Cocculus Indicus (コキュラス/インディアン毒ツヅラフジ)

 一般的な症状とマインドをいつものとおり調べよう。Cocculusは心身の活動すべての速度を遅くし、麻痺性の衰弱のよ うなものを作り出す。 すべての活動において遅れがある。神経の印象はすべて中心に到達するまで時間がかかる。この 患者の足の親指をつねったら、さっとそうしないで、1分待ってから「ああ」と言う。質問ににゆっくりと答え る、明らかに沈思するが、沈思するのに努力が必要。そして、神経系の現れ、考え、筋肉活動も同様だ。衰弱してい る;疲れているので、どんな筋肉も努力できない。まずこの遅さが来て、それから目に見える麻痺状態のようなものが 来、そして完全に麻痺する。それは局部或は一般的であるかもしれない。このような効果を作り出す原因がある。夫の 世話をしている妻、父親の世話をしている娘が、不安や心配、寝不足で精根尽きている。疲労困憊;いかなる精神面ま たは身体面の努力も続けられない;膝が弱い;背中が弱く寝る時間になると眠れない。このようにやって来た病気は、 Cocculusの毒で引き起こされるものと類似しており、そのためCocculusはハーネマンの時代から現代まで、世話からの 不調のためのレメディであり続けて来た、プロの看護婦に来る不調と同じとは言えない、というのがCocculusはいらだたしさや不安、長引く睡眠不足の組み合わせを必要とするからだ、それはちょうど世話をしている母親か娘、或は患者 の家族によって感じられた不安を取り込んでしまった看護婦のよう;チフスまたは長引く病気の間、夫を世話している 妻。しまいには心身疲れ、眠れない、うっ血性の頭痛、吐き気、嘔吐、目眩がある。それは Cocculusの症例がどのよう に始まるかを示している。このように心身共に疲労困憊している人は遠乗りに行くと、吐きそうな頭痛になり、背中が痛くなり、くらくらし吐き気、嘔吐。車に乗り走行すると吐きそうな頭痛が来る。1~2マイル走ると吐き気、嘔吐、吐き そうな頭痛があるだろう。そこここが弱く感じられ、まるで沈んでしまうような感じがする。

 Cocculusの患者は車に乗ると、吐きそうな頭痛、吐き気、目眩がする。Cocculusの患者は動きに我慢できない。話し、 動き、目の動き、乗物に乗る事で悪化。物を見るために頭を注意して回すのに多くの時間を欲する。動かす、考える、 何かをするために多くの時間を欲する。有機組織全体がゆっくりになり、不活動。

 震える、疲れる、興奮した。何かを持つ時手が震える、或はぎこちなく持って落としてしまう。このレメディ全体に. 協 調不能が走り、そのため脊髄ろうにおいてよい効果を伴い使用されて来た。よろめきと、しびれがある。しびれはこの レメディの大きな特徴だ。下半身、手の指、肩、顔の片方のしびれ。 不安から不調。

 神経系の極端な苛つき。ほんの少しの音やきしむ音に我慢できない。 Bell.がきしむ音から悪化するのは聞いた事がある だろう。Cocculusもそうで、まさにBellのようだ。Cocculusはまた不眠や他の一般的な状態においてもBelladonnaのよ うだ。船酔いや目眩のこのような感覚は、体全体に感じられる事がある;意識喪失または麻痺性硬直が後続する事があ る。関節の硬さはCocculus.に共通した特徴だ。この事は一般的に四肢に属する。しかし、それはここで私が話す強い症状がある。四肢はまっすぐ伸び、しばらくそうしておけるが、曲げると痛い。不安や疲労困憊で苦しむ人は仰向けに寝 て、四肢をまっすぐ伸ばし、非常に起き上がりにくい。 医者がやって来て何が問題か見つける。医者が四肢を曲げると 患者は叫ぶが、曲げてから楽になり、そして起き上がり動き回る。他のどこにもそのような事は見つからない。全く炎 症がない。それはある種の麻痺性剛直、心身の疲労の麻痺。Cocculusの頭痛や背中の痛み、痛みや苦痛がある。ある人 は椅子に座って脚を伸ばし、曲げる事ができず、それを手で支えて下ろす。これは特異だ。体を動かして気を失う、腸 の痛みから気絶、疝痛から気絶。思考と動きが遅くなる事すべてを伴い、患者は苦しみや痛みに過剰に敏感であり続ける。

 電気ショックのような体を通る発作、睡眠不足から痙攣。この患者は痙攣が起こるまで、神経質、興奮、不安、睡眠不 足を伴って進む。破傷風。コレラ、麻痺性の弱さで痛みを伴う、顔面麻痺、目の麻痺、そこここの筋肉の麻痺、四肢の 麻痺。ジフテリアでさえ、睡眠不足や不安のために先に述べたようなそっくりな状態を起こす事は知られている。何年 も前のある注意深いホメオパスによって処方された、下半身麻痺のある症例を思い出す。それは、私が初期に処方し観察して驚いた事だ。それは、ジフテリアにかかってから下半身麻痺を患った小さい女の子の症例で、希望がなかった。 しかし、モーア医師(当時80代だったが)はその症例を調べた。私はその家族と医師をよく知っていた。医師はその 症例を注意深く調べCocculus c.m.を与えた。何日も経たないうちに、その子供は脚を動かし始め、状態は完全に治 り、私のそれに対する驚嘆は決して消える事はなかった。それは、症例の要素すべてに関連した、完全なるよい処方 だった。モーア医師はリッぺとヘリングに師事していた。

 世話をしている時のような心配や寝不足から、精神活動が遅くなった時、何が来ているのかほとんど見る事ができな い。マインドは低能に向かっているように現れ、真のCocculusの症例を見ると、マインドがほとんど空白のため、この 患者がこの1~2年精神異常が増えていないかどうか、あなたは考えを巡らせる。患者は空を見て、ゆっくりと目を質 問者に向け、答えにくそうだ。チフス性の発熱において神経疲労が起きる。それはPhos. Acidに非常に近く、この2つの レメディを慎重に個別化せねばならない。時間が早く過ぎる。それが一晩中だったと気が付く事ができない。1週間が 過ぎ、それが一瞬にしか思えないで、非常にぼうっとしている。理解が遅い;自分の考えを表す的確な言葉が見つける 事ができない、マインドの働きが非常に遅い;何があったのか思い出せない;今ちょうど読んだ事を忘れる;話せな い; わずかな音に我慢できない;わずかな収縮に我慢できない。 舌は応答しないだろう。マインドの混乱があり、発音 が難しい。考えがマインドにやって来て固定する。それを変換したり動かす事ができないで、そこに居着き、もし患者 が話せば、患者はそれはその人が持っている物と同じ考えだとあなたにわからせるよう、何かを話すだろう。そのよう に低能状態であるように現れる。目眩を伴う精神面の混乱。ほとんどすべての精神面の症状を伴い、目眩がある。明ら かに無意識状態にいるが、起きている事はすべてわかり、覚えていて、何が起きていたかを表現する事さえあるが、ま ばたきさえできない;筋肉を動かせない。恍惚状態のように見え、顔に笑みを浮かべている。何が起きているかわかっ ているが、話す事或は誰かを認識する事はなく、筋肉が完全に緩む。完全に緩んでいるが、何が起きているか知ってい る。緊張性昏強硬症に似ている。考える事ができない。死への恐怖。何か恐ろしい事が起きそうだと感じる。このすべ ては、悲しみや不安、憤り、長引く不眠の結果である。 目眩は視覚的に吐き気を伴う。Cocculusの症例は車の窓の外を見られない、ボートから見下ろせない、水の流れを見れない、そうするとすぐ吐き気を催す。

 おそらく、諸君はもう頭の症状がどうか推測できるだろう。頭痛と共に目眩と激しい吐き気と胃の症状がある。馬車や 車、船に乗ってから、頭痛が起きる;動きから頭痛が起きる。動く物体に目を留められない;目眩、ぐるぐる回る、頭 痛。頭のうっ血。圧迫、ずきずきする頭痛。まるで頭蓋が破裂しそうな、或は大きな弁が開閉するような頭痛。目眩を 伴うむかつく頭痛。 また太陽の下で働く事から来る頭痛。馬車に乗ってからの吐きそうな頭痛。

 視界がぼんやりし、視覚の障害。目の筋肉の麻痺性衰弱、視力調節の筋肉も同様。顔が青白く病んだようになる。顔の 痛みや目眩、吐き気を伴い、死んだように白い。顔が裂けるように痛い。顔面神経痛。顔がむくんでいる。顔の筋肉が 震え単攣縮。顔の筋肉の麻痺。顔のしびれ。単攣縮、痙攣、しびれ、麻痺、裂けるような痛み。

 衰弱と神経疲労はほとんどの Cocculusの不調に伴う。

 胃の症状。食物への嫌悪。口内が金属味。口内が苦い。口の中が酸っぱい、吐き気を催させるような味がし、いかなる 食べ物も食べる気にさせない。微熱または「寒さ」を伴い病んで横になる。頭痛、目眩、吐き気。間欠性の熱、四肢、特に膝と脚の骨に痛みを伴う、特別な剛性、吐き気、食物の嫌悪を伴う。間欠性の熱またはチフスの初期段階において、 吐き気を伴う食物への嫌悪があった。ベッドの横に行き「患者に何を食べさせているか」と看護婦に尋ねると。患者 は悪ふざけをする。食べ物の事を考えると患者は悪ふざけをする。看護婦が患者に食べ物の事を言う度に、患者がいた ずらをすると看護婦は言うだろう。食べ物の事を考えたり、他の部屋や台所からの食べ物の匂いで、患者は吐き気を催す。 CocculusとColchicum の2つの薬にこの事が起きる。

 麻痺状態。食道の麻痺。呑み込めれない。「ジフテリア後の喉の麻痺状態」。微熱を伴う喉の痛み。熱はなくなった が、患者はそれほどよくなっておらず、多くの神経の振戦やしびれ、筋肉の単攣縮、ひどい衰弱。まるでみみずが胃を 這っているような感覚。胃痙攣。激しい胃痛、激しい胃痙攣。 ひどい腹痛、摘まれるような痛み、締め付けるような痛 み。腸の痛みは、まるで鋭い石に挟まれたように感じられる。このため気絶したり、吐いたりする。 腸内に疝痛:チフ ス性熱に見られるような下腹部のひどい鼓腸;ガスの溜まった疝痛。

 腸内に裂けるような痛み、切れるような痛み、痙攣性の痛み。下痢を伴う腸内の放射性の痛み。直腸の麻痺状態。便を 押し出せない。頻便で直腸が燃えるように痛い。排便したいが、上部の腸の蠕動運動が欠乏している。

 生理が多い、生理がすぐ来すぎる;長く続きすぎる。予定日の2週間前に月経が来る。悲しみや不安や、長引く睡眠不 足に打ちひしがれている女性において、生理が早く来すぎ、量が多く、長引く。頭痛、目眩、吐き気。腸内の激しい痙 攣性の痛み、生理中の子宮内の摑まれるような痛み。また、先に述べたような患者には、抑圧された生理、或いは何週 間も何ヶ月も生理が来ない事がある;または、生理の予定日に、多量の帯下が生理の代わりに来る。その女性はやつ れ、どんどん病み、萎黄病になる。顔は緑っぽい黄色、黄ばんだ土色。「生理の代わりに帯下」または「生理期の間に 多量の帯下」。

 心臓が弱く、脈がか細い。四肢に麻痺性の弱さ、しびれ、筋肉の痙攣、単攣縮、震え、感覚の喪失、力の喪失、四肢全 部の筋肉の弱さ。四肢にしびれや麻痺感。指と手のぎこちなさ。片手をもう一方の手で摑もうとすると、麻痺性の弱さ を伴う、移動するしびれ、或はもっと永続するしびれがあり、変わりやすいものもある;片方がしびれ、他方は麻痺す る事もある。脊髄ろうのような足の裏のしびれ;冷たい足。膝は弱さから折れる。歩行中よろめく、片側に倒れるそう になる。膝が硬い。下半身の麻痺、腰のくびれた部分から進む。寒さや水銀の乱用から起きる。剛直性やしびれや打撲 のような感じを伴う下半身の四肢の麻痺。

 長引く世話や夜通しの仕事から来る不眠;それは、諸君に頻繁に注意を呼びかけて来た症状だ。不安、怖い夢;睡眠不足や夜通しの仕事からの病気。「ちょっとした寝不足が影響する」。