Psorinum(ソライナム、乾癬)

 PsorinumはSulphurと関連しており、非常に似ている。患者は洗浄が嫌いである。よく洗ってあるのに、全身の皮膚、特に顔の肌が不潔に見える。まるで汚れがついているかのように、くすんで、汚く、不潔に見える。皮膚は荒れており、デコボコで、すぐヒビが割れ、亀裂から出血している。荒れて、うろこ状になる。きれいに洗えない。手の皮膚は荒れ、すぐあかぎれになる。分厚く、うろこ状になり、すぐヒビ割れする。小さなうろこ状の発疹が破れる。洗っていないように見える。患者はいつも手が汚く見える。皮膚の多くの病訴は、入浴や寝床の暖かさから悪化する。暖かくなると皮膚が痒くなる。ウールを身につけると痒くなる。寝床が暖かくなると痒くなり、表皮が剥げるまで、その部分を掻いて、かさぶたになる。治り始めると痒くなり、掻きたくてたまらなくなる。脚と腕を、表皮がなくなるまで掻いて、かさぶたになる。発疹がないのに、寝床の暖かさから、激しく痒くなる。皮膚は不健康で、汚く見え、薄汚れ、毛細血管と肥大した静脈で、覆われている。これは、発疹が現れる前の状態である。掻いてかさぶたができ、それから発疹が起きる。丘疹やニキビ、かさぶた、おでき、小水疱、発疹は、水っぽい湿気が滲み出る。しばらくして、発疹がなくなったら、かさぶたになり、小水疱が混じる。皮膚が分厚くなり、固くなり、新しい群れが、古いかさぶたの下にでき、表皮が剥げたようにヒリヒリし、痒く、チクチクし、這うようで、血が出る。

 頭皮や顔の発疹。かさぶたが頭皮を覆い、髪の毛が抜け、滲出液がかさぶたを持ち上げ、新しい小水疱を露出する。それは皮を剥いだ牛肉のようで、ヒリヒリする。そのため、子どもはそこから指を離せず、夜に悪化し、暖かい部屋で悪化し、暖かい物や空気を通さない物は何でも、当たると悪化し、涼しい空気で改善し、覆うと悪化する。この事はPsorinumの外気で悪化するという、一般的な状態に反する。外気を嫌う。

 発疹が出続け、広がり、元の皮膚が盛り上がり、分厚くなって、固くなり、どんどん弱まり、赤くなる。滲出液は、死肉や腐敗した肉のような不快臭があり、滲み出る液体からの悪臭で、吐き気がする。

 前述のような、特徴的な不快臭は、Psorinumを貫く。強烈な臭いの悪臭、悪臭のある息、分泌液と皮膚から出る滲出液は、死肉のような臭いがし、便も非常に臭いので、家中に、下痢の悪臭が広がる。夏の疾患である小児コレラは、汗が臭く、帯下は、異常な不快臭を漂わせる。おくびは、まるで固ゆでの卵を食べたかのような臭いで、それが腐っていて、他の人にもそのように臭う。便はガスが出、おくびは、腐った卵のような味がし、見るからに不快で、臭いは薬が必要な人の物である。

皮膚は、どんどん分厚くなり、出血し、発疹が他の部分にも広がる。唇の発疹や性器上の発疹は、非常に不快な臭いで、痛く、肛門の辺りは、表皮が剥ける。外陰部に潰瘍ができ、非常に不快な臭いである。脚の潰瘍、脛骨上の潰瘍、手の甲の潰瘍、足の甲の潰瘍、耳の後ろや上の潰瘍、頭皮上の潰瘍、頬骨上の潰瘍、小鼻や鼻の上、目蓋の潰瘍。油っぽい皮膚。発疹は、鼻や口や目蓋や目の、粘膜の赤味を伴う。目蓋は、分厚くなり、めくれ、眼瞼外反のよう。粘液の肉芽組織や、硬化が起き、そのため、軟骨のようになる。角膜の潰瘍;涙目;目蓋がめくれ、目蓋は、まつ毛がなくなる。赤い目で、恐ろしく見え、顔に発疹ができ、赤い皮膚から、黄色いべとついた分泌液が、滲み出る。浸出液は、初期には白っぽく薄いか 白っぽくべとついている。古い発疹においては、かさぶたの下に潰瘍が起き、べとついた、黄色い膿状の分泌液がでる。黄緑色の分泌液が、目や鼻から出る。鼻から、ひどい不快臭のある分泌液が出る。鼻から、ベトついた分泌液が出る。Merc.やSil., Calc. p., Hep.のように、不快な臭い。目の中に、悪臭を放つ膿が溜まる。

 べとついた、黄色い分泌液を伴う、鼻風邪。いつも、風邪をひいている。鼻風邪では、鼻が乾燥し、切れる時もあれば、鼻水が出る時もあり、ティシュペーパーを、ずっと使い、ずっと鼻をかまねばならない。鼻風邪の初期では、ずっと鼻をかみ続けるが、分泌液がなく、楽にならない。この状態は、非常に顕著なので、秋に発生する継続性の花粉症だ、と思う人もいる。これは、花粉症に親密に関連し、秋に鼻が詰まり、目と鼻にカタルの状態が起きる。花粉症は、レメディーを合わせるのに大変困難な状態の一つである。それは、花粉症が消える前に、作り上げられるべき、軽度の体質に属する。それは1年に1度起きる乾癬の表現であり、乾癬マヤズムが変わらねばならない。数年内に、大部分の対象は変化するが、一つの季節では起きないので、がっかりしないように。カタルの状態における花粉法は、微熱が不適切に扱われた時に、戻ってくる事がよくある。

 乾癬患者自身は、衰弱している。少し歩いただけで、家へ帰りたがる。外気で悪化する。外気中で息ができない。立っている間、息ができない。家へ帰りたがり、そして、横になれば呼吸できる。患者が家へ帰って、横になったら、呼吸できても、喘息や心性呼吸困難が起きる。通常、この状態は、きちんと座わる事や、外気で改善する。Psorinumでは、あまりないのだが、暖かい所にいたがり、横になって一人でいたがる。

 Psorinumは、その機能すべてにおいて、スローダウン、不全麻痺の衰弱の状態になる。発熱後、回復せず、消化が遅く、便は普通だが、押し出すのに力がいる。膀胱は、尿が一杯にたまっているが、排出が遅く、幾分残っているように感じ、便や尿をなくす事が、全くできず、4〜5回トイレに戻らねばならない。便は柔らかく、完全に正常であるが、1回便座に座るだけでは、出す事ができない。

 乾癬患者は腸チフスにかかり、チフスは止まっているか、または、その経緯をたどって、回復期にある。熱は和らいでいるが、患者は食欲がなく、健康は回復しておらず,横になりたがり,動きたくない。まっすぐ座ると悪化し、仰向けに寝て、厄介な呼吸をし、腕を脇から外転させて横になり、寝床を横切って寝ると、呼吸が楽になり、胸が適切に機能する。非常に疲れ,非常に弱っている。Psorinumの一服で反応が起き、発汗がおさまり、食欲が増し、呼吸がよくなる。

 Psorinumの入り組んだ症状は、レメディーで向上できるが、それは短期間であり、その後、症状は変わり、別のレメディーを選ばねばならない。それは弱い反応の状態である。

 精神面の症状は、ある強い特徴を示す。悲しみ、失望、頭上の雲から、刺す光りが見えない。自分の周りは、すべて暗闇である。自分は仕事に失敗して、貧しい家に移るとか、恩恵の日から離れて、罪を背負うと思う。日中に、固定観念が起き、夜はその夢を見る。圧倒する悲しみ、失意のまま、家族の中で、喜びが見出せない。これらの事は、激しく感じられる。仕事は成功しているのに、まるで貧しい家へ移るかのように感じる。喜びもなく、利益にも気づかない。極めて苛立ち,一人になりたがる。洗いたくない。不安だらけで,自殺さえ考える。自分の病気の回復を、諦めている。

 発疹がないのに夜、継続性の痒みで 絶望に陥る。 布団をはぎ、その後に凍える。布団をかけたら、痒くなる。寒さに敏感であるが,皮膚は、熱で悪化する。まるで、皮膚の中に、虫がいるかのように、まるで、蟻が這って表面を走るかのように、ヒリヒリし,痒く,蟻走感があり、特に、外気中に出ると、すぐに目眩がする、衰弱した人に合う。目が回り、家に帰りたがり、息が切れるのでは、と恐れる。

 老齢者の、慢性周期性の、空腹を伴う頭痛、そして、その空腹感は、頭痛の間中、続く事がよくあり、夜、何か食べたくて、起き上がらなければならない。食べる事によって、頭痛が増す事もある。食べなかったら,頭痛が起きる。激しい血流が頭に流れ込み,顔が熱くなり、汗で髪の毛が濡れ、お腹が空く。1,2、3週間毎に、再発生の頭痛が起きる。頭上を空気が流れる度に,カタルが緩み,頭痛が起きる。風邪をひくと、鼻風邪か、または頭痛が起きる。頭痛は激しく、ズキズキし、まるで、小さい金槌で突かれるかのようで、顔は赤く、熱く、時折の発汗で、頭が鬱血する。冬に、乾燥した咳をする空腹の頭痛。乾燥し、しつこく、激しい咳が出るが,痰はない。咳が消えると,周期性の頭痛が起きる。このように、症状は交互に起きる。頭痛がなくなったら、咳が出るか、あるいは、冬は、痰が頭痛と交互に出る。

 頭皮は冷たく,夏でも、毛皮の帽子をかぶり、頭を覆わないと、悪化する(Sil.)、髪を切って、前部が悪化 (Bell., Glon., Sep.)。Heparもまた、寒さから悪化する。

 冬に、湿疹や乾癬になる。乾燥した寒い気候や、冷たく湿気た気候、冷水で洗って、皿洗いから、湿疹が悪化する。

 「髪が乾燥し、光沢がなく、もつれやすく、互いにひっつき,常に櫛でとかねばならない」。

 慢性の悪臭のある耳漏、べとつき、化膿した,悪臭のある、黄色い分泌液が、耳から出る。臭い肉のような臭いがし、分泌液が出続け、耳の周りや、後ろに、発疹がある。猩紅熱からの分泌液。中耳の膿瘍、中耳炎、鼓膜の破裂、このような膿瘍から、長引く分泌液、悪臭のある分泌液。「頭痛を伴う耳漏がある。薄く、膿があり、腐敗した肉のような、恐ろしい不快臭がし、非常に臭く、化膿しており、茶色で、左耳から不快臭があり、ほぼ4年続いている」。耳漏は、水っぽく、不快臭のある下痢を伴う。耳の中に、ふけがあり、耳の後ろに、湿気たふけがある。

 歯。慢性歯周炎。歯が緩み、歯茎が沈み、海綿状で,血が出やすく、湿気ており、青く,歯が抜ける。舌の周りの潰瘍。嬰児に見られる潰瘍、アフタ、鵝口瘡、潰瘍のある口の痛み、喉の痛み、喉の,慢性化した潰瘍。慢性で分厚くなったり、伸びた口蓋垂。扁桃腺や耳下腺、顎下腺の肥大。それらは硬くなり、触ると感じやすく、風邪をひいてからの腫れ。首の腺が痛む。

  慢性腹部疾患で、便障害を伴う。患者は、柔らかい便を押し出す(Nux moshata., Alumina)。慢性の下痢は恐ろしく臭く、昼夜、頻繁に、便が出る(Sulphur,のよう、最も似ているレメディー)。正常な便を出すまでに、数回トイレに行かねばならない)。

 慢性嘔吐:胃潰瘍、胃の膨張は、関連している事がよくある。いつも、酸っぱいおくびが出る、酸性の胃。喀血や血便。この事は、変な事ではない、というのは、Psorinumは、出血の傾向があるからだ。特に子宮からの出血がある。 あらゆる種類の、月経不調,特に、月経が長引く。流産を経験し、胎盤が出たが、数日毎に、鮮血と血餅が出たり、何日も何週間も、鮮血が少し滲み出たりする。回復する度に、新たに流血が始まる。永遠に、回復する傾向がない。この状態に合うレメディーは2つあり、SulphurとPsorinumである。.弛緩と、準退縮の、顕著な状態。子宮が、普通の大きさに戻らず、このような、出血の傾向がある。無力症の状態。

 「柔らかい便で、排出しにくい」この事を忘れてはいけない。頑固な便秘。直腸からの出血。小児コレラの初期に、便がひどく臭く、消化不良である事がよくあり、嘔吐や長引く衰弱があり、子供自体が、臭い臭いがする。子供が汚く、鼻が沈没し (Ant. t.)、くぼんだ顔つきをしている。Psorinumは、反応を起こさせ,治すか、或いは、たった一つのレメディーが、完全に治癒する状態まで持って来る。それはHeparの酸っぱさではない。洗っても子供は酸っぱいミルクのように、とても酸っぱい臭いがし、おむつも、尿も,便も,汗も酸っぱい。これがHeparの、一般的な強い特徴である。便が、腐った卵のような臭いがし、痰やガスも、同様である。便の臭さはひどいが、Baptほど広がらず、Baptの便ははべとついた粘土状だが、Psorinumの便は、水っぽく,茶色で,ほとばしり、血が混じっているかもしれない。早朝,急を要する慢性の下痢。熱いガスが肛門から出て,腐った卵のような臭いがするのはArn.とStaphである。不随意に、便が夜に出る。(Chinaは黒く水っぽい便が多量に夜と食後に出る)。Psorinumにおいては、Sulphurの急を要するものと、OleanとAloeの腸内ガス、そしてAluminaやChinaやNux moschのように、柔らかい便を排出しにくいものが、見つかる。

 Psorinumの症例の中には、衰弱が起きる事がある。生殖器の虚弱。女性においては、性交を嫌らう事は異常な事ではないが、男性は、性交を嫌がる不調にはあまりならないものだ。だが、男女とも実際嫌悪があったり、楽しめない状態がある。その行いを演じる事ができるが、勃起に至るのも難しくないので、インポテンツではないが、楽しめない。インポテンツは、その後起きる。「勃起しない。その部分はたるみ、活気がない」「セックスを嫌がる。インポテンツ。性交中に射精が欠乏」「前立腺の体液が排尿前に出る」。

 老齢者の慢性尿道炎の膿が、「最後の一滴」に出て、性器はたるんで、冷たく、よく選ばれたレメディーを投与後、白か黄色の膿が出る(Sepia, Sulphur, Alumina, Psorinum.)。生殖器に通常、不快な臭いがある状態であったら、他の何よりもPsorinumが示される。悪臭は、吐き気がするほど臭く、甘い特徴があれば、Thuyaであり、いぼが、包皮を巻き戻す事によって露出し、洗っても、甘い臭いがする。

 Psorinumは、多くの心臓疾患を治癒する。ちょっとした労作で、動悸が起き、横になると改善する。縫われるような痛みは、横になる事で改善する。どちらか一方に、心雑音がする。僧帽弁に雑音がある。リューマチから起きる心膜炎。一般的な弱さ、くすんだ顔、ぼーっとした様相を伴う、心臓の症状。弱く,不規則で速い脈。

 しかし、モダリティを記録しなさい。外気で悪化、きちんと座って悪化、机に向かって座って悪化し、横になって、胸と呼吸器を休めたがる。喘息性呼吸困難は、横になって改善し、腕を体に近づけると悪化する。このような症状は、わずかなレメディーにしか見られず、Psorinumほど顕著でない。

 弱った状態。間欠性の、腸チフスの、風邪からの発熱。患者はとても熱いので、布団の中の手は、蒸し風呂に入っているかのように感じられ、熱気の感覚のため、患者は、後ろにそる。それはBelladonnaの乾燥した熱さでなく、激しい。それは蒸気である。発熱中、ゆだるような汗で、覆われる。頭と体は熱く、布団の中は、熱気か蒸気がある。(Opiumもそうだが、頭への激しい鬱血、卒中の状態における)間欠的に、呼吸が困難になる。家に帰りたがる。弱って疲労困憊し、手と膝を使って、階段を這い上がる。寒気は、それほど目立たないが、熱気は激しく,大汗をかく。 患者は、ほぼ意識朦朧とし、困惑し、うろたえ、質問に答えられない。顔は赤く膨れ斑点がある。「ちょっとした労作から、汗は多量に出て,冷たく、べとつく」。これは、弱って、動けない状態から起きる、別の形である。チフスの後、寝床で寝返りを打ったら、汗をかき、ちょっとした労作の後に、汗をかき、汗は冷たい。寝汗がひどい。布団の中が、ものすごい熱気の場合で、肺結核で寝汗をかき、熱い汗を多量にかき、精神面の状態はまるで放心状態のよう。

 消耗症で、皮膚がしなび、皮膚が汚く、洗ってもきれいにならない。腸から不快臭のある分泌液が出て、ひどく衰弱し、顔の産毛が増え(Nat-mur., Psor., Sulph Calc.)、洗っているのに、ひどく臭く、大食いだが、細い。 強烈な臭いを発する悪臭だったら、Psorinumを考えるといい。

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