Staphysagria(スタフィサグリア、ヒエンソウ)

 精神面の症状は非常に重要で、心に生じた印象と、心から体に生じた印象は、レメディとしてStaphysagriaに導く。興奮し、怒りに駆り立てられやすいが、滅多に癇癪を起こさず、かき乱され興奮しやすいが、滅多にそれを表す事はない。その病状は、積もりに積もった激怒や、抑圧された怒り、抑圧された感情から発生する症例に合う。抑圧された憤りや、憤慨を伴う怒りから、無口になる。これらの原因から生じた疾患としては、頻尿を伴う刺激を受けやすい膀胱で、抑圧された激怒からや、侮辱を受けてから何日もたっている。「他人にされた事や、自分がした事についてかなり憤慨し、結果について深く悲しむ」。

 ある男性は、自分の部下と知り合いになり、口論になり、口論は侮辱的になり、その男性はその人に背を向けてしまう。彼は帰宅してから苦しむ;その事を口に出さないでコントロールし、その事について苦しむ。眠れない夜が続き、何日も疲れ、神経が衰弱し、何日も何週間も、足し算も引き算もできず、書き間違えたり、言い間違えたりし、膀胱が過敏になり、疝痛などが起きる。目の間の重い感じを伴い、記憶が無くなる;それは頭の中の感じなのか、心の鈍さを表そうとする努力なのか、言い難い。まるで額に木の球があるかのように感じるか、或いは、まるで脳全体が木で作られたかのように感じ、無感覚に感じられる。心の状態なのか、頭の状態なのか述べるのは難しい。この額の中のしこりの感覚に伴い、まるで後頭部全体がへこんでいるように感じる;患者はそれを無感覚な感じとか、感覚を失っていると表現するかもしれない。

 「自慰の後の無関心さや、元気のなさや、心の鈍さ」。このような状態が、性的興奮や自慰、過剰な性交といった、心がセックスに溺れすぎている場合、Staph.がそれを治す。性関係の事を考える。この患者は苛立ち、疲れやすく、非常に興奮し、感情をコントロールせねばならないと、激しく苦しむ。健康状態にある人は、正しい事をしたことを知っており、容易に論争を避けるが、Staph.の患者が、自制せねばならない場合、頭から足まですべての部分が震え、声を失い、労働能力を失い、眠れず、頭痛が後続する。

 唇が青く、手が震え、心臓の辺りや至る所が痛いという男性が、私の事務所に何度も来たのだが、その人は自分はもう死ぬんじゃないか思っている。その男性は口論の事を話し、激怒を押さえつけており、Staph.がその震えを止め、彼を静めた。それがなければその男性は眠れない夜が続き、精神疲労で衰弱し、頭痛が起きていた事だろう。この状態は特に、過剰なセックスに溺れてきた人に属する。

 さて、次の状態だ。感覚はこれと同じく苛ついた状態にあるため、手の指先が過敏になり、耳は音に敏感、舌は味覚に敏感、鼻は悪臭に敏感になり、非常に過敏なため、すべてが痛みを伴って知覚される。小さな炎症部分のどれも、中心の敏感な点や、小さな神経の場所にあり、潰瘍は触られると、患者は自制心を失い、痙攣を起こす恐れがある。

 痔疾部の腫瘍は非常に敏感で、触れない。小さな神経腫瘍が皮膚に形成され、小さいポリープが麦の大きさに成長し、表皮が剥離し、湿気でおおわれ、赤く、炎症し、青く、ほんの少し触っただけで、患者は痙攣を起こし、昼夜苦しむ。イボが特に性器と肛門の辺りにでき、小さい丘が尿道と膣の辺りにでき、非常に敏感なため、もし指ではさんだら、特に女性の患者は痙攣してしまうだろう。

 Staph.は3つのマヤズムすべてに合う。

 このような神経質な状態は、病状すべてに共通している。心全体と神経系が苛立っているStaph.の症例を探すといい。

 Staph.の頭痛は、特にこのように神経質な体質では、後頭部と額に麻痺した鈍い痛みがある。「額に丸い球があるような感覚があり、頭を振ってもしっかりそこに居座っているようだ」。悔しさや憤りから起きる頭痛。

 頭皮に、硬く扁平の発疹がある。「頭皮が痛く敏感で、皮が剥がれ落ち、痒みと、ヒリヒリした痛みを伴い、晩、或いは暖かくなって悪化する」。かさぶたは、水っぽい滲出液で持ち上がり、剥離した表面は、接触に対し、極めて敏感である。

 目蓋や眼球の辺りの腫瘍は、触ると極めて痛い。マイポーム腺性の腫瘍(Con., Thuja)、苛ついた子供の場合(Kreos)。

 Staphの他の特徴は、腺への作用であり、瘰癧になった腺で、首の腺が肥大や、卵巣や前立腺の肥大と硬化、縫われるような痛みや裂けるような痛みは腺のあちこちにある。固さと慢性硬化。

 神経に沿って、また心臓に、縫われるような痛み、裂けるような痛みがあり、そのように神経質な患者において、心は心臓にあるようで、肋間の縫われるような痛みは、心臓にあるように思える。縫われるような痛みは、胸を通して背中まで直接行く。

 水銀の乱用後の扁桃腺の腫れ。慢性扁桃腺炎で、扁桃腺は大きくないが、以前、急性扁桃腺炎になった事から固くなっている;甲状腺腫の体質;不機嫌でイライラする。「痛みは食後に起きる」。

 Staph.の患者は、腸にかなり問題がある。慢性の下痢や便秘になりやすい。腹部に疝痛、単攣縮、裂けるような痛みがある。冷水や食事、憤り、怒りから下痢になり、腐った卵のように、ひどい不快臭のガスを伴う。「弱い病気がちの子供が、怒った後や、罰せられた後、感情の後に、慢性の下痢か赤痢になる」 (Coloc. and Cham.)

 Staph.とColoc.は互いに似ている。飲んでも食べても、ひどい腹痛と便を起こし、まるで、石が詰め込まれているかのような疝痛が起きる; 小腸や頭や前立腺におけるStaph.;小腸と卵巣の疝痛;どちらも怒りで悪化する。Caust、CoIoc.、Staph.は、Sulph、Calc.、Lycのようにお互いに後続する。

 神経質な女性が、結婚後すぐ痛みを伴う頻尿になり、極めて厄介な事になり、何日もそれが続く事がよくある。Staphが、新妻を非常に楽にする。終夜続く血尿は、ひどく苛立ち、裂けるように痛い;不随意に尿が出て、刺激性で腐食性、燃焼を伴い、動きで悪化する。薄い尿が多量に出て、燃えるようにヒリヒリし、駆り立てられる。排尿中、排尿後に、燃焼しヒリヒリする。

 Staph.は特に老齢の男性における頻尿で、漏れてイライラし続ける事を伴う、肥大化した前立腺を治している。「頻尿で、尿が少ししか出ないか、雫が出るだけで、まるで膀胱が、完全に空になっていないかのような感覚が、後続するかもしれない」。

 男性生殖器の最も痛ましい症状は、興奮しやすさであるが、インポテンスや、生殖器官のひどい衰弱も起きる;性欲は大いに増すが、性交不能である。自慰を長期間してきた結果に有用。。「射精後に、無念さや屈辱感、疲労、呼吸困難が続く。自慰または過剰なセックスの結果、記憶の喪失、心気症、寡黙、顔がやせこけ、困惑した顔つき、夢精、腰痛、しまりのない臓器、体温の欠乏、風邪をひきやすく、深くくぼんだ赤く光のない目、抜け毛;前立腺液の喪失と性欲の欠乏;睾丸に鈍く傷ついた痛みがあり、陰嚢が官能的に痒く、睾丸が萎縮」。極めて神経質な患者を思い浮かべるといい。

 性器の辺りに、乾燥した過敏なイボがあり、それは、淋病、或いは水銀の乱用から発生し、それでイボができやすい傾向になる。非常に赤く、不快なイボは、Thujaに属する。

 睾丸は、炎症を起こし、腫れると同様に、だんだん小さくなり、生殖器が衰える。

 まるで、虫が這ってるかのような感覚。女性外部生殖器に、何かが這うなどの感覚は、Coff., Plat., Petrol., Apis, Tarent. hisp,にある。外部は、まるで虫が咬んでいたり、這っていたりするように感じる一方、熱や冷たさで改善する。

 女性では、激しい性的興奮があり、過剰な心身の印象を伴う色情狂;心がセックスの事ばかり考えすぎる。「非常に鋭い激痛が、卵巣に起き、触ると絶妙に痛く、痛みは脚部と股に沿って広がる。

 生理は不順、遅延、多量、欠乏している時もある;始めは、薄い血が出て、後で暗い色になり、血餅がある。壊血病の体質で、膣のイボ、外陰がチクチクし、痒い」。

 心臓部に、縫われるような痛みがあり、神経の興奮を伴う、体の震えは、Staphのすばらしい兆候である。

 血液の喪失からの結果、外科手術からの結果、鋭い物でケガをして、切り込んだ傷。外科的な傷や切り傷における、刺すような痛みなど、内視鏡的結石摘出術の後、頻便、良心のとがめ、飲酒で悪化する。

 手の上に湿疹ができ、痒く、晩掻いた後に、燃えるように痛い;指先のしびれ;指に関節炎節ができる。痛風の結節ができていた患者を覚えている;その人は、特別な禁欲生活を送っており、売春に浸り、体を壊していた。Staph.はズボンのように見える、膝の高さの脚全体に発疹を生じさせた。それが減少するまで、外殻に1年間ずっと覆われた。しかし、この人の体は、どんどんよくなり、大きくなった関節も、徐々によくなった。発疹は黄色く、外皮が固くなり、しぶとく、レザーのようで、湿気た下部に持ち上げられた時、包帯のように切り取らねばなrなかった; この人は事実上、身体障害者であった;欠け落ちた部分に、新しい群れが出現した。外殻で切れるため、歩きにくかった。

 骨の疾患、外骨腫、骨膜炎。断食か衰弱した人の、急性関節性リューマチ炎で、痛みが移動する。水銀骨疾患。潰瘍、カリエス、鋭い道具で切って起きたケガ。夜骨が痛む (Asa f., Merc., Sil.)。

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