頭痛。髪が濡れると頭痛が 悪化する。頭皮上に小水疱性皮疹;大きな水ぶくれを伴う頭皮の丹毒;化膿する頭皮上の発疹。嬰児の頭皮の発疹、頭皮にできたヘルペス性皮疹の治療に、これは非常に役立つレメディーである。

 寒く湿気た気候にさらされてから、或は発汗を抑圧してからリューマチにかかった人における目の炎症で、落ち着きのなさや発熱を伴う。角膜上の膿疱;光恐怖症;目の化膿。リューマチ性特質の虹彩炎。かなり腫れており、目は腫れて閉じている。非常に急性の結膜炎;結膜浮腫;目が赤く、朝悪化する;寒くなってから 起きる瘰癧の目の炎症。目蓋が赤い;浮腫。目の痛みは眼球を動かすと悪化し、特に打ち身のような痛みが ある。眼球の筋肉の麻痺は、リューマチや、寒さにさらされたり、或は足が濡れたため起きる。赤い目と涙;目蓋の丹毒;上目蓋の麻痺。朝目蓋は、多量の化膿した粘液の分泌液で膠着している。Rhus.の患者は下目蓋にものもらいができやすく、目が神経痛になりやすい。

 耳の神経痛;小水疱を伴う外耳の丹毒性炎症;耳下腺炎。鼻血;激しい鼻風邪。風邪をひく度に鼻が詰まる;鼻孔の中がひどく痛い;べとついた黄色の粘液が鼻から出る;緑色で不快臭のある粘液。丹毒から鼻がかなり腫れる。鼻先は赤く敏感。鼻は膨らみ浮腫む。鼻の上や角の発疹;鼻の湿疹は、かなり腫れる。

 顔の丹毒は、燃えるような痛みや、大きい水膨れと、速く広がる炎症を伴い、それはとても紫色になり、押すとくぼむ。顔の丹毒は、顔の左から右に横切り、広がることがよくある。かなり燃えるように痛く、痒く、 刺痛があり、せん妄、高熱が出、 精神面の状態は上記を参照のこと。顔の発疹、顔の慢性の膿性皮疹がある。顎のこわばり、顎とその関節がリューマチの状態。口の角の潰瘍;単純ヘルペス;チフス性発熱では、唇が乾燥し、ひからび、赤茶色の外殻で覆われている;唇は出血している。口の症状はたくさんあり、特にチフス性熱と関連する。舌は痛く、皮が剥げ、出血している;口内の線維全てが燃え るように痛い;赤い舌。味は腐ったようで、金属のよう。歯は血で覆われ、歯茎に熱があり、出血を伴う;舌に水ぶくれがあり、口全体が皮が剥けたように見え、出血している時もある。口は乾燥し、唾液が溜まり、時々口の中で血の混じった唾液があり、睡眠中口から流れ出る。

 Rhusにおいて、喉の渇きはしばしば激しいが、喉の締め付けから、固形の物を呑み込みにくい;呑み込むと痛い;喉の炎症;喉に痛みのある炎症を伴い、喉の内外部に蜂巣炎が起きる。首の肥大;首の腺が腫れる。首が凝る;耳下腺に 丹毒性炎症が起きる事がある;喉がかなり腫れる。Rhusはこのような症状を伴うジフテリアを治している。Rhusは特に食道の炎症に合う。腐食性の物を呑み込んだ急性の場合、そのような物が引き起こす広範囲の蜂巣炎のため、 Rhusのような症例を作り出す。

 このレメデイは非常に妙である。たとえば、食欲がないのにお腹が空き、食べ物は欲しくないのに、お腹が空いた感覚や胃が空の感覚がある。非常に喉が渇き、口や喉が乾燥する;冷たい飲み物をいくら飲んでも満たされず、特に夜に口がひどく乾く事を伴う。だが、冷たい飲料を飲むと寒気がし風邪をひく。

 胃の痛みと吐き気。欲しい物もまた変わっている。牡蠣や冷たいミルクや甘い物を欲する。肉が嫌い。Rhusには吐き気と嘔吐があり、胆汁を吐き、冷水を飲むと吐き気がする;食後吐き気がし、突然吐く;吐く傾向と共に、途方もない食欲がある;夜と食後に悪化する。

 みぞおちに脈動があり、胃に差し込む痛みがあり、精神的負担から胃が充満し重い;かなりの重さから、みぞおちが圧迫される;特に冷たい物を食べると胃痛と吐き気が起き、アイスクリームを食べた後で胃が痛くなる;アイスクリーム を食べた後に吐き気がする。

 肝臓に圧迫で膨張と圧痛が起きるため、肝臓の右葉側に横になれない。動き出すと痛みが増し、肝臓部に撃痛が起きる。

 下腹部にRhusの病訴が多い。腸チフスの間腹が膨らむ;下腹部の線維は触ると極めて痛い;どんな圧迫にも耐えられない;衣服に過敏。疝痛;痛みや激しい疝痛で、手足をまっすぐにし仰向けになるしかない。下腹部のどの組織も炎症を起こす;腹膜炎;腸炎;盲腸炎。

 腸のこのような激しい炎症状態の間、腸チフスの症状は便の失禁を伴って起きやすい。下腹部と鼠径部の腺の炎症と腫れ。腸チフスの状態と共に、下痢や、多量の水っぽい血便やドロドロの便が出る;不随意の便;泡のような便。腸チフスで発熱中の下痢;下痢は夜に悪化し、日中は改善する;ひどい疲労を伴う便の失禁。軽い小児コレラを治しており、血の混じった粘液便を伴う赤痢に役立つ事がよくある。激しいテネスムス;下腹部は、激しく、裂くように痛く、つままれるように痛い;便失禁;赤痢の便;赤痢の分泌液が出て、時には4時ぐらい早く、朝ベッドから飛び出る。腸から黒っぽい血が出る。直腸に撃痛がある。ひどい痛みがあり、内部か突き出ている場合の痔を治している;直腸を押して排便後に突き出る。

 テネスムスと共に排尿に駆り立てられ、前立腺の辺りが痛く、排便に駆り立てられ、動き回る事で改善する。腎臓部に 多かれ少なかれ裂けるような痛みがある。蛋白尿、血尿、熱い尿、白い沈殿物があり、立ち上がると濁っており、 尿のに血の混じった雫が滴る。血の滴りを伴う、膀胱の激しいテネスムス; 尿の残留感;麻痺して弱っている膀胱から尿がゆっくり排出する。夜ベッドでおねしょをする事を伴う膀胱の麻痺を終わらせる事もある。日夜頻繁に排尿に駆り立てられ、少女や女性で膀胱が弱く頻尿で、特に女性で、冷たい空気や、とても寒くなって尿が漏れてしまう。

 男性生殖器には、丹毒の特徴の炎症がある。性器の皮膚炎。陰嚢が分厚く硬くなり、我慢できない痒みを伴う;性器の浮腫の腫れ;性器の丹毒;性器に湿った発疹。女性も同じ症状があり、特に性器の丹毒性の腫れがある;そしてある程度発疹ができる。 女性は力んだり、物を持ち上げた時に子宮脱が起きる;骨盤の筋肉がすべて弱い;いきんでから下腹部に分娩のような痛みが起きる。月経の出血が多い;血餅があり、分娩のような痛みを伴う。月経は早く来すぎ、量が多すぎ、長引きすぎる。出血は皮を剥ぐように刺激的で、その部分は表皮が剥がれる。過労の度に月経過多になる。月経の出血に膜質の組織が混じる;濡れたり、足が濡れたり、寒気がすると、月経の出血が抑圧される。妊娠中では、力みすぎや流産の傾向から、同様の病訴が起きる。後産期陣痛はかなり苦しい。女性は白股腫で起きるような蜂巣炎を患う。腸チフスの症状が起き、乳腺に炎症が起きる。母乳がなくなる。

 風邪の多くが喉頭に、声枯れや表皮剥離、ざらつきを作り出す。胸の痛み;大声を出したり、声の使い過ぎから、喉頭の筋肉疲労が起きる。歌い出しで声が枯れ、2、3音符歌い出してからや、ほんの少し歌い出して声が消える;喉頭内が燃えるように痛く、表皮が剥がれる。Rhusは、鼻で始まり喉頭に広がり、声枯れとRhusの症状を伴うインフルエ ンザの多くの症例に合う。呼吸は速い;胸の圧迫;特に肺炎や気管支炎や、また胸に留まる風邪において、非常に呼吸しにくい。Rhusは頑張ると息が切れる。Rhusの咳は非常に苦しい;しつこい咳が出る;ほとんどあらゆる種類の発作が起きる;寒気の前や間で、苦しく、乾燥し、しつこい咳が出る。乾燥したしつこい咳のために、寒気が起きるのがわかっている;口内に血の味が伴う咳;乾燥し、声が枯れ、拷問のようなリューマチ性の咳や、リュー マチ熱からの咳。

 肺炎;肋膜炎は、縫われるような痛みを伴い、かなり熱が出て、骨のうずきを伴い腸チフスに向かって進行している; 落ち着きがない;一般的に動きから改善する;酷い熱で、顕著な喉の渇きを伴い、非常に疲労する;腸チフスの症状。肺炎 は軽いタイプ;このような肺炎は腸チフスより優先するだろう。Rhusは肺や気道の粘膜から血痰を吐く;過労で胸から出血;管楽器を吹いて出血;激しい精神の興奮で胸から出血。

 心臓は弱く、動悸を伴って震える;じっと座っていると激しい動悸が起きる;脈拍が身体中を動く;朝起きがけに不安な動悸が起きる;運動から動悸が起きる。まるで労作が心臓の筋肉を酷使したかのよう;激しい運動からの心臓肥大;運動選手や走者に起きる肥大;突き刺すような痛みを伴う器質的心疾患。心臓病を伴う左腕のしびれと張り。

 背中に、こりと張りがある。これは動き始めに最も気づく事であるが、動き回るとおさまる。こわばりを伴う肩の痛み;食べ物を呑み込む時に肩の間が痛む;リューマチの症状;肩甲骨の間が痛く緊張している。座っている間に腰のくびれがうずく。椅子から立ち上がる時、痛いこわばりがある;背中全体に、打撲したかのように、背中が痛く、ヒリヒリする痛みや、張りがある。背中の痛みは硬い所に横になったり、運動したりすると改善する。まるで背中が折れたかのように、背中、特に腰部に激しい痛みがある。濡れたり、重い物を持ち上げたり、風邪をひいたり、発汗を抑えたりしてから起きる腰痛のためのレメディーである。 動きや動き回る事で改善し、動き始めに悪化する。このレメディーには下肢や体の一部の麻痺性衰弱を伴う、背骨の症状が多くのある。仙骨にこわばりと張りがあり、運動後休憩すると悪化する。一般面で言われて来た四肢に見られる症状が、今予測されるかもしれない。縫われるような痛み、圧迫する痛み、あらゆる種類のリューマチの張りがあ り、これらの痛みは動きで改善し、じっとしていると悪化する。それは冷たい空気や発汗の抑圧から起こり、この痛みが進んで悪化すると、四肢を破壊すような痛み、引っ張られるような痛みになる。麻痺した痛みや、感覚を失う痛みがあり、これらは動くと楽になる;手足中しびれる;心臓疾患から腕がしびれたり、うずいたりする;関節のしびれ;関節に、グイッと引っ張られ、裂けるような痛みがある。腕の麻痺;四肢にかなり腫れを伴う丹毒;手や腕の腫れ。何かを摑む時、手や手指に、ヒリヒリしたり、チクチクしたりする痛みを感じる;手指先や手指に、何かが這うような、しびれがある;手指の腫れ;手や手指に発疹。下肢に同様の痛みと、モダリティーが見られる。仰向けに寝る と、臀部が痛い;座骨神経痛は、下肢に裂けるような痛みや、引っ張られるような痛みを伴い、休憩中は悪化し、動きで改善し、寒気からや、冷たく湿気た天候から、それにさらされてから、或は発汗の抑圧から起きる。足首や、実のところ他の関節に起きるような捻挫では、Arnicaがまず最も痛い症状を取り除いた後、捻挫に常に続く弱くなった腱と筋繊維に、Rhusは役立つようになる。これは、捻挫に後続する関節のこのような弱さに対する、お決まりのレメディーである。痛みは四肢を猛スピードで急降下する;夜、四肢に落ち着きがなくなるが、動きで改善する;四肢を動かし続けなければならない;下肢の麻痺;下肢のひどいだるさと重さ;階段を上る時に下肢が弱わくなる;下肢の関節の腫れ;膝と足が堅くなる。濡れてから、特に汗をかいてから、脚に発作性の痛みが起きる;湿気の多い家に住んでから病状が起きる;湿気の多い家に住んでから起きる下肢のリューマチ。脚の潰瘍。夜 ベッドで我慢できないほど足が痒くなる;足脚に発疹。皮膚炎;リューマチ傾向がある人の足の悪臭。下肢の発疹。Rhusは発熱に役立つレメデイである。腸チフスには十分言われて来ている。これは、ザラザラした発疹を伴う猩紅熱に、非常に役立つレメディーである。発疹が抑圧されると、腺の炎症が起こり、喉がより痛くなる。発熱中には激しい蕁麻疹が起こることがよくあり、発汗中は次第に消える;かなり痒い発疹を伴う寝汗;足の発汗を抑えてからの発熱;リューマチ熱;熱は、夜に悪化する;唇に冷たい痛みが起きる熱、弛張熱や間欠熱は、腸チフスの型をとり、症候性腸チフスの経過をたどる。皮膚が我慢できないほど痒い;皮膚がチクチクする;発疹は燃えるように痛く、激しく痒い;皮膚上の発疹はかなり湿気ている。皮膚上に大きな水ばれができ、丹毒を伴ったり、 伴わなかったりする。絶え間ない痒さは、その部分を「熱湯消毒」して楽になる事があり、それはツタウルシでかぶれた人が、できるだけ熱いお湯でその部分を「熱湯消毒」するようである。Rhusは帯状疱疹や 疱疹性発疹の傾向を治している。それは、剥げて湿めり、表皮を剥ぎ、かなり滲み出る発疹という主要な記録を残している。濡れてからできる蕁麻疹や、リューマチの期間や寒気の間や発熱中にできる蕁麻疹で、冷気中で悪化する蕁麻疹に、非常によく使われるレメディーである。

Sepia(セピア/イカ墨)

 Sepiaは骨盤が狭く、ゆるんだ組織と筋肉を伴い、背が高くすらっとした女性に合う;このような女性は女性としていい体格をしていない。男性のような腰がある女性は子供を産む体格ではなく、骨盤と組織を緩めなずに、女性の機能を果たす事ができない。非常に背が高く、すらっとしており、肩からずっと寸胴である体格はSepiaの体格である。

 Sepiaの患者の最も強い特徴の一つは、愛情の状態という精神に見られる。かなりの範囲でレメディーは、自然の愛を感じる事や、愛情深くある能力を阻止しているかのように見える。母親のことばでそれを表現すると「子供や夫を愛すべきである事はわかっているし、彼らを愛していたけれども、今ではその感情が全くない。」 愛は愛情に向かわず、認識に乏しく、そのような愛情を表す事ができない;愛自体が現われない。思うに、愛自体はそれほど変わる事はありえないが、愛情は愛の表現であるものとしてありうるだろう。愛情が静止している事がこのレメ ディの著しい特徴だ;すべての物が変に見える;彼女は気が付かない;よそよそしくし、自分が愛している者たちから顔を背けさえする。この事は精神錯乱の境にある;夫に裏切られた女性が夫を愛していない事を理性の心の内で知って いる事とは、全く違う愛情の状態である。

 この状態は、分娩の間、子宮や他からの出血後、長引く消化不良の後で、女性にやって来る;循環異常、蒼白、心身の衰弱 を伴う贅沢な生活。男性には滅多に現われないが、女性に顕著な特徴である。子育ての時や、もっと多くの乳流体を必 要とする過度に活発な子供や双子を育てる事から弱った場合に、しばしばやって来る。過度に精力的な夫を持つ女性にやって来るかもしれない。過剰な性的興奮と過剰な溺愛は冷たさをもたらし、彼女は冷たい女性となる。

 興奮しやすく神経質でそわそわしていた人が、反対に冷たくなり心の禁欲状態をとる。しかしSepiaはいかなる薬の興奮性もすべてもち、音や興奮や仲間で悪化する、組織と心の極端な苛立ちがある;興奮した自殺志向の患者;鬱で、座って何も言わない;無口;答えさせたらそっけなく質問に答える。あらゆる喜びがない、物事が現実だと認識できない;すべてが変に見える;人生の楽しみに愛着がない;喜びがない;人生は彼女にとって何もない。仲間に入ると悪化するが一人でいる事を恐れる;仲間の中にいると意地悪で、心の鈍さの中で意地悪;最も好きな人に悪意を発散する。Sepiaの女性は自分の意見に逆らわせない。もし論争が立ち上がったら、彼女の最もいい印象がなくなる。

 次に最も一般的である状態は、印象付けて見る必要がある黄ばんだ特別な肌の色である。Sepiaは黄疸があるが、この特別な 黄ばんだ肌は蝋のような貧血性の容貌で、黄色いしみがあり、黄色い鞍が鼻を横切り顔の横を下りると描かれている黄 ばんだ色合いが鼻と頬を横切る。顔全体に大きなそばかす、妊娠中のような大きな茶色いまだらな斑点、頬の茶色い斑 点、茶色のイボ、赤やピンクだったイボが染まる;顔や胸や腹の肝班もまたよく見られる。顔の肌は黄ばんで青白く、 まるで筋肉がしまりがないかのように見える;知的な鋭い輪郭の顔をSepiaが示す事は、滅多にないのがわかるだろう; 長い間考えて来た人は、考える人や意志と知能が進化して来た人の輪郭と鋭い角度を持つ。Sepiaの対象となる人は、 どちらかというと愚かで鈍く、ゆっくり考え、忘れっぽい人である;マインドが決して活動的でなく、それが顔に見え る。しかしながら多くの例において、Sepiaの患者は素早い患者だが、知能の鈍さが最も顕著な特徴で、それが顔に反射して表れている。顔は一般的にむくんでおり、しばしば滑らかで丸く、知的な線と角度がないように見える。この患者 は貧血のようで、青白い唇と耳があり、青白く、黄ばんだ顔、指と手はしなびて、黄ばんで、蝋のようで、血の気がな い。Sepiaは体がドンドン痩せ、肌がしわになる;その人は年より老けて見える;35歳の人の顔にしわと黄ばんだ斑点が混じり、まるで50歳であるかのように見せる。しなびて乾燥した老人に見える子供。

 すべての病訴と共に便秘がある。腸は内部の物を排出する能力を失い、患者は常に便秘;妊娠中の便秘;遅く困難な便;羊糞のような便。 直腸にいつも塊があるような感じがあり、腸を決して空にする事ができない;排便に行っても常に塊が直腸の中にある感覚がある。便が腸の下部を通る時、便を押し出すような蓄積ができるまで排出しない。

 ほとんどのSepiaの患者において代表される他の特徴は、お腹がペコペコで、滅多に満足しない;たくさん食べても、胃の中に消耗する、空っぽな、空腹感があり、食べても楽にならないか、或は一瞬だけ楽になる。特に便秘や愛情の特別な状態につながった場合、この事は顕著である。

 この症状が脱出症とつながった場合、それがどんなにひどい脱出症だったとしても、いかなる種類の置換であろうと、 Sepiaは確実に治すだろう。それは内側の部分がすべて緩んだ状態の結果であり、まるで下に下ろされたかのようで、紐 で上に持ち上げるか、その部分に手かナプキンを添えたい;流れ出る感覚で、座って脚を組んだ方がいい。

 大変空腹で、便秘、引きずり落ちる、精神状態、これらの症状がそれ自体いっしょに集まった場合、それはSepiaでありSepiaだけである。 一つでは十分でなく、結合する。

 Sepiaは著しいカタルの傾向があり、粘膜から乳状の分泌を出す傾向がある。消化が終わったすぐ後に、胃が空になり、 吐き気や時には嘔吐が来る。それは胃のカタルの状態で、乳状の嘔吐を伴い続けた場合、Sepiaは非常に役立つ。 これは妊娠中の嘔吐に珍しくない特徴である。食べ物を吐き出し、胃を空にした後で乳状の液体を吐くか、或はおくびを出す; 朝の嘔吐、まず食べ物を吐き、そしてミルク状の物質を吐く。これをミルクを吐く事と混同してはいけない。ミルクだけを吐く薬があり、Sepiaもそうする。

 鼻孔後部や、膣から白っぽい乳状の分泌物が出て、皮を剥ぐような、時々カードやべとついたチーズのような乳状の帯下があり、 ひどく臭い;またべとついた黄緑色の分泌物もある;粘膜に乾燥した固い外皮の形成物がある。

 長引く根深い鼻のカタル、べとついた黄緑の塊が鼻から飛び出て、べとついた皮のような形成物が、咳払いで鼻の後 部から出る事がある。味覚や臭覚が無くなる。料理や肉や煮汁の匂いで吐き気が引き起こされる。べとついた、粘り強 い、黄色い痰を伴い、激しい咳と吐き気、激しい長引く吐き気、空嘔吐、嘔吐;胸部のカタルを伴う;乾燥した咳だが ガラガラという音がある。百日咳;吐き気と尿の喪失を伴う喘息性の咳。咳は激しい。寝始めの咳 (Lach., 苛ついた子 供にはCham.)。淋病を抑圧した後の急速な消耗;十分早く与えればそれは止まる。夕方から夜中までの痙攣性の乾燥し た咳;咳の間胸を押さえる(Bry., Natr. sulph., Phos.)。

 皮膚の発疹。生殖器や唇と口の周りに、ヘルペス性発疹を作り出す傾向がある;顔や体の上に白癬。陰唇と包茎の帯状 疱疹とヘルペス性発疹を治して来た。脇の下や肘の先に水疱性皮疹;肘の上に大きな外皮を積もる発疹;関節上に分厚い外皮を形成する;指の間の発疹;水っぽい液体またはべとついた黄色い化膿した液体を流し出す。

 Sepiaは、上皮腫のような発疹のいくつかの形に属する硬化を作り出す;唇に硬化ができひび割れ出血する。上皮腫のよ うに見える鱗状の発疹は、特にSepiaにある。鱗がはがれて黄緑の脳漿の基盤が残り、かさぶたがはがれたらすぐ他のができる;遂に早まってちぎれ、出血する。Sepiaは唇や小鼻や目蓋の上皮腫を治して来た。形成し続け、下にこのべとつい た黄色い化膿した滲出物が見える、陶製のパイプの使用で起きる年よりの硬化症を治して来た。浸潤がある皮膚上にこ ぶや類狼瘡の形成において示される;中心か輪を形成して治る事がある;これは典型的なSepiaの状態である。固さと紫 色は、特にSepiaがあるものである。 この紫という面のため、SepiaはLachと同等に立つ。

 Sepiaはヒステリーな体質がある。急に一泣きして1分間悲しく、優しく、しなやかな反面、無愛想で興奮的で強情であ る。次に彼女が何をしようとしているのかわからない。彼女は変な事を言ってしたり、間違え、頼りにならない;精神の持久力がない;自分の家族に愛情がない;熱がある時ではなく、乾癬や淋病が慢性化して現われた時、マインド 全体が弱く混乱する。幽霊を怖がる;何か普通でない事が起こるのではないかという恐怖;大気は形態で溢れており、 見えないが、そこにある事がわかる;別れた友人や他の姿で、宗教的信仰に従って非常によく起きる。誰かを困らせな いと嬉しくない;不満に関連している; いやみを言う;精神異常や貧困への侮辱的恐怖。「飢えへの恐怖、気難しく屈 辱を感じる、怖がりやすく予感で一杯」「情熱的、苛ついた;些細な原因から最大の苛立ち、感情を損ないやすい。憤り叱り捨てる」。

 頭痛は神経質で、気難しく、定期的で、激しく、頭全体を含む;うっ血。一般的に横になって、完全に静かにすると改善する; ほとんどのSepiaの症状のように、普通の動きで悪化するが、激しい動きで楽になる;苦しみから立ち去る事ができる。脳の停滞、思考の遅さ、マインドが働かず知的作業は頭痛を悪化させる。いい実のある睡眠はそれを改善する が、睡眠後短い間起きていた場合、頭痛は悪化する。同様の事が、動きに関してみられる;目や頭や体を動かす事や、 暖かい部屋を動き回る事は、痛みを悪化するが、熱くなるまで外気の中をよく長く歩くと楽になる。快適な状態に保つ ため運動や、激しい運動を要求する体の不活発な状態である。Sepiaの症状は、持続運動と合わさなければ外気の中で 悪化する、外気の中で運動すると改善し、家の中で運動すると悪化する。頭痛はかがむ事、動き、咳、階段を上る、耳障りな音、光、頭を回す事、仰向けに横になる事、考える事から悪化するが、持続した激しい運動は楽にし、きつく絞 める事と暖かい部屋で悪化するが、熱いもので楽になる。

 後頭部に影響を与えるSepiaの頭痛があり、朝に悪化する;目とこめかみを通じてひどく痛い;発汗で楽になり、動き始 めに悪化する;かかむと動悸がする、階段を上がると悪化する。

 Phos.の頭痛は睡眠により楽になるが、持続する早い動きで悪化する。それに我慢できない。Sepiaは古風な胆汁性頭痛に適合する。吐いて改善;痛みは徐々に増し、食べ物を嫌い、吐き気、嘔吐、そして患者は眠りにつき頭痛が無くなっ て起きる。 Sang. はそれに似ており、吐いた方がよくなり、暗い部屋で改善;しかし方向が違う。

 頭の神経痛;痛風にかかった人で定期的に来る吐きそうな頭痛;音に敏感な若い女性の激しくうっ血性の頭痛、極端に 繊細な性質の女性、特に濃い目、黒い肌、病気から黄ばんだ肌になった人に。黄疸は頭痛と共によく起きる;頭痛が終わると嘔吐があり、数日間黄疸があり、その黄疸はなくなるが、次の頭痛と共にまた戻って来る。毎朝吐き気と共に来る頭痛;食べ物の匂いがいや。

 Sepiaは上述のようにマインドの馬鹿げた状態をとる;働かない;質問に答えない;まるで酔ったような無感覚になったような;目と顔が腫れる、白目が黄色く黄疸。 これは激しい嘔吐で終わる事がある。香料のきいた、刺激のある、ビー ルのように苦い物を欲する ー 頭痛持ちの年取った酔っぱらい;卒中の恐れがある。「過剰に酒やセックスに溺れた 男性の卒中、痛風と出血などの傾向を伴う」「関節炎と痔蝋の不調になりやすい享楽生活にふける中年男性における卒中の恐れ;彼らは何度か軽い卒中の発作を通過しており、発作症状を伴い頻繁に訪れている」。

 頭の外部下方には発疹があり、毛が抜ける;黄色いかさぶたができる;膿や他の液体がじくじく出る;嬰児の小水疱性発疹。

目;小水疱と膿疱顆粒の目蓋の潰瘍と乾癬の現れを伴うカタルの症状;目と目の周りの様々な浸透の状態;目蓋の縁の膿疱;眼球の膿疱、まるでガーゼを通して見ているよう; 足根骨の腫瘍、目蓋の癒着、ものもらいなど。 耳の分泌物はべとつき、黄色い膿が出る;不快臭。

 鼻は大好きな場所である;臭覚の喪失;黄緑色のべとつた鼻くそで鼻がいっぱいになり、吹き出せない;べとついた黄色い膿の根深い分泌物。「鼻から大きく不快な臭いの詰め物、だいたいいつも非常に大きいので口に戻り痰になり、嘔吐を引き起こす。特に左鼻腔の乾燥した鼻風邪、鼻血を伴う黄色か緑の粘液の大きな塊、或は黄緑色の固い鼻糞が後続する」。これはカタルの最悪の形の描写である;このようにひどくなる事は極めて少なく、局部の治療を施し、進行は 一度に胸へ行き、初期肺結核がやって来る。

 歯茎が歯から離れる。冷たい物をとる事から起きる歯痛と神経痛。

 喉に塊の感覚が(Lachのように) あるが、後者は呑み込む事で改善する。( Cinaを示す女性の問題においても同様) 。Lachのように襟とコルセットが気持ちが悪い。Lachのように眠り始めに悪化。

 Sepiaは食欲や喉の渇き、飲食、胃などにつながる多くの事をもたらす。Sepiaの患者は一般的に腐敗した胃に気づいてお り、食べ物の酸っぱく苦いおくびや、粘液や胆汁のおくび、食べ物や粘液の酸っぱく苦い嘔吐がある;無くなってしまった、お腹がすいた、胃が空っぽの感じがし、食べても楽にならない時もある。 時々、かじられるような痛みがあり、衰弱し消耗する空腹感は、食べても楽にならない事がある。ほとんどずっと続く吐き気があり、特に朝に起き、吐き気とおくびと乳状液体の嘔吐がある;胃が空っぽの時、吐いたり、唾を出したり、乳状液体のおくびが出たりす る。 ColchやArs.のように、食べ物や料理の臭いを嫌う。患者は何も無い感じで朝起き、胃の膨張と充満感があり、その後、粘液や乳状の液体のおくびや上 昇が起きる;妊娠期の嘔吐;朝、ミルクのような水を吐く; これがSepiaの特徴である。

 鼻を突く、燃えるように痛いおくびが出る;胸焼け;悪臭のするおくびが出て、喉の皮が剥げるよう;おくびの別の形である胸焼け;表皮を剥ぐような、酸っぱい液体は燃えるように痛く上までずっと上がり、そのため収縮したり、うずいたり、しみたりする。

 激しい吐き気;胃の中にひどい苦しみを伴い、死ぬほど衰弱する。

 Phos.は、食べて楽になる典型的な空腹が多くある。Ignatiaの患者は、いつもため息をつき「その感じ」が除けない。

 Oleanderは、まるで死にそうな全てが無くなった空の感じがある;食べ物で楽ににならないし、消化されないが、翌日に不消化は終わる。

 Lyc.は、全てが無くなった感じは食べてもよくならない時もあり、食後も前と同じくらい著しく感じられ、食後にズキズ キした拍動が来る。

 Kali carb.もまた、食べても改善しない;食べて更にひどくなり、充満感と拍動感が後続する。

 肝臓と心臓の深刻な疾患において、胃は消化し続ける事ができない;動悸がし、かなり衰弱し、肝臓はうっ血し、白い便が出る。 死んだように衰え、食べてもよくならない事を伴い、ここにDigitalisが来る。Sepiaでは、この症状は、愛情の喪失や直腸内のしこり 、便秘などと関連している。

 「単純な食べ物を食べた後でも、胃が痛い。胃の中に縫われるような痛みや、燃えるような痛みがある。胃痛は嘔吐で悪化する」。 嘔吐は普通苦痛を和らげるので、これは特別である。Sepiaの胃は皮袋のようになり、満タンで、食べたばかりかのように食べ物が上がって来るか、時には酸ぱかったり、胆汁と混じっていたりする。

 肝臓の炎症、黄疸を伴う肥大、痛み、充満、鼓腸、肝臓部の苦痛。

 下腹部がガスで膨張し、ゴロゴロと鳴り、膨らむ。このような障害は、太鼓腹のお母さんたちに慢性化している事がよくある;下腹部が茶色の斑点だらけである。

 Sepiaはサナダムシを除去して来た。

 慢性の下痢で、便はゼリー状で塊がある;下痢と便秘が交互に来る;便秘にしろ下痢にしろ、便と共に多量の粘液が出る;固い便は、非常に多量のゼリー状の粘液で覆われている。何日も排便せず、汗びっしょりになっていきむが、 まだ便が出ず、指で支え長くいきむと、小さな便が出、その後カップ一杯ほどのゼリー状の粘液が続き、黄色かうすい黄色で非常に不快臭である。

 急性の下痢と、ゼリーのような便を伴う赤痢は、Kali bi.とColch.の方が一致する。慢性の下痢か、或はゼリー状の粘液に覆われるか、それが後続する便秘は、Sepiaである。

 Graph.と混同してはいけない。それはもっといきんで汗を出して大量の便を出し、加熱した卵の白味のような物で覆われたり、混じったりしており、まるでアルブミンで覆われているかのようである。

 Sepiaはかなり不快臭がある;便の臭さは異常で、柔らかい便は恐ろしく臭く、悪臭を放つ;汗は臭く、尿も悪臭がある。「便は腐敗した、酸のような悪臭があり、突然一度に全部排出する」。2〜3の症状があると、 便秘にSepiaが決まったように与えられる。排便後、直腸に充満感がいつもある;患者は衰弱し疲れ切っているため、 がんばっていきんで汗をかいても、無駄に終わる。Sepiaは Nux.のように便意が無駄に終わる。その人は何日も便意がなく、その後あたかも分娩中のような努力をする。脱腸。肛門にボールの重力がかかっているようで、排便しても楽にならない。肛門の痛み。回虫の駆逐。直腸からジクジクして湿り、臀部の間が痛い。

 直腸が糞で非常に詰まっている場合、すぐに痔蝋ができ、それが更に問題となる。

 尿の問題がたくさんある;子供が夜寝るとすぐにおもらしする。Sepiaは膀胱の頸部に心を集中させ、さもなければ尿を漏らすだろう;咳やくしゃみをしたり、笑った時、ドアのバタンという音やショック、或は気が散った時に、 尿が漏れる。火のように燃えるミルクのような尿で、しょっ中ずっと尿意があり、しばらく立っていると、乳状のグレーがかった沈殿物ができ、尿管を洗い流すのが困難になるだろう。血の混じった尿は乏しく、抑圧され、腎臓と膀胱にひどい痛みがあり、かなり重くのしかかる;まるで子宮が出て来るかのようなシブリ腹で、突然排尿したくなる。人が周りにいるご婦人のように、排尿できなければ、ナイフで切ったように突然排尿したくなり、身体中寒気がする。あるかわいそうな症例を覚えている。ある女性の店員は、数分毎に洋服タンスへ行かされていた;ナイフで切ったような激しい痛みが、放尿の欲求と共に起き、もし放尿しなけれ ば、この痛みはずっとあるだろう。彼女は強いてマインドを尿に集中させ、さもなければ、漏らしていただろう。その人は背が高く、痩せて、血色が悪い顔で、苦しんで見え、やつれて疲れていた。Sepiaはその人を治し、決して再び苦しむ事はなかった。

 Sepiaの患者は3ヶ月で流産する。あらゆる種類の潰瘍の状態、転移、引落ちる、弛みがある。停留胎盤。復古不全や、骨盤内臓器すべてが疲れて弱っている。更年期中の不正出血、または妊娠中、特に5ヶ月と7ヶ月の不正出血。男女共に異性を嫌う。 女性において、これが症例でない場合、まるで過剰に欲望を満足させて来たような状態がある。忍耐力がなく、性行後疲れ、夜眠れず、夢ばかり見、筋肉の痙攣、単攣縮、帯下、骨盤のうっ血がある。夫と普通の関係だった女性が、子供を産んでから、性的関係の事を考えると吐き気と苛立ちが起きる。

 月経の症状は、あらゆる種類があり、特別でない発狂はSepiaの特色を与える。かつては乏しい生理の方が顕著な特色であると思われていたが、これはあまり必要ない;プルービングや臨床の観察から、多量の生理は乏しい生理同様に治されている。

 繊細な組織の少女や、血色の悪い肌の少女の、非常に激しい月経困難症。

 授乳期間が終わって生理が来るべきなのに来ない場合に、Sepiaが来る;死産で、生理が来るはずなのに現われず、母体は衰弱しやつれる;Sepiaは生理の出血を作り出すだろう。

 Calc.は反対である;授乳期間中に生理が来る。べとついた、緑っぽい、表皮を剥ぐ帯下、或はミルクのような帯下。幼い少女の帯下。

 男性において、射出を耐えて来た老齢者の淋病の分泌液。尿道から多量の黄色や乳状の分泌物が出るか、または無痛の「最後の 一滴」が出る 。急性の症状が静まった後の淋病。尿酸塩を含んだ尿、あらゆるものを赤く染め、皮を剥ぐような事がよくあり、非常に臭く、前立腺炎を伴う。「後淋;無痛;分泌液は夜だけで、一滴、または布を黄ばませるくらいの滴が出る;黄色っ ぽい分泌液、放尿中に燃えるような痛みはない;無痛;1年半の期間;朝に尿道の穴がひっついており、特に、長期継続した疾患のため、或は頻繁な射精をしてきて、生殖器が衰弱している場合」。

 生殖器上のイボ;この生殖器が過剰に使われてきており、そのように見える時、Sepiaは役立つ。男性の不能や、女性の性欲喪失に。

 このレメディとMurexの近い関係は、考える価値がある。筋肉の弛み、下腹部と骨盤の衰弱、労作や歩いたりする事で悪化し、脚を組んで座る事で改善し、生殖器を圧迫する事で改善する事は、双方のレメディのようだ;だが、これに生理の大量出血と激しい性欲が加わるとMurexを考えねばならず、Sepiaは除外される。どちらも胃が空の感じがする。Sepiaは性欲が減退し、嫌う事がよくある。Murexは子宮が非常に痛くうっ血しており、子宮にいつも注意が行く。 Murexは子宮の右側に急性の痛みがあり、それは斜めに体を横切り、左胸部または左乳房まで上がる。激しい月経困難症を治して来た。子宮癌に役に立って来た。水っぽい;緑っぽく、べとついた、血の混じった帯下が出て、カユミを引き起こ す。

 Sepiaの最も一般的な特徴の一つは、激しい運動で改善する事だ;動き始めは悪化するが、暖まって来ると改善する。 この状態は背中の症状と密接に関連している。背中にひどい痛みがあり、背骨の痛みは背骨をずっと下がって行く。背骨の圧迫は痛い部分に現れる脊椎過敏症。背中の痛みは、主に腰から尾てい骨までで、しばしば座る事から起き、激しい運動で改善する。特別な特徴は強い圧力で改善する事だ。患者は通常椅子の下方に本を置き、それにもたれて背中に圧力をかける。SepiaはNatrum mur.のように仰向けに寝て改善するようには見えない。かがむと背中の痛みが悪化する。「背中の痛みは、ひざまずいて悪化する」。

 下肢の症状では、足のひどいしびれが見つかる。「特に晩、寝床で足や脚が冷たくなる;足が暖かくなると、手が冷たくなる;足が氷のように冷たい;足の多量の汗や、或は我慢できないくらい臭い汗が、足の指の間の痛みを引き起こす;四肢の 腫れは歩行中改善する」。

 睡眠は夢と苦悩で溢れている;心臓の動悸のため左向きに寝る事ができない。睡眠中の動悸は、身体中の脈動と痙攣を伴い、手の指先がトクトクする。

 マラリアを抑圧した老齢者の症例では、Sepiaは寒気を戻すが、最も有効な面は、レメディの選択が悪く、症例が混乱した後である。症例のたった一部のためだけにレメディが選ばれ、少し変化したが、患者はよくならない。発熱や寒気や発汗がこの上なく不規則に見えるだろう。Natrum mur.は最もすばらしいマラリアのレメディの一つであり、 Chinaのように規則に溢れているが、Sepiaは無秩序だらけである。レメディーによって混乱した症例では、Calc.やArs.、Sulph.、Sepia、Ipecac.を考えるとよい。不規則な症状や段階に決して、ChinaやNatrum mur.を与えてはいけない。

 Sepiaは、Natrum mur.を補完する。精神が馬鹿げた状態を除いて、 しばしばNatrum murで目立つ、たとえば音やドアを閉じる音に乱されるような、一般的な神経系の興奮状態がある。それは、睡眠中に筋肉の痙攣を作り出す;想像で音が聞こえて、ずっと目が覚める、誰かが自分を呼んでいると思う;家についての些細な心の動揺で目が覚める。

 悪化は、月経前と間;妊娠中;食後;睡眠中;天候の変化;雷雨の間;襲いかかる恐怖から起きる。

Zincum Matallicum (ジンカム/亜鉛)

ジェームズ・タイラー・ケント博士による「ホメオパシーのマテリア・メディカに関する講義」(1911年)より和訳します。ホメオパシーは、宇宙指数になる程、希釈し振盪した物質が、どのような症状を作り出すかを証明し、それを、その症状を持つ人に与えることで、体自身が情報を得て、自ずと治癒に向わせる、というメソッドの代替医療です。マテリア・メディカでは、その症状の記録が書いてあります。

 Zinc.は体のあらゆる部分の症状を含む、十分でかなりの量のプルービングが得られている。これは抗乾癬であり、衰弱体質、虚弱体質に合い、衰弱はプルービング全体を特徴づけている。

 Zincの患者は神経質で、非常に敏感、興奮しやすく、震え、痙攣、筋肉の単収縮、神経に沿って裂けるような 痛み、刺すような痛みがあり、少しの憤慨で興奮する;ある部分は過敏で、別の部分では感じない。この過剰な過敏さは、敵意のあるNuxのようである。働き過ぎで興奮しやすい人は、NuxとZincに属する。Nuxは高いポテンシーに敏感である。さらに、麻痺した虚弱、憔悴、衰弱があり、脳と脊椎の症状が多い。

 機能はすべて遅く、発疹がゆっくり現れる。有機組織全体が疲れ弱っているので、少女は思春期に近づき初潮期に入っても、出血が現われず衰弱する;舞踏病の症状が出て、痙攣と単攣縮が起き、頸の後ろが痛く、背骨全体が燃えるように痛く、虫が這うように体がむずむずし、あらゆる種類のヒステリーが現れる。どんな些細な音にも、部屋での話し 声にも、紙がパラパラとなる音も苦痛である。 「話す事や聞く事が苦しい;他人の話し声の方が多いが、好きな人のそれさえ神経に触り、気難しくなる」。

 虚弱な子供や虚弱な少女、知能が弱く、記憶力に乏しい。従順な方だが、刺激されると怒りっぽくなる。子供が猩紅熱や麻疹にかかった時は、ぼうっとする。発疹は出ない。痙攣の傾向、四肢がひきつり、尿の抑圧、頭を左右にふり、ぼ うっとして無意識になる;発疹を表面に出す事ができない。

 胃の消化が遅い;酸味のある嘔吐。腸は機能が鈍い。直腸は詰まる。放尿が困難;膀胱が麻痺し、背骨の症状を伴う、長引く便秘;放尿がゆっくり始まる;座っている時だけ放出でき、また、しっかり圧力をかけて座席の後ろにもたれかかっ て座る時だけの症例もある。胴や腰や仙骨の辺りが痛い;歩くと改善し、椅子から立ち上がる時悪化する。( Rhus.は仙骨の辺りが痛く、歩くと改善し、座っている間にこれがある。Calc.やRhus., Phos., Sulph., Sepiaはこの症状が、最高の度合いだ。Zinc.は椅子から立ち上がる悪化する事ではより低い度合いにあり、Petr. and Ledum.も同様。)

 足の裏のしびれ、足のしびれ、切れるような痛みと踏んだ時のかかとの痛みを伴う;電光のような痛み、縫われるよう な、突き刺すような、裂けるような痛みがある;脊髄癆。

 四肢の麻痺;知覚異常で最終的に片側または両側が麻痺し、引きつけ、震え、極端な疲労がある。睡眠中、ショッ クや引きつけが起きる。

 貧血の状態における栄養中枢;身体中が衰弱;皮膚はひからびて見える;顔は青白く、しわがより、不健康で、病んで見える。 常に寒気がする;寒さに敏感。神経痛が多い;微風にさらされた時、体中に裂けるような痛みが起きる;色々な部分に緊張と引く痛みがある。まるで斜視になりそうに、目の周りが変に引かれる;筋肉が引く;頸が後ろに引かれる;緊張と引く痛みがどこやかしこにある。患者が静止すると四肢はまっすぐになりたがるため、ヒステリー性収縮が起きる;指が全て引っ張られてゆがむ。

 頭の動きが遅く、患者は弱って疲れている;記憶が弱い;忘れっぽい。「答える前に全ての質問を繰り返す」。個人がそうするのは、知能に把握させたいがためだ。まずそれが何を意味するのかを自覚せねばならず、それから答え る。 このような症状は、患者が快方に向かわない場合、子供においては頭に影響を受けた場合のチフスに見られる。神経の疲労;少し待ち、ぼんやり見て、それから顔が輝き、答える。Zincumの患者を診る時、話しかけなければその人がそれほど弱っているとはわからないだろうが、質問をすると、本当にびっくりしたようにあなたをじっと見て「おお」と言って答える。

 Zinc.はもともと頭が弱い人には合わず、子供がまるで白痴のような状態にいる場合に合う。Baryta carb.はそのような頭に給油する。半休眠から目覚め、答えずにしばらく見つめる。

 ぼうっとしている;ほんの少しの音がする度に刺激され、びっくりし、そこら中ピクピクする;だが、すぐにこれは過ぎ、どんどん興奮が少なくなり、最終的に無意識になり、 刺激されなくなる。

 諸君の忍耐力を試す、いくつかの根深い脳の問題を見つけるだろう。ゆっくり進んで徐々に無意識に入る症例がある;何日も頭をグルグル回す;目に光がない;体は衰弱し、寝床で無意識に便や尿を漏らす;舌は乾燥し、地図の模様かあり、 非常にしなびて皮のように見え、唇も同様;顔はひからび、毎日年をとっていくように見える;片手か片足の麻痺、或 いは筋肉系全てが麻痺しているように見える。

 痛くて叫ぶが、Apisのそれほど甲高くない。Zinc.の一服はこのよ うな患者の精気を取り戻させる事がある。レメディーの投与数日後、動かない部分に痙攣や震えが起こったり、その作用が、多量 の発汗や多くの嘔吐で示されたりする;それは衰弱を脅かすように見えるので、突然の興奮に驚かされるが、これは反応の始まりだ。さて、何昼夜たつとこの小さな子は意識をとり戻し、部分部分の感覚の回復は、拷問のよ うな蟻走感やズキズキした痛み、チクチクした痛み、ムズムズした痛み、虫が這うような感じを伴う。両親や近所の人はそれ を何とかしてあげたいと思うだろうが、もし解毒したら、以前のような症例に戻るだろう。この苦しみは生命の目覚めに他ならないの だ。1〜2週間このように進行し、それから元に戻る兆候を示すだろう;その時はZinc.がもう一粒必要で、 再び発汗と嘔吐などが起きるだろう。

 髄膜炎にこれが見える。初期はうっ血でBell.が緩和するだろうが、上記の症状の発病を伴うと、Zinc.が治癒の唯一のレメデイである。Bell.の症例は赤い顔、熱い頭、頭をグルグル回す、赤い目、脈打つ頸 動がある。Bry.の症例は従順で、馬鹿げた、紫色、眠さがあり、静けさで改善する。Helleborusの症例は、微熱だけを示す;四肢が冷たく、頭を左右へ動かし、瞳孔は広がり、無意識で、ほとんど興奮しない;左右に頭を動かすが、反り返りが無くなったら、Zinc.が来る。

 何週間もこのような状態で衰弱し、無意識でいた皺のよった小さな子が、Gels.かBell.かBry.でよくなったら、Zinc.を与える。

 諸君は母親を側に呼び、もし子供の意識が戻ったら何が起きるかを、告げねばならない。もし言わなければ、家から追い出されるだろう。年上の人はこのような試練に耐えられないが、いかに小さい子供たちが長引くうっ血と炎症に耐 えられるのかは、驚きだ。猩紅熱とひどい治療を受けた髄膜炎の後;結核髄膜炎。私はかつてこの深刻な脳の疾患の形に、Phosphorusを投与していたが、そのイメージはいくぶんZincumのようである。結核髄膜炎から回復した記録はなく、 数月はかかるかもしれないし、数回再発があるかもしれないが、ホメオパスはこのような症例のいくつかを治せる。

 目の症状で、結膜の特別なべとつきと混濁があり、それはしみ込んで、皮のようで、その上に黄色い点が3つあり、目尻は翼状片のようにべとついている。Dunhamは翼状片を見事に治した。ガイディング•シンプトンに書かれている症例の報告は次のようである。

「右目の翼状片はちょうど角膜に侵入しており、左目においては内眼角から瞳孔まで広がっている」

 「視野の曇りを伴い、目の内部角が痒く刺すように痛い。朝は目と目蓋がヒリヒリ痛く、晩はそこが乾燥し圧迫感がある」

  Zinc.は目蓋や眼瞼外反、眼瞼内反の痛いべとつきを治す;目蓋にザラザラしたべとつきがある。まつ毛が眼球を上下に動かす内反の深刻な症例では、涙とひどい炎症と赤みを伴う。Zinc.が全ての問題を取り除いた。激しい光恐怖症;まるで光で失明するかのよう。 Zinc.とEuphr.は目の疾患に近い関係がある。

 脳疾患の後の斜視。猩紅熱以来の斜視。月経を伴う問題が多い;月経困難症。しかし、ここに顕著な症状がある;卵巣や子宮の痛みがどんなに激しい症状であっても、ヒステリー性の興奮があり、月経で出血すると楽になる。卵巣内 の激しい痛みが出血によって楽になる。これはCimicifugaとかなり対照的で、そこでは出血中に神経質な興奮とヒステリーがあり、出血が多量なほど、痛みは激しくなる。

 脳疾患の後の斜視。猩紅熱以来の斜視。月経を伴う問題が多い;月経困難症。しかし、ここに顕著な症状がある;卵巣や子宮の痛みがどんなに激しい症状であっても、ヒステリー性の興奮があり、月経で出血すると楽になる。卵巣内 の激しい痛みが出血によって楽になる。

 これはCimicifugaとかなり対照的で、そこでは出血中に神経質な興奮とヒステリーがあり、出血が多量なほど、痛みは激しくなる。

 Lach.と Zinc.の症状は月経前の方が悪く、出血を伴って改善するが、前者の痛みは出血が勢いを緩めた時に痛みが全て戻っている。

 Cimicifugaは間欠性の流れが時々あり、その中断ごとに痛みが消え、また出血すると戻って来る。

 Zinc.の大きな神経質さは、足に現れる。子供や女性で、ずっと動かし続け、じっとしていられないのに気づくだろう。多くの薬は貧乏ゆすがあり、多くは動かす事で症状は楽になる。しかしこの事はZincで顕著である。

 12歳くらいの 女の子の症状の一致がなくて、私はレメディーを見つける事ができなかった。この子は教会で片足をずっと動かすので恥ずかしい、と母親が言った。どうしてそうするのかとその子に聞くと、それを止めたら、おしっこが漏れると答えた。

 Zinc. はその患者全体を治癒した。テキストには、「落ち着きのない足」と、2つの単語に2重線が引かれているのが見つかる 。

 Zinc.は顕著な心臓の症状がある。衰弱した人の胸部全体の収縮がある。

 

Pulsatilla (ポスティーラ/セイヨウオキナグサ)

 これは、女性、ブロンドの女性、特に泣き虫のブロンドの女性にとてもいい薬だと言われている。これ はポリクレストの一つで、最も頻繁に使われる薬の一つであり、同様に乱用が多いものである。

 Pulsatillaの患者は興味深い人で、若い娘さんがたくさんいる家庭に見られる。泣き虫で多血症、一般的に自分の容姿に少し飽きてお り、非常に神経質で、そわそわし、変わりやすく、簡単に人について行きやすく、簡単に言いくるめられやすい。穏やかで、優しく、泣き虫だが、顕著に苛つき、けんかっ早くはないが、苛つきやすく、 極めて短気で、いつも軽視されていると思ているか、或は軽視される事を恐れている;社会的な影響に敏感である。憂鬱で、悲しく、嘆き、絶望し、宗教的に絶望し、狂信的である;観念や気まぐれに溢れている;想像力たくましく、極めて興奮がち。異性と付き合うのは危険な事だと想像し、人類のために社会にうまく確立されたある特定の事は危険だとも想像する。この想像は考える事と同様、食ベる事にもある。ミルクを飲む事はよくないと想像して、飲まない。ある食べ物は人間によくないと想像する。 結婚への嫌悪は強い症状だ。 ある男性は、自分の妻と性交するのは悪い事と思い込み、それをやめる。宗教的狂信;宗教的観念に引き込まれる特別な傾向がある;教義に考えを固める;教義を自分自身の損害に誤用し、不正に使用する;狂信者や 精神錯乱になるまで、正当性についてくどくど話す;自分はすばらしく清らかな心を持っていると思うか、或いは慈悲の日々を罪で流してしまったと思う。他の課題で精神錯乱になるまで、この事は続き、その後その傾向は、 毎日黙って座るようになる。強く押されないと質問に答えないだろうし、患者が言う事は「はい」か「いいえ」か、或はただ頭を振るだけであろう。穏やかで優しく泣き虫な女性で、分娩の時は精神錯乱になり、後で悲しく無口になり、一日中椅子に座って何も答えないか、ただ「はい」か「いいえ」のために頭を動かすだけ。

 多くの病訴は、胃の弱さや消化不良か、月経異常と関連する。流産した女性;様々な月経不順;想像妊娠。月経の症状は、 卵巣と子宮の問題に関連する事がよくある。 

 そのような月経の状態を伴い、体の一般的な状態は、 暖かい部屋で悪化し、動きで改善する。泣もろく、悲しく、落ち込み、外気の中を歩くと改善し、特にさわやかで、涼しく、すがすがしく、明るい時がいい。窒息感と痛みが増し、暖かい部屋でさえ凍える; 患者が部屋の熱気から汗をかく時の、神経質な寒気。炎症の症状や神経痛、リューマチは、寒さや、冷たい物を食べたり飲んだり、冷たい物や 冷たい手で改善する。冷たい飲み物は、喉が乾いていない時でさえ、楽にしてくれる。冷たい食べ物は消化するが、温かい食べ物は体を暖め、それが症状を悪化させる。喉はかわいていないが、氷のような冷水は気持ちよく食道を下るように感じられ、胃を維持してくれる。

 多くの症状は食後に悪化する。胃の中にはほんの一塊だけしかない事がよくあるのだが、精神面と神経の症状もまた、食後に悪化する。胃の症状は朝に悪化し、精神面の症状は晩に悪化する。脂肪としつこい食べ物から悪化する。脂肪や豚肉、油っぽい物、ケーキ、ペストリー、しつこい物を食べる事から、病訴がもたらされる。Pulsatillaの胃は消化が遅い。 食べて何時間もたってから、胃がいっぱいになる感覚があり、胃にしこりがあり、外気中をゆっくり歩く事で改善する。 患者は外気中ゆっくりと動く事で通常改善 し、じっとしようとすると気がおかしくなり、休憩すると悪化 し、普通にゆっくり、適度な動きで何かをする事で改善する。このように動きで改善し、休息で悪化し、外気中で改善し、暖かい部屋の中で悪化する事、それがこのすばらしいレメディの要約である。  

 Pulsatillaの患者は、体温は普通なのだが、皮膚は熱っぽく暑く感じられる。重ね着すると悪化する;ほどほどに寒い天気の時でさえ、薄着をしたがる。暖かい服は必要ない。服の重ね着や布団は悪化させる。フランネルや毛の服が着られない事がよくある、というのはそれを着るとSulphurのように皮膚が気持ち悪くなり、痒みや発疹ができるからで、この事は驚くまでもなく、PulsatillaとSulphurは互いに解毒するのだ。毎年春に「血液を浄化する」ために使われてきた硫黄を解毒するレメディーはPulsatillaの他にない。皮膚が赤く、熱く、刺激されやすくなり、衣服で悪化するまで硫黄を使う人がいる。Pulsatillaはそれを解毒する。老齢者の乾癬の症例;小さく平らで、親指の爪ぐらいの大きさの茶色っぽいシミがあり、それがものすごく痒い老齢の硫黄の患者は、 Pulsatillaで治る。皮膚の一般的な特徴は痒く燃え るように痛いのだが、Pulsatillaのもっと顕著な状態は、皮膚がLachesisのような外観である事だ。それはシミがあり、丹毒で、静脈が肥大し、毛細血管が腫れ、毛細血管や静脈の血管運動調節機能が 麻痺し、それが皮膚のシミの外観 を作り出す。Pulsatillaは普通、静脈体質である。静脈は肥大し、血行が停止した状態で、そのため皮膚が加熱する。この充満して赤く紫色の顔の様相は、仮の多血症である。それは膨張と腫れに進む事がよくあり、特に月経期がそうであ る。顔と目がかなりむくみ、腹部が膨張し、足がむくれて靴が履けず、月経期に足が赤く腫れ、月経の出血で改善する。多くの女性に月経が遅くやって来て、1週間〜10日は準備して待つ;顔は紫色、赤色、膨らみむくんでいる;腹が膨張する;呼吸困難;これらのすべてが月経の出血で改善する。患者はおそらく、1~2週間このような症状を感じ、外気中をゆっくり 動く事で改善する。暖かい部屋で呼吸できない;窓を開けたがる;夜暖かいベッドで息が詰まり、呼吸できなくなる。 月経出血が始まるまで、この事は増える。胃がとても一杯に膨らむため、食べられない。食欲がないか、或は食べ物を 欲しがる。

静脈の膨らみを伴い、静脈瘤で囲まれた潰瘍は、このレメディに共通してる。すぐ固まる黒い血液を出血する潰瘍;小さく黒い血餅;出血は多くない;血餅を作りやすく、タールのようで、不快臭がある。潰瘍は出血してにじみ出て、分泌液は血の混じった水っぽい液体であるか、或は非常にべとついた黄色か緑色が流れる。

 これはカタルの状態を呈してくれる。粘膜がある所には、どこでもカタルがある。粘膜は紫色の斑点や乾燥した斑点で覆われ 、腫れて膨らみ、丹毒のように見える。粘膜の炎症がある所はどこでも、紫色に見え、静脈鬱血。べとついた緑色や黄色のカタル性の分泌液が最も特徴的である。カタル性分泌液は刺激は強くないが、膣からの分泌液は例外であり、それは表皮を剥ぎ、その部分がヒリヒリする。目や耳、鼻、胸からはべとついた刺激が強くない黄緑色の分泌液が出るが、べとついた黄緑色の皮を剥ぐ帯下がある。しかし Pulsatillaは、一般的な状態を保ちながら、刺激が強くない帯下が出る事を覚えておきなさい。分泌液は不快臭がある事が多く、血が混じった水っぽい物も時々あるが、その時でも黄緑色の化膿液と混じっている。

 Pulsatillaの患者は目の疾患から目眩が起き、よく調節した眼鏡をかけると改善する;横になったり、動いたり、目の動きで悪化し、寒い部屋や、冷たい空気の中を乗物に乗ると改善する吐き気を伴う。暖かい部屋に入るとすぐに吐き気をもよおし、吐きさえする。食後の嘔吐を伴い目眩がする。

 Pulsatillaは激しい頭痛がある。月経が始まろうとしている女子における頭痛。頭痛は月経に伴う。頭痛は抑圧された月経や、月経不順に関連する;それから引き起こされるのではなく、それに関連する。こめかみと頭の側面の痛みは 、共通したPulsatillaの頭痛である。頭痛は月経の前や間や後に起きるが、鬱血の一般的な状態や閉塞、静脈の腫れがある場合、月経前の方が普通多く、月経の出血が普通であれば、月経が始まる時に頭痛は改善する。月経を通じて頭と神経の症状が起きるのは共通している、というのは出血が非常に乏しく、帯下より少し多いだけの事がよくあり、1日は暗い色の血の小さな血餅があるだけであるからだ。片側の頭痛と片側の病訴はPulsatillaによくある。頭と顔の片側に汗をかく;体の片側に熱が出る;片側が冷たく普通で、反対側は熱い。体の片側に汗をかき、反対側は乾燥した熱があり、他の症状の混乱を伴う産褥熱の症例を覚えている。Pulsatillaが与えられ、患者は回復した。

 Pulsatillaの頭痛は、拍動し鬱血した頭痛で、頭の中にかなり熱があり、冷たい物をあてて、外からの圧迫で改善し、ゆっくりな動きで改善する事もあり、静かに横になったり座ったりする事で悪化し、外気中をゆっくり歩く事で改善する;晩になると悪化し、晩〜夜を通して徐々に悪化が進み、目の動きや腰を曲げる事から悪化する。 痛みは収縮性、拍動性、鬱血性である事が多い。定期的な気分の悪い頭痛で、酸っぱい食べ物を吐く。食べ過ぎた時の頭痛。アイ スクリームが好きだが、アイスクリームを食べると頭痛や胃の鬱血が始まる。

 目はカタル性の症状。目蓋の周りや眼球上、角膜上の膿胞。炎症の特徴がある。べとついた黄緑色の膿。ざらついた目蓋。小さい膿胞の形成が続く。目蓋に分離した顆粒ができ、あちこちに ピンの先くらいの大きさの束で大きくなる。目蓋は炎症を起こし、出血しやすい。風邪をひく度に、風邪が目と鼻に留まる。目は赤く、炎症を起こし、分泌がある。 嬰児で、淋病の特徴がある目のカタル性疾患;新生児眼炎。初期に嬰児は母親と同じ体質レメデイが必要とされる事が多い。目から黄緑色の分泌が出る;目はお湯かぬるま湯で洗うと改善する;冷たい水も目に心地いい。Sulphurの患者は入浴で悪化する;目はヒリヒリし、燃えるように痛く、水で洗うと赤みを増す。Pulsatillaはものもらいができやすい;ものもらいを繰り返す;いつもものもらいがある。 目蓋に吹き出物や膿胞、こぶがある。

 月経前に、特に若い少女において、ガーゼかベールで覆われたように目の前が暗くなる。神経質さが現れ、ピクピク痙攣し、目が見えなくなり、気絶する。視神経麻痺の初期にPulsatillaはすばらしいレメディーである。患者はいつも目をこする;目に粘液があろうとなかろうと構わない;だが、それは目の前にガーゼがあるようで、こすると改善する。Pulsatillaは初発白内障を治している。目が痒く、皮膚の症状を伴いそれが続く。耳の中や鼻の中が痒く、喉や咽頭にくすぐったさが ある。

 耳に同様のカタルの状態がある。べとついた、黄色い、不快臭のある、化膿した、刺激が強くない分泌液;ひどい悪臭があり、血が混じる事もある。その子が優しく、太っていて、肉付きがよく、血管が見える赤い顔で、いつもめそめそ 泣いている場合、 Pulsatillaは子供の耳痛に一般的に示される。特徴のない子供で耳が痛い場合、Pulsatillaは 耳の痛 みに非常に近いので、 それは一時的なレメデイとなるだろう。夕方や夜に耳が痛く、部屋をゆっくり歩くと改善する。 Chamomillaはかみつき、キーキー言い、怒鳴っている子供で、全く機嫌がよくならず、子守りや母親に怒り、ウロウロ 歩く事で改善する。苛つきでChamomillaを選ぶ。怒鳴って気が違ったように泣くのか、しくしく泣くか、見抜く事ができる。 どちらも動きで、抱っこされて改善する。どちらも、あれこれ欲しがり全然満足しない;彼らは気晴らしが欲しいの だ。しかし楽しめないと、Pulsatillaの子供はしくしく泣き、Chamomillaの子供は怒鳴って泣く。一人には撫でてやりた くなり、別の子にはたたきたくなるだろう。

 鼓膜が破裂して聞こえない耳の問題;中耳炎。中耳に膿瘍がある;中耳の炎症;べとつき血の混じった多量の分泌液が あり、黄緑色だ。破裂が起こるまで、その症例は昼夜進む。 Merc.とHep.とPuls.がレメデイとして最も頻繁に示される流行病にこの状態を見る。突発性疾患に続く耳の問題。ひどく扱われてきた薬物中毒の患者の、猩紅熱や麻疹に遡る不快臭のあるカタル性分泌。外耳の炎症や腫れ;丹毒が紫色の状態。耳珠の上のかさぶた。

 鼻風邪にかかりやすく、くしゃみと鼻づまりを伴う;発熱状態;寒気と熱と発汗を伴う時がある。鼻を通して顔が痛い。晩にくしゃみを伴い、かなり水っぽい分泌液が出る;朝にべとついた黄緑色の分泌で鼻が詰まる。Pulsatillaは、刺激が強くないべとついた黄緑色の分泌を伴う慢性カタルに合う;鼻が詰まる;多量の分泌液;患者は鼻の中に悪臭を感じる;色々な不快臭の匂いがし、肥料のような匂いがする時もあるが、一般的には臭いカタルの不快臭として表現される。大 きく、血が混じり、べとついた、黄色い鼻糞が、鼻の中に積もり、固くなり、朝に鼻をかむと、べとついた黄色い膿と共に出て来る。老齢者の長引く症例で、匂いと味が無くなる。粘膜は鼻糞と潰瘍の形成を伴い、べとついた化膿状態にある。鼻の奥が一杯で、後鼻孔の中が詰まって充満している。 朝に鼻糞と共に、塊の中のべとついた黄色い粘液を咳払いで出し、他の人々が臭がる事が非常によくある。このようなカタルの状態にある多くのPulsatillaの患者は、たくさん鼻糞を出す事で、このひどい悪臭から解放される。乾燥した膿や乾燥した粘液や膿のべとついた鼻糞が、4~5日間積も り、このひどいカタルの匂いがやって来る;しかし、この鼻糞をかんで出すとすぐに、悪臭はなくなり、2〜3日後にまたそれができて、始めて楽になる。患者自身は外気で気分がよく感じられ、暖かい部屋で気分が悪くなる。外気を呼吸すると改善し、暖かい部屋では息が詰まる。しかし、暖かい部屋でもっと鼻が詰まり、暖かい部屋でもっとくしゃ みが出る時もある。

 慢性、急性のカタルで、臭覚が喪失する。鼻の詰まりは晩の方がよく起きる;鼻は簡単にかめ、日中は鼻がきれいだが、 晩に鼻が詰まり、鼻が通らない。精神面の症状は晩に悪化する事を覚えておきなさい。朝、鼻が詰まった状態で起き、鼻が通らない;口は臭く、舌は表面が苔で覆われ、油が腐ったような味がし、朝食前に歯をしっかり磨き、口をゆすぐ。 このように口と胃の症状は朝悪化し、精神面の症状は晩悪化し、また晩に鼻が詰まる事がわかるだろう。この事を 咳と比べよう。 Pulsatillaには晩の乾燥した咳と朝のゆるんだ咳がある。朝多量の痰があるが、晩は胸に乾燥し、締め付け、収縮する感じがある。晩鼻が詰まり、息がしにくい。繰り返すが、それでPulsatillaは、臭覚がなくな り、べとついた黄色い分泌を伴い、外気で改善し、夜に鼻が詰まり、朝たくさん流れる、神経質で臆病で従順な老齢者のカタルに、頼みの綱の一つとなる。

 カタルと急性の風邪を伴い、鼻血がよく出て、鼻をかむと血が出る;鼻糞はしっかりくっつき、鼻をかむと鼻糞はゆる んではがれ、そのために血が出る;しかし鼻は出血しやすく、鼻血が出やすい。月経期に鼻血が出る;月経期 前に鼻血が出る;抑圧された月経と共に鼻血が出る;暗い色で、べとついた、血餅がある、ほとんど黒色で静脈血。特に 月経が遅く来て、乏しく、明るい色の生理が来る女性において、カタル性になりやすい対象が見つかる;月経は帯下よ り乏しい;出血するとほんの少し黒い染みか、或は血餅が出るだけだ。萎黄病の患者は月経が2〜3ヶ月に1度だけ来る;萎黄病の少女は月経が不規則でこのようなカタルの状態になりやすい。

 Pulsatillaは花粉症に非常に役立つ。花粉症の取り扱いは、かなりの調査を要する、というのは患者の厄介な想像を扱わねばならず、患者は諸君に調べさせてくれないだろう;患者は花粉症を治して欲しがる;痔や足の裏の分厚い皮膚や、仙骨の痛み、便秘と交互に来る下痢を治して欲しくないし、その事を話したくないし、調べて欲しくない;これらは花粉症 が現れるとよくなる。花粉症の時以外はいつも調子がいいと言う時もある。気分がいいかもしれないが、気分がよくなるのは不可能だ;このような病訴が常にあり、その事で諸君の邪魔をしたくない。花粉症は、患者のレメディのための兆候をほんとんど啓示しないだろう。

 ある人はてんかんがあり、患者を治すレメディーを発作で見つかると期待したら、失敗するだろう。急性の類似する疾患の徴候が、数回同じ踏みならされた道をたどる時、詳細は見つかりにくい。患者は自分の花粉症についてあまり知らない。もし諸君がいくつかの事を示唆すると、患者は全て持っている。 この急性表現のほとんどすべての中に、レメディへと導く誇張された発病における症状は見つからない。花粉症にかかる前の患者の状態を得る事によって、そのような症状が見つかるだろう。このような初期症状の方が、より重要なのである。鼻が発病する前にどの部分で発病していたかを知る事が、重要な時がある。時には脊柱の症状が見つかるだろう;何か固い物の上に横になって楽になるひどい背中の痛みである。2〜3の レメディーにそれがある。始めのうち患者はその事を言わないで、花粉症について話し続ける。多くの神経質な女性は、くしゃみと水っぽい分泌液を伴って発病し、それから多量のべとつく黄緑色の分泌液が出る。これらは花粉症の自然な症状であるが「背中」の症状に何かが見つかる。

 Pulsatillaでは月経の症状と子宮脱が来る。花粉症が起きる時、その他の症状はすべてよくなり、花粉症以外何も感じなく なるが、すべての症状は互いに折り交ざっている。Natrum mur.の症状は朝に悪化して正午まで続くが、Pulsatillaは晩に悪化し、鼻がべとついた黄緑色の糸を引く粘液で詰まり、鼻が通った時は、乾燥した燃えるような痛みやヒリヒリする感じが残る;夜、部屋が暖かいと、眠れない。Natrum mur.は少しそのようで、暖かい部屋で夜ヒリヒリして寝られない。 Natrum mur.も昼夜分泌液が出続く。多量の水っぽい分泌液を出し、くしゃみになるPulsatillaが、急性の症例で示される時もある。始めはCarbo veg.やArsenic, Allium cepa, Euphrasiaを考えるだろう。

 Carbo veg.では、水っぽい分泌液と刺激が胸に広がり、しわがれ声と表皮剥離がある。Allium cepa ではこのレメディを示す一連の症状がある。鼻から皮を剥ぐ分泌液が出て、目からは刺激が強くない分泌液が出る;咽頭にまるでホックがあ るような感覚がし、これが咽頭の下まで広がる;これはいつもAllium cepaを 意味する;これもPuls.のように暖かい部屋で 悪化する。EuphrasiaはCepaのようにだが、目からだけ分泌液が多量で、水っぽく、涙は燃えるように痛く、目をヒリヒリさせ、頬の皮を剥ぐ;鼻からの分泌液は Pulsatillaのように刺激が弱い;これが胸に移る時があり、そうするともうEuphrasiaではない。

 Iodine は暖かい部屋で悪化する;鼻からべとついた分泌液が出て、それは燃えるように痛く、表皮を剥ぐようで、黄緑色;しかし、他の全てと違う点が一つある。それは病訴が起きるとすぐ衰弱し始め、非常に腹が減る事だ。

 Kali hydr. は、べとついた黄緑色の分泌液を伴い、暖かい部屋で悪化し、鼻の表皮がかなり剥げ、燃えるように痛い;鼻の表面が圧迫されると非常に痛い;鼻根が過敏;顔全体が痛く、患者は極めて落ち着きがない;外気中を歩きたがり、それで疲れる事はない。

 Arsenic Iodideは不安で落ち着きがなく弱い;頻繁にくしゃみし、多量の鼻水が出て、 唇を焼く。 Arsenic. のように、燃えるような水っぽい分泌液が目から出る。Arsenic はとても暖かくしていたがる;目にお湯をかけた い;鼻にお湯をかける時だけ楽になる。Arsenic Iodide は暖かい部屋で悪化し、何日もくしゃみした後で、べとついた分泌液が出て来て、べとついた黄色い蜂蜜のようになり、これは皮を剥ぎ、鼻根と目を通じてかなり痛い;呼吸困難を伴い胸がヒリヒリする事がよくある。呼吸困難があるレメディーはArsenic、Arsenic Iodide、 Iodine,、Kali hydr.、Sabadilla である;これらは最も頻繁に、花粉症が喘息の形を示しているのがわかっている。ほぼその頃暑くなりすぎてから、病訴が進んでいた場合、SilicaやPuls.、Carbo veg.を注意深く比較せねばならない事に、諸君は気づくだろう。鼻詰まりが分泌によって楽にならない別のクラスのレメディーがある。鼻をかみ続けたがるが、楽にならない。これは一度、Lach.やKali bi.、Psor.、Naja、Stictaを考えるといい。

 Psorinum は鼻から水っぽい刺激の少ない分泌液が多量に出る;それは皮を剥ぐかもしれない、そのどちらもある。鼻が詰まるのは一般的に外気中で起きる;暖かく締め切った部屋や、横になって楽になる;幾分呼吸困難があり、 体に垂直に腕をストレッチする事で楽になる。花粉症は乾癬マヤズムの疾患であ る。Psorinum の1回の投薬は非常に症状 を発展させるだろうから、症状がもっと明確になる。発作は処方に最良の物ではない。もしそれが激しすぎたら、それを和らげる短く働くレメディが選ばれるかもしれな い。

 Nux vomica は外気中で自由に楽に呼吸できるが、暖かい部屋に入ると、鼻が詰まり、その事は夜にも起き、水が枕に落ちるが、Puls.、Bry.、Iod.、Arsenic Iodide、Cyclamenのように、まだ鼻が詰まる。花粉症のレメディをくれるのではと理解しないで欲しい。我々は病気のためにレメディを規定する事はできないのである。体質全体を最も注意深く調べねばならないのだ。

 顔は青白く、シミがある事がよくあり、紫色で、黄色と入り交じり、不健康な色である;静脈が膨れる;充満している;赤 い顔である事が多く、健康なようで、患者は症状がない;顔はほてる事が多い;顔にほてりの熱が出る;こけて見える事もある;目の周りに隈がある;血色が悪く、緑色、萎黄病。丹毒になりやすい;;丹毒のシミが顔にあり、頭皮に広がり、刺すような痛み、燃えるような痛みを伴う;そのような時は、顔の皮膚が接触に非常に過敏である。

 おたふく風邪と耳下腺炎。おたふく風邪にかかている女性が、明らかに風邪をひいたら、胸が腫れ、乳腺炎が起きる。少女が風邪をひき、耳下腺の腫れがあまりにも早くおさまり、対応する乳腺が腫れる;両方腫れる事もある;或は一方で始まり、他方に移る。男性では、それは睾丸にある。Pulsatillaは転移の形では、最も重要なレメディの一つである;それは飛び交う病訴を止める。Pulsatillaは、少年において、おたふく風邪からひどく腫れた睾丸にいつも使われるレメディーである。 Carbo vegetabilis はもう一つのレメディだが、その時は Carbo veg.の患者である。Abrotanumもまた、さまよう症状に役立つ。Pulsatillaは、さまよう痛みがあり、 リューマチが関節から関節へと動き、あちこち飛び回る;神経痛が方々に飛ぶ;炎症が腺から腺に動く。しかしここに際立った特徴があるーPulsatillaはそれ自身のテキストに固執する;それは飛び回るが、新しい クラスの病気に変わらない。Abrotanumはこの転移があるが、診断全体が変わる;アロパシーの医者が 「これは今日の新しい病気だ」言う。患者は今日は激しい下痢があり、無知な医者がそれを抑圧をする;炎症性のリューマチが起きると、彼は新しい病気と呼ぶ。下痢や出血の抑圧や、痔の除去は、どこか他の所から出て来る。子供に抑圧された夏の病訴があり、脳や腎臓、肝臓に関する症状や、下から上へ憔悴を伴う消耗がある。これらが Abrotanumの特徴である。

 胃は、食後何時間もたってから、患者は口いっぱいの酸っぱく、腐った臭いのする、苦い液体のおくびを出す;液体は胃から巻き上がって来る;いつも腐った食べ物のおくびを出す。患者の中にはバターが消化できない者がいる;食べ物に オリーブ油を使えない人もいる。口にあらゆる種類の悪い味がする。食後4〜5時間たっても、胃の中の食べ物の消化が終わらない。酸っぱい嘔吐とお くび。消化が遅く、患者は次の食事にお腹が空いて行く;食べても満足しない;消化不良。いつも胆汁を吐く。口はヌルヌルし、変な味がする。これらの症状全てが朝に悪化す る。「唾液が溜まり、口内にかなり粘液がある」 「甘いか、粘り強い唾液が満ちる」「泡のある綿のような唾液を吐く」。

 Pulsatilla 患者の顕著な特徴は、患者は水が全然欲しくない事である。口の中は乾燥するが、滅多に喉が乾かない。発熱中でさえ、喉が乾かないが、時には高熱において例外があり、幾分喉が乾く。「湿っているか、或は乾いた舌を伴い、喉が乾かない。酸っぱい物やあっさりした物を欲しがる」。レモネード、ニシン、 チーズ、刺激物、香料が効いた物、水分が多い物など、自分が消化できない物を欲する事が多い。 「肉、バター、油っぽい食べ物、豚肉、パ ン、ミルク、喫煙を嫌う」「胸焼けのように、胃や食道に擦る ような感覚がある」。胃が空かいっぱいの時、多くの痛みが起きる。しかし膨張やガスや酸性の胃が非常に目立つ。胃のカタル。アイスクリームやペストリーを切望するが、それらを消化できず悪化する。自分を気分悪くさせる物を切望する。これは変ではない。ウィスキーを飲む人は、お酒を切望するが、 それが自分を殺す事を知っている。 ペストリーに関してPulsatillaも同様である。メープルシロップの付いたバターケーキを切望するが、それを吐くのはわかっている。スパイスがきいたソーセージを切望する が、 豚肉自体は嫌いである。

 Pulsatillaは黄疸を作り出し、治癒する。「腸のゆるみを伴う、肝炎と胆汁の分泌異常に慢性的になりやすい結果としての黄疸;十二指腸カタル;消化不良;キニーネの使用後、熱っぽく喉の乾きがない」。

 多くの問題は、下腹部の膨れ上がった鼓腸や腸内ガス、疝痛、ゴロゴロと鳴る、食べ物の発酵、生理不順、下痢で、下腹部にそれ自身を現すようだ。 かなり過敏で、腫れ上がり、圧痛がある;腹部全体や胃や骨盤内臓器は、触られる事に敏感である。食後、特に脂 肪やしつこい食べ物の後に膨れる。静脈が充満する;一般的な静脈鬱血。それは特に腹部に腫上がった充満感をもたらし、息ができないような詰まった感じになる。女性では月経に関し、腹部が膨らみ、詰まった感じで、服を脱がねばならず、身につけていられず、ゆるい服を着てベッドに行きたくなるー 患者は極端に膨らんでいる。腹部の腫脹に関連し、顔や唇が腫れて膨らみ、目は赤く、足はむくれて靴が履けない。引きずり下ろされる感覚やひどく衰弱した感覚もあり、それは 通例、月経障害や子宮障害に関する。引きずり下ろす事は、子宮脱として認識される。それは腹部全体で感じられ、じょうごのようなもので流し込むと表現され、まるでその部分がこの世に押し出され、引きずり下ろされるかのようであ る。腹部、特に下腹部の過敏性。重さと引きずり下ちる感覚のため、しっかり立って、歩き回る事があまりできない。まるで月経が始まるかのように、子宮内と背中に分娩のような痛みがある。 Pulsatillaの患者が、一ヶ月中まるで月経が始まりそうに感じるのは、珍しい事ではない。

 腹部と腸の症状は関連している。切れるような痛み、飛び回る変わりやすい痛み。排便に駆り立てられる。赤痢や下痢と関連し、腸の中がシクシクと痛む;ゆるく水っぽいか、或いは緑色のゆるい便が出る。腸の症状の顕著な特徴は、ゆるく水っぽく、緑色の便で、変わり続ける;黄色い糞便で、ヌルヌルしている。夏の病訴において、Pulsatillaが示されたレメディである場合、2つの便が同じである事はほとんどなく、変わり続ける。これが一般的なPulsatillaの特徴である;痛みが動き回る;病訴は転移により変化する;患者が2度同じ事は滅多にない。下痢と便秘が交互にある。月経の出血が止まったり 始まったりし、間欠性であり変化する。Pulsatillaの患者においては、次に何が見つかるか決してわからない。赤痢;赤痢性の便;乏しく、ヌルヌルし、血が混じり、緑色で、水っぽい便で、少しだけ噴出する;次に来る便は下痢性で、かなり多くの分泌液を伴う;このように下痢と赤痢は共にある。

 厄介な慢性便秘症;便は大きく、固く、出にくい。(Nuxのように)頻繁に便意があるが、何も出ないか、或いは頻繁な便意で、ほんの少しだけ便が出る;便が出るまでに何度もトイレに行くNuxとPulsatilla。慢性の症例において、頻繁に便意があるのに出ないのは、 Nuxのキーノートと見なされるが、多くのレメディーにそれがある。Pulsatillaはその一つである。 Pulsatillaの下痢と腸の症状は、晩や夜に悪化する;そのため便は夜に悪化する。胃と喉と口の症状は朝に悪化する。精神面の症状は晩に悪化する。腸と便は完全にじっとしておくと悪化し、穏やかな動きで改善する。 Pulsatillaには多くの落ち着きのなさがある。冷たい外気の中で動くと改善する。締め切った部屋で詰まった感じがし、窓を開けたがる。 「明るい黄色や、赤色か緑色の粘液の赤痢の便;背中が痛く、きばる」「深緑色の粘液の便で、腹が痛く、喉は乾か ない」。Pulsatillaで緑という言葉を覚えるだろう。それはカタルの分泌に、広範囲に関連するからだ。

 痔を伴う非常に厄介な便秘;痔に激しい痛みがあり、横になると悪化し、穏やかな動きから改善し、ベッドの暖かさで悪化し、外気中を動き回って改善する。部屋の中では非常に神経質になり、休むと痛みが増すので動き回らねばならない。「痔は痛く、突き出ており、行き場がなく、肛門の中が痒く、縫われるように痛い」。極めて痛い痔で横になる 事からの悪化はAmmonium carb.と比べられ、Ammonium carb.は激しく痛い痔で、仰向けに平たく寝ると改善する。激しく痛い痔において、激しい燃えるような痛みを伴うものは、ArsenicumとKali Carbonicumを考えなさい。突き刺すような痛みや裂けるような痛みを伴うものは、Aesculusを調べなさい。何年も調べ、まだ十分プルービングされてい ないレメデイを、この症例で無理に使って来た。痛い痔で、疾患全体が痔が最高に達したように見える衰弱した体質に おいて、出血し突き出ており、ほんの少し触っただけで痙攣を起こし、金切り声で叫ぶ;それが非常に痛いため、死んだら楽になると感じる;ベッドで横になり、臀部を手で離してかかえる;排便して終わる度に、3〜4時間最大の苦しみがある。このような症例にはPaeonyを調べなさい。それが治す痔は、花のようで、非常に炎症を起こし、とても赤く出血している;にじみ出て、触ると痛く、患者は痛みで非常に疲れ果てている。これは何度も痛みを楽にし、この巨大な痔の腫瘍を治している。これは手術であらゆる暴力を課され、楽にならなかった後に、それを治した。患者全体をカバーするレメディーが見つかるからといって、この薬に行ってはいけない。多くの患者は他のどの症状も告白しないだろうし、痔だけで苦しんでいる人もいるだろう、そのような人はこのレメディを本当に必要とする。

 頻尿で、乏しく、トイレに駆り立てられる;すばらしいテネスムス;極めて痛く、出血があり、燃えるように痛く、ヒリヒリする尿;膀胱にほとんど一滴も集まっていないが、押し出さねばならない。仰向けに寝ると必ず放尿したくなる。仰向けに寝なければ、一晩中放尿したいという欲望はないだろうが、少しでも仰向けになると目が覚めて放尿したくなり、もし急がなければ漏らしてしまうだろう。咳やくしゃみで、突然のショックや驚きで、突然の喜びや笑いで、ドアがバタンという音やピストルの音で、不随意に尿が出る。Pulsatillaはちょっとした挑発で尿が漏れる。心を集中させなければならない。ずっとそうしなければ、尿を漏らすだろう。眠るとすぐ漏れる。小さく、穏やかで、優しく、血色のいい、多血症の、熱血の少女で、夜は布団を蹴り、おねしょをする。黄色く、血色の悪い、病んだ少女で、寝入りに漏らしてしまうのはSepiaである。寝入りに漏らすのは強い症状として見なされるが、すぐ解決でき、それほどの事でもない。日中尿を努力して尿を保たねばならない症例の人は皆、寝入りに心が切り離されるため漏らしてしまう;心 が切り離されるとすぐ、尿が漏れる。CausticumやSepiaは寝入りのおねしょを治すと見なされているレメデイだが、 私は他の多くのレメディーでそれを治して来た。ある中年を過ぎた男性は、夜眠るとすぐ床を濡らしていた。この事がある薬が限られており、患者はそれらを全てをとった。私は別の基本を見つけ出さねばならないと気づいた。その人が仕事で動き回っている時は、尿を保つのは難しくないが、腰を下ろすとそれをコントロールせねばならない事が確認できた。この状態が進んでいた時、その人はアトランティック市におり、ずいぶん海で水浴していた。 ここにRhus の悪化と改善があり、Rhusがその人を治した。尿の疾患でBryoniaを考えられる人が少しいる。その人が動くと尿が漏れ、歩くと尿が出る。じっとしておく事によってのみ、その人は楽になる。Bryoniaは動きで悪化し、Rhusは動きで楽になる。

 Pulsatillaは動くと楽になる。2〜3のレメデイがゆっくりとした動きから楽になり、その中でもPulsatilla とFerrumは最も顕著である。 急いだ動きで2〜3のレメデイは楽になり、速く動きたがる。そのような場合はBromineと Arsenicum である。Arsenicの子供はいくら速くだっこして動いても十分でない。Pulsatillaの赤ちゃんは穏やかな動きで満足する。 Pulsatillaの患者は暑くなるどんな動きでもすべての病訴が悪化する。重労働の木こりは、動き回ると咳がよくなるが、木を切る事で暑くなり、それで始まる発作的な咳のため、座って休むだろう。

 Pulsatillaは雨に濡れて、足が濡れてから病気になる。尿の問題は寒気で悪化する (Dulcamara)。Pulsatillaは膀胱に慢性の根深いカタルができる。多量の粘液性分泌液が出て、特に風邪をひいた後にそうなる。べとついた、糸をひく、化膿した、緑色の、不快臭のある分泌液。

 性欲は普通は強い。「長く続く朝の勃起」「性交のしすぎで頭痛、背中の痛みが起き、手足が重い」「燃えるような痛み やうずきが睾丸にあり、腫れは伴ったり、伴わなかったりする」。睾丸炎;抑圧された淋病や、おたふく風邪、風邪をひいて、汗をかいた時、湿った土の上や、冷たい石に座って起きる睾丸の炎症と腫れ。注射で抑圧された淋病。「風邪」が睾丸に留まる。Pulsatillaは、その分泌液がべとついた黄色か、べとついた黄緑色で、熱に敏感で、外気中を歩くと改善する淋病に最も頻繁に示されるレメディーである。しかし他の症状がなく、淋病の分泌液がべとついた黄色か緑色であり、それに禁忌を示す症状がない人にも示される。厄介な残存する分泌液;老齢者の後淋は、風邪をひいた時や性交の後、べとついた黄色い分泌液になる。テネスムスが頻繁にある;尿道索;頻尿;燃えるように痛い排尿と黄色い分泌液。ペニスの周りの腫れ。陰茎包皮の腫れ (Nitric ac., Fluor. ac., Cann. sat.)。Pulsatillaは、病訴が後続する抑圧された淋病の症例に役立つ。前立腺炎。前立腺肥大を伴う年よりの罪人で、糞便が固く平らで詰まり、いつもカテーテル を使わねばならず、特に問題が性的虐待や過剰な性交や売春に起因する時。睾丸が痛む;腫れた睾丸が裂けるように痛い。靭帯に沿ってナイフで切ったような、切り裂くような、裂けるような痛みがある。

 誇張された性欲;色情狂;野生的で、常にセックスの事を考える;抑制できない性欲。卵巣と子宮の炎症。 足が濡れると月経が抑圧される。月経が遅すぎに来て、乏しい。顔は青白く、黄色で、血色が悪いか、或いは萎黄病の患者のように緑色。他の症状が一致する時、流産や、想像妊娠、あざなどを克服し、子宮筋腫の成長を止める。妊娠期や分娩の間、多くの症状がPulsatillaを呼ぶ。患者が苛ついておらず、陣痛がとても弱くて4〜5日続き、何も起きない時、よく Pulsatillaが呼ばれる;不規則で変わりやすい痛みで、今背中を上ったと思ったら、次は脚に降りる;長引く第一段階や 長引く準備症状。もしその女性が極めて苛ついていたら、Chamomillaが最もそれに合う。しかし穏やかで、優しい精神面の状態で、陣痛は不規則で、骨は拡大し、収縮が減少し、陣痛が短すぎる場合、Pulsatillaはその分娩を短時間で終結させ るだろう。投薬後の次の陣痛はいいものになるだろう。外側はリラックスし、状態はすべてうまく行っているが、動いていない症例を非常によく見る。 弱い痛みにPulsatillaは群を抜いている。

 激しい月経の疝痛があり、患者は前折りになる;子宮と卵巣のあたりが痛い;腹部が膨れる;布団を蹴る;窓を開けたい;泣き虫;理由なく泣く。足が濡れると、月経の出血が抑圧される。月経の出血は緩慢で、そのため帯下より多い事はほとんどない。多血症の少女において、思春期が始まって以来ずっと生理痛。Pulsatillaが多くの16~18 歳の少女たちを治して来たのを私は見て来た。娘は初潮以来調子が悪いと言って、母親が私のところへやって来る;水泳に行って、或は足が濡れて以来調子がよくない。その部分は未発達であり、手術せねばならない、と医者は言う。Pulsatillaは、2〜3ヶ月で正常な出血を確立する。さて、他のレメディにおける対称を見せよう。寒さに過敏で、ガリガリに痩せた少女もまた、初潮が来た時、入浴や足が濡れてから、月経の出血が抑圧されるか、炎症と共に出血が来る;未発達の状態で、狭窄;ひどい生理痛;まるで全てが世界に漏れ出すかのような圧迫される痛みで、前折りになる;熱さで改善し、寒さで悪化する。Calc. phos.がそのレメディである。「穏やかな気質の少女で、思春期が極度に遅れ、月経機能 が不完全または不規則に機能する場合;彼女らは青白く活気がなく、頭痛があり、寒気がし、無気力である」。このような 少女を発達させるため、Pulsatillaはすばらしいレメディーである。非常に厄介な子宮脱の症例。それは、Sepiaや Belladonna、 Natrum mur.、Nux vomica、Secaleで完治する;これらのレメディはすべてひどい弛みを伴い、引き下ろされる;脱腸さえ治った事がある。Pulsatillaは女性の淋病の症例の多くを治す。これが最も通常示されていると思う。顕著な特徴 は、月経の出血がある時、乳房に母乳ができる事である。思春期の少女にー乳房に母乳;母乳の早期生成。妊娠していない女性において、乳房に母乳ができる。(CyclamenとMercurius)

 胸や呼吸器官や咳に、ひどく厄介な症状がいくつかある。気管支炎;肺炎。乾燥した、くすぐるような咳と呼吸困難;窓を開けたがり、 横になると悪化する。咳で吐き気がし、息が詰まる。朝多量の痰か、べとついた黄緑色の粘液がある。乾燥した裂けるような咳が夜に出て、横になると悪化する。麻疹の後、慢性の粘りのない咳が出る。百日咳。

 喉頭に多くの症状がある;狭窄;くすぐったさで咳が出る。乾燥したくすぐったい咳が出て、暖かい部屋に横になると悪化する。咳は夜に悪化する。

 気管支炎は朝は粘りはなく、晩の咳は乾燥している。

 呼吸困難;速く歩くと抑圧されるか、或は食後に熱くなる;鼻が詰まる;感情後。喉頭の痙攣性狭窄。胸の締め付け;左向きに寝ると呼吸困難;晩と夜間に窒息。皮疹を抑圧してからの子供の喘息、或いは女性が月経の抑圧から喘息になる。横になると胸の中でガラガラと言う大きな音がする。麻疹の後に慢性の粘りのない咳が出る。 多量でべとつく、黄緑色か血の混じった粘液で、塩っぱく、不快臭のある痰を吐く。胸の慢性カタル。晩に動悸を伴い、胸が充満し、眠れなくなる。左向きに横になると動悸がする。胸壁が痛い。胸の痛みは、反対向きに寝る と、よくなる時がある;胸の中が乾燥し、表皮が剥ける。胸の中で裂くような痛みが動き回る;胸膜炎;胸に激しい拍動。 肺の出血で、暗い色の血が出る。晩に乾燥した咳が出て、朝は粘りがない咳が出る。抑圧された月経、或は月経の代わりに出血がある。萎黄病の少女におけるカタル性肺結核において、Pulsatillaは非常に役立つ。

 背骨の彎曲においてPuls.は非常に高く評価できる。背中や腰、仙骨部に痛みがある;動き回る痛み;過剰な性交の後に背骨が刺激されやすくなる。背骨や四肢にリューマチ性の痛みがあり、休むと悪化し、ゆっくり動くと改善する。背中のくぼみに捻挫のような痛みがある;冷たい水が背中を滴り落ちるような感覚がある。

 四肢の全てが痛い;四肢に引っ張られるような、裂けるような痛みがあり、動きから、或は動いた後に改善する;暖かい部屋から悪化し、冷たい物から改善する。腕や手の静脈の腫れ。Fi.ac.のような四肢の静脈瘤。関節のリューマチ;まるで脱臼 したかのように関節が痛い。Sciaticaは晩に悪化し、ゆっくり動くと改善する。晩にベッドの中で下半身の筋肉の引っ 張られるような緊張がある。手足に裂けるような、グイッと引っ張られるような痛みがあり、場所が変わる。静脈に燃えるような 痛みがある。足がまるで凍ったかのように激しい痒みを伴う紫色の腫れ。足が燃えるようで、布団から出さねばならな い。足の裏が燃えるようで、歩くと傷つくように痛い。顕著な落ち着きのなさと、四肢の引きつり;横になると四肢がしびれ、痛みが手足中を動き回る。

 手を頭の上にかざして、仰向けに寝る。動悸と窒息が増すため、左向きに寝られない。混乱した恐ろしい不安な夢を見る。なかなか寝られない;火照りのために眠れない。Pulsatillaは、胃の不調から起きた間欠熱を治す。毎日朝晩、寒気がする。手足に寒気が始まる;寒気の間、四肢が痛い;片側がしびれた感じを伴い冷たい;片側だけの発熱。寒気がする前に喉が乾き、発熱中は滅多にない;膨らんだ静脈を伴う熱さ;全身または片側だけ多量に汗をかく。寒気の間、粘液を吐く。

Lycopodium(ライコポーディウム/苔杉)

 Lycopodiumは抗乾癬、抗梅毒、抗淋病であり、その範囲は広く深い。不活性物質に分類され、アロパシー薬の包みにだけ役立つと考えられていたが、ハーネマンは、それを希釈する事によってそれを利用し発展させた。ハーネマンの金字塔である。それは生命に奥深く入り込み、軟組織や血管壁、骨、肝臓、心臓、関節に根本的変化を起こす。壊疽、膿瘍、広がる潰瘍、非常なやつれの傾向がある時、組織変化は著しい。身体の右側の症状が顕著であり、右側から左側へ、或は、例えば頭部から胸部へというように、上から下へ移動しやすい。患者は上半身がやつれ、特に首のあたりはやつれている。一方、下肢は非常によく栄養がいきわたっている。頭部と脊椎に症状がある場合、暖かい大気に極めて過敏となる。頭部の症状は床の暖かさや、熱からも悪化し、労作から熱くなると悪化する。患者は寒さに敏感で、生命維持のために活性化している熱の欠如は著しく、全体的に冷たく、冷たい空気や冷たい食べ物、飲み物で悪化する。痛みは、頭部と脊椎を除き、暖かさで改善する。労作でLyc.の患者は一般に悪化する。労作により、膨れて、苦痛を感じ、呼吸困難がひどくなる。登れないし、早く歩けない。労作で暑くなる事により、呼吸困難と同様、心臓の症状も増える。炎症部は、熱いものをあてる事で楽になる事がある。喉の症状は熱いものをあてたり、熱いお茶や温かいスープを飲むと徐々に楽になる。胃痛は温かい飲み物や、温かい物を胃の中へ入れると楽になる事が多い。神経の興奮と衰弱は著しい。

 リウマチの痛みや、その他Lyc.の患者を苦しめるものは、動きで改善する。極度に落ち着きがなく、向きを変え続けなければいけない。うずきと痛みを伴う炎症があれば、寝床の暖かさから良くなり、動きで楽になり、一晩中寝返りをうち続ける。寝返りを打ち、新しい場所に行き、これで眠れると思うのだが、落ち着きのなさは一晩中続く。頭に症状と共に、冷たい空気を欲し、寒い場所にいたがる。頭痛は、患者を充分暖めるほどの動きで悪化するが、これは動きそのものからではない。頭痛は横になる事や、部屋の暖かさで悪化し、冷たい空気や動きで改善するが、患者が充分熱くなるまで運動すると頭痛は悪化する。それは、区別する特徴となるかもしれないので、Lycopodiumに関しては覚えておくべき大変大切な事である。頭部の症状は暖かいもので包んだり、暖かいベッドで悪化する。

 Lyc.の病訴は、決まった時間、即ち午後4時から午後8時まで悪くなるようである。急性症状や、しばしば慢性症状もこの時間にひどくなる。 Lyc.の寒気と熱は、この時間に悪化する。チフスと猩紅熱の患者は特に、午後4時から午後8時に悪化する。特にLyc.を必要とする病訴である痛風の発病、リウマチ熱、炎症の状態、肺炎、急性カタルが、午後4時から午後8時に明らかに悪化する場合は、常にこのレメディを考えると良い。

 Lycopodiumの患者は鼓腸が起き、太鼓のように膨らみ、そのために呼吸しづらい。横隔膜が押し上げられ、肺と心臓の居場所を侵し、そのために動悸、失神、呼吸困難が起きる。Lyc.の患者が「食べるものは全部ガスになる」と言うのを聞くのは珍しくない。ほんの一口入れると、 お腹が張り、膨張し、もう何も食べられなくなる。一口で、喉まで一杯になると言う。お腹が膨張している場合は、とても神経質になり、どんな音にも耐えられな い。紙を破る音、ベルが鳴る音、ドアがパタンと閉まる音は、Lyc.の患者の中で広がって失神を起こす。これはAntimonium crudum、Borax、Natrum muriaticumのようである。これらの全体的な状態は急性、慢性全ての症状を貫く。感覚神経中枢の興奮しやすい段階があり、ここでは何にでも乱され る。ほんのささいな事で苛立ち、苦しむ。

 Lyc.の患者は牡蠣が食べられない。牡蠣は病気を起こす。牡蠣はLyc.にとっては毒のようだ。ちょうど玉ネギがThujaの患者にとって毒なのと同じである。Oxalic acidの患者はイチゴが食べられない。イチゴやトマト、牡蠣を食べて病気にかかり、もしレメディを持っていなかったら、チーズが数分でイチゴやトマトや牡蠣を消化してくれる事を覚えておくとよい。

 皮膚の潰瘍。痛みのある潰瘍、皮膚下の皮膚脱落性潰瘍、皮膚下の腫瘍、細胞の問題。慢性の潰瘍は疑似肉芽形成、痛み、灼熱感、刺すような、裂けるような痛みで耐えがたい。それらは冷やすものを当てると楽になることがよくあり、温湿布で悪化する。 膝の痛みや化膿の状態や痛風疾患は、温湿布や暖かさで改善する事は、Lycopodiumにはやや.一般的である。異常に暖かい寝床や、暖かい部屋で蕁麻疹が出る。蕁麻疹は、小結節や、長く不規則な筋に現れる。特に、熱さ中では、痒みが激しい。Lyc.はひどい痒みを伴う発疹がある。小水泡と鱗屑疹、湿り気のある発疹と、乾燥した発疹、ぬか状の発疹。唇の周りの発疹。耳の後ろの発疹。小鼻の下と性器の上;亀裂した発疹、手の湿疹のように出血した亀裂。皮膚は厚くなり、硬化する。古いおできと、のう胞の場所が硬化し、小瘤を形成し、長く残る。皮膚は不健康に見え、皮膚が固くなり脱落しやすい;傷が治りにくい。表面的なケガはまるでトゲが入ったように化膿し、この化膿は皮膚下に沿って進む。潰瘍は出血し、非常に多量の、べとついた黄色い、悪臭のある、緑の膿を形成する。下疳と軟性下疳はLyc.に同種療法性をしばしば見出す。

 解釈されれば、Lyc.の状態は一貫して弱っている。動脈や静脈の低い状態で、血色が悪く、循環も悪い。部分的にしびれる。手足の一つが衰弱。手足の指が無感覚。よろめき、手足が使えない。手足が不器用で、ぎこちない。四肢が震える。

 Lyc.の精神面の症状は数多い。疲れている。心が疲れた状態で、慢性疲労、忘れっぽく、新しい事を引き受けるのを嫌がり、新しい役割を担うのを嫌がり、自分の仕事を嫌がる。何かが起こるのではないか、何かを忘れるのではないかとひどく怖がる。人前に出る事への恐れは断続的に強くなり、戦慄的な感じになることもある。孤独への恐れも断続的に強くなる。専門職の男性、弁護士や大臣・公使な ど、人前に立たねばならない人は、何年もそれに慣れていても、自分には能力がないとしばしば感じたり、その仕事を引き受けるだけの能力がないと思う。弁護士は、自分がとちるのではないか、間違いを犯すのではないか、忘れるのではないか、と恐れ、法廷に上がる事が考えられない;引き延ばし、法廷に上がらねばならない時まで遅らせる。引き受けた仕事を簡単に楽にやれている時でも、そう感じる。これはまたSilicaの特徴でもある。この2つのレメディーほど、この恐怖が目立つものはない。

 Lyc.はまた宗教的狂気があり、それは穏やかにシンプルに始まり、憂鬱になる。この宗教的陰気さは、座ってくよくよ考え込めば、考え込むほど、どんどんひどくなる。仲間をとても嫌う事はよくあるが、孤独も恐れる。「人々を恐れ、孤独も恐れる;いらいらし、ふさぎこむ」。このように人を恐れる事は、必ずしも女性が怖がる状態ではない。これがLyc.に おいて完全に体現される時、人への恐怖は、新しい人の存在を恐れたり、友人か来客が来る事を恐れているのだ。彼女は、いつも自分の周りにいる人たちとだけ一緒にいたがる。全く一人でいたいのではない。家に他に誰かいる事を感じたいのだが、仲間が欲しいわけではない。話しかけられたくもないし、何かするように 押しつけられたくない。全然頑張りたくないが、時々そうさせられると楽になる。「無口、一人でいたい」。さてこれを少し詳しく見よう。無口は話したくないからであり、静かにしたいからである。だが、既に述べたように、家に誰かがいて、自分が一人ではないと感じると、非常に嬉しい。彼女は小さな部屋にいたがるため、事実上は一人であるのだが、孤独ではない。家の中に隣接した部屋が2つあれば、Lyc.はそのうちの1つに行くが、もう一方の部屋に誰かがいる事を非常に喜んでいる事が、共通して見つかるだろう。

 Lycopodiumの患者は、友人を迎えたり、知り合いに会うと、泣くことがよくある。贈り物を受け取ると、涙を伴う普通ではない悲しみがこの患者を襲う。ささいな喜びで泣くため、Lyc.の患者は非常に神経質で、敏感で、感情的な患者なのがわかる。だから「敏感で、感謝する時でさえ泣く」のだ。

 微熱で苦しんでベッドに横たわる時、せん妄が起き、意識を消失する事さえある。空中の想像上の物を摘んだり、ハエや空中に飛ぶあらゆる小さな物が見える。「過剰に陽気で、とても単純な事で笑う」。精神異常の状態。「意気消沈」。Lyc.の患者は朝、悲しみとともに目が覚める。悲しみと憂鬱さがある。世界は終わるかもしれないとか、家族全員が死ぬかもしれないとか、家が火事になるかもしれないと思う。元気づけられる事は何もないように思え、お先真っ暗に見える。しばらく動き回ると、これは次第に消える。この状態は精神異常の状態より先に起こり、最終的には、人生を嫌悪し、自殺する状態になる。いかにこのレメディーが意思を掴み、実際、人が生きようとする意思を破壊するのかを見なさい。人に最初に訪れるものは、生きたい、存在したい、たとえ小さくても何かになりたいという事だ。これが打ち砕かれた時、素晴らしい物が破壊されてしまう事がわかる。その時、まさにその人自身は、そうでないよう意思するのだ。その人の意志を壊すのは、全ての曲解である。「懸念、呼吸困難、恐ろしさ」「もう死ぬのではないかという不安な考え」「自信の欠如、優柔不断、臆病、あきらめ」。自分と全てにおいて自信を喪失する。「人間嫌いで、自分の子供からさえ逃げる」「信用せず、猜疑的で、粗探しをする」「痛みに過敏で、我を忘れる」。

 Lyc. は周期的な頭痛が起きやすく、頭痛は胃腸の問題と関係がある。夕食の時間を過ぎると、吐き気をもよおすような頭痛が訪れる。規則的に食べなければ、なりやすいその頭痛が起こるだろう。これは幾分Cactusの頭痛のようである。Cactusはうっ血性の頭痛があり、規則的に食べなければ、顔のほてりを伴い極めて激しい頭痛が起きる。Lycopodiumの頭痛と区別する特徴は、何か食べれば頭痛がよくなるのに対し、Cactusの頭痛は食べると悪化する事である。 Lyc.と、特にPhos.とPsorinumは、かなりの空腹を伴う頭痛がある。発作が始まる時や、始まりそうな時、気絶や力尽きたような空腹感があり、それは食べても満たされない。食欲と頭痛が関連している場合、そのような事はPhosphorusとPsorinumの特徴である。Lycopodiumの頭痛は、熱さやベッドの暖かさから、また横たわる事から悪化し、寒さや冷たい空気や窓を開ける事から改善する。細くやつれた少年は頭痛が長引きやすい。この小さな子が風邪をひく度に、長引きズキズキする、うっ血性の頭痛が起き、日毎に、また月を追うごとに、どんどんやつれていき、特に顔と首のあたりがやつれる。胸の狭い少年が、痰がなく、乾いたしつこい咳にかかった時、これと同じ病状になり、首と顔のあたりがやつれる。このレメディは特に、痩せてしわがよっており、乾いた咳か或は長引く頭痛の若者に適する。子供においては、肺炎や気管支炎の後に衰え、顔と首のあたりがやつれ、ちょっとした事でも風邪をひき、暖まると頭痛に苦しみ、夜ごとの頭痛があり、多少なりとも精神に影響を与えるうっ血の状態があり、そのため混乱して眠りから飛び起きる。小さな子供は睡眠中叫んで、驚いて目を覚まし、興奮した様子で、しばらくの間父親も母親も、看護師も家族もわからず、感覚が集中できるようになると、自分がどこにいるかわかり、再び横になって眠る。しばらくするとまた恐怖で起き上がり、奇妙で混乱して見える。それが繰り返される。頭痛はズキズキし、圧迫し、まるで頭が破裂してしまうかのようである;しかし、これはどのように起きるのか、その原因の環境や、その子がする事ははさほど重要でなく、寒さから改善し、音や話す事で悪化し、午後4時から8時まで悪化し、上から下に向けてやつれる事が重要である。これらは、患者が感じる痛みの質より重要であるが、もし患者が痛みの質を描くと、ズキズキした、圧迫する、破裂するような、或は充満感の事として話に出てくる。

 頭皮上の班に発疹が見つかり、それは毛が抜けた滑らかな班である。顔に斑があり、耳の後ろには湿疹性の発疹があり、それは出血し、水っぽい液体が滲み出て、時には黄色がかった水っぽいものもある。湿疹は耳の後ろから耳の上、頭皮へと広がる。Lyc. は嬰児の湿疹について学ぶべき非常に重要なレメディである。痩せて、空腹で、しぼんでいる子供における湿疹は、多かれ少なかれ頭の疾患があり、前述のように、耳の後ろから湿り気のある滲出液が出て、尿に赤い砂が混じり、顔はしわのより、乾いたしつこい咳をし、子供においてはかけてある布団を蹴り、左足が冷たく、 右足は暖かかく、食欲は気まぐれで、異常なほどの空腹になる時もある大食いで、非常に喉が渇いており、しかし体重がずっと減っていく場合、しばしば Lyc.で治る。まずより多量の発疹が急に現れるが、最終的には鎮まり、子供は健康を取り戻す。一般的に頭部は、尿の赤い砂といったある症状と緊密な関係がある。赤い砂が多い限り、患者はうっ血性の頭痛から解放されるが、尿が薄くなり、赤いコショウ粒のような沈殿物がなくなると、破裂するような、圧迫されるような頭痛が起き、それが数日続く。これは尿毒性の頭痛と言われるものかもしれないが、それを何と呼ぼうと問題ではなく、症状があれば、レメディは正当だと証明される。老齢者の痛風体質において、頭痛が非常に顕著な時、手足の痛風は改善するか、その逆である。頭痛は手足の痛みがない時だけ起きる。また尿に非常に多量の赤い砂がある時、頭も手足も痛風の状態はなくなるが、風邪をひくといつも、分泌物は少なくなり、痛みは悪化する。カタルと関連するLyc.の頭痛の他の特徴がある。急性の風邪でカタルが減少すると、頭痛は悪化する。Lyc.になりやすい人はしばしば、鼻からべとついた黄色い分泌液で苦しむ。鼻は、黄色く、緑色のかさぶたのようなものでいっぱいで、朝鼻や喉から飛び出る。さて、風邪をひくと、べとついた分泌液はかなり減り、くしゃみが始まり、水っぽい分泌液になる。その後、非常に苦しい、圧痛の、空腹を伴うLyc.の頭痛がやって来ると、鼻風邪が消え、べとついた黄色い分泌物が戻り、頭痛がやわらぐ。

 Lyc.には多くの目の症状があるが、最も顕著なのは目のカタル性疾患である。症状は非常に様々で、ほとんど全てのカタルの状態を表すため、目の症状だけでは識別できない。目が赤く多量の分泌液を伴う炎症の状態、結膜とまぶたの潰瘍形成や顆粒状眼瞼。

 耳にLyc.は重要なレメディとなる。なぜなら、このしわの寄った顔つきで、乾いた咳をする同一のやつれた子供が、猩紅熱にかかってからは、耳からべとついた黄色く臭い分泌液が出て、聴力を失っているからだ。もし猩紅熱で適切なレメディが投与されれば、耳の疾患は猩紅熱に属する必要はないので、耳の問題が残る事はないだろう。それは猩紅熱の一部ではなく、その子の体質の状態によるものだ。Lyc.はまた、非常に痛みのある耳の発疹や中耳炎、耳の周りや後ろに発疹ができる耳の膿瘍が起きる。

 鼻の症状については、頭と関連するものをある部分だけを述べたね。問題はしばしば嬰児に始まる。小さな嬰児はまず、ガラガラいう鼻を通る奇妙な音を立てて寝ており、ついには鼻が詰まり、口からしか息ができなくなる。これは数日や数カ月続く。子供は口からだけで呼吸し、泣く時は、鼻を塞がれている時に見つかるようなかん高いトーンになる。覗くと、鼻が膿のような物で一杯なのと、喉に垂れさがっているのは粘液状の膿の分泌液なのが見えるだろう。非常な鼻詰まりは Lyc.の慢性的な状態である。子供はかさぶたのように乾いたものができるまで、この問題が続き、それは黄色く、時には黒みがかり、時には緑色っぽく、鼻血が出る。頭痛と結びついたこの厄介なカタルに、大変役立つ;首まわりの肉が落ちているような患者に。奇妙で不可解かもしれないが、Lyc.は下肢が非常によい状態の時、首の周りの衰弱や顔のしわが起きうる。大人の老齢者の慢性的なカタルでは、ずっと鼻をかみ続ける。 かさぶたのようなものが粘膜全部分で形成されるため、夜、鼻から息ができない。発疹のある表面の固い小鼻は、顔や鼻のあたりにじくじくした発疹がある。 粘液分泌液は、Kali-bi.のようにべとつき、粘り気がある。

 顔は土色で、病んで、青白く、だいたいしわがよっており、しなびて、やつれている。気管支炎や肺炎といった深く根付いた胸の疾患があり、胸は粘液で一杯で、痛みのため顔や額にしわがより、息をしようとして小鼻がパタパタするのが見えるだろ う。これは呼吸困難の形全てを伴って起きる。Ant-tart.に見るように、すすけた小鼻が大きく開き、パタパタしている。Ant-tart.における粘液のガラガラいう音が部屋中に聞こえ、患者は苦痛を感じているように見えるが、鼻がパタパタし、額にしわを寄せ、胸からガラガラという音が聞こえるか、或は、乾燥した空咳で痰はない状態で、ベッドに横たわっている患者を見た場合、特別な診察をし、それはLyc.の症例だという考えを確認する事がよくあるだろう。肺炎の滲出の段階や、肝変の段階において、Lyc.は患者の生命を救うかもしれない。それは、PhosとSulph.の肝変の時期と密接な関係がある。Sulph. の患者は冷たく、無反応の傾向があり、胸が重く、胸を調べると肝変が示されている事がわかる。じっと横たわっていたがり、明らかに死に そうである。Sulph.はそういう人を助ける。Lyc.のように鼻がパタパタしたりしないし、額のしわもない。Stramoniumの脳の病訴には、額にしわがあり、Lyc.の胸の病訴には、額にしわがあり、両者は幾分似ている。脳充血を患う半ば意識不明の状態の患者の所へ行き、観察すると、狂気じみて、目は生気がなく、額に皺があり、心は活動的な傾向がある。これはLyc.ではなくStram.である。綿密な観察によるこのような実践的な事が、頭に問題のあるStramoniumと、肺炎が進行した段階のLyc.を、ほぼ即座に区別できるよう導いてくれるだろう。

 顔は、梅毒で見られるような銅色の発疹で覆われている事が多く、そのためLyc.は、鼻骨の壊疽やカリエスを伴う鼻に影響がある症例や、既に述べたようなカタル症状がある老齢者の梅毒の症例に役立つ事がある。顔については、かなり単収縮がありピクピクしている。顔を調べると、患者の顔はその感覚と一致しているのがわかるだろう。過敏な患者で、ドアをパタンと閉める音や、電話の音といったきしりや音がする度に、顔にしわを寄せる。患者は困惑し、それを顔つきに表現するのがわかる。胸の病訴と同様、下腹部の病訴においても、病んで皺のよった顔つきで、まゆをしかめる。Opium、 Muriatic acidのように、顎が落ちているのも見える。これはかなりの疲労困憊によって示される状態に起き、致命的傾向を示す。ベッドシーツをつまみ、ベッドに倒れ込み、ほぼ何も欲しがらず、ほとんど起き上がれない場合の、特にチフス熱において顕著である。これは微熱のチフス、敗血症、発酵病の疾患の末期の表現である。耳下腺の腫れ、顎下腺の腫れといった顎下の腺の腫れがよくある。腫れは細胞である事があり、首の筋肉の腫れまで含まれる。猩紅熱とジフテリアでは、これらの腺が化膿したり、首のあたりが腫れる傾向がある。

 次に我々がが気付く重要な特徴は、喉の症状である。既に述べたように、一般的な状態を調べると、 方向性に関するLyc.の症状の顕著な特徴は、その症状が右から左へ広がるようだ;右足は冷たく左足は暖かいと気がつく;右ひざが影響を受けている;痛みが 移動するならば、右から左へ移る。ほとんどの病訴は右から左へ動くか、右の方が左よりも影響を受けるようだ。これは喉の痛みにも当てはまる;右側にできている化膿性扁桃腺炎はそのコースをたどり、もし適切なレメディを取っていなければ、治りかけに左の扁桃腺が炎症を起こし、化膿する。共通した喉の痛みは、右側に始まり、翌日両方が影響を受け、炎症はもう左まで広がっている。このレメディーには喉と口峡にあらゆる種類の痛みがある。これは、喉の右側に粘膜が始まり、左へ向かって広がるジフテリアの症例に役立つ。班は1日目に右側に、翌日は左に見える。また、Lyc.の病訴は上から下へと広がる事にも、我々は気づいているが、これらは滲出液についてもそうである。それは咽頭の上部に始まり、喉を下降して広がる事がよくある。Lyc.は そういう症例を多く治癒してきた。Lyc.は冷たい水を口の中に含むとよくなる症例が時々あるが、通常Lyc.の喉の痛み は、温かい飲み物を呑み込む事で改善する。これはLachesisとLycpodiumが区別できる特徴である。Lachesisは冷たさで改善し、温かい飲み物を飲もうとすると、喉が痙攣するが、一方Lyc.は、冷たい飲み物で改善する事もあるが、温かい飲み物で改善する。Lyc.は Lach.のように眠ってから窒息や喉の収縮や呼吸困難にならない。喉は極めて痛く、ジフテリアの最悪の症例の激しさが全てある。発酵病もある。

 胃腸の症状が入り混じっている。満腹感も、食欲の完全な欠如もある。お腹がとてもいっぱいで食べられない。この充満感は、食べ物を一口呑み込むまでは起きないだろう;空腹で食卓へつくが、最初の一口でいっぱいになる。食べたらガスで膨らみ、げっぷで一時的に楽になるが、依然膨張している。吐き気と嘔吐;胃腸や胃に、かじられるような痛み;カタル;潰瘍と癌においては燃えるように痛い;食べた直後の痛み;胆汁を吐き、挽いたコーヒーのような嘔吐で、黒くインクのような嘔吐物。Lyc.をとると、明らかに悪性の症例は、その生命が延びる。症例は非常に緩和されるので、数カ月後に最悪の事態になる代わりに、患者は何年も生き続けるだろう。肝臓疾患のように、右の季肋部が腫れる。肝臓が痛み、胆汁の嘔吐を伴い、再発性の胆汁の発病がある。胆石疝痛を起こしやすい。Lyc.をとると発病の頻度は下がり、胆汁の分泌物は普通になり、まるで溶解されたかのように、胆石は海綿質の外観になる。Lyc.の患者はいつもげっぷをする;げっぷは酸っぱく、咽頭が燃えるような強い酸のように表皮を剥ぐ。「酸っ ぱい胃」、酸っぱい嘔吐物、腸内ガス、食べた後の膨張と痛み、充満感を伴う。胃にひどい「気力の衰え」や弱さがあり、食べても楽にならない (Digit.)。胃は冷たい飲み物で悪化し、温かい飲み物で楽になる事がよくある。胃腸に激しい動きがあり、非常にゴロゴロ音がし、まるで発行しているかのように腸内ガスがグルグル回る。Lyc.とChinaとCarlo vegは、最もガスのたまるレメディーで、比較されるべきである。胃の症状は冷たい飲み物やビール、コーヒー、或は果物で悪化したり、引き起こされて、下痢が起きる。老齢の慢性消化不良で、衰弱し、しわがあり、疲れ、骨ばった患者で、食べた物が全てガスになる。Lycopodiumは、反応が弱く、機能全てが弱わり、動けず回復しない 傾向がある、高齢の疲労した患者に役立つ。 

 この患者には非常に厄介な便秘がある。何日も何の便意もないまま過ごし、直腸は詰まっているのに、便意に駆り立てられない。腸管が不活発。排便に駆り立てられても無駄に終わる。便は固く、出にくく、小さく、完全に出ない。最初に出てきた便は固く、出づらいが、最後のあたりは、柔らか く、細く、どっと出て、その後失神したり、衰弱したりする。Lyc.の患者は下痢やあらゆる便がある。故に、Lyc.の特徴は便にはない、と教科書に書いてあるのを読んでわかるだろう。他にLyc.の症状があれば、あらゆる種類の下痢は、Lyc.で治るだろう。厄介な痔の問題もあるが、これといった特徴はない。痔の症状は様々なので、もしLyc.の腸内ガスや胃の症状、精神面の症状、一般面の症状があれば、どのような痔もLyc.で治るだろう。

 腎臓は、多くの症状を呈し、多くの場合、Lyc.への鍵となるだろう。直腸と同様の不活発さが膀胱にも見られる。どんなに力んでも、尿が出るまで長く待たなければならない。流れが遅く、弱々しく流れる。尿にはしばしばレンガ色のくずや赤色の砂状の沈殿物で濁っているか、或は尿を混ぜると発酵したリンゴ酒の沈殿物のように見える。この状態は発熱時に見られる。疾患の急性段階では、赤い砂が多量にあれば、Lyc.がしばしばそのレメディーとなる。これは非常に顕著な症状である。慢性的な症状では、患者が最も調子良く感じている時、赤い砂が尿に見つかる。Lyc.には尿の保持と抑制がある。小さい子の「おねしょ」や、寝ている間の不随意の排尿、チフスや微熱時の不随意の排尿がある。Lyc.の際立った特徴で、全てのレメディの中で最も突出している1つに、夜尿症がある。日中は尿は普通なのに、夜は何度も起きて多量の尿を出す。尿はかなりの量で、とても透明で、明らかに軽質である。

 男性生殖器。インポテンツにおいて最も卓越したレメディーの1つ である。生殖器官の弱さを伴い、生命力が弱い人、緊張し過ぎた人、疲労し過ぎの人で、若い男性が自慰をして来て、背骨や脳や生殖器がくたびれてしまっている場合、Phosphorusを必要とする事はまれで、Lyc.が典型的なレメディである。この患者がきちんとした人生を送って、結婚しようと決心した場合に、自分は性的に不能で、勃起を維持できなかったり、或は勃起があまりにも弱々しかったり、短かすぎたり、自分が男ではないとわかるだろう

 Lyc.は淋病の分泌液を伴う、尿道の粘膜の炎症がある。これは抗淋病であり、男女の生殖器に厄介な尖圭コンジロームができる。「ペニスの湿ったコンジローム、前立腺の肥大」。

 卵巣の炎症や神経痛、子宮の炎症がある女性にとって、これは素晴らしい友となる。神経痛は特に右卵巣に起き、左側へ移る傾向がある。卵巣の炎症は、右が左より影響を受けている。右の卵巣嚢腫を治している。

 Lyc.は、性交で非常に痛くなる膣の乾燥を、作り出し治癒する。性交中、性交後に、膣が燃えるように痛い。月経障害がある。何カ月も月経がなかったり、抑圧したりし、患者はしわが寄り、衰え、青白く、血色が悪く、衰弱する。その人は月経に対する生命力がないように見える。初潮が来る年齢に達したのに、まだ来ない思春期の少女にも合う。彼女は発達が起きず、胸も膨らまず、卵巣も機能を果たさずに、15、16、17、18歳となる。症状が合えば、Lyc.が作用をもたらし、胸は成長し初め、女性らしさが結実し始め、子供から女性になる。それには成長への素晴らしい力があり、この点において、Calc.やPhos.と非常に似ている。「膣からガスが出る」「性器の静脈瘤」。

 呼吸器において、Lyc.は素晴らしいレメディーとなる。胸のカタルにおいて、呼吸困難や喘息的な呼吸がある。風邪は鼻に留まるが、ほとんどいつも胸まで行き、ヒューヒューとかゼーゼーと音がしたり、ひど呼吸困難を伴う。呼吸困難は、早く歩いたり、労作の後や、坂を登ったりすると悪化する。拍動し、燃えるような痛み、むずがゆさが胸にある。乾燥し、くすぐるような咳。やつれた少年の乾いた咳。肺炎が治った後に、乾燥した、くすぐるような咳が長く残るか、或はひどくヒューヒューとなる喘息のような呼吸が起きる。頭部と顔は熱い間、手足は冷たく、ひどい咳と疾患が胸にある。頭が非常にうっ血しているので、頭部を覆わずに歩きたがる。この患者の反応は弱々しい。回復の兆しがなく、気管支炎や肺炎の発作以来疾患があるという病歴がある。乾燥し刺激を受けやすい咳の他にも、Lyc. はべとついた黄色か緑色の粘液膿で、粘りがあり糸をひく多量の痰を伴う潰瘍がある別の状態へ入る。最終的には、午後4~8時の発熱を伴い、汗が出てくる。肺炎の進行した段階や、肝変の期間に使うには、顔と額はしわが寄り、小鼻がパタパタし、痰は少ないのは、既に述べた通りである。それから、かなりガラガラと音がする顕著な胸のカタルがあり、嬰児においては特にそうである。胸の中でガラガラと音がし、小鼻がパタパタし、痰が出せない。右肺は、最も影響を受けるか、左より冒されやすいか、或は一方から他方へ移る両側の肺炎や疾患にまず影響を受ける。胸膜と心膜に溜まった血清から呼吸困難になった場合、放置された肺炎に適するレメディーの中でLyc.を考えなさい。

 手足の痛風の傾向と、その神経症状について充分に述べた。しかし、寝ようと考えると起きる下肢に落ち着きのなさがあり、このために夜中まで眠れない。Ars.に非常に似ている。それは、しばしば非常に苦痛を与える特徴である。四肢のしびれ。夜に四肢が引っ張られるような、引き裂かれるような痛みがあり、ベッドの暖かさと動きで改善する。このような痛みは、慢性間欠熱に見られる事が あり、このレメディーで治る。周期的に起きる坐骨神経痛は、熱さと歩く事で改善する。脚の静脈瘤。片足は熱く、もう一方は冷たい。足の浮腫。

 継続熱や間欠熱など、多くの種類の熱がある。 特に老人、或は60歳の人が80歳に見えるような早期老化で、衰弱し、弱々しく、疲れている人に適する。虚弱体質の病訴に極めて合う。肝臓や心臓疾患に関連した様々な浮腫に合う。皮膚上にかさぶたが残る;かさぶたが重なったり、或は牡蠣疹のように薄片になる。Sulph. Graph. Calc.はLyc.に比べ、長くも深くも作用しない。これらの、充分精製されていない不活性な物質は、ポテンシー化されると、その強さが引き出され、素晴らしい薬効を形成する。

Phosphorus(フォスフォラス/リン)

 Phosphorusの不調は、生まれながらに病弱、ほっそり成長、速すぎる成長のような主に弱々しい体質に立ち上がるよう だ。そのようなやせ衰えた人や、やせやすい人に不調が見られる;消耗症になりつつある子供や、かなりよく消耗の土台に合う人に。繊細、青白い、貧血症、衰弱しやすい。情熱的で短気な人に。これらはその人の気質が内面の体質の状態といくぶん同様である事を表している。内面的に患者は混乱している。激しい脈に陥りやすく、大気中の電気変化から不調になる;激しい動悸とオルガズム。背が速く伸びすぎ、突然弱り、青白くなり、萎黄病で、生理の問題がある萎黄病の少女に。感情の激発とうっ血。出血しやすい体質。小さな怪我で、出血がひどい;針で突き刺しただけで、通常の4倍の赤い鮮血が出る。小さな怪我で出血、鼻から出血、肺や胃、膀胱、子宮から出血。潰瘍から出血。出血する類 似肉芽。紫斑病の出血。 青黒い斑点。結膜や皮膚の下のあちこちに溜まる血液。血が混じる唾液;組織が破壊された血 液または血液が流動的になった証拠。小さな打ち身で青い班が広がる。大量の鼻血。チフス熱や、出血を伴う持続性の 熱の低迷状態で見られるような点状の出血が体中にある。皮膚カビが生長する。脂肪変性がPhosphorusの顕著な特徴 で、肝臓や心臓、腎臓に見られる。一般的な水腫の状態。手足のむくみ、特に猩紅熱後の水腫の状態。出血後または病 気が低迷しているように見られるように、粘膜はすべて白い。顕著な貧血状態と筋肉が緩んだ状態。筋肉に締まりがな い。筋肉の脂肪退化。生殖器が垂れ下がる。骨盤内臓器の弛み、脱出症と他の変位がある。硬直はPhosphorusの顕著な 特徴である。動き始めに硬直する。特に朝方、四肢は倒れた馬のように硬い。四肢全体がリューマチの堅さ。 Phosphorusは四肢に裂くような痛み、引っ張られるような痛みがある。影響を受けた部分に引っ張られるような、裂け るような痛みがある。Phosphorusの不調は寒い気候で悪化する。患者自身は一般に、寒さに敏感だと思っている。患者の不調はすべて寒さや冷たい物から悪化し、熱や暖かい物から好転する、ただし頭と胃の不調は除き、それらは後述の ように寒さで好転する。Phosphorusは症状が合えば、捻挫に後続する弱く緩んだ関節の状態に非常に役立つ。壊死は Phosphorusのもう一つの特徴で、特に下あごの壊死だが、いかなる骨の壊死にも有効だろう。裂けるような痛みを伴う 頭蓋の外骨腫症。特に夜に裂けるような、中ぐりするような痛み。Phosphorusは鼻と耳のポリープを治して来た。 瘰癧 と腺の腫れ。腺が肥大する、特にBellisのように打撲の後に。下痢や、疲労状態、膿瘍、瘻の開口部、消耗熱を伴うとい うような弱く、青白く、病んだ個人の腺疾患。 多量の黄色い膿の分泌を伴う膿瘍。症状が合えば、Phosphorusで悪性 腫瘍の成長を著しく抑えられる。燃えるような痛みはそこら中に見られる。脳内が燃えるよう、皮膚が燃えるよう。胃 や胸、様々な部分が燃えるように痛い。

 Phosphorusの患者は、わずかな臭気、音、接触といったあらゆる外的な印象に対して非常に敏感である。ちょっとした事で、心身のいずれかが疲労する。些細な原因からや手を使う事、些細な無理、衰弱、咳から体中が震える。衰弱が顕著な度合いで優勢になり、遂にはほとんどのチフス性の熱の形のように、麻痺或は麻痺性の衰弱になり、ベッドからずり落ち、筋肉が震えたり痙攣したりする。四肢の蟻走感と裂けるような痛みを伴う麻痺。卒中を伴って来る麻痺。麻 痺に見られるような筋肉の痙攣と震え。麻痺した部分の痙攣。体中に裂けるような、引っ張られるような、焼けるような痛みがある。Phosphorus患者は擦って欲しがる。一般的に睡眠後改善する。常に休みたい。常に疲れている。Phosphorus 患者は非常な興奮を受ける。震え。激しい考え。興奮して夜寝つけない。暴力的な想像。官能と透視にさえ興奮。心が動き過ぎか、または記憶をなくして極端に受け身になる。心身の苛つきや、ほんの少し頭を使った後に、心がとても疲れる、少し体を使った後に、体が非常に疲れる。心配、悲観的な予感。何かが起こるのではという恐怖。黄昏れ時に不安になる。一人だと不安。懸念。雷雨の間に懸念し、そのため多くの不調がもたらされる;動悸、下痢、痙攣。 全身の痙攣。 恐怖からの消化不良。夕方に恐怖、死への恐怖。道角で知らない年寄りに見られているという恐怖。変わった精神異常の想像で溢れている。精神異常の国境にいる。知的な努力を支える事ができない。卒中の恐怖。反射は頭痛に もたらされ、恐れの混じった予感につながり呼吸困難、或はみぞおちが沈む。恐怖はみぞおちから始まるようだ。冷淡 或は無関心;自分の友人や周囲に無関心。自分の子供に無関心。質問に答えず、自分の家族や自分の事に無関心で、 ゆっくり答え、だらだらと考え、ぼっとして低能になったように見える。何もかも暗く見え、人生をいやがり、陰鬱で 何も話さない。落胆した;憂鬱症の最も顕著なケース。嘆く、悲しい、ヒステリー、服を脱ぎ、露出する。暴力的、多 弁、精神錯乱。微熱の精神錯乱、或は泥酔の精神錯乱。憤慨や極端な暴力を伴い躁病の発作が睡眠中来るため、その人には誰も近づけず、愚かな馬鹿げた頭の弱い白痴に進展する。知的過労や目を継続的に過酷に使う事からの神経衰 弱。目眩は Phosphorusの不調すべてを通じて非常に共通した症状である。酔ったようによろめいて歩く。外気の中での 目眩;食後の目眩;夕方の目眩。頭が重く混乱し、物がぐるぐる回る;頭が非常に衰弱。このような精神面の症状はす べて、暗闇で悪化;一人で悪化;音楽で悪化する時もある;興奮から悪化;ピアノを弾いて悪化。

 Phosphorusの頭痛はうっ血し脈打つ。血が頭に上る。頭痛は冷たさで改善、熱で悪化、動きで悪化、休憩して改善、横 になって悪化する。患者はしばしば強いてまっすぐ座り、頭の上に大きな圧力をかけて、冷たい物を要求する。顔はほてって熱い;脳の中が燃えている。暖かい部屋、暖かい環境、暖かい食べ物、手をお湯に入れるなどで、頭痛が増すだ ろう。頭の不調は、胃の不調同様、熱や暖かい物や暖かい食べ物から悪化し、冷たい物で改善する;一方、体の不調は 暖かさで改善し、冷たさで悪化する。頭痛は最も猛烈で、空腹と共に、或は空腹に先んじてよく来る;嘔吐と赤い顔、 乏しい尿を伴う頭痛;尿毒症の頭痛;猛烈な神経痛は頭を通して突進するような、裂けるような、撃たれるような痛み がある; 頭の中に圧迫する痛みがある。定期的な頭痛、頭を使いすぎて来る頭痛。頭内がひどい熱で顔と顎の筋肉が硬 い。この事は後頭部の冷たさを伴う時もある。脳を通じたショック。頭痛は音や光で悪化する。頭痛は音からや、光か ら悪化する;頭の卒中性うっ血。急性水頭症及び類推水頭症の症状を治した事がある。慢性脳膜炎;脳の軟化;低能; 精神錯乱。激しい頭痛;脳の萎縮;延髄。頭蓋はふけで覆われている;毛髪はまだらに抜け、あちこち禿げる。頭蓋にひどい熱;包帯で締め付けたように頭蓋と顔と額が緊張する。頭の禿げた部分に鱗状の発疹;頭蓋に外骨腫。頭の不調 は熱すぎる事から来る。まるで髪の毛が引っ張られるような感覚がする;頭蓋のひどい痛み;頭痛の間、髪の毛を下ろしておかねばならない。

 目の症状は非常に多い;燃えるような痛み、赤い、充血、血管肥大。物が赤く見え、物が視野に赤やしばしば青が見え る、或いは白内障の初期に物が緑灰色に見える事がある。色もまた目の前で黒色が現れる。視界がぼやける;読書中目 が乾く;朝の方が、或は黄昏時の方がよく見える。気絶のように一時的に目が見えなくなる;突然盲目になったように思 える;視神経の麻痺;電気ショック後、或は落雷後の目のくらみ。緑内障を治してきた。ブライト病における網膜炎を 治して来た。 ガラス体液の混濁を治して来た。目の様々な筋肉麻痺衰弱を治して来た。目蓋が落ちる神経の第3組の麻 痺を治して来た;亜急性の目の炎症。燃えるような痛み、赤い、うずきは冷たい物で改善する。目蓋がピクピク動いた り震えたりする;目蓋の腫れ;目蓋の浮腫性の腫れ;目の周りが非常に暗い;目の周りに大きな環がある。目を含む悪 性腫瘍の成長に非常に役立ち、病気の進度を非常に遅らせるレメディである。目の症状は頭や精神面の症状と同様、頭を使う仕事によく現れる;明るい光の元で働く事で、他の部分が苦しむのと同様に目がある頭に血液が多く限定する。

 Phosphorusは特別な聴覚消失がある。 Phosphorusの最も著しい特徴の一つは人間の声の発音が理解できない事であ る。難聴。何かが耳を覆っているような感じがする時がある;まるで耳が覆われていて音波がさえぎられているような 感じ。耳の中が激しく痒い;外耳のうっ血;痒い、裂けるような痛み、脈打つ、耳の中に燃えるような痛み。耳の中の ポリープを治して来た。

 鼻の症状もまた非常に多い;根深い鼻腔のカタル。鼻風邪をひいているが、Phosphorusの風邪の最も共通して胸部に落 ち着き、問題のほとんどが胸部で始まるが、Phosphorusが鼻腔のカタルと鼻風邪を治す。鼻の中が乾燥して痛い;ずっ とくしゃみが出る、血の混じった鼻水が流れる。鼻の状態が穏やかだったり止まったり、頻繁に交互に起きる;喉の痛 みを伴う鼻風邪;鼻づまり;猩紅熱においてくしゃみが多く、鼻の乾燥と交互に鼻が詰まる;鼻腔が緑の粘液で充満す る;多量の黄緑の分泌物、血が混じった粘液、朝に悪化;鼻から悪臭;頻繁に鼻血が吹き出る;鮮やかに赤い鼻血が 多量に出る;赤くてテカテカ光った鼻の腫れ;接触に非常に敏感;鼻骨の壊疽。鼻のポリープを治した事がある、特に 出血性のポリープ。Lycopodiumのように小鼻が団扇のようにパタパタ動く。

 Phosphorusの患者は病んだ、土のような、沈んだ青白い顔つきをしている、それは結核に見られる、結核になりかかっ た人、深く根付いた状態で苦しんでいる人のよう;やつれた貧血症。色が変わりやすい;腫れてむくんだ顔;目の下が 膨れる;唇と目蓋が腫れる。また頬に赤い斑点があり、それは消耗性の熱に現れる;消耗熱性潮紅。皮膚と顔の緊張; 顔全体や目の周り、こめかみから、頭頂から頬骨に下って、裂けるような撃たれるような痛みがある。歯に痙攣した裂 けるような痛みがある。歯痛は暖かさから改善する事がよくあるが、一方頭の痛みは冷たさで改善する。歯痛は話した り食べたりする事で悪化、食後に悪化。顎とこめかみを含む激しい顔面神経痛、熱く膨らんだ顔を伴い、話したり食べ たりする事から悪化する。高熱、燃えるような痛みと瘻孔を伴う下顎のカリエス。顔と歯の神経痛;夜は包まねばなら ない;風の強い気候で悪化する。顔つきは、まるで重病になりそうに病み、沈み、衰えている。

 唇はひからびて、乾燥し、出血している。微熱で唇は焦茶色になり、ひび割れ、下顎の壊疽を伴う。耳下腺の炎症、特 に膿が出る時または瘻孔がある時。歯が腐りやすい。歯茎が出血し、歯から離れる。

 Phosphorusは、抜歯後の鮮明な出血に非常に役立つ。舌は腫れて、しゃべりにくい。発音しにくい。口内は苦い、また は酸っぱい味がする、特にミルクを飲んだ後酸っぱい味がする、塩っぱいか甘い時もある;食後苦い味がする。朝、硫 化水素の味がする。舌は苔で覆われる;白墨色の時もある、黄色い時もある;乾燥し、ひび割れ、出血している;歯に汚物がある。口や歯茎、唇、舌の粘膜からの塊がある。舌は腫れて、味蕾が充血している。

 口と喉の乾燥;痛み、口と喉の粘膜は皮が剥けたよう。口は口腔カンジダ症で覆われている、授乳で口が痛い;口の出 血性腐食;授乳の口の痛み。ずっと水っぽい唾液と、口から溢れる血の混じった唾液。唾液は多量で、甘い味、塩っぱ い味または腐った味がする。喉の粘膜は口と同様。扁桃腺の非常な乾燥、荒れた、生の、皮が剥けた、出血と炎症;喉 の痛み;喉に綿があるような感覚、喉にビロードのがあるような感覚。扁桃腺は非常に腫れている。喉に激しい痛み、 喉に燃えるような痛みがあり、食道まで広がる。食道の麻痺や、喉と食道の粘膜の急性炎症のため、いかなる食べ物も 呑み込めれない;食道の圧縮。Phosphorusには激しい空腹感があり、食べてすぐ空腹感が戻って来る。寒気がする間食 べなければならない。 夜に何か食べなければならない。気を失うような感じがし食べ物に走る。頭痛の間がつがつとし た空腹感;激しい空腹感のため頭痛が来る事がわかっている;定期的な頭痛で。食べ物を嫌悪する時があるため、空腹 感は発作的である。また食べたい、そして食べ物を出された時欲しくない。喉の渇きはPhosphorusの最も不変的な特徴 の一つである。急性・慢性において、激しい喉の渇きがある;氷のように冷たい飲み物を欲する。すっきりする物が欲 しい;冷たい飲み物を飲んで一時的に改善するが、胃で水が暖まるとすぐに喉の渇きが出る。胃で水が暖まるとすぐに 嘔吐が来るが、氷のように冷たい水が合う多くの条件もある。 満たされない喉の渇き。水を吐く時必ず満たされない喉 の渇きがある。冷たい飲み物同様、冷たい食べ物も欲する;すっきりする物、香辛料の効いた物、汁が多い物;ワイン や酸味のある物を欲する。Phosphorusは大酒飲みの激しい欲望を治す事がよくある。それは胃の粘膜のうっ血に単に似 ているのだ。甘い物や肉、熱いミルク、塩魚、ビール、プリン、お茶、コーヒーを嫌う。

 Phosphorusの不調の多くは食べる事で改善する。 Phosphorusの神経系の症状は患者を摂食に走らせ、しばらくの間は 改善したように思え、また食べねばならないか、または神経の症状がまた来るだろう。食後よく眠れる事が多くあり、 何かを食べるまで眠れない。

 胃の症状は多い;痛み、吐き気、嘔吐、燃えるような痛みがある。胃の症状は冷たい物で改善し、暖かい物で悪化する。吐き 気と嘔吐は手をお湯に入れたり、暖かい部屋に入ったり、暖かい物、暖かい物をおなかに入れたりする事から来る。妊 婦が吐かないでお湯に手を入れる事ができない場合、その人の吐き気は治る。Phosphorusの別の顕著な特徴は、食べ物 のおくびである。食べ物は口が一杯になる事によって、胃が最後の食べ物まで空っぽになるまで、おくびが出る。何か 冷たい物がおなかにある時を除いて吐き気が続く。胃内で水が暖かくなるとすぐ出て来る。この事はChloroformの嘔吐 と吐き気に非常に似ており、PhosphorusでChloroformの胃の疾患をほとんど常に解毒できるため、Phosphorusは外科 医にとってすばらしい友である。喀血と酸っぱい液体を激しく吐く;挽いたコーヒーのように黒い物を吐く。胃が恐ろ しく沈み無くなった感じ。症状は時々Sulphurのように11時に来る。胃に圧迫のある痛み、燃えるような痛み、裂ける ような痛みがある;食後胃の中が痛い;みぞおちが敏感;胃炎。挽いたコーヒーのような嘔吐と燃えるような痛みを伴 う胃癌に非常に役立つレメディである;寒い;まるでみぞおちが凍るように寒い;胃の中がナイフで刺されたような痛さ の激発。 胃痛は氷のように冷たい物でしばらくの間改善する;胃の痙攣性収縮;胃から出血;非常に多量の凝固血を吐 く;長引く消化不良;鼓腸が多い;食べ物の逆流;胃腸の膨張;胃潰瘍。

 肝臓はPhosphorusの多くの症状をもたらす。肝臓のうっ血、充満感、痛み、硬化、肝臓の脂肪変性、肝臓うっ血。 Phosphorusは非常に役立つ肝臓;硬い大きい肝臓のレメディの一つである。胃と肝臓の症状を伴い黄疸が共通してあ る。

 下腹部は非常に敏感で、触ると痛く、うねりゴロゴロなる。下腹部に空虚な感覚がある;下腹部に沈んだ感じ。下腹部 がまるで緩んでいるように感じる;下腹部が垂れ下がる感覚と大きな重みの感覚。チフス性の熱に起きるような鼓超し た下腹部。Phosphoruにおける顕著な特徴は胃に始まり、ボコボコ音をたてて腸を通って下り、無意識に便が出る。こ の事はチフス性の熱に起きる。Arsenicumに起きるボコボコという音は食道を下る。鼓腸;疝痛;ねじれた、裂けるよ うな、切れるような痛みが下腹部を通してある;下腹部に縫われるような痛み;下腹部に激しい神経痛;腸炎;腹膜炎、虫垂炎。下腹部に黄茶色の斑点がある;チフス熱の間下腹部を点状出血が覆う。Phosphorusは直腸と便の症状に富 んでいる;腸から無意識の分泌;多量の液体の流出、便が吹き出る;恐ろしく不快な黄色い水っぽい便。患者は死んだ ように横たわり、無意識に便が出る;白い粘液の便;獣脂のような小さい点が混じったネバネバした便;肛門がずっと 開いたままで不随意にじくじく滲み出る。チフスの初期に腸から出血する;動く度に不随意に、肉を洗ったような血の混じった分泌物が出る。排便中、直腸が焼けるように痛い。直腸が突き出る;痔の腫瘍が突き出る。尾てい骨から背骨 を上って脳の基盤まで、鋭い縫われるような痛みがあり、頸が後ろに引っ張られるようで、この症状は排便中起きる。無意識の排便中にこの事が起きた。排便後、直腸に痛みのある引きつり;肛門が焼けるように痛い;激しいしぶり腹;下腹部に沈む感じがある;余儀なく横にならねばならない;疲労困憊と気絶。大量の下痢は、まるで消火栓から水か吹 き出るよう。コレラが流行る時とコレラ病に役立つ。柔らかい細い便を伴う慢性の下痢に役立つ薬だ。小児コレラに非 常に役立つレメディだ。また、血の混じった粘液と乏しい便で、激しいシブリ腹を伴う赤痢も治して来た。根深い便秘 も治す。便は固く、長く、細い、まるで犬の便のようだと本に表現されている。老人で下痢と便秘が交互に来る。腸の 麻痺、そのため便を押し出せない。腸からの出血。直腸のポリープを治して来た;直腸炎。出血や突き出た痔を何度も 治して来た;燃えるような痛みの痔。肛門のひび割れを治している。このような腸の多くの症状の中で、肛門がまるで 広く開いているように感じられる。

 Phosphorusは、氷のように冷たい物や、氷のように冷たい水を欲して喉が渇く場合、尿中の糖を伴う腎臓疾患、特に糖尿病に役立つレメディである。徐々にやつれる;徐々に弱る;頭に相当な熱;体が冷たく、そして尿に糖が混じる。 Phosphorusは腎臓の脂肪変性を治すだろう。腎臓結石。膀胱が一杯なのに尿を放出したくない。体の全筋肉を通して麻 痺性虚弱のような麻痺性虚弱がある。膀胱部の激しく増加する痛みのため、尿をきばって放出する事ができない。豊富 な薄い水っぽい尿;頻繁で乏しい、または完全に抑圧された尿。濁った白い尿;ミルクのように凝結している。アルブミン性の尿。夜尿症。尿道に裂けるような痛み;尿道に単攣縮と燃えるような痛み。定期的に来るむかつくような頭痛 の前に乏しい尿が起きる事もあれば、多量の放尿が起きる事もある。

 男性生殖器は、Phosphorusの多くの症状を備えている。激しい性欲で気がおかしくなる。頻繁に勃起し、昼夜痛い。夜に色情な夢を見なくても射精する。食塩をとりすぎから、性欲が減退。過剰の興奮や激しい自慰の後に不能な生殖器が過剰に興奮する事が先立つ。尿道から昼夜細い無色の液体が頻繁に出る。脊柱の疾患を伴う性の乱用。固い便の間の前立 腺液の分泌。前立腺肥大のため、慢性的に尿道から分泌物がある。精巣と精索の腫れと痛み;精巣と精索の炎症。淋病 に続く陰嚢水腫を治した事がある。

 女性でも同様に役立つ。Phosphorusは激しい性的興奮によると思われる不妊症の多くのケースを治した。性交嫌悪を伴 う、激しい性的興奮。卵巣炎によって起きる生理中の卵巣から腿の内側に広がる激しい卵巣内の痛み。生理中または妊 娠中、或は更年期の間の子宮炎。出産後、或は生理中または更年期の子宮からの多量出血、鮮やかな赤、沈殿物がある 血液。癌疾患から起きた子宮からの頻繁な多量出血。生理が早く来すぎる、鮮血、長引く、多量;生理中、手足が氷の ように冷たい;吐き気、まるで折れたかのように;目の周りに青い隈;痩せる;かなりの恐がり。また咳や鼻血、吐血 を伴う肺病における生理の抑圧もある。暴力的な性的興奮で自慰に走る。ひどい衰弱を伴う多量の黄色い帯下;生理の 代わりの帯下;白い水っぽい帯下で、酸が強く、皮が剥がれる;歩行中にミルク状の多量の帯下。帯下は非常に皮を剥 ぐため、性器の上に火ぶくれができる。膣内が燃えるような刺すような痛みがある。縫われるような痛みが膣から骨盤 に上昇する。性交中激しい性的興奮がある傍ら、まるでしびれているかのように膣内の感覚がない。性器の周りや膣の 中にイチジクイボやこぶのように、コンジロームが現れる。出血するイボ。勃起性の腫瘍が性器外部にできる。陰唇の 水腫性の腫れ。多量の出血を伴うカリフラワー状のこぶ。乳腺に痛く、固く、大きい結節状隆起。乳房の類線維腫。多 量の出血を伴う子宮の類線維腫。

 妊娠中や授乳期の激しい性欲;妊娠中のつわり。ひどい疲労、衰弱、震え、出産の痙攣;まるで折れるような背中の痛 み。時期でない母乳の分泌の増加。ひどい熱や重みや抑圧を伴う乳腺炎。乳房や生殖器の丹毒。

 朝、喉枯れを伴う咽頭炎;ハスキーな声;摂食や冷たい空気に喉頭が非常に敏感である;喉頭は話している時に痛みがあ り、燃えるようにヒリヒリする痛みがある;声帯が弱い;話すと喉がむずむずする;喉頭の締め付けや痙攣;喉頭に継続した刺激 があり咳が出る;喉頭の結核のような状態;出血;声が出ない;喉頭の痛みのため一言も話せない;喉頭にビロードが あるような感覚がある;咽頭の皮が剥げた痛みやうずきがある。すべての症状が存在する場合、Phosphorusはクルー プ、粘膜性クループの多くの症例を治して来た。気候の変化の度に、過熱から、風邪が咽頭に落ち着いた、失声と声枯 れ、特に演説家や歌手において。声枯れと失声;喉頭とすべての気道が非常に乾燥する。喉頭の炎症から全身を揺らせ る激しい乾燥したしゃがれた咳。刺激は気道を下り、気管に影響を与え、呼吸困難を伴う;喘息のような呼吸;咽頭が 擦れるように痛い;息苦しい;呼吸困難;胸部の痙攣と圧縮。夜、眠りについた時の激しい、喘鳴呼吸;息苦しさへの恐怖;努力性呼吸。肺の麻痺;食後に胸部が充満すし、咽頭にひどい刺激;呼吸が難しい;食後咽頭から粘液の塊る。

 胸部にPhosphorusは圧迫を作り出す;胸部の不調と共に苦しみ、弱さ、収縮がある。まるで大きな重力が胸部に横たわ るような重さ。咳、気管支炎、肺炎及びの心臓の症状を伴い、まるで縛られたような、或は締め付けられたような、或 は紐でしっかり縛られたような胸部の締め付けが、常に多かれ少なかれある。胸骨表面に締め付けられたような感じが あり、胸部のひどい衰弱の不調すべてを伴う;胸骨の真ん中に重りのような圧力がある;激しい動悸を伴い或は伴わな いで、胸に血液が押し寄せるような感じ。胸内に熱の感覚があり、頭まで上る;胸内の熱の閃きが上方に広がる。胸内の縫われるような痛み;胸内の痙攣性の痛み;激しく縫われるような痛みが左胸にあり、右向きに寝ると改善する。これらは肋膜炎か肺炎を伴う肋膜炎に起きやすい痛みである。胸部の不調は冷たい空気で悪化する。気管の皮が剥げた痛 みは肺の中まで広がる;胸内が燃えるような痛み;肺の下部に急性の痛み;咳を伴う胸内の激しい痛み。患者は手で胸 をしっかり支える。苦しみや圧迫、鮮血を吐く事を伴う肺炎。Phosphorusの患者は、肺結核の状態や炎症、強烈な熱と激しく揺さぶる咳を伴う気管支炎において、多量の出血で苦しむ;咳を伴う胸骨の裂けるような痛み;胸部の窒息や締 め付け。 喉頭の痛み。 肺炎であるかのように、痰は血が混じるか、錆色。化膿しているかもしれない。更に進んだ段階では、べとつき黄色く甘みがあるようになる。Phosphorusは、年寄りの気管支のカタルや、肺炎か気管支炎が始まった 不調に役立つレメディである。風邪をひく度に胸に落ち着く。肺が弱いようだ。肺炎中の肝変においても、激しく乾燥 した空咳を伴う。PhosphorusとSulphurとLycopodiumは最も頻繁に示される薬である。 Arsenicが落ち着きのなさ、疲労、苦しみに適合して来た場合において、肝変のためこれ以上症例の治癒に向かって行く事ができない地点に来た時、 PhosphorusはArsenicに後続するレメディである事がよくある。そしてもし患者が氷のように冷たい水を飲みたがり、胸の締め付けがあり、乾燥した空咳で、肺の麻痺性の衰弱があり、喀血または泡立つ粘液を吐くならば、Phosphorusは最 善のレメディである。肺炎で、胸が燃えるように痛く、頭も燃えるように痛く、頬が熱く、熱がある事もある;身振り 手振りで精神錯乱;氷のように冷たい水への激しい口渇;鼻がぱたぱた動く;呼吸が難しい;気まぐれな直感;顎をあ げて上向けに寝る;短く乾燥した咳。頸動脈が脈打つ。胸内が皮が剥げたよう;胸内が傷ついたような感じ;痛みは切れたよう;咳をすると肺の中が燃えるような痛み、鋭く裂けるような痛みがある。窒息或は呼気がほぼ不可能、特に顔 が青ざめ、冷や汗と速く激しい脈が特徴の肝変の初期で。 チフス性肺炎として知られている肺炎の初期で、泡状の痰を 吐く。肺の麻痺の恐れがある。またPhosphorusは、胸部が狭く痩せた生命力の弱い人において、結核が現われかかった時に、役立つレメディである。 風邪がすべて胸に落ち着く。弱く青白い病んだような出血しやすい人において、風邪の後はいつも、全身を揺らすひどくガラガラ鳴る激しい咳が出る。冷たい空気の中で咳が出る。胸と首の衰弱。このよう な症状に沿って、結核症の末期に来る消耗熱;激しい熱で、赤い顔と夜の発汗;午後に熱が来て、夜中過ぎまで続く。 非常に高いPhosphorusの粉はこの熱を下げ、患者を死に至まで楽にする。熱が下がった後の治らないすべての症例で、 Phosphorusは熱を激しくするので与えてはならないし、避けるべきである。危機がPhosphorusの投薬に続くのは珍しい事ではない。長引く発汗や下痢、これらは自分で調整して止まるので決して妨げてはならず、そうすれば患者は穏やかな状態になるだろう。消耗性疾患のいくつかの症例や、消耗性疾患の末期においては、非常に高く投薬すると Phosphorusは危険な薬となる。このケースにおいては、患者がまだ治癒できる場合はPhosphorusを投与するべきであ る。この症例では Phosphorus 30cが安全に使える時があるし、疑わしい症例には、反応がもたらされうるかどうか見 るようテストとして働くだろう。反応がもたらされる事ができた症例では、まだ更に高いポテンシーを後に与えるのが有効だとわかるかもしれないが、遥かに進んだ消耗性疾患の症例にPhosphorusで始める時には、30cか200cで、それより高く行かない方がよい。非常に低いPhosphorusは真のPhosphorusの症例において毒として働くだろうし、唯一安全 だった幾人かの患者はそれを受け取っていた。Phosphorusがそのように非常に低く使われた事は、Phosphorusが殺すか治すかどちらかに十分類似していなかったという事実のためだった。

Phosphorusは激しい動悸がある;動きで悪化し、特に夕方左向きに横になって悪化する;夜歩いて悪化、胸の血液の極 度の興奮と共に、ひどい窒息感を伴う。胸の締め付けと体の脈打ち;心臓部に圧迫。Phosphorusは心内膜炎を治して来 た。Phosphorusは心臓肥大と拡張、また脂肪変性も治して来た。脂肪変性と共に、ひどい静脈停滞、顔のむくみ、特に 目蓋の下のむくみがある所に、Phosphorusはしばしばそのレメディとなる。これら心臓の疾患すべてにおいて、非常に 冷たい水を欲する事が常にある。内部熱;内部を冷やすため何か冷たい物を欲っする。興奮から、不安から、予期から 胸内に血液の激しい極度の興奮。Phosphorusは胸の外側に多くの神経痛があり、黄茶色の斑点がある。背中に多くの症 状がある;背中と首の後ろ、肩の間、肩甲骨の凝り。椅子から立ち上る時のこわばり。背中を上がる背中の激しい熱の 感覚。患者は熱い背骨と訴える。背骨を上下する痛み;肩の間を触ると痛い;背中と背骨全体の色々な所に脈動があ る。尾てい骨は圧迫に敏感;尾てい骨に潰瘍があるような痛み、動きを避ける。生理中やお産中に、まるで背中が折れ そうに痛い。脊柱の疾患と炎症。頭を使いすぎた後、長く体を使いすぎた後、加熱して、太陽に当たりすぎたり、性行 のしすぎから、四枝が衰弱;麻痺した弱さ。脊髄炎;脊柱が柔らかくなる;進んだ脊柱の麻痺。Phosphorusは歩行性運 動失調に役立って来たレメディで、多くの症状;痛み;反射神経の復活を緩和して来た。Phosphorusは体のひどい衰弱 と震えがある多発性硬化症に合う事がよくあり、進行を抑止する。Phosphorusは腺病質の子供における脊柱の カリエスを治している。Phosphorusは脊柱の多様な疾患に幅広く作用するレメディーである。

 四肢においては、腕と脚両方に広がる麻痺性衰弱があり、震えとしびれを伴う; 震えとしびれを伴う下半身或は上半身 の片側または両側の麻痺。手と腕が非常に冷たくなる。四肢は衰弱し、静脈が拡張する;腕が焼ける;定期的に来る指 の収縮;指のしびれが増し完全に無感覚になる;指先がしびれ、無感覚。下半身が非常に落ち着かない;下半身の四肢 のやつれ;下半身の四肢の衰弱、特に歩行において観察され、不安定で震えた足取り;下半身の四肢の麻痺。膝と股関 節の関節の急性炎症。寒さにさらされてから来た四肢の燃えるような裂けるような痛み。関節と筋肉のリューマチ;寒 くなると関節が固くなる。四肢の不調全ては熱から好転し、頭と胃の不調は寒さから好転する。胸の不調は熱により好 転する。下半身の四肢は不快臭のある汗で覆われている。下半身の四肢の壊疽。脛骨の骨膜炎。下半身の四肢の潰瘍; 足は氷のように冷たい。Phosphorusの患者は横になりたがる;疲労;歩けない;弱さや目眩からよろめいて歩く。徐々 に弱さが忍び寄る;衰弱;震え;気絶。筋肉の痙攣と単攣縮;麻痺した部分の痙攣。てんかん;ひきつけ;体やの様々な部分、特に四肢の神経痛、熱で好転。多発神経炎を治している。

 落ち着かない睡眠;睡眠中にはっと驚く;十分眠っていないように朝に感じるが、ほとんどの不調や痛み、特に頭の症 状は睡眠によって改善する;睡眠中歩く。右向きに寝る。左向きに寝ると心臓と脈に苦しみと痛みを引き起こす。夜遅 く眠りに落ちる;その日の出来事の事や貸し借りのトラブルの事を考え、目が覚めている。Phosphorusは前述の症状が あるチフス性熱の微熱の形において役立つレメディである。

 Phosphorusには多くの発疹がある。発疹は乾燥し鱗状;乾燥したぬかのようなヘルペス;血豆;紫色の斑点;胸と下腹部に黄色い斑点;麻痺した部分に蟻走感やカユミがある;皮膚のしびれ;体に不規則な茶色の斑点がある;膝や脚、 肘、まつげの乾癬;蕁麻疹と血瘤腫;蜂巣炎。消耗熱を伴う慢性的に化膿した開口部;瘻の開口部;生理の始まりに潰瘍の出血;深く浸食した潰瘍;無痛の潰瘍;悪性潰瘍。出血し、皮膚カビのような様相をとり、猩紅熱の微熱の形で、 発疹は非常にくすんだ色であるか消滅し、首の周りや体や指先の色々な所に化膿が始まり、冷たい水を激しく口喝し、 喉頭内が紫色に見え、乾燥した声枯れの体を揺らす咳がある癌性潰瘍に非常に役立つ。

Opium( オピウム/ケシ)

 Opiumの目立った特徴は、無痛、不活発、麻痺状態によって示される疾患である。少量を投与したプルーバーの多くは麻痺状態で、周囲に気が付いたり感じたりする事ができない、状態の本質をつかめない、物事を判断できない。視覚、味覚、触覚に関する戸惑い;自分自身に気が付かない;かなり多くの惑いを伴う 全感覚の曲解。

 一般的な特徴は無痛だが、Opiumの小さな一服は、多くの症例で作り出される痛みや眠気、動揺、神経質な興奮といった正反対の状態を交互に時々作り出 す。大多数は便秘だが、赤痢やテネスムスの人もいる。患者は眠いが、不眠、不安、音に対する繊細さが増すといった特徴が示される事もあり、そのため、壁を這うハエの音が聞こえたり、遠く離れた尖塔で突く鐘の音が聞こえたりすると言う。

 この相反する状態に関して、一般的に一つは一次作用で、もう一つは二次作用だと推測されている。これは本当で、例えば、ぼうっと したり、痛みのなさを示す人は、無感覚や動揺、不安、短気が増す状態に進むだろうし、また最初に感受性が高められた状態にある人は、次に従順な状態が来る だろう。過敏なプルーバーの中には服用後始めの1時間内に頭蓋底に痛みが出る事があり、そのため枕から頭を持ち上げられない;その事から麻痺する;痛みが 患者を押さえつける。ほとんどのプルーバーは大量を服用するまでは、この症状は来ない。この事は一次作用と二次作用として討論されて来た。あるものにとっての作用が、他方にとっては反応であるが、すべてその薬から引き起こされる結果であり、それに続く動きが そのレメディの症状である。

 不活発さと無痛が最も顕著である。活動のなさは、適切に選ばれたホメオパシーのレメディへの反応の欠如に示される。それは Sulphurと競い合う。ケースを研究する時、多くのOpiumの症状を見つけるだろう、そしてこのように示されている場合、不活発な状態からシステムを奮起させ、反応を起こさせる。

 潰瘍は完全に無痛で、粒状にならないし、浸食や広がりもない、繊細になるはずの潰瘍にしびれを伴うか或は感覚がない;Opiumは、高度の炎症部分の無感覚状態を治すことがよくある。

 麻痺状態または不全麻痺、部分的な麻痺;不活動、不活発。そのような状態が腹部にあるため、腹部が動かず、直腸にコロコロした固く黒い球が充満し、指や匙で掘り出せる。便を気張り出す事ができない。

 膀胱も同様の状態である。腹筋を使う事ができない;尿を絞り出せない;尿閉;括約筋が不全麻痺の状態にある。

 飲む時に、食道は全く動かず、液体が降りて行かないで、鼻から出るように思える;不全麻痺;液体が間違った方向へ落ちるか鼻から出る。

 四肢と筋肉が弱い;弱さと麻痺。

 安らいだ状態がよく見られる。一人でいたい。病気でないと言うが、40度から41度熱があり、焦げるような熱い汗、脈が速い;うわごとを言う。加減はどう か、と聞くと、すごく元気で幸せだと言う;痛みやうずきがない;何も欲しくないし、症状がない。しかし患者は排便も排尿もしていないと看護人は言う。顔は ぼっとして見え、むくんで紫色;目はどんよりし、瞳孔は収縮している。頭は混乱状態にあるが、質問に答える事ができる。あるいは、精神面の症状の方が顕著 で、身体面の状態はあまり目立たない;マインドの混乱、精神錯乱、多弁だがこれは滅多になく、普通は刺激された時だけしゃべる事の方が多い;患者は何も言 わなかったり、何もしなかったりするような昏睡状態。精神面が幸せな表現を伴う精神錯乱。

 胃は過度に暖かい状態で、沈下し、空っぽ、空腹、そして、この事は食べる事で楽にならない。満腹感があるが、気のない感じが残る。食べ物は胃の中で酸味があ り、吐く。これ以上食べられない。冷や汗で覆われる;吐き気、むかつき、続けて吐く。この吐き気は アヘンかモルヒネを服用した後に来るやっかいな症状だ。長引く嘔吐と吐き気。胃に何も入れる事はできないし、嘔吐を止めるものは何もない。ホメオパスは Chamomillaを使う事を知っている。その一服ですぐにすばらしく楽になり、極端な沈みと吐き気は止まる。

 病室では、天然のアヘンを決して使用しない。手術で必要ならば使用する事は認められているし、手術に関して論争する事はないだろう。しかし、疾患や病人にはそ れは必要ない。使っても役に立たないし、最終的には危害を与える;ホメオパシーのレメディを見つけるのを妨げる。それは症状を覆い、ケースをだいなしに し、何日も何もできない。

 アヘンは非常に乱用されて来たし、非常に学ばれても来たが、個別化した症状が得られないため、その乱用はプルービングにおいてあまり役立って来ていな い。大量の投薬は粗野な効果を引き起こすため、時には役立つものが得られる。たとえば、いびきを伴う脳卒中、顎がはずれる、瞳孔が広がるか収縮する(一般 には後者)、顔に斑ができる、紫色、または熱い、熱い汗、片方が麻痺する。そのようなケースを診て、患者は麻痺した事があるか、アヘンを使った事がある か、落ちて怪我した事があるか、酒にふけった事があるかどうか不思議に思い、見分けるために検査するだろう。これは機能的な問題であるが、脳に血液の圧力 がある。これで死にはしないだろうが、後に凝固した部分の周辺に炎症作用が起きる。Opiumは脳に血液を流し、ホメオパシー的に投薬する事で血液の凝固 を抑制し、6時間以内に患者は正気に戻り、皮膚は冷え、顔は普通の色になり、脈は普通になる。このように、卒中のイメージを与えるケシの天然の効果が役立つのが 分かる。

 後頭部に神経質な頭痛が始まり、顔中に広がる;朝に悪化する。頭蓋底で激しくズキズキする痛みで、まるで頭が枕に押さえつけられるように感じ、起き上がると、もう二度と横になれない。女性によくあるのは;偽りの多血症;興奮しやすい;妊娠期や生理中;頭痛。患者は座って横になれない。朝痛みが始まり、非常 に激しいので動けない、ウィンクできない、頭を回せない、ギーギーきしる音や時計のチクタクいう音に我慢できない;顔に斑ができる、紫色、青色;目は充血 している。この患者から症状を得るのは難しい。Opiumがすぐ楽にしてくれるだろう。

 しかし最も大きな問題は痛みがない事だ。

 酔っぱらいの風貌で、ぼうっとしている;ぼうっとした顔つきで熱がある。恐ろしい不安を伴う譫妄振戦、嘔吐、うっ血した頭痛、収縮した瞳孔;飲酒後のひどい頭痛、疲労困憊;床から出られない;譫妄。疾患のほとんどは昏睡を伴う; 卒中のような昏睡になる、奮起できない。

 Opium患者は、ひきつけが多い。患者は覆われたくない、冷たい空気や新鮮な空気を欲する。部屋が暖かすぎると、ひきつけが起きる。硬直性発作;頭を後ろへ反らせる;脳脊髄膜炎。 脳脊髄膜炎のケースではひきつけが近づくのが見られる、硬直性発作、頭を後ろへ反らせ、布団を蹴り、涼しい部屋を欲する;肌が赤く斑がある、瞳孔が収縮す る。もし引きつりを楽にさせようと、母親が子供を熱い風呂へ入れたならば、意識がなくなり死んだように冷たくなる。そのようなケースを診るように呼ばれた 場合、Opiumを確実に与えれば、12時間以内に静かな状態を見て驚くだろう。この点ではApisと競い合う。産褥痙攣。

 この体質において精神面の状態が現れる。恐怖及びその結果。Opiumの患者がそれほど低能でない場合、まるで飛び上がって驚いたように立ち上がる、 すさまじい恐怖や不安な様子で立ち上がる。アヘンを吸ってきた人は不安と恐怖に圧倒される。もし突然犬が飛びかかったら、痙攣を起こし、下痢になり、ある 種の発作を起こし、恐怖が去るまで何日も何週間もかかるだろう。恐怖が残る時、または恐怖観念が残る時、或は目の前にそれがやって来るため、恐怖から疾患 が起きる。妊婦は恐がり、流産しそうで、目の前に恐怖がずっと立ちはだかる。恐怖でてんかんになった経歴がり、 発作前にその事物が目の前にやって来て、激しい驚きの恐怖が残る。ヒステリーのような発作;下痢または時には便秘を伴う身体的なショック;尿の残留または 結果として生理の流れが戻る、或は生理が何ヶ月も止まる。このような状態でひどい恐怖心を持ち、目の前に恐ろしい事物が存続する。

 Opiumのプルーバーが麻薬の作用から抜け出て来る時、恐ろしいイメージや黒い姿形、悪魔のビジョン、火、幽霊、誰かが自分を運んでいたり、殺人を見るたりする。一部が大きくなったり、自分が張り裂けてしまうように想像する。

 また、身体は健康であるという感覚がある;大きな幸福感がある;投薬後、最初の1時間で自信に満ちた状態になる。そのため、突然の喜び、怒り、恥ずかし さ、突然の恐怖から疾患が来る。Coffeaはよく似た至福の状態がある。Opiumにおいては心身共に至福の状態がある。OpiumとCoffeaは関 連している;お互いに解毒する。

 アヘンを吸う人はウィスキーを飲む人のように、生まれつき嘘つきである。自信が全く残っていない。

 「音、光、わずかな悪臭にひどく敏感」「頭痛を伴う眠気、ほとんど昏睡状態になる」「 消耗症;しわの寄った子供で、少ししなびた老人のように見える;昏睡」

 鉛中毒の老齢者の症例。 Pulsatilla はアヘンの乱用の結果生じる下痢を治す。

Thuja Occidental (スーヤ/ニオイヒバ)

 Thuyaの主題の一般的な現れは、特徴的な絵は、油っぽくテカテカしている顔で、油を塗りたくったかのように見え、 しばしば透明な事が多く、病んだように見える人で、何か悪液質になっているかのように見える。これは淋病体質と癌 性悪液質の症例であることが多く、衰弱し、悪液質で、黄色っぽいか、非常に青白い事が多い。

 皮膚は多くの症状がある。発汗は特別で、ほのかに甘い蜂蜜や、時にはガーリックのような強い刺激的な匂いがする。 性器から鼻につんとくる腐敗臭が発散する。性器からほのかに甘い蜂蜜のような。臭い汗のような匂いがあり、自分の 性器を臭う。臭気はまた燃えた角や、燃えた羽、または燃えたスポンジのようでもある。この特別な強い臭気は、性器 に真菌性のいぼがある時、特に存在し、Thujaで治る。

 皮膚は体中どこもかしこも不健康に見え、Arsenicのように寝がけに多量の発汗がある。ArsenicとThujaが作り出すよう に蝋のようでだけであれば、Arsenicを処方するだろう。Arsenicは急性の事が多く、Thujaは慢性である。Arsenicは普通 は慢性のレメデイである事を覚えているだろう。

 特別な喘息の状態が淋病で見つかり、Arsenicが症状に示されるが、ただ楽にするだけで、その素因をコントロールせ ず、急性疾患におけるAconiteのように作用し、しばらくの間改善するにすぎない。喘息と多くの他の淋病の状態は Arsenicを呼ぶように見えるが、軽減するだけで、体質的にはArsenicでは到達できず、根本的な症状は類似していない。 淋病とソーラにおいて、その不調に類似していれば、Arsenicは長い間作用し不調を全滅させるが、淋病には似ていな い。Arsenicは問題の根底には行かないが、ThujaとNatrum sulph.は作用し治癒する。Natrum sulph.とThujaは、何年も 抑圧されていた根源の兆候に戻す。

 Thuja患者の傾向はイボのような突出物を出し、それは柔かく、汁の多い、非常に敏感で、ヒリヒリし痒く、擦ったらす ぐ出血する。手にできる固い突出物や、茎の上にできる割れて開いた固い突出物、基部の周囲のひび割れ。子宮頸や ( Nitricum acidumのように) 肛門の辺り、大陰唇の辺りや一般的に粘膜にカリフラワー状の突出物ができる。固い突出 物が皮膚上に多くできる。茶色いイボ、特に下腹部上に大きな茶色の班があり、肝班のようで、下腹部に形作る。

 胸の周りに帯のようなヘルペス状の発疹がそこここにでき、Sepiaのようで、陰唇や包皮のヘルペスがある。帯はヘルペ スのからなり「帯状疱疹」という大きな水疱の斑点が体に現れ、ここでThuja,、Rhus, Graph, Kali hydr.,Mezereumを 比べねばならない。

 この状態はひどい苦しみと神経痛が伴う。この症例は淋病的であり、 Thuyaが特に基本となるレメデイである。イボが 塩化第一水銀によって消された症例の授業があるだろうが、それはイボをしなびさせて落とす、旧体制医療の治療法で ある。時々患者が、異常な症状でやって来て、何時間もこの症状について研究し、ほとんど秩序が見られないで、先導 する特徴がなく、何かが欠けていると気が付くだろう。誰かが硝酸や塩化第一水銀か何かをつけて、イボを除いたの だ。このようなコンジロマータは、体質の基盤をもたないで現れ、このようなイボは原因があり、その原因はイボが あったら患者を病気にせずにいられるようで、イボがある時患者の気分はいい。変な事を言うようだが、このようなイ ボが抑圧された場合、Nitric acid, Thuja, Mercurius、Staphysagriaの症状を得る。

 Thujaは抑圧されたイチジクイボから来た症状のためのあらゆる薬を導く。

 今までに、蛇に咬まれたとか、天然痘や予防接種などの動物の毒に犯された形跡がある場合、Thujaは卓越した強い薬である。

 おそらく尿道の分泌物に数種の多様性があり、一つは淋病的で、それは抑圧されて来ており、足の裏や膝に、また特に 背中と腰部と座骨神経を通じて膝や足首に痛みを伴うマヤズムを作り出す。それは上半身に影響を与える事もあるが、 特には下半身である。Rhusのように、じっとしていると非常に激しい悪化が起こりじっとしているだけ痛みが増し、 ベッドにいるよう強いられ、それでゴロゴロ動き回り続ける。抗淋病が選ばられるべきだ。症例が淋病的でなければ Rhusでこのような症状群が治るが、症状が抑圧された淋病であった場合はMedorrhinumかThujaで治るだろう。

 Thujaはこの特別な領域に入り、淋病が根底にある特別な症例をつかまえる。 分泌物が抑圧されていた場合、睾丸炎が来る事があり、その時はPulsatillaがそのレメデイで、滅多にThujaではない。

 Thujaは激しい圧搾された痛みと伴い左睾丸に影響を与えるが、ほとんど一般的にPulsatillaがそのレメデイである。

 Thujaを研究し続けるうちに、それは腺に深く作用する事がわかり、腺の縫われるような痛み、痛みは腺がまるでバラバラに裂かれたよう。一般的に腺であるには違いないが、一つの特別な腺である卵巣は特に他のどこよりも影響を受け、特に左側が受ける。これは本当にそうで、左卵巣の激しい痛みに出くわした場合、生理の時に来て、出血中続き、腿 まで広がるが、あらゆる方向にかもしれない、出血に合わせて増加し、刺すような痛み、裂けるような痛み、燃えるような痛み、破裂するような痛みがあり、まるでその部分は裂けるようなので大声で泣き、ヒステリックな状態になる。 これはまさに強いThujaのグループである。それは出血によって楽になるという事でZincとLachesisと相反する。

 多くの女性が年中、卵巣の断続的な痛みに苦しんでいる;感じるべきでないのに、卵巣に臓器の感覚があり、風邪をひ いて痛くなったり、天候の変化からいたくなったりする;左卵巣の痛みの増加は始めの兆候である;時には痛みが非常 に深刻なため、右側も共感し明らかに苦しむ。卵巣がしばらくの間影響を受けた所には、精神面の症状があり、非常に 激しく苛ついたり、嫉妬したり、喧嘩早かったり、浅ましかったりする。 この苛つきは家に関しての個人や、夫や母親 に向けられて見られる; それにも関わらず、見知らぬ人の間では自分自身をコントロールする事ができ、医者はそれを 見出す事ができないかもしれない、というのは騙す傾向が性格にあるからだ;一人でいたく、自分の凝り固まった考え に自分自身を支配する;その考えはと言うと、自分は妊娠しているとか、お腹に動物がいるとか、後をつけられている とか、誰かが側を歩いているとでか、魂と体が分離していると考える。

 さて、これらは固定観念で、理性を外に出そうとしても役に立たない。自分はとてもデリケートで、ガラスで出来てお り。壊れるだろうと思える。その考えは壊れるで、透明ではない。この状態と関連して、激しく、強烈で、裂けるような頭痛、目が裂けるように痛く、熱で改善する。眼球の痛みは熱から改善し、休息は冷たい外気で改善する。

 痛みは小さい部分にある。IgnatiaとAnacardiumのように、爪は頭の中や頭側と額に駆り立てられる。この痛みは裂けるような痛みに強まり、眼球に影響し、非常に痛くするのでほとんど触れない;熱から悪化し、横になる事で悪化する; 暖かい部屋で悪化し、外気で好転する。

 頭のリューマチの症状は、湿った空気で悪化する。酸っぱい物で悪化し、また刺激や興奮からも悪化する。

 天然の薬は生命力に影響を与えず、長続きもしないが、全面的に敏感で、適切に敏感な個人、感染に敏感で、また日夜投与を続ける事によって進歩がわかり、生まれた時からのマヤズムをしっかり固定するだろう。

 投薬したら、症状が来て自然に去るまで待つこと。これは大いに淋病を伴う傾向であり、傾向はどちらかというと外に向かっている。

 病気に見る物を薬のプルービングに見る。淋病が縮小したら、前駆の期間を通じて行き、もし一人にさせたら病気が来 て、その性格に有機組織からそれ自身を根絶する傾向があり、それで患者は最後の状態から苦しまない。

 古い医療法は常に分泌を抑圧し、新しい医療法ではほとんどしない方がいいとする。

 さらされることによって頻繁に繰り返し、感受性が満足するため、淋病自体は増加しない。

 それを証明するためもっと多くの薬をとる事は、それほど害はなく、プルービングを指導する人は、症状が始まると気 づき、薬を止める。さて、 症状が来てから、薬を繰り返す事でプルービングと共に進んだならば、その人はすでに毒化 している時に薬を有機組織に強いて取り込んでおり、これによって我々はその症状において混乱し、生涯その人に薬の 害は植え付けられる。

 Thujaのプルーバーの多くはそのような混乱を提供したため、顕著であるものを収穫した時々の症状が見える;初期のプ ルービングは多くの特徴をもたらし、ウィーンのプルービングは Thujaの大変広がった混乱したイメージがあると同時 に、実は 多くの症状に非常にたくさんの混乱があるため、Thujaのプルービングの大半は無駄に終わってきている。そ のため、医療現場の経験によってのみ、 Thujaのより正しい特徴を引き出す事ができてきた。学生よりもっとする事が 要求される。

 新しいプルービングが別の方法で行なわなければならない。

 Thujaは腹に顕著な症状がある;噴き出す、水っぽい朝の下痢、水が樽の穴から出て来るようだ。

 一般的なカタルの状態が全身を走る;鼻や耳や胸のカタル。胸のカタルにおいては激しい頻発空咳を作り出し、朝に 緑っぽい粘液を吐く、多量に痰を出す事もある。

 抑圧された淋病やイチジクイボの淋病がある人における肺炎の古い症例によく合う。

 腎臓と尿の症状も顕著だ;腎臓の充血と炎症、腎臓に鋭い痛み;燃えるような尿;淋病でない膀胱と尿道の炎症;膀胱 から膿が出る;膀胱の麻痺、放尿が始まるまで長く待たねばならない;尿の滞留、頻尿が続き、尿道内が裂けるように 痛く、Kali-bich.やPetrosのように、まるで尿道に沿って尿が流れ続いているように感じる。尿道内淋病的特質の疾患で は、Thujaはその他全てのレメデイを先導する。淋病でない多様性において、Cannabis-sat.は十分であるが、淋病に証明 された症例ではCann. sat.は治癒できず、放尿中と後の燃えるような痛みとべとついた黄緑色の分泌を改善したが、淋病 とわかった時に他のレメデイが常に後続せねばならなかった。Thujaは症例を終わらせる事ができるため、そうでない。

 非常に激しい症例では、血尿を伴い、過剰に好色的で、ひどい苦痛で、昼夜休まず尿道と膀胱から血の混じった、水っぽ い分泌物を伴う。Cantharisが来て、数日でこの症例を終わらせる事ができる。そのような患者は非常に健康に違いな く、一般的な症例ではない。患者は飲酒者や喫煙者である。タバコは最もやっかいな物の一つで、患者が喫煙していた り、チェーンスモーカーだったり、大酒飲みだったり、宴会好きな人だったりした場合、多くの症例は即座には治ら ず、かなり遊び回り、贅沢で、そのような場合はゆっくり進む症例を手にしているのだ。

 贅沢な生活からシステムが破壊し、そのライフスタイルを放棄させるまでは、治癒行為を決めないでいるだろう。軽いダイエットを させ、喫煙を減し、全く飲酒をなくし、完全に穏やかな生活を過ごさせなさい。それがまず第一だ。家族持ちの男性な らば、大きな精神面の苦悩を満足させねばならないし、女性でもそうだ。普通、淋病マヤズムは始まりはやっかいなも ので、若い治療家を悩ませる。

 正しい方法を間違った物の代用にしてはいけない、それは患者を生涯不具にするだろう。

 病気の抑圧は、通常疲れるもので、誠意のある真面目なホメオパスによって考えられないものだ。

 もしホメオパスが突然中断しようとするのであれば、どこか他の所へ行かせなさい。だが、何かが起き、無数の病気や苦悩が起こるだろうという警告も与えなさい。

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