Rhus Toxicodendron(ラストックス/ツタウルシ)

ジェームズ・タイラー・ケント博士による
「ホメオパシーのマテリア・メディカに関する講義」(1911年)より和訳します。

ホメオパシーは、宇宙指数になる程、希釈し振盪した物質が、
どのような症状を作り出すかを証明し、
それを、その症状を持つ人に与えることで、体自身が情報を得て、
自ずと治癒に向わせる、というメソッドの代替医療です。

マテリア・メディカでは、その症状の記録が書いてあります。

内容はこちらに移動しました。

https://ameblo.jp/ehkomerlo/entry-12877957695.html

Sepia(セピア/イカ墨)

ジェームズ・タイラー・ケント博士による
「ホメオパシーのマテリア・メディカに関する講義」(1911年)より和訳します。

ホメオパシーは、宇宙指数になる程、希釈し振盪した物質が、
どのような症状を作り出すかを証明し、
それを、その症状を持つ人に与えることで、体自身が情報を得て、
自ずと治癒に向わせる、というメソッドの代替医療です。

マテリア・メディカでは、その症状の記録が書いてあります。

内容はこちらに移動しました。

 https://ameblo.jp/ehkomerlo/entry-12865103264.html

Pulsatilla (ポスティーラ/セイヨウオキナグサ)

 ジェームズ・タイラー・ケント博士による
「ホメオパシーのマテリア・メディカに関する講義」(1911年)より和訳します。

ホメオパシーは、宇宙指数になる程、希釈し振盪した物質が、
どのような症状を作り出すかを証明し、
それを、その症状を持つ人に与えることで、体自身が情報を得て、
自ずと治癒に向わせる、というメソッドの代替医療です。

マテリア・メディカでは、その症状の記録が書いてあります。

内容はこちらに移動しました。

https://ameblo.jp/ehkomerlo/entry-12882490678.html

Lycopodium(ライコポーディウム/苔杉)

 Lycopodiumは抗乾癬、抗梅毒、抗淋病であり、その範囲は広く深い。不活性物質に分類され、アロパシー薬の包みにだけ役立つと考えられていたが、ハーネマンは、それを希釈する事によってそれを利用し発展させた。ハーネマンの金字塔である。それは生命に奥深く入り込み、軟組織や血管壁、骨、肝臓、心臓、関節に根本的変化を起こす。壊疽、膿瘍、広がる潰瘍、非常なやつれの傾向がある時、組織変化は著しい。身体の右側の症状が顕著であり、右側から左側へ、或は、例えば頭部から胸部へというように、上から下へ移動しやすい。患者は上半身がやつれ、特に首のあたりはやつれている。一方、下肢は非常によく栄養がいきわたっている。頭部と脊椎に症状がある場合、暖かい大気に極めて過敏となる。頭部の症状は床の暖かさや、熱からも悪化し、労作から熱くなると悪化する。患者は寒さに敏感で、生命維持のために活性化している熱の欠如は著しく、全体的に冷たく、冷たい空気や冷たい食べ物、飲み物で悪化する。痛みは、頭部と脊椎を除き、暖かさで改善する。労作でLyc.の患者は一般に悪化する。労作により、膨れて、苦痛を感じ、呼吸困難がひどくなる。登れないし、早く歩けない。労作で暑くなる事により、呼吸困難と同様、心臓の症状も増える。炎症部は、熱いものをあてる事で楽になる事がある。喉の症状は熱いものをあてたり、熱いお茶や温かいスープを飲むと徐々に楽になる。胃痛は温かい飲み物や、温かい物を胃の中へ入れると楽になる事が多い。神経の興奮と衰弱は著しい。

 リウマチの痛みや、その他Lyc.の患者を苦しめるものは、動きで改善する。極度に落ち着きがなく、向きを変え続けなければいけない。うずきと痛みを伴う炎症があれば、寝床の暖かさから良くなり、動きで楽になり、一晩中寝返りをうち続ける。寝返りを打ち、新しい場所に行き、これで眠れると思うのだが、落ち着きのなさは一晩中続く。頭に症状と共に、冷たい空気を欲し、寒い場所にいたがる。頭痛は、患者を充分暖めるほどの動きで悪化するが、これは動きそのものからではない。頭痛は横になる事や、部屋の暖かさで悪化し、冷たい空気や動きで改善するが、患者が充分熱くなるまで運動すると頭痛は悪化する。それは、区別する特徴となるかもしれないので、Lycopodiumに関しては覚えておくべき大変大切な事である。頭部の症状は暖かいもので包んだり、暖かいベッドで悪化する。

 Lyc.の病訴は、決まった時間、即ち午後4時から午後8時まで悪くなるようである。急性症状や、しばしば慢性症状もこの時間にひどくなる。 Lyc.の寒気と熱は、この時間に悪化する。チフスと猩紅熱の患者は特に、午後4時から午後8時に悪化する。特にLyc.を必要とする病訴である痛風の発病、リウマチ熱、炎症の状態、肺炎、急性カタルが、午後4時から午後8時に明らかに悪化する場合は、常にこのレメディを考えると良い。

 Lycopodiumの患者は鼓腸が起き、太鼓のように膨らみ、そのために呼吸しづらい。横隔膜が押し上げられ、肺と心臓の居場所を侵し、そのために動悸、失神、呼吸困難が起きる。Lyc.の患者が「食べるものは全部ガスになる」と言うのを聞くのは珍しくない。ほんの一口入れると、 お腹が張り、膨張し、もう何も食べられなくなる。一口で、喉まで一杯になると言う。お腹が膨張している場合は、とても神経質になり、どんな音にも耐えられな い。紙を破る音、ベルが鳴る音、ドアがパタンと閉まる音は、Lyc.の患者の中で広がって失神を起こす。これはAntimonium crudum、Borax、Natrum muriaticumのようである。これらの全体的な状態は急性、慢性全ての症状を貫く。感覚神経中枢の興奮しやすい段階があり、ここでは何にでも乱され る。ほんのささいな事で苛立ち、苦しむ。

 Lyc.の患者は牡蠣が食べられない。牡蠣は病気を起こす。牡蠣はLyc.にとっては毒のようだ。ちょうど玉ネギがThujaの患者にとって毒なのと同じである。Oxalic acidの患者はイチゴが食べられない。イチゴやトマト、牡蠣を食べて病気にかかり、もしレメディを持っていなかったら、チーズが数分でイチゴやトマトや牡蠣を消化してくれる事を覚えておくとよい。

 皮膚の潰瘍。痛みのある潰瘍、皮膚下の皮膚脱落性潰瘍、皮膚下の腫瘍、細胞の問題。慢性の潰瘍は疑似肉芽形成、痛み、灼熱感、刺すような、裂けるような痛みで耐えがたい。それらは冷やすものを当てると楽になることがよくあり、温湿布で悪化する。 膝の痛みや化膿の状態や痛風疾患は、温湿布や暖かさで改善する事は、Lycopodiumにはやや.一般的である。異常に暖かい寝床や、暖かい部屋で蕁麻疹が出る。蕁麻疹は、小結節や、長く不規則な筋に現れる。特に、熱さ中では、痒みが激しい。Lyc.はひどい痒みを伴う発疹がある。小水泡と鱗屑疹、湿り気のある発疹と、乾燥した発疹、ぬか状の発疹。唇の周りの発疹。耳の後ろの発疹。小鼻の下と性器の上;亀裂した発疹、手の湿疹のように出血した亀裂。皮膚は厚くなり、硬化する。古いおできと、のう胞の場所が硬化し、小瘤を形成し、長く残る。皮膚は不健康に見え、皮膚が固くなり脱落しやすい;傷が治りにくい。表面的なケガはまるでトゲが入ったように化膿し、この化膿は皮膚下に沿って進む。潰瘍は出血し、非常に多量の、べとついた黄色い、悪臭のある、緑の膿を形成する。下疳と軟性下疳はLyc.に同種療法性をしばしば見出す。

 解釈されれば、Lyc.の状態は一貫して弱っている。動脈や静脈の低い状態で、血色が悪く、循環も悪い。部分的にしびれる。手足の一つが衰弱。手足の指が無感覚。よろめき、手足が使えない。手足が不器用で、ぎこちない。四肢が震える。

 Lyc.の精神面の症状は数多い。疲れている。心が疲れた状態で、慢性疲労、忘れっぽく、新しい事を引き受けるのを嫌がり、新しい役割を担うのを嫌がり、自分の仕事を嫌がる。何かが起こるのではないか、何かを忘れるのではないかとひどく怖がる。人前に出る事への恐れは断続的に強くなり、戦慄的な感じになることもある。孤独への恐れも断続的に強くなる。専門職の男性、弁護士や大臣・公使な ど、人前に立たねばならない人は、何年もそれに慣れていても、自分には能力がないとしばしば感じたり、その仕事を引き受けるだけの能力がないと思う。弁護士は、自分がとちるのではないか、間違いを犯すのではないか、忘れるのではないか、と恐れ、法廷に上がる事が考えられない;引き延ばし、法廷に上がらねばならない時まで遅らせる。引き受けた仕事を簡単に楽にやれている時でも、そう感じる。これはまたSilicaの特徴でもある。この2つのレメディーほど、この恐怖が目立つものはない。

 Lyc.はまた宗教的狂気があり、それは穏やかにシンプルに始まり、憂鬱になる。この宗教的陰気さは、座ってくよくよ考え込めば、考え込むほど、どんどんひどくなる。仲間をとても嫌う事はよくあるが、孤独も恐れる。「人々を恐れ、孤独も恐れる;いらいらし、ふさぎこむ」。このように人を恐れる事は、必ずしも女性が怖がる状態ではない。これがLyc.に おいて完全に体現される時、人への恐怖は、新しい人の存在を恐れたり、友人か来客が来る事を恐れているのだ。彼女は、いつも自分の周りにいる人たちとだけ一緒にいたがる。全く一人でいたいのではない。家に他に誰かいる事を感じたいのだが、仲間が欲しいわけではない。話しかけられたくもないし、何かするように 押しつけられたくない。全然頑張りたくないが、時々そうさせられると楽になる。「無口、一人でいたい」。さてこれを少し詳しく見よう。無口は話したくないからであり、静かにしたいからである。だが、既に述べたように、家に誰かがいて、自分が一人ではないと感じると、非常に嬉しい。彼女は小さな部屋にいたがるため、事実上は一人であるのだが、孤独ではない。家の中に隣接した部屋が2つあれば、Lyc.はそのうちの1つに行くが、もう一方の部屋に誰かがいる事を非常に喜んでいる事が、共通して見つかるだろう。

 Lycopodiumの患者は、友人を迎えたり、知り合いに会うと、泣くことがよくある。贈り物を受け取ると、涙を伴う普通ではない悲しみがこの患者を襲う。ささいな喜びで泣くため、Lyc.の患者は非常に神経質で、敏感で、感情的な患者なのがわかる。だから「敏感で、感謝する時でさえ泣く」のだ。

 微熱で苦しんでベッドに横たわる時、せん妄が起き、意識を消失する事さえある。空中の想像上の物を摘んだり、ハエや空中に飛ぶあらゆる小さな物が見える。「過剰に陽気で、とても単純な事で笑う」。精神異常の状態。「意気消沈」。Lyc.の患者は朝、悲しみとともに目が覚める。悲しみと憂鬱さがある。世界は終わるかもしれないとか、家族全員が死ぬかもしれないとか、家が火事になるかもしれないと思う。元気づけられる事は何もないように思え、お先真っ暗に見える。しばらく動き回ると、これは次第に消える。この状態は精神異常の状態より先に起こり、最終的には、人生を嫌悪し、自殺する状態になる。いかにこのレメディーが意思を掴み、実際、人が生きようとする意思を破壊するのかを見なさい。人に最初に訪れるものは、生きたい、存在したい、たとえ小さくても何かになりたいという事だ。これが打ち砕かれた時、素晴らしい物が破壊されてしまう事がわかる。その時、まさにその人自身は、そうでないよう意思するのだ。その人の意志を壊すのは、全ての曲解である。「懸念、呼吸困難、恐ろしさ」「もう死ぬのではないかという不安な考え」「自信の欠如、優柔不断、臆病、あきらめ」。自分と全てにおいて自信を喪失する。「人間嫌いで、自分の子供からさえ逃げる」「信用せず、猜疑的で、粗探しをする」「痛みに過敏で、我を忘れる」。

 Lyc. は周期的な頭痛が起きやすく、頭痛は胃腸の問題と関係がある。夕食の時間を過ぎると、吐き気をもよおすような頭痛が訪れる。規則的に食べなければ、なりやすいその頭痛が起こるだろう。これは幾分Cactusの頭痛のようである。Cactusはうっ血性の頭痛があり、規則的に食べなければ、顔のほてりを伴い極めて激しい頭痛が起きる。Lycopodiumの頭痛と区別する特徴は、何か食べれば頭痛がよくなるのに対し、Cactusの頭痛は食べると悪化する事である。 Lyc.と、特にPhos.とPsorinumは、かなりの空腹を伴う頭痛がある。発作が始まる時や、始まりそうな時、気絶や力尽きたような空腹感があり、それは食べても満たされない。食欲と頭痛が関連している場合、そのような事はPhosphorusとPsorinumの特徴である。Lycopodiumの頭痛は、熱さやベッドの暖かさから、また横たわる事から悪化し、寒さや冷たい空気や窓を開ける事から改善する。細くやつれた少年は頭痛が長引きやすい。この小さな子が風邪をひく度に、長引きズキズキする、うっ血性の頭痛が起き、日毎に、また月を追うごとに、どんどんやつれていき、特に顔と首のあたりがやつれる。胸の狭い少年が、痰がなく、乾いたしつこい咳にかかった時、これと同じ病状になり、首と顔のあたりがやつれる。このレメディは特に、痩せてしわがよっており、乾いた咳か或は長引く頭痛の若者に適する。子供においては、肺炎や気管支炎の後に衰え、顔と首のあたりがやつれ、ちょっとした事でも風邪をひき、暖まると頭痛に苦しみ、夜ごとの頭痛があり、多少なりとも精神に影響を与えるうっ血の状態があり、そのため混乱して眠りから飛び起きる。小さな子供は睡眠中叫んで、驚いて目を覚まし、興奮した様子で、しばらくの間父親も母親も、看護師も家族もわからず、感覚が集中できるようになると、自分がどこにいるかわかり、再び横になって眠る。しばらくするとまた恐怖で起き上がり、奇妙で混乱して見える。それが繰り返される。頭痛はズキズキし、圧迫し、まるで頭が破裂してしまうかのようである;しかし、これはどのように起きるのか、その原因の環境や、その子がする事ははさほど重要でなく、寒さから改善し、音や話す事で悪化し、午後4時から8時まで悪化し、上から下に向けてやつれる事が重要である。これらは、患者が感じる痛みの質より重要であるが、もし患者が痛みの質を描くと、ズキズキした、圧迫する、破裂するような、或は充満感の事として話に出てくる。

 頭皮上の班に発疹が見つかり、それは毛が抜けた滑らかな班である。顔に斑があり、耳の後ろには湿疹性の発疹があり、それは出血し、水っぽい液体が滲み出て、時には黄色がかった水っぽいものもある。湿疹は耳の後ろから耳の上、頭皮へと広がる。Lyc. は嬰児の湿疹について学ぶべき非常に重要なレメディである。痩せて、空腹で、しぼんでいる子供における湿疹は、多かれ少なかれ頭の疾患があり、前述のように、耳の後ろから湿り気のある滲出液が出て、尿に赤い砂が混じり、顔はしわのより、乾いたしつこい咳をし、子供においてはかけてある布団を蹴り、左足が冷たく、 右足は暖かかく、食欲は気まぐれで、異常なほどの空腹になる時もある大食いで、非常に喉が渇いており、しかし体重がずっと減っていく場合、しばしば Lyc.で治る。まずより多量の発疹が急に現れるが、最終的には鎮まり、子供は健康を取り戻す。一般的に頭部は、尿の赤い砂といったある症状と緊密な関係がある。赤い砂が多い限り、患者はうっ血性の頭痛から解放されるが、尿が薄くなり、赤いコショウ粒のような沈殿物がなくなると、破裂するような、圧迫されるような頭痛が起き、それが数日続く。これは尿毒性の頭痛と言われるものかもしれないが、それを何と呼ぼうと問題ではなく、症状があれば、レメディは正当だと証明される。老齢者の痛風体質において、頭痛が非常に顕著な時、手足の痛風は改善するか、その逆である。頭痛は手足の痛みがない時だけ起きる。また尿に非常に多量の赤い砂がある時、頭も手足も痛風の状態はなくなるが、風邪をひくといつも、分泌物は少なくなり、痛みは悪化する。カタルと関連するLyc.の頭痛の他の特徴がある。急性の風邪でカタルが減少すると、頭痛は悪化する。Lyc.になりやすい人はしばしば、鼻からべとついた黄色い分泌液で苦しむ。鼻は、黄色く、緑色のかさぶたのようなものでいっぱいで、朝鼻や喉から飛び出る。さて、風邪をひくと、べとついた分泌液はかなり減り、くしゃみが始まり、水っぽい分泌液になる。その後、非常に苦しい、圧痛の、空腹を伴うLyc.の頭痛がやって来ると、鼻風邪が消え、べとついた黄色い分泌物が戻り、頭痛がやわらぐ。

 Lyc.には多くの目の症状があるが、最も顕著なのは目のカタル性疾患である。症状は非常に様々で、ほとんど全てのカタルの状態を表すため、目の症状だけでは識別できない。目が赤く多量の分泌液を伴う炎症の状態、結膜とまぶたの潰瘍形成や顆粒状眼瞼。

 耳にLyc.は重要なレメディとなる。なぜなら、このしわの寄った顔つきで、乾いた咳をする同一のやつれた子供が、猩紅熱にかかってからは、耳からべとついた黄色く臭い分泌液が出て、聴力を失っているからだ。もし猩紅熱で適切なレメディが投与されれば、耳の疾患は猩紅熱に属する必要はないので、耳の問題が残る事はないだろう。それは猩紅熱の一部ではなく、その子の体質の状態によるものだ。Lyc.はまた、非常に痛みのある耳の発疹や中耳炎、耳の周りや後ろに発疹ができる耳の膿瘍が起きる。

 鼻の症状については、頭と関連するものをある部分だけを述べたね。問題はしばしば嬰児に始まる。小さな嬰児はまず、ガラガラいう鼻を通る奇妙な音を立てて寝ており、ついには鼻が詰まり、口からしか息ができなくなる。これは数日や数カ月続く。子供は口からだけで呼吸し、泣く時は、鼻を塞がれている時に見つかるようなかん高いトーンになる。覗くと、鼻が膿のような物で一杯なのと、喉に垂れさがっているのは粘液状の膿の分泌液なのが見えるだろう。非常な鼻詰まりは Lyc.の慢性的な状態である。子供はかさぶたのように乾いたものができるまで、この問題が続き、それは黄色く、時には黒みがかり、時には緑色っぽく、鼻血が出る。頭痛と結びついたこの厄介なカタルに、大変役立つ;首まわりの肉が落ちているような患者に。奇妙で不可解かもしれないが、Lyc.は下肢が非常によい状態の時、首の周りの衰弱や顔のしわが起きうる。大人の老齢者の慢性的なカタルでは、ずっと鼻をかみ続ける。 かさぶたのようなものが粘膜全部分で形成されるため、夜、鼻から息ができない。発疹のある表面の固い小鼻は、顔や鼻のあたりにじくじくした発疹がある。 粘液分泌液は、Kali-bi.のようにべとつき、粘り気がある。

 顔は土色で、病んで、青白く、だいたいしわがよっており、しなびて、やつれている。気管支炎や肺炎といった深く根付いた胸の疾患があり、胸は粘液で一杯で、痛みのため顔や額にしわがより、息をしようとして小鼻がパタパタするのが見えるだろ う。これは呼吸困難の形全てを伴って起きる。Ant-tart.に見るように、すすけた小鼻が大きく開き、パタパタしている。Ant-tart.における粘液のガラガラいう音が部屋中に聞こえ、患者は苦痛を感じているように見えるが、鼻がパタパタし、額にしわを寄せ、胸からガラガラという音が聞こえるか、或は、乾燥した空咳で痰はない状態で、ベッドに横たわっている患者を見た場合、特別な診察をし、それはLyc.の症例だという考えを確認する事がよくあるだろう。肺炎の滲出の段階や、肝変の段階において、Lyc.は患者の生命を救うかもしれない。それは、PhosとSulph.の肝変の時期と密接な関係がある。Sulph. の患者は冷たく、無反応の傾向があり、胸が重く、胸を調べると肝変が示されている事がわかる。じっと横たわっていたがり、明らかに死に そうである。Sulph.はそういう人を助ける。Lyc.のように鼻がパタパタしたりしないし、額のしわもない。Stramoniumの脳の病訴には、額にしわがあり、Lyc.の胸の病訴には、額にしわがあり、両者は幾分似ている。脳充血を患う半ば意識不明の状態の患者の所へ行き、観察すると、狂気じみて、目は生気がなく、額に皺があり、心は活動的な傾向がある。これはLyc.ではなくStram.である。綿密な観察によるこのような実践的な事が、頭に問題のあるStramoniumと、肺炎が進行した段階のLyc.を、ほぼ即座に区別できるよう導いてくれるだろう。

 顔は、梅毒で見られるような銅色の発疹で覆われている事が多く、そのためLyc.は、鼻骨の壊疽やカリエスを伴う鼻に影響がある症例や、既に述べたようなカタル症状がある老齢者の梅毒の症例に役立つ事がある。顔については、かなり単収縮がありピクピクしている。顔を調べると、患者の顔はその感覚と一致しているのがわかるだろう。過敏な患者で、ドアをパタンと閉める音や、電話の音といったきしりや音がする度に、顔にしわを寄せる。患者は困惑し、それを顔つきに表現するのがわかる。胸の病訴と同様、下腹部の病訴においても、病んで皺のよった顔つきで、まゆをしかめる。Opium、 Muriatic acidのように、顎が落ちているのも見える。これはかなりの疲労困憊によって示される状態に起き、致命的傾向を示す。ベッドシーツをつまみ、ベッドに倒れ込み、ほぼ何も欲しがらず、ほとんど起き上がれない場合の、特にチフス熱において顕著である。これは微熱のチフス、敗血症、発酵病の疾患の末期の表現である。耳下腺の腫れ、顎下腺の腫れといった顎下の腺の腫れがよくある。腫れは細胞である事があり、首の筋肉の腫れまで含まれる。猩紅熱とジフテリアでは、これらの腺が化膿したり、首のあたりが腫れる傾向がある。

 次に我々がが気付く重要な特徴は、喉の症状である。既に述べたように、一般的な状態を調べると、 方向性に関するLyc.の症状の顕著な特徴は、その症状が右から左へ広がるようだ;右足は冷たく左足は暖かいと気がつく;右ひざが影響を受けている;痛みが 移動するならば、右から左へ移る。ほとんどの病訴は右から左へ動くか、右の方が左よりも影響を受けるようだ。これは喉の痛みにも当てはまる;右側にできている化膿性扁桃腺炎はそのコースをたどり、もし適切なレメディを取っていなければ、治りかけに左の扁桃腺が炎症を起こし、化膿する。共通した喉の痛みは、右側に始まり、翌日両方が影響を受け、炎症はもう左まで広がっている。このレメディーには喉と口峡にあらゆる種類の痛みがある。これは、喉の右側に粘膜が始まり、左へ向かって広がるジフテリアの症例に役立つ。班は1日目に右側に、翌日は左に見える。また、Lyc.の病訴は上から下へと広がる事にも、我々は気づいているが、これらは滲出液についてもそうである。それは咽頭の上部に始まり、喉を下降して広がる事がよくある。Lyc.は そういう症例を多く治癒してきた。Lyc.は冷たい水を口の中に含むとよくなる症例が時々あるが、通常Lyc.の喉の痛み は、温かい飲み物を呑み込む事で改善する。これはLachesisとLycpodiumが区別できる特徴である。Lachesisは冷たさで改善し、温かい飲み物を飲もうとすると、喉が痙攣するが、一方Lyc.は、冷たい飲み物で改善する事もあるが、温かい飲み物で改善する。Lyc.は Lach.のように眠ってから窒息や喉の収縮や呼吸困難にならない。喉は極めて痛く、ジフテリアの最悪の症例の激しさが全てある。発酵病もある。

 胃腸の症状が入り混じっている。満腹感も、食欲の完全な欠如もある。お腹がとてもいっぱいで食べられない。この充満感は、食べ物を一口呑み込むまでは起きないだろう;空腹で食卓へつくが、最初の一口でいっぱいになる。食べたらガスで膨らみ、げっぷで一時的に楽になるが、依然膨張している。吐き気と嘔吐;胃腸や胃に、かじられるような痛み;カタル;潰瘍と癌においては燃えるように痛い;食べた直後の痛み;胆汁を吐き、挽いたコーヒーのような嘔吐で、黒くインクのような嘔吐物。Lyc.をとると、明らかに悪性の症例は、その生命が延びる。症例は非常に緩和されるので、数カ月後に最悪の事態になる代わりに、患者は何年も生き続けるだろう。肝臓疾患のように、右の季肋部が腫れる。肝臓が痛み、胆汁の嘔吐を伴い、再発性の胆汁の発病がある。胆石疝痛を起こしやすい。Lyc.をとると発病の頻度は下がり、胆汁の分泌物は普通になり、まるで溶解されたかのように、胆石は海綿質の外観になる。Lyc.の患者はいつもげっぷをする;げっぷは酸っぱく、咽頭が燃えるような強い酸のように表皮を剥ぐ。「酸っ ぱい胃」、酸っぱい嘔吐物、腸内ガス、食べた後の膨張と痛み、充満感を伴う。胃にひどい「気力の衰え」や弱さがあり、食べても楽にならない (Digit.)。胃は冷たい飲み物で悪化し、温かい飲み物で楽になる事がよくある。胃腸に激しい動きがあり、非常にゴロゴロ音がし、まるで発行しているかのように腸内ガスがグルグル回る。Lyc.とChinaとCarlo vegは、最もガスのたまるレメディーで、比較されるべきである。胃の症状は冷たい飲み物やビール、コーヒー、或は果物で悪化したり、引き起こされて、下痢が起きる。老齢の慢性消化不良で、衰弱し、しわがあり、疲れ、骨ばった患者で、食べた物が全てガスになる。Lycopodiumは、反応が弱く、機能全てが弱わり、動けず回復しない 傾向がある、高齢の疲労した患者に役立つ。 

 この患者には非常に厄介な便秘がある。何日も何の便意もないまま過ごし、直腸は詰まっているのに、便意に駆り立てられない。腸管が不活発。排便に駆り立てられても無駄に終わる。便は固く、出にくく、小さく、完全に出ない。最初に出てきた便は固く、出づらいが、最後のあたりは、柔らか く、細く、どっと出て、その後失神したり、衰弱したりする。Lyc.の患者は下痢やあらゆる便がある。故に、Lyc.の特徴は便にはない、と教科書に書いてあるのを読んでわかるだろう。他にLyc.の症状があれば、あらゆる種類の下痢は、Lyc.で治るだろう。厄介な痔の問題もあるが、これといった特徴はない。痔の症状は様々なので、もしLyc.の腸内ガスや胃の症状、精神面の症状、一般面の症状があれば、どのような痔もLyc.で治るだろう。

 腎臓は、多くの症状を呈し、多くの場合、Lyc.への鍵となるだろう。直腸と同様の不活発さが膀胱にも見られる。どんなに力んでも、尿が出るまで長く待たなければならない。流れが遅く、弱々しく流れる。尿にはしばしばレンガ色のくずや赤色の砂状の沈殿物で濁っているか、或は尿を混ぜると発酵したリンゴ酒の沈殿物のように見える。この状態は発熱時に見られる。疾患の急性段階では、赤い砂が多量にあれば、Lyc.がしばしばそのレメディーとなる。これは非常に顕著な症状である。慢性的な症状では、患者が最も調子良く感じている時、赤い砂が尿に見つかる。Lyc.には尿の保持と抑制がある。小さい子の「おねしょ」や、寝ている間の不随意の排尿、チフスや微熱時の不随意の排尿がある。Lyc.の際立った特徴で、全てのレメディの中で最も突出している1つに、夜尿症がある。日中は尿は普通なのに、夜は何度も起きて多量の尿を出す。尿はかなりの量で、とても透明で、明らかに軽質である。

 男性生殖器。インポテンツにおいて最も卓越したレメディーの1つ である。生殖器官の弱さを伴い、生命力が弱い人、緊張し過ぎた人、疲労し過ぎの人で、若い男性が自慰をして来て、背骨や脳や生殖器がくたびれてしまっている場合、Phosphorusを必要とする事はまれで、Lyc.が典型的なレメディである。この患者がきちんとした人生を送って、結婚しようと決心した場合に、自分は性的に不能で、勃起を維持できなかったり、或は勃起があまりにも弱々しかったり、短かすぎたり、自分が男ではないとわかるだろう

 Lyc.は淋病の分泌液を伴う、尿道の粘膜の炎症がある。これは抗淋病であり、男女の生殖器に厄介な尖圭コンジロームができる。「ペニスの湿ったコンジローム、前立腺の肥大」。

 卵巣の炎症や神経痛、子宮の炎症がある女性にとって、これは素晴らしい友となる。神経痛は特に右卵巣に起き、左側へ移る傾向がある。卵巣の炎症は、右が左より影響を受けている。右の卵巣嚢腫を治している。

 Lyc.は、性交で非常に痛くなる膣の乾燥を、作り出し治癒する。性交中、性交後に、膣が燃えるように痛い。月経障害がある。何カ月も月経がなかったり、抑圧したりし、患者はしわが寄り、衰え、青白く、血色が悪く、衰弱する。その人は月経に対する生命力がないように見える。初潮が来る年齢に達したのに、まだ来ない思春期の少女にも合う。彼女は発達が起きず、胸も膨らまず、卵巣も機能を果たさずに、15、16、17、18歳となる。症状が合えば、Lyc.が作用をもたらし、胸は成長し初め、女性らしさが結実し始め、子供から女性になる。それには成長への素晴らしい力があり、この点において、Calc.やPhos.と非常に似ている。「膣からガスが出る」「性器の静脈瘤」。

 呼吸器において、Lyc.は素晴らしいレメディーとなる。胸のカタルにおいて、呼吸困難や喘息的な呼吸がある。風邪は鼻に留まるが、ほとんどいつも胸まで行き、ヒューヒューとかゼーゼーと音がしたり、ひど呼吸困難を伴う。呼吸困難は、早く歩いたり、労作の後や、坂を登ったりすると悪化する。拍動し、燃えるような痛み、むずがゆさが胸にある。乾燥し、くすぐるような咳。やつれた少年の乾いた咳。肺炎が治った後に、乾燥した、くすぐるような咳が長く残るか、或はひどくヒューヒューとなる喘息のような呼吸が起きる。頭部と顔は熱い間、手足は冷たく、ひどい咳と疾患が胸にある。頭が非常にうっ血しているので、頭部を覆わずに歩きたがる。この患者の反応は弱々しい。回復の兆しがなく、気管支炎や肺炎の発作以来疾患があるという病歴がある。乾燥し刺激を受けやすい咳の他にも、Lyc. はべとついた黄色か緑色の粘液膿で、粘りがあり糸をひく多量の痰を伴う潰瘍がある別の状態へ入る。最終的には、午後4~8時の発熱を伴い、汗が出てくる。肺炎の進行した段階や、肝変の期間に使うには、顔と額はしわが寄り、小鼻がパタパタし、痰は少ないのは、既に述べた通りである。それから、かなりガラガラと音がする顕著な胸のカタルがあり、嬰児においては特にそうである。胸の中でガラガラと音がし、小鼻がパタパタし、痰が出せない。右肺は、最も影響を受けるか、左より冒されやすいか、或は一方から他方へ移る両側の肺炎や疾患にまず影響を受ける。胸膜と心膜に溜まった血清から呼吸困難になった場合、放置された肺炎に適するレメディーの中でLyc.を考えなさい。

 手足の痛風の傾向と、その神経症状について充分に述べた。しかし、寝ようと考えると起きる下肢に落ち着きのなさがあり、このために夜中まで眠れない。Ars.に非常に似ている。それは、しばしば非常に苦痛を与える特徴である。四肢のしびれ。夜に四肢が引っ張られるような、引き裂かれるような痛みがあり、ベッドの暖かさと動きで改善する。このような痛みは、慢性間欠熱に見られる事が あり、このレメディーで治る。周期的に起きる坐骨神経痛は、熱さと歩く事で改善する。脚の静脈瘤。片足は熱く、もう一方は冷たい。足の浮腫。

 継続熱や間欠熱など、多くの種類の熱がある。 特に老人、或は60歳の人が80歳に見えるような早期老化で、衰弱し、弱々しく、疲れている人に適する。虚弱体質の病訴に極めて合う。肝臓や心臓疾患に関連した様々な浮腫に合う。皮膚上にかさぶたが残る;かさぶたが重なったり、或は牡蠣疹のように薄片になる。Sulph. Graph. Calc.はLyc.に比べ、長くも深くも作用しない。これらの、充分精製されていない不活性な物質は、ポテンシー化されると、その強さが引き出され、素晴らしい薬効を形成する。

Phosphorus(フォスフォラス/リン)

 Phosphorusの不調は、生まれながらに病弱、ほっそり成長、速すぎる成長のような主に弱々しい体質に立ち上がるよう だ。そのようなやせ衰えた人や、やせやすい人に不調が見られる;消耗症になりつつある子供や、かなりよく消耗の土台に合う人に。繊細、青白い、貧血症、衰弱しやすい。情熱的で短気な人に。これらはその人の気質が内面の体質の状態といくぶん同様である事を表している。内面的に患者は混乱している。激しい脈に陥りやすく、大気中の電気変化から不調になる;激しい動悸とオルガズム。背が速く伸びすぎ、突然弱り、青白くなり、萎黄病で、生理の問題がある萎黄病の少女に。感情の激発とうっ血。出血しやすい体質。小さな怪我で、出血がひどい;針で突き刺しただけで、通常の4倍の赤い鮮血が出る。小さな怪我で出血、鼻から出血、肺や胃、膀胱、子宮から出血。潰瘍から出血。出血する類 似肉芽。紫斑病の出血。 青黒い斑点。結膜や皮膚の下のあちこちに溜まる血液。血が混じる唾液;組織が破壊された血 液または血液が流動的になった証拠。小さな打ち身で青い班が広がる。大量の鼻血。チフス熱や、出血を伴う持続性の 熱の低迷状態で見られるような点状の出血が体中にある。皮膚カビが生長する。脂肪変性がPhosphorusの顕著な特徴 で、肝臓や心臓、腎臓に見られる。一般的な水腫の状態。手足のむくみ、特に猩紅熱後の水腫の状態。出血後または病 気が低迷しているように見られるように、粘膜はすべて白い。顕著な貧血状態と筋肉が緩んだ状態。筋肉に締まりがな い。筋肉の脂肪退化。生殖器が垂れ下がる。骨盤内臓器の弛み、脱出症と他の変位がある。硬直はPhosphorusの顕著な 特徴である。動き始めに硬直する。特に朝方、四肢は倒れた馬のように硬い。四肢全体がリューマチの堅さ。 Phosphorusは四肢に裂くような痛み、引っ張られるような痛みがある。影響を受けた部分に引っ張られるような、裂け るような痛みがある。Phosphorusの不調は寒い気候で悪化する。患者自身は一般に、寒さに敏感だと思っている。患者の不調はすべて寒さや冷たい物から悪化し、熱や暖かい物から好転する、ただし頭と胃の不調は除き、それらは後述の ように寒さで好転する。Phosphorusは症状が合えば、捻挫に後続する弱く緩んだ関節の状態に非常に役立つ。壊死は Phosphorusのもう一つの特徴で、特に下あごの壊死だが、いかなる骨の壊死にも有効だろう。裂けるような痛みを伴う 頭蓋の外骨腫症。特に夜に裂けるような、中ぐりするような痛み。Phosphorusは鼻と耳のポリープを治して来た。 瘰癧 と腺の腫れ。腺が肥大する、特にBellisのように打撲の後に。下痢や、疲労状態、膿瘍、瘻の開口部、消耗熱を伴うとい うような弱く、青白く、病んだ個人の腺疾患。 多量の黄色い膿の分泌を伴う膿瘍。症状が合えば、Phosphorusで悪性 腫瘍の成長を著しく抑えられる。燃えるような痛みはそこら中に見られる。脳内が燃えるよう、皮膚が燃えるよう。胃 や胸、様々な部分が燃えるように痛い。

 Phosphorusの患者は、わずかな臭気、音、接触といったあらゆる外的な印象に対して非常に敏感である。ちょっとした事で、心身のいずれかが疲労する。些細な原因からや手を使う事、些細な無理、衰弱、咳から体中が震える。衰弱が顕著な度合いで優勢になり、遂にはほとんどのチフス性の熱の形のように、麻痺或は麻痺性の衰弱になり、ベッドからずり落ち、筋肉が震えたり痙攣したりする。四肢の蟻走感と裂けるような痛みを伴う麻痺。卒中を伴って来る麻痺。麻 痺に見られるような筋肉の痙攣と震え。麻痺した部分の痙攣。体中に裂けるような、引っ張られるような、焼けるような痛みがある。Phosphorus患者は擦って欲しがる。一般的に睡眠後改善する。常に休みたい。常に疲れている。Phosphorus 患者は非常な興奮を受ける。震え。激しい考え。興奮して夜寝つけない。暴力的な想像。官能と透視にさえ興奮。心が動き過ぎか、または記憶をなくして極端に受け身になる。心身の苛つきや、ほんの少し頭を使った後に、心がとても疲れる、少し体を使った後に、体が非常に疲れる。心配、悲観的な予感。何かが起こるのではという恐怖。黄昏れ時に不安になる。一人だと不安。懸念。雷雨の間に懸念し、そのため多くの不調がもたらされる;動悸、下痢、痙攣。 全身の痙攣。 恐怖からの消化不良。夕方に恐怖、死への恐怖。道角で知らない年寄りに見られているという恐怖。変わった精神異常の想像で溢れている。精神異常の国境にいる。知的な努力を支える事ができない。卒中の恐怖。反射は頭痛に もたらされ、恐れの混じった予感につながり呼吸困難、或はみぞおちが沈む。恐怖はみぞおちから始まるようだ。冷淡 或は無関心;自分の友人や周囲に無関心。自分の子供に無関心。質問に答えず、自分の家族や自分の事に無関心で、 ゆっくり答え、だらだらと考え、ぼっとして低能になったように見える。何もかも暗く見え、人生をいやがり、陰鬱で 何も話さない。落胆した;憂鬱症の最も顕著なケース。嘆く、悲しい、ヒステリー、服を脱ぎ、露出する。暴力的、多 弁、精神錯乱。微熱の精神錯乱、或は泥酔の精神錯乱。憤慨や極端な暴力を伴い躁病の発作が睡眠中来るため、その人には誰も近づけず、愚かな馬鹿げた頭の弱い白痴に進展する。知的過労や目を継続的に過酷に使う事からの神経衰 弱。目眩は Phosphorusの不調すべてを通じて非常に共通した症状である。酔ったようによろめいて歩く。外気の中での 目眩;食後の目眩;夕方の目眩。頭が重く混乱し、物がぐるぐる回る;頭が非常に衰弱。このような精神面の症状はす べて、暗闇で悪化;一人で悪化;音楽で悪化する時もある;興奮から悪化;ピアノを弾いて悪化。

 Phosphorusの頭痛はうっ血し脈打つ。血が頭に上る。頭痛は冷たさで改善、熱で悪化、動きで悪化、休憩して改善、横 になって悪化する。患者はしばしば強いてまっすぐ座り、頭の上に大きな圧力をかけて、冷たい物を要求する。顔はほてって熱い;脳の中が燃えている。暖かい部屋、暖かい環境、暖かい食べ物、手をお湯に入れるなどで、頭痛が増すだ ろう。頭の不調は、胃の不調同様、熱や暖かい物や暖かい食べ物から悪化し、冷たい物で改善する;一方、体の不調は 暖かさで改善し、冷たさで悪化する。頭痛は最も猛烈で、空腹と共に、或は空腹に先んじてよく来る;嘔吐と赤い顔、 乏しい尿を伴う頭痛;尿毒症の頭痛;猛烈な神経痛は頭を通して突進するような、裂けるような、撃たれるような痛み がある; 頭の中に圧迫する痛みがある。定期的な頭痛、頭を使いすぎて来る頭痛。頭内がひどい熱で顔と顎の筋肉が硬 い。この事は後頭部の冷たさを伴う時もある。脳を通じたショック。頭痛は音や光で悪化する。頭痛は音からや、光か ら悪化する;頭の卒中性うっ血。急性水頭症及び類推水頭症の症状を治した事がある。慢性脳膜炎;脳の軟化;低能; 精神錯乱。激しい頭痛;脳の萎縮;延髄。頭蓋はふけで覆われている;毛髪はまだらに抜け、あちこち禿げる。頭蓋にひどい熱;包帯で締め付けたように頭蓋と顔と額が緊張する。頭の禿げた部分に鱗状の発疹;頭蓋に外骨腫。頭の不調 は熱すぎる事から来る。まるで髪の毛が引っ張られるような感覚がする;頭蓋のひどい痛み;頭痛の間、髪の毛を下ろしておかねばならない。

 目の症状は非常に多い;燃えるような痛み、赤い、充血、血管肥大。物が赤く見え、物が視野に赤やしばしば青が見え る、或いは白内障の初期に物が緑灰色に見える事がある。色もまた目の前で黒色が現れる。視界がぼやける;読書中目 が乾く;朝の方が、或は黄昏時の方がよく見える。気絶のように一時的に目が見えなくなる;突然盲目になったように思 える;視神経の麻痺;電気ショック後、或は落雷後の目のくらみ。緑内障を治してきた。ブライト病における網膜炎を 治して来た。 ガラス体液の混濁を治して来た。目の様々な筋肉麻痺衰弱を治して来た。目蓋が落ちる神経の第3組の麻 痺を治して来た;亜急性の目の炎症。燃えるような痛み、赤い、うずきは冷たい物で改善する。目蓋がピクピク動いた り震えたりする;目蓋の腫れ;目蓋の浮腫性の腫れ;目の周りが非常に暗い;目の周りに大きな環がある。目を含む悪 性腫瘍の成長に非常に役立ち、病気の進度を非常に遅らせるレメディである。目の症状は頭や精神面の症状と同様、頭を使う仕事によく現れる;明るい光の元で働く事で、他の部分が苦しむのと同様に目がある頭に血液が多く限定する。

 Phosphorusは特別な聴覚消失がある。 Phosphorusの最も著しい特徴の一つは人間の声の発音が理解できない事であ る。難聴。何かが耳を覆っているような感じがする時がある;まるで耳が覆われていて音波がさえぎられているような 感じ。耳の中が激しく痒い;外耳のうっ血;痒い、裂けるような痛み、脈打つ、耳の中に燃えるような痛み。耳の中の ポリープを治して来た。

 鼻の症状もまた非常に多い;根深い鼻腔のカタル。鼻風邪をひいているが、Phosphorusの風邪の最も共通して胸部に落 ち着き、問題のほとんどが胸部で始まるが、Phosphorusが鼻腔のカタルと鼻風邪を治す。鼻の中が乾燥して痛い;ずっ とくしゃみが出る、血の混じった鼻水が流れる。鼻の状態が穏やかだったり止まったり、頻繁に交互に起きる;喉の痛 みを伴う鼻風邪;鼻づまり;猩紅熱においてくしゃみが多く、鼻の乾燥と交互に鼻が詰まる;鼻腔が緑の粘液で充満す る;多量の黄緑の分泌物、血が混じった粘液、朝に悪化;鼻から悪臭;頻繁に鼻血が吹き出る;鮮やかに赤い鼻血が 多量に出る;赤くてテカテカ光った鼻の腫れ;接触に非常に敏感;鼻骨の壊疽。鼻のポリープを治した事がある、特に 出血性のポリープ。Lycopodiumのように小鼻が団扇のようにパタパタ動く。

 Phosphorusの患者は病んだ、土のような、沈んだ青白い顔つきをしている、それは結核に見られる、結核になりかかっ た人、深く根付いた状態で苦しんでいる人のよう;やつれた貧血症。色が変わりやすい;腫れてむくんだ顔;目の下が 膨れる;唇と目蓋が腫れる。また頬に赤い斑点があり、それは消耗性の熱に現れる;消耗熱性潮紅。皮膚と顔の緊張; 顔全体や目の周り、こめかみから、頭頂から頬骨に下って、裂けるような撃たれるような痛みがある。歯に痙攣した裂 けるような痛みがある。歯痛は暖かさから改善する事がよくあるが、一方頭の痛みは冷たさで改善する。歯痛は話した り食べたりする事で悪化、食後に悪化。顎とこめかみを含む激しい顔面神経痛、熱く膨らんだ顔を伴い、話したり食べ たりする事から悪化する。高熱、燃えるような痛みと瘻孔を伴う下顎のカリエス。顔と歯の神経痛;夜は包まねばなら ない;風の強い気候で悪化する。顔つきは、まるで重病になりそうに病み、沈み、衰えている。

 唇はひからびて、乾燥し、出血している。微熱で唇は焦茶色になり、ひび割れ、下顎の壊疽を伴う。耳下腺の炎症、特 に膿が出る時または瘻孔がある時。歯が腐りやすい。歯茎が出血し、歯から離れる。

 Phosphorusは、抜歯後の鮮明な出血に非常に役立つ。舌は腫れて、しゃべりにくい。発音しにくい。口内は苦い、また は酸っぱい味がする、特にミルクを飲んだ後酸っぱい味がする、塩っぱいか甘い時もある;食後苦い味がする。朝、硫 化水素の味がする。舌は苔で覆われる;白墨色の時もある、黄色い時もある;乾燥し、ひび割れ、出血している;歯に汚物がある。口や歯茎、唇、舌の粘膜からの塊がある。舌は腫れて、味蕾が充血している。

 口と喉の乾燥;痛み、口と喉の粘膜は皮が剥けたよう。口は口腔カンジダ症で覆われている、授乳で口が痛い;口の出 血性腐食;授乳の口の痛み。ずっと水っぽい唾液と、口から溢れる血の混じった唾液。唾液は多量で、甘い味、塩っぱ い味または腐った味がする。喉の粘膜は口と同様。扁桃腺の非常な乾燥、荒れた、生の、皮が剥けた、出血と炎症;喉 の痛み;喉に綿があるような感覚、喉にビロードのがあるような感覚。扁桃腺は非常に腫れている。喉に激しい痛み、 喉に燃えるような痛みがあり、食道まで広がる。食道の麻痺や、喉と食道の粘膜の急性炎症のため、いかなる食べ物も 呑み込めれない;食道の圧縮。Phosphorusには激しい空腹感があり、食べてすぐ空腹感が戻って来る。寒気がする間食 べなければならない。 夜に何か食べなければならない。気を失うような感じがし食べ物に走る。頭痛の間がつがつとし た空腹感;激しい空腹感のため頭痛が来る事がわかっている;定期的な頭痛で。食べ物を嫌悪する時があるため、空腹 感は発作的である。また食べたい、そして食べ物を出された時欲しくない。喉の渇きはPhosphorusの最も不変的な特徴 の一つである。急性・慢性において、激しい喉の渇きがある;氷のように冷たい飲み物を欲する。すっきりする物が欲 しい;冷たい飲み物を飲んで一時的に改善するが、胃で水が暖まるとすぐに喉の渇きが出る。胃で水が暖まるとすぐに 嘔吐が来るが、氷のように冷たい水が合う多くの条件もある。 満たされない喉の渇き。水を吐く時必ず満たされない喉 の渇きがある。冷たい飲み物同様、冷たい食べ物も欲する;すっきりする物、香辛料の効いた物、汁が多い物;ワイン や酸味のある物を欲する。Phosphorusは大酒飲みの激しい欲望を治す事がよくある。それは胃の粘膜のうっ血に単に似 ているのだ。甘い物や肉、熱いミルク、塩魚、ビール、プリン、お茶、コーヒーを嫌う。

 Phosphorusの不調の多くは食べる事で改善する。 Phosphorusの神経系の症状は患者を摂食に走らせ、しばらくの間は 改善したように思え、また食べねばならないか、または神経の症状がまた来るだろう。食後よく眠れる事が多くあり、 何かを食べるまで眠れない。

 胃の症状は多い;痛み、吐き気、嘔吐、燃えるような痛みがある。胃の症状は冷たい物で改善し、暖かい物で悪化する。吐き 気と嘔吐は手をお湯に入れたり、暖かい部屋に入ったり、暖かい物、暖かい物をおなかに入れたりする事から来る。妊 婦が吐かないでお湯に手を入れる事ができない場合、その人の吐き気は治る。Phosphorusの別の顕著な特徴は、食べ物 のおくびである。食べ物は口が一杯になる事によって、胃が最後の食べ物まで空っぽになるまで、おくびが出る。何か 冷たい物がおなかにある時を除いて吐き気が続く。胃内で水が暖かくなるとすぐ出て来る。この事はChloroformの嘔吐 と吐き気に非常に似ており、PhosphorusでChloroformの胃の疾患をほとんど常に解毒できるため、Phosphorusは外科 医にとってすばらしい友である。喀血と酸っぱい液体を激しく吐く;挽いたコーヒーのように黒い物を吐く。胃が恐ろ しく沈み無くなった感じ。症状は時々Sulphurのように11時に来る。胃に圧迫のある痛み、燃えるような痛み、裂ける ような痛みがある;食後胃の中が痛い;みぞおちが敏感;胃炎。挽いたコーヒーのような嘔吐と燃えるような痛みを伴 う胃癌に非常に役立つレメディである;寒い;まるでみぞおちが凍るように寒い;胃の中がナイフで刺されたような痛さ の激発。 胃痛は氷のように冷たい物でしばらくの間改善する;胃の痙攣性収縮;胃から出血;非常に多量の凝固血を吐 く;長引く消化不良;鼓腸が多い;食べ物の逆流;胃腸の膨張;胃潰瘍。

 肝臓はPhosphorusの多くの症状をもたらす。肝臓のうっ血、充満感、痛み、硬化、肝臓の脂肪変性、肝臓うっ血。 Phosphorusは非常に役立つ肝臓;硬い大きい肝臓のレメディの一つである。胃と肝臓の症状を伴い黄疸が共通してあ る。

 下腹部は非常に敏感で、触ると痛く、うねりゴロゴロなる。下腹部に空虚な感覚がある;下腹部に沈んだ感じ。下腹部 がまるで緩んでいるように感じる;下腹部が垂れ下がる感覚と大きな重みの感覚。チフス性の熱に起きるような鼓超し た下腹部。Phosphoruにおける顕著な特徴は胃に始まり、ボコボコ音をたてて腸を通って下り、無意識に便が出る。こ の事はチフス性の熱に起きる。Arsenicumに起きるボコボコという音は食道を下る。鼓腸;疝痛;ねじれた、裂けるよ うな、切れるような痛みが下腹部を通してある;下腹部に縫われるような痛み;下腹部に激しい神経痛;腸炎;腹膜炎、虫垂炎。下腹部に黄茶色の斑点がある;チフス熱の間下腹部を点状出血が覆う。Phosphorusは直腸と便の症状に富 んでいる;腸から無意識の分泌;多量の液体の流出、便が吹き出る;恐ろしく不快な黄色い水っぽい便。患者は死んだ ように横たわり、無意識に便が出る;白い粘液の便;獣脂のような小さい点が混じったネバネバした便;肛門がずっと 開いたままで不随意にじくじく滲み出る。チフスの初期に腸から出血する;動く度に不随意に、肉を洗ったような血の混じった分泌物が出る。排便中、直腸が焼けるように痛い。直腸が突き出る;痔の腫瘍が突き出る。尾てい骨から背骨 を上って脳の基盤まで、鋭い縫われるような痛みがあり、頸が後ろに引っ張られるようで、この症状は排便中起きる。無意識の排便中にこの事が起きた。排便後、直腸に痛みのある引きつり;肛門が焼けるように痛い;激しいしぶり腹;下腹部に沈む感じがある;余儀なく横にならねばならない;疲労困憊と気絶。大量の下痢は、まるで消火栓から水か吹 き出るよう。コレラが流行る時とコレラ病に役立つ。柔らかい細い便を伴う慢性の下痢に役立つ薬だ。小児コレラに非 常に役立つレメディだ。また、血の混じった粘液と乏しい便で、激しいシブリ腹を伴う赤痢も治して来た。根深い便秘 も治す。便は固く、長く、細い、まるで犬の便のようだと本に表現されている。老人で下痢と便秘が交互に来る。腸の 麻痺、そのため便を押し出せない。腸からの出血。直腸のポリープを治して来た;直腸炎。出血や突き出た痔を何度も 治して来た;燃えるような痛みの痔。肛門のひび割れを治している。このような腸の多くの症状の中で、肛門がまるで 広く開いているように感じられる。

 Phosphorusは、氷のように冷たい物や、氷のように冷たい水を欲して喉が渇く場合、尿中の糖を伴う腎臓疾患、特に糖尿病に役立つレメディである。徐々にやつれる;徐々に弱る;頭に相当な熱;体が冷たく、そして尿に糖が混じる。 Phosphorusは腎臓の脂肪変性を治すだろう。腎臓結石。膀胱が一杯なのに尿を放出したくない。体の全筋肉を通して麻 痺性虚弱のような麻痺性虚弱がある。膀胱部の激しく増加する痛みのため、尿をきばって放出する事ができない。豊富 な薄い水っぽい尿;頻繁で乏しい、または完全に抑圧された尿。濁った白い尿;ミルクのように凝結している。アルブミン性の尿。夜尿症。尿道に裂けるような痛み;尿道に単攣縮と燃えるような痛み。定期的に来るむかつくような頭痛 の前に乏しい尿が起きる事もあれば、多量の放尿が起きる事もある。

 男性生殖器は、Phosphorusの多くの症状を備えている。激しい性欲で気がおかしくなる。頻繁に勃起し、昼夜痛い。夜に色情な夢を見なくても射精する。食塩をとりすぎから、性欲が減退。過剰の興奮や激しい自慰の後に不能な生殖器が過剰に興奮する事が先立つ。尿道から昼夜細い無色の液体が頻繁に出る。脊柱の疾患を伴う性の乱用。固い便の間の前立 腺液の分泌。前立腺肥大のため、慢性的に尿道から分泌物がある。精巣と精索の腫れと痛み;精巣と精索の炎症。淋病 に続く陰嚢水腫を治した事がある。

 女性でも同様に役立つ。Phosphorusは激しい性的興奮によると思われる不妊症の多くのケースを治した。性交嫌悪を伴 う、激しい性的興奮。卵巣炎によって起きる生理中の卵巣から腿の内側に広がる激しい卵巣内の痛み。生理中または妊 娠中、或は更年期の間の子宮炎。出産後、或は生理中または更年期の子宮からの多量出血、鮮やかな赤、沈殿物がある 血液。癌疾患から起きた子宮からの頻繁な多量出血。生理が早く来すぎる、鮮血、長引く、多量;生理中、手足が氷の ように冷たい;吐き気、まるで折れたかのように;目の周りに青い隈;痩せる;かなりの恐がり。また咳や鼻血、吐血 を伴う肺病における生理の抑圧もある。暴力的な性的興奮で自慰に走る。ひどい衰弱を伴う多量の黄色い帯下;生理の 代わりの帯下;白い水っぽい帯下で、酸が強く、皮が剥がれる;歩行中にミルク状の多量の帯下。帯下は非常に皮を剥 ぐため、性器の上に火ぶくれができる。膣内が燃えるような刺すような痛みがある。縫われるような痛みが膣から骨盤 に上昇する。性交中激しい性的興奮がある傍ら、まるでしびれているかのように膣内の感覚がない。性器の周りや膣の 中にイチジクイボやこぶのように、コンジロームが現れる。出血するイボ。勃起性の腫瘍が性器外部にできる。陰唇の 水腫性の腫れ。多量の出血を伴うカリフラワー状のこぶ。乳腺に痛く、固く、大きい結節状隆起。乳房の類線維腫。多 量の出血を伴う子宮の類線維腫。

 妊娠中や授乳期の激しい性欲;妊娠中のつわり。ひどい疲労、衰弱、震え、出産の痙攣;まるで折れるような背中の痛 み。時期でない母乳の分泌の増加。ひどい熱や重みや抑圧を伴う乳腺炎。乳房や生殖器の丹毒。

 朝、喉枯れを伴う咽頭炎;ハスキーな声;摂食や冷たい空気に喉頭が非常に敏感である;喉頭は話している時に痛みがあ り、燃えるようにヒリヒリする痛みがある;声帯が弱い;話すと喉がむずむずする;喉頭の締め付けや痙攣;喉頭に継続した刺激 があり咳が出る;喉頭の結核のような状態;出血;声が出ない;喉頭の痛みのため一言も話せない;喉頭にビロードが あるような感覚がある;咽頭の皮が剥げた痛みやうずきがある。すべての症状が存在する場合、Phosphorusはクルー プ、粘膜性クループの多くの症例を治して来た。気候の変化の度に、過熱から、風邪が咽頭に落ち着いた、失声と声枯 れ、特に演説家や歌手において。声枯れと失声;喉頭とすべての気道が非常に乾燥する。喉頭の炎症から全身を揺らせ る激しい乾燥したしゃがれた咳。刺激は気道を下り、気管に影響を与え、呼吸困難を伴う;喘息のような呼吸;咽頭が 擦れるように痛い;息苦しい;呼吸困難;胸部の痙攣と圧縮。夜、眠りについた時の激しい、喘鳴呼吸;息苦しさへの恐怖;努力性呼吸。肺の麻痺;食後に胸部が充満すし、咽頭にひどい刺激;呼吸が難しい;食後咽頭から粘液の塊る。

 胸部にPhosphorusは圧迫を作り出す;胸部の不調と共に苦しみ、弱さ、収縮がある。まるで大きな重力が胸部に横たわ るような重さ。咳、気管支炎、肺炎及びの心臓の症状を伴い、まるで縛られたような、或は締め付けられたような、或 は紐でしっかり縛られたような胸部の締め付けが、常に多かれ少なかれある。胸骨表面に締め付けられたような感じが あり、胸部のひどい衰弱の不調すべてを伴う;胸骨の真ん中に重りのような圧力がある;激しい動悸を伴い或は伴わな いで、胸に血液が押し寄せるような感じ。胸内に熱の感覚があり、頭まで上る;胸内の熱の閃きが上方に広がる。胸内の縫われるような痛み;胸内の痙攣性の痛み;激しく縫われるような痛みが左胸にあり、右向きに寝ると改善する。これらは肋膜炎か肺炎を伴う肋膜炎に起きやすい痛みである。胸部の不調は冷たい空気で悪化する。気管の皮が剥げた痛 みは肺の中まで広がる;胸内が燃えるような痛み;肺の下部に急性の痛み;咳を伴う胸内の激しい痛み。患者は手で胸 をしっかり支える。苦しみや圧迫、鮮血を吐く事を伴う肺炎。Phosphorusの患者は、肺結核の状態や炎症、強烈な熱と激しく揺さぶる咳を伴う気管支炎において、多量の出血で苦しむ;咳を伴う胸骨の裂けるような痛み;胸部の窒息や締 め付け。 喉頭の痛み。 肺炎であるかのように、痰は血が混じるか、錆色。化膿しているかもしれない。更に進んだ段階では、べとつき黄色く甘みがあるようになる。Phosphorusは、年寄りの気管支のカタルや、肺炎か気管支炎が始まった 不調に役立つレメディである。風邪をひく度に胸に落ち着く。肺が弱いようだ。肺炎中の肝変においても、激しく乾燥 した空咳を伴う。PhosphorusとSulphurとLycopodiumは最も頻繁に示される薬である。 Arsenicが落ち着きのなさ、疲労、苦しみに適合して来た場合において、肝変のためこれ以上症例の治癒に向かって行く事ができない地点に来た時、 PhosphorusはArsenicに後続するレメディである事がよくある。そしてもし患者が氷のように冷たい水を飲みたがり、胸の締め付けがあり、乾燥した空咳で、肺の麻痺性の衰弱があり、喀血または泡立つ粘液を吐くならば、Phosphorusは最 善のレメディである。肺炎で、胸が燃えるように痛く、頭も燃えるように痛く、頬が熱く、熱がある事もある;身振り 手振りで精神錯乱;氷のように冷たい水への激しい口渇;鼻がぱたぱた動く;呼吸が難しい;気まぐれな直感;顎をあ げて上向けに寝る;短く乾燥した咳。頸動脈が脈打つ。胸内が皮が剥げたよう;胸内が傷ついたような感じ;痛みは切れたよう;咳をすると肺の中が燃えるような痛み、鋭く裂けるような痛みがある。窒息或は呼気がほぼ不可能、特に顔 が青ざめ、冷や汗と速く激しい脈が特徴の肝変の初期で。 チフス性肺炎として知られている肺炎の初期で、泡状の痰を 吐く。肺の麻痺の恐れがある。またPhosphorusは、胸部が狭く痩せた生命力の弱い人において、結核が現われかかった時に、役立つレメディである。 風邪がすべて胸に落ち着く。弱く青白い病んだような出血しやすい人において、風邪の後はいつも、全身を揺らすひどくガラガラ鳴る激しい咳が出る。冷たい空気の中で咳が出る。胸と首の衰弱。このよう な症状に沿って、結核症の末期に来る消耗熱;激しい熱で、赤い顔と夜の発汗;午後に熱が来て、夜中過ぎまで続く。 非常に高いPhosphorusの粉はこの熱を下げ、患者を死に至まで楽にする。熱が下がった後の治らないすべての症例で、 Phosphorusは熱を激しくするので与えてはならないし、避けるべきである。危機がPhosphorusの投薬に続くのは珍しい事ではない。長引く発汗や下痢、これらは自分で調整して止まるので決して妨げてはならず、そうすれば患者は穏やかな状態になるだろう。消耗性疾患のいくつかの症例や、消耗性疾患の末期においては、非常に高く投薬すると Phosphorusは危険な薬となる。このケースにおいては、患者がまだ治癒できる場合はPhosphorusを投与するべきであ る。この症例では Phosphorus 30cが安全に使える時があるし、疑わしい症例には、反応がもたらされうるかどうか見 るようテストとして働くだろう。反応がもたらされる事ができた症例では、まだ更に高いポテンシーを後に与えるのが有効だとわかるかもしれないが、遥かに進んだ消耗性疾患の症例にPhosphorusで始める時には、30cか200cで、それより高く行かない方がよい。非常に低いPhosphorusは真のPhosphorusの症例において毒として働くだろうし、唯一安全 だった幾人かの患者はそれを受け取っていた。Phosphorusがそのように非常に低く使われた事は、Phosphorusが殺すか治すかどちらかに十分類似していなかったという事実のためだった。

Phosphorusは激しい動悸がある;動きで悪化し、特に夕方左向きに横になって悪化する;夜歩いて悪化、胸の血液の極 度の興奮と共に、ひどい窒息感を伴う。胸の締め付けと体の脈打ち;心臓部に圧迫。Phosphorusは心内膜炎を治して来 た。Phosphorusは心臓肥大と拡張、また脂肪変性も治して来た。脂肪変性と共に、ひどい静脈停滞、顔のむくみ、特に 目蓋の下のむくみがある所に、Phosphorusはしばしばそのレメディとなる。これら心臓の疾患すべてにおいて、非常に 冷たい水を欲する事が常にある。内部熱;内部を冷やすため何か冷たい物を欲っする。興奮から、不安から、予期から 胸内に血液の激しい極度の興奮。Phosphorusは胸の外側に多くの神経痛があり、黄茶色の斑点がある。背中に多くの症 状がある;背中と首の後ろ、肩の間、肩甲骨の凝り。椅子から立ち上る時のこわばり。背中を上がる背中の激しい熱の 感覚。患者は熱い背骨と訴える。背骨を上下する痛み;肩の間を触ると痛い;背中と背骨全体の色々な所に脈動があ る。尾てい骨は圧迫に敏感;尾てい骨に潰瘍があるような痛み、動きを避ける。生理中やお産中に、まるで背中が折れ そうに痛い。脊柱の疾患と炎症。頭を使いすぎた後、長く体を使いすぎた後、加熱して、太陽に当たりすぎたり、性行 のしすぎから、四枝が衰弱;麻痺した弱さ。脊髄炎;脊柱が柔らかくなる;進んだ脊柱の麻痺。Phosphorusは歩行性運 動失調に役立って来たレメディで、多くの症状;痛み;反射神経の復活を緩和して来た。Phosphorusは体のひどい衰弱 と震えがある多発性硬化症に合う事がよくあり、進行を抑止する。Phosphorusは腺病質の子供における脊柱の カリエスを治している。Phosphorusは脊柱の多様な疾患に幅広く作用するレメディーである。

 四肢においては、腕と脚両方に広がる麻痺性衰弱があり、震えとしびれを伴う; 震えとしびれを伴う下半身或は上半身 の片側または両側の麻痺。手と腕が非常に冷たくなる。四肢は衰弱し、静脈が拡張する;腕が焼ける;定期的に来る指 の収縮;指のしびれが増し完全に無感覚になる;指先がしびれ、無感覚。下半身が非常に落ち着かない;下半身の四肢 のやつれ;下半身の四肢の衰弱、特に歩行において観察され、不安定で震えた足取り;下半身の四肢の麻痺。膝と股関 節の関節の急性炎症。寒さにさらされてから来た四肢の燃えるような裂けるような痛み。関節と筋肉のリューマチ;寒 くなると関節が固くなる。四肢の不調全ては熱から好転し、頭と胃の不調は寒さから好転する。胸の不調は熱により好 転する。下半身の四肢は不快臭のある汗で覆われている。下半身の四肢の壊疽。脛骨の骨膜炎。下半身の四肢の潰瘍; 足は氷のように冷たい。Phosphorusの患者は横になりたがる;疲労;歩けない;弱さや目眩からよろめいて歩く。徐々 に弱さが忍び寄る;衰弱;震え;気絶。筋肉の痙攣と単攣縮;麻痺した部分の痙攣。てんかん;ひきつけ;体やの様々な部分、特に四肢の神経痛、熱で好転。多発神経炎を治している。

 落ち着かない睡眠;睡眠中にはっと驚く;十分眠っていないように朝に感じるが、ほとんどの不調や痛み、特に頭の症 状は睡眠によって改善する;睡眠中歩く。右向きに寝る。左向きに寝ると心臓と脈に苦しみと痛みを引き起こす。夜遅 く眠りに落ちる;その日の出来事の事や貸し借りのトラブルの事を考え、目が覚めている。Phosphorusは前述の症状が あるチフス性熱の微熱の形において役立つレメディである。

 Phosphorusには多くの発疹がある。発疹は乾燥し鱗状;乾燥したぬかのようなヘルペス;血豆;紫色の斑点;胸と下腹部に黄色い斑点;麻痺した部分に蟻走感やカユミがある;皮膚のしびれ;体に不規則な茶色の斑点がある;膝や脚、 肘、まつげの乾癬;蕁麻疹と血瘤腫;蜂巣炎。消耗熱を伴う慢性的に化膿した開口部;瘻の開口部;生理の始まりに潰瘍の出血;深く浸食した潰瘍;無痛の潰瘍;悪性潰瘍。出血し、皮膚カビのような様相をとり、猩紅熱の微熱の形で、 発疹は非常にくすんだ色であるか消滅し、首の周りや体や指先の色々な所に化膿が始まり、冷たい水を激しく口喝し、 喉頭内が紫色に見え、乾燥した声枯れの体を揺らす咳がある癌性潰瘍に非常に役立つ。

Opium( オピウム/ケシ)

 Opiumの目立った特徴は、無痛、不活発、麻痺状態によって示される疾患である。少量を投与したプルーバーの多くは麻痺状態で、周囲に気が付いたり感じたりする事ができない、状態の本質をつかめない、物事を判断できない。視覚、味覚、触覚に関する戸惑い;自分自身に気が付かない;かなり多くの惑いを伴う 全感覚の曲解。

 一般的な特徴は無痛だが、Opiumの小さな一服は、多くの症例で作り出される痛みや眠気、動揺、神経質な興奮といった正反対の状態を交互に時々作り出 す。大多数は便秘だが、赤痢やテネスムスの人もいる。患者は眠いが、不眠、不安、音に対する繊細さが増すといった特徴が示される事もあり、そのため、壁を這うハエの音が聞こえたり、遠く離れた尖塔で突く鐘の音が聞こえたりすると言う。

 この相反する状態に関して、一般的に一つは一次作用で、もう一つは二次作用だと推測されている。これは本当で、例えば、ぼうっと したり、痛みのなさを示す人は、無感覚や動揺、不安、短気が増す状態に進むだろうし、また最初に感受性が高められた状態にある人は、次に従順な状態が来る だろう。過敏なプルーバーの中には服用後始めの1時間内に頭蓋底に痛みが出る事があり、そのため枕から頭を持ち上げられない;その事から麻痺する;痛みが 患者を押さえつける。ほとんどのプルーバーは大量を服用するまでは、この症状は来ない。この事は一次作用と二次作用として討論されて来た。あるものにとっての作用が、他方にとっては反応であるが、すべてその薬から引き起こされる結果であり、それに続く動きが そのレメディの症状である。

 不活発さと無痛が最も顕著である。活動のなさは、適切に選ばれたホメオパシーのレメディへの反応の欠如に示される。それは Sulphurと競い合う。ケースを研究する時、多くのOpiumの症状を見つけるだろう、そしてこのように示されている場合、不活発な状態からシステムを奮起させ、反応を起こさせる。

 潰瘍は完全に無痛で、粒状にならないし、浸食や広がりもない、繊細になるはずの潰瘍にしびれを伴うか或は感覚がない;Opiumは、高度の炎症部分の無感覚状態を治すことがよくある。

 麻痺状態または不全麻痺、部分的な麻痺;不活動、不活発。そのような状態が腹部にあるため、腹部が動かず、直腸にコロコロした固く黒い球が充満し、指や匙で掘り出せる。便を気張り出す事ができない。

 膀胱も同様の状態である。腹筋を使う事ができない;尿を絞り出せない;尿閉;括約筋が不全麻痺の状態にある。

 飲む時に、食道は全く動かず、液体が降りて行かないで、鼻から出るように思える;不全麻痺;液体が間違った方向へ落ちるか鼻から出る。

 四肢と筋肉が弱い;弱さと麻痺。

 安らいだ状態がよく見られる。一人でいたい。病気でないと言うが、40度から41度熱があり、焦げるような熱い汗、脈が速い;うわごとを言う。加減はどう か、と聞くと、すごく元気で幸せだと言う;痛みやうずきがない;何も欲しくないし、症状がない。しかし患者は排便も排尿もしていないと看護人は言う。顔は ぼっとして見え、むくんで紫色;目はどんよりし、瞳孔は収縮している。頭は混乱状態にあるが、質問に答える事ができる。あるいは、精神面の症状の方が顕著 で、身体面の状態はあまり目立たない;マインドの混乱、精神錯乱、多弁だがこれは滅多になく、普通は刺激された時だけしゃべる事の方が多い;患者は何も言 わなかったり、何もしなかったりするような昏睡状態。精神面が幸せな表現を伴う精神錯乱。

 胃は過度に暖かい状態で、沈下し、空っぽ、空腹、そして、この事は食べる事で楽にならない。満腹感があるが、気のない感じが残る。食べ物は胃の中で酸味があ り、吐く。これ以上食べられない。冷や汗で覆われる;吐き気、むかつき、続けて吐く。この吐き気は アヘンかモルヒネを服用した後に来るやっかいな症状だ。長引く嘔吐と吐き気。胃に何も入れる事はできないし、嘔吐を止めるものは何もない。ホメオパスは Chamomillaを使う事を知っている。その一服ですぐにすばらしく楽になり、極端な沈みと吐き気は止まる。

 病室では、天然のアヘンを決して使用しない。手術で必要ならば使用する事は認められているし、手術に関して論争する事はないだろう。しかし、疾患や病人にはそ れは必要ない。使っても役に立たないし、最終的には危害を与える;ホメオパシーのレメディを見つけるのを妨げる。それは症状を覆い、ケースをだいなしに し、何日も何もできない。

 アヘンは非常に乱用されて来たし、非常に学ばれても来たが、個別化した症状が得られないため、その乱用はプルービングにおいてあまり役立って来ていな い。大量の投薬は粗野な効果を引き起こすため、時には役立つものが得られる。たとえば、いびきを伴う脳卒中、顎がはずれる、瞳孔が広がるか収縮する(一般 には後者)、顔に斑ができる、紫色、または熱い、熱い汗、片方が麻痺する。そのようなケースを診て、患者は麻痺した事があるか、アヘンを使った事がある か、落ちて怪我した事があるか、酒にふけった事があるかどうか不思議に思い、見分けるために検査するだろう。これは機能的な問題であるが、脳に血液の圧力 がある。これで死にはしないだろうが、後に凝固した部分の周辺に炎症作用が起きる。Opiumは脳に血液を流し、ホメオパシー的に投薬する事で血液の凝固 を抑制し、6時間以内に患者は正気に戻り、皮膚は冷え、顔は普通の色になり、脈は普通になる。このように、卒中のイメージを与えるケシの天然の効果が役立つのが 分かる。

 後頭部に神経質な頭痛が始まり、顔中に広がる;朝に悪化する。頭蓋底で激しくズキズキする痛みで、まるで頭が枕に押さえつけられるように感じ、起き上がると、もう二度と横になれない。女性によくあるのは;偽りの多血症;興奮しやすい;妊娠期や生理中;頭痛。患者は座って横になれない。朝痛みが始まり、非常 に激しいので動けない、ウィンクできない、頭を回せない、ギーギーきしる音や時計のチクタクいう音に我慢できない;顔に斑ができる、紫色、青色;目は充血 している。この患者から症状を得るのは難しい。Opiumがすぐ楽にしてくれるだろう。

 しかし最も大きな問題は痛みがない事だ。

 酔っぱらいの風貌で、ぼうっとしている;ぼうっとした顔つきで熱がある。恐ろしい不安を伴う譫妄振戦、嘔吐、うっ血した頭痛、収縮した瞳孔;飲酒後のひどい頭痛、疲労困憊;床から出られない;譫妄。疾患のほとんどは昏睡を伴う; 卒中のような昏睡になる、奮起できない。

 Opium患者は、ひきつけが多い。患者は覆われたくない、冷たい空気や新鮮な空気を欲する。部屋が暖かすぎると、ひきつけが起きる。硬直性発作;頭を後ろへ反らせる;脳脊髄膜炎。 脳脊髄膜炎のケースではひきつけが近づくのが見られる、硬直性発作、頭を後ろへ反らせ、布団を蹴り、涼しい部屋を欲する;肌が赤く斑がある、瞳孔が収縮す る。もし引きつりを楽にさせようと、母親が子供を熱い風呂へ入れたならば、意識がなくなり死んだように冷たくなる。そのようなケースを診るように呼ばれた 場合、Opiumを確実に与えれば、12時間以内に静かな状態を見て驚くだろう。この点ではApisと競い合う。産褥痙攣。

 この体質において精神面の状態が現れる。恐怖及びその結果。Opiumの患者がそれほど低能でない場合、まるで飛び上がって驚いたように立ち上がる、 すさまじい恐怖や不安な様子で立ち上がる。アヘンを吸ってきた人は不安と恐怖に圧倒される。もし突然犬が飛びかかったら、痙攣を起こし、下痢になり、ある 種の発作を起こし、恐怖が去るまで何日も何週間もかかるだろう。恐怖が残る時、または恐怖観念が残る時、或は目の前にそれがやって来るため、恐怖から疾患 が起きる。妊婦は恐がり、流産しそうで、目の前に恐怖がずっと立ちはだかる。恐怖でてんかんになった経歴がり、 発作前にその事物が目の前にやって来て、激しい驚きの恐怖が残る。ヒステリーのような発作;下痢または時には便秘を伴う身体的なショック;尿の残留または 結果として生理の流れが戻る、或は生理が何ヶ月も止まる。このような状態でひどい恐怖心を持ち、目の前に恐ろしい事物が存続する。

 Opiumのプルーバーが麻薬の作用から抜け出て来る時、恐ろしいイメージや黒い姿形、悪魔のビジョン、火、幽霊、誰かが自分を運んでいたり、殺人を見るたりする。一部が大きくなったり、自分が張り裂けてしまうように想像する。

 また、身体は健康であるという感覚がある;大きな幸福感がある;投薬後、最初の1時間で自信に満ちた状態になる。そのため、突然の喜び、怒り、恥ずかし さ、突然の恐怖から疾患が来る。Coffeaはよく似た至福の状態がある。Opiumにおいては心身共に至福の状態がある。OpiumとCoffeaは関 連している;お互いに解毒する。

 アヘンを吸う人はウィスキーを飲む人のように、生まれつき嘘つきである。自信が全く残っていない。

 「音、光、わずかな悪臭にひどく敏感」「頭痛を伴う眠気、ほとんど昏睡状態になる」「 消耗症;しわの寄った子供で、少ししなびた老人のように見える;昏睡」

 鉛中毒の老齢者の症例。 Pulsatilla はアヘンの乱用の結果生じる下痢を治す。

Cantharis(カンタリス/スペイン甲虫)

 この薬の最も重要な特徴は炎症状態であり、炎症で最も重要な特性は、壊疽の状態に進む速さである。炎症状態は普通何日も限定されたコースをたどるが、この薬がその部分に施されたり内服したりすると、炎症状態は非常に迅速にその部分の死を終結させる。内服するとほとんど迅速に進展し、尿路に作用し、尿毒性の状態を確立し、それが精神面の症状をもたらす。局所的炎症状態が非常に迅速に起こり、このため患者は非常に速く激しい病気になって倒れる。毒性効果における強い投与から、ビクッと驚き、ただならぬ症状になり、有機組織全体は混乱し、痛ましい症状が通常尿路にある。その部分は初期から壊疽になる。

 精神面の症状は顕著である。その中でも指針は、赤い顔をして突然意識がなくなる事である。突然ボーッとする。心の混乱。変わった考えに圧倒される。考えが猛威をふるい、まるで外の影響に取り付かれているように、考えは行きたい所へ行く。

 頭は熱く逆上し、せん妄状態で、かなり興奮して激怒し、まばゆいか明るい物から、或は喉頭に接触したり、狂犬病で水を飲もうとする事から発作が再発する。恐れと考えの混乱。心は炎症部分が示唆する対象に向かって走る事がよくある。膀胱と生殖器は炎症を起こし、その部分の興奮と鬱血が性本能で立ち上がり、そのためセックスの事を考えたり、性的な狂乱が起きる。激しい好色の狂乱や興奮は、それに一致する考えが付き添う炎症を伴って起きる。性本能は狂ってしまい、男性の勃起は痛く激しい。ペニスは炎症を起こし痛く、セックスをすると痛く、まだこの狂乱がある。横柄。冒とく。落ち着きのなさは、激怒の結果となる。落ち着きのなさは、患者を動かさせ続け、好色な狂乱と混じって、激怒やせん妄状態が起きる。Cantharisにおけるこの種の精神面の行いは、Hyos.やPhos.やSecalehisで起きる事に似ており、激しいせん妄状態が、性的な考えや話しと混じって起こる。いくつかの例では、我を忘れてわいせつな歌を歌ったり、人間の性器や尿や便を対象にした事をしゃべり、堕落した人同士を除いて、健康に話すのではなく、野性的な狂った内容の話をする。しかし病気で、慎み深い控えめな人や処女がそう話すので、どこでそのような言葉を拾って来たのか不思議になる。そのような症例では、看護婦と医者以外、皆外へ出すのがよい。愛する年老いた母親が泣き、手を絞って「どこで娘がそのような言葉を習ったんでしょう」と言う。娘さんを非難できない。それは単に尿路や月経機能の状態が、寒さや露出からもたらされたか、或は月経機能に関して娘が知るべき事や、卵巣や子宮や外部の炎症がどのようであるか、母親が娘に言わない事によってもたらされ、尿は燃焼して痛く、外部の炎症状態を引き起こしたり、尿は停滞し逆上する。そのような事がCantharisである。

 激しく、突き刺すような痛みの頭痛は、まるでナイフで刺されたようで、炎症状態は心を激しく捕らえる。

 レメディ全体を通して燃焼がある。頭が燃焼し、震え、突き刺すように痛い。精神状態における無意識とせん妄状態。側頭に燃えるような痛み。側頭と後頭が縫われるように痛い。脳の奥深く突き刺すような痛みがある。髪の毛が抜ける。

 頭と心の症状といっしょに来る事を除いて、目の問題だけが示される事は滅多にない。大きな水疱を伴う顔の丹毒。目の中が燃焼し、大気全体が黄色く見える。目が燃えるようにヒリヒリする。壊疽の傾向を伴う目の丹毒。目が熱く、涙でやけどする。顔や鼻筋の丹毒で目蓋を含む。この状態ではRhusの方がよく使われるが、激しい場合はCanth.が示される事がよくあり、Rhusより好ましい。Rhusは水膨れと燃焼があるが、Canthは2回の来診の間に、丹毒が黒くなり、浅黒く、迅速な変化が起き、壊疽が始まるように見える。 丹毒になった部分が燃えるように痛く、接触から皮膚の周りが燃える。Rhusではこうではない。Cantharisでは小さい水膨れは触られると火のように燃える。非常に軽くでも、発疹が触られると燃え、つまり、そのような発疹を、レメディが作り出すことができる。

 この患者が衰弱状態に入ると、青ざめ、ヒポクラテスのような顔つきになり、死亡する。初期の病型に一致し、壊疽でさえそうで、腸や膀胱、脳、背骨、肺の激しい炎症があり、沈んだヒポクラテスのような顔つきをしている。肺の炎症、壊疽のタイプ、疲労、そして肺は、火のように燃えて影響を受け、すぐに死体のような臭いのする、サラサラし、血の混じった、水っぽい痰を吐く。それは驚くほど速く起こり、しばらくして死亡するだろう。鼻は縮小し、ヒポクラテスのような顔つきで、尿が抑圧される。長びく飲酒から覚めたある患者の事を、私は覚えている。前述のような状態であった患者を残して、私は夕方立ち去った。患者は口から血の混じったよだれを垂らし、死にかかっていた。泥酔でほとんど凍りついた状態から、一晩でこの状態になった。それはCantharisであるか、或は朝が来る前に死ぬかだったが、朝までに患者はさび色の唾液を吐き、うまく回復した。Arsenicは肺に燃焼があり、黒い唾液を吐き、肺炎の兆候があり、落ち着きのなさと不安とArsenic他の症状を伴うと、Arsenicがすぐそれを止めるだろう。このような激しいレメディは死ぬかもしれないような症例に必要とされる。

 喉に燃えるような痛みがある。ひどい喉の渇きがあり、喉と胃に燃焼がある。あらゆる液体を嫌う事を伴う喉の渇き、それは口と喉の切望が、精神面の状態に敵対している。喉の中では飲みたがっており、心は水を嫌がっている。胃や幽門や腹部が激しく燃焼している。腹部は腫れて鼓腸になり、刺すような、切れるような、突き刺すような痛みがある。腸内に迅速な炎症がどこに起きても、血に混じった粘液か血清の下痢が起き、胃腸から水っぽく、血が混じった液体が生じる。目からも同様の水っぽく、血が混じった液体が生じる。そしてこの水っぽい液体が皮膚に触れる時はいつでも、燃えて皮を剥ぐ。血の混じった尿。

 排尿中に排便したくなる。患者は尿と便を排出するため、激しいテネスムスで便座に座り、もう数滴の尿か、もう少したくさん血便を出せさえすれば楽になるのにと思うが、安堵感はやって来ない。あらゆる部分が炎症を起こし燃えている。テネスムスと駆り立てられるのは、膀胱が空の時だけでなく、膀胱が一杯の時もある。尿を溜める。何も出ないか、或いは1〜2滴出る。膀胱の激しいテネスムス。テネスムスを伴う切るような痛み、刺すような痛み、ナイフで突き刺されるような痛みが、膀胱の頸部にある。様々な方向に痛みが噴射する。頻繁に駆り立てられるのを伴う激しい痛み。テネスムスが続く。不安な状態と逆上が起き、非常に激しい苦しみと排尿と排便に駆り立てられ、極端にかき立てられる性的過敏症を伴う。泌尿器と生殖器全体が炎症と壊疽の状態にある。排尿時に燃える。この血尿は、膀胱内と性器の周りで火のように燃える。尿を溜めるか抑圧する。 淋病にかかっている人に、膀胱と直腸の燃焼とテネスムスを伴うこの激しい炎症が起きるのは珍しいが、そのような症例では、このレメディは示されない。激しさと迅速さが、このレメディの特徴である。それは痛みと興奮をもたらし、その事は他のレメディには見つからない。その次に来るのがMerc. cor.である。

 女性では、あらゆる部分が過敏である。卵巣と子宮の炎症。膣の中が燃える。膜様月経困難症。月経が早く来すぎ、多量で黒い。

 産後の痙攣。遺残胎盤。燃えるような痛み。後産を排出するための娩出陣痛がなく、このレメディ全体を入る症状がある場合、それを投与してから、粘液の娩出を伴い、子宮の正常な収縮が起きる。

 腎臓と背中を通じて、激しく刺すような痛みがある。腰と腹部に痛みがある。排尿時に痛むので、1滴だけ排出する時に、うめき声を上げて叫ぶ。

Calendula(カレンデュラ/キンセンカ)

 Calendulaのプルービングはほとんど価値がないため、現在のところ、レメディーの内服への指標として使う事は期待できない。私がそれから取り出せたものは、ほんの少ししかない。裂傷を伴う切り傷、表面のまたは開いた傷といった傷において、Calendula は無視できない。局部的に使われた希釈したCalendulaは、傷が臭わないようにし、膿の量を減らし、まさに最善の方法で肉芽を形成を助け、このように表面の傷を癒すのに、の外科医を援助する。Calendulaは、開いた傷口やひどい裂傷に必要とするだろう鎮静剤の全てである。局所的な痛みと苦痛を取り除く。我々は今、有機組織に内在する一つの状態のためでなく、それなしの何かのために存在する状態を扱っているのが、たやすく見えるだろう。マリーゴールドほど、外傷をこれほど美しく治すものはない。これはホメオパシー的でないと言う者もいるだろうが「小事にかかわって大事を怠るなかれ 」という人もいる。もし体質的な症状があれば、医薬品を全て一時的に止め、体質的な症状に全ての注意を向けなさい。処方するための体質的な症状がない時もあるが、そうであれば、他に何もなく局部的に清潔にするためだけに用いなさい。レメディーへと導いてくれるのに必要となる症状を抑圧してはならない。

PAGE TOP