Sabadilla(サバディラ)

 Sabadillaの患者は、ブルブル震え、冷たい空気や、寒い部屋、冷たい食べ物に敏感である。しっかり包まれていたい;おなかを暖めるため、熱い飲み物を飲みたい。カタルの状態になりやすく、この時、患者はは熱気を欲する。喉のカタルの状態は、熱い飲み物や食べ物を要求する。冷たい物を呑み込みにくい;痛みを増し、呑み込みにくくなる。

 対象によって、レメディを調べる事はよくある。このレメディは、左から右へ移動し、すぐにLachesis.に関連するよい処方である。SabadillaとLachesisの、喉の痛みや炎症状態は、左に始まり右に広がる。しかし、Lachesisの痛みは、暖かい物で悪化する:それは、発作的な状態を引き起こし、息が詰まるような感覚を伴い、そのため、冷たい飲み物を欲し、それで楽になり、簡単に呑み込み、喉の痛みが改善する。一方、Sabadillaは、外部も内部も熱で改善する。 

 鼻のカタル性の状態では、くしゃみが続く;鼻は、ひどく赤むけた感覚がある;燃えるように痛い;鼻が詰まる。分泌液は、サラサラした粘液が始めにあり、後で、べとついた粘液になる。鼻風邪の様相がすべてある。鼻風邪は、熱い空気を吸い込むと、改善する。患者は、開いた暖炉や、風量調節装置の前に座り、頭を近づけ、熱い空気を吸い込む。鼻のカタルの状態が長引く時に、特に有効である;普通のレメディに従わない、長引く鼻風邪;延々と続く鼻風邪で、花の匂いで、分泌液が増える。花の匂いの事を考える事からでさえ、くしゃみが出て、鼻水も増える。色々な事を考える事で、病状が悪化する。

 花粉症の患者の多くは、花の匂いや、干し草の野原の匂い、枯れた野菜のような物の匂いに、敏感;ある人は、果物の匂いに、非常に過敏なため、りんごを家から持ち出さねばならない。ラベンダーのように芳しい匂いを吸い込む事は、何人かの花粉症患者には、耐えられない事である;季節によって、このような病気がもたらされる。さてSabadillaは、環境や匂いに、そのように敏感である;喉と、鼻の後部のカタルが増える。くしゃみをし、鼻から粘液が流れ出る;潰瘍にさえなる。定期的な発病;6月の枯草熱;8月20日頃の、秋に来る花粉症。花粉症は、短期的に働くレメディで、緩和される簡単な物である事がよくある;2〜3日で発病を終えるだろう。しかし、治癒は何年もかかり、患者はその合間に、その症状によって、治療せねばならない。花粉症の症状がある時、他の症状がない;ある時は、あるグループが現われ、別の時には、別のグループが現われる。しかし、患者は病気で、すべての症状をまとめて集め、症例は、それに応じて扱われなければならない。

 この人の苛立たしさの多くは、架空のように思える。心は、変わった物で満ちている。人や自分自身に関した想像は、変わっている。体がしおれ、手足が曲がり、あごが長く、片方が他方より長いと想像する。そう感じ、目に見えるにも関わらず、そう信じてしまう。それは、自分が信じる感覚であり、妄想で、精神の錯乱である。「自分の体の状態についての、間違った印象」」「自分は病気だと想像する;部分的に歪んでいる、と想像する;腸内ガスで膨らんだだけなのに、妊娠していると想像する;ひどい喉の痛みのため、死に至るのではと想像する」。その想像は、事実に基づかない;何もそう見えていないのに、何かが見えたら、もっとひどく苦しむ。このような患者は、共感がない事がよくある;彼らは、本当にレメディをとるべきだ。Thujaは、自分の体の状態に、間違った印象を持っている;ガラスでできていると思う;透明という考えではなく、むしろ、自分が、粉々に壊れてしまうのではないかという、もろい恐怖のためである。固定観念のレメディが、2〜3ある;これらの考えは、宗教、政治、衣服、家族や人生の事に関連している事だろう。かつて、私の所に、ある精神異常の患者がいたんだが、その人は、ある特定の色を身につけている人が、乗っている車から、逃げ去ってしまうのだ、というのは、それは、悪魔が、自分に入り込む色だ、という固定観念が、あったからだ。男性におけるPulsatillaの精神状態は、女性は、自分の魂に損失を与える、というものだ;それは妄想であり、固定観念である。Iodineは、固定観念であふれている。Anacardiumは、悪魔が、片方の肩に座って、ささやき、一方、反対側の肩には、天使が座って、ささやき、自分は、その間で、何も言わないでいる。

 「間欠熱の間の妄想」「知的疲労は、頭痛を悪化させ、眠りを作り出す」。考えたり、瞑想したり、本を読むと眠気が来る。椅子に座って瞑想していると眠りに落ちるのは、Nux moschata と Phosphoric acid.である。

 目眩。夜、目眩で、目が覚める。外気で、目眩;あらゆる状況で。多くの頭痛。片側の頭痛。患者の眠気を誘う瞑想は、頭痛をもたらす。学童女子の頭痛。頭痛のため、学校から連れ戻さなければならない、虚弱な子供が、学校や自分自身について、おかしな想像をして、家に帰って来る。頭痛は、ぼおっとし、前面の副鼻腔、目の上方にある鼻風邪と関連している。充満感、破裂感、ぼおっとする、不快感、くしゃみ、歩いて悪化する。鼻風邪を伴う麻痺性の頭痛。朝、そのために、しょっちゅう起き上がり、午前中、それが増す。頭は、冷や汗で覆われる。症状の多く、特に、病状を伴って、額に冷や汗をかく事においては、Veratrumにそっくりである。

 花粉症が、痙攣性のくしゃみと、鼻水が流れる鼻風邪の場合;鼻が詰まる;鼻からの呼吸が苦しい;いびき;鼻の中が痒い;鼻から多量の出血;鮮やかな赤い血が鼻の奥から出て、皮を剥ぐ;ニンニクの匂いに、非常に敏感;前頭骨の深刻な痛みと、目蓋の赤みを伴う、鼻風邪;鼻から、多量の水っぽい分泌液が出る。

 ある花粉症で起きる、特殊な種類の痒みは、口蓋や軟口蓋の痒みで、楽になるため、患者は軟口蓋上で、舌を前後に引っ張らねばならず、鼻風邪やくしゃみなどを伴う。Wyethiaが、発病を短時間で終えるだろう。

 寒さに非常に苛つき、敏感であり、痒みが、喉頭と気管まで広がる場合は、Nux vomicaである。

 くしゃみと、多量の水っぽい鼻水を伴い、その分泌液が、上唇の上と、小鼻のまわりに、赤い筋を焼き付ける場合は、Arsenicumである。

 刺激性の多量の涙と、くしゃみを伴う鼻からの、多量の非刺激性の鼻水がある場合は、Euphrasiaである。

 目から、非刺激性の水っぽい分泌液が多量出て、鼻から、刺激性の水っぽい分泌液が多量に出る場合は、Allium cepaである。

 しかし、これらは、体質レメディではない;治癒せずに、ただ重症の発作の間に、緩和するだけである。この症状は、乾癬体質の結果であり、この体質は、抗乾癬によって、治療されなければならない。花粉症が、非常に深刻である事があるため、患者の中にある、乾癬の顕現にすぎないように見えるが、間違った治療で、抑えたり、止めたりしたら、1年中健康にならない。もし、そのままにしておいたら、年の残りは、健康である。しばしば、花粉症は冬を通して進み、体質強化によってのみ、それは軽減する事ができる。体質治療にしたがって、毎年の発病は軽くなり、治療の終わりには、患者は、気候に影響される事なく、生活する事ができるようになる。緩和しようと、山に登らなくていいのだ。どこかに行くのなら、影響が悪化する所に行くべきだ、そうすれば、その顕現がすべて明らかになるだろう。患者が治癒可能であれば、花粉症は治るだろが、もしそうでなく、患者の体質が非常に崩れていれば、治療不能で、花粉症は治らないだろう。

 発病の最も顕著な所は、鼻や喉、気管、喉頭の粘膜である。これらの部分の粘膜に急性の激しい炎症がある。

 熱い飲み物を、ひどく飲みたがる。食欲は目覚ましい;それは通常、妊婦によく見られる。彼女は、全然、おなかがすいていないと言う;食欲がなく、好き嫌いがある;だが、ある理由から、結局、食べる事になり、一口食べると、おいしく感じ、それで、食欲をそそられ、おいしい料理を作る。別の時には、食欲がなくなるだけでなく、食べ物に嫌気がさして、食べ物を嫌う。「食べ物すべてに、肉に、酸っぱい物に、コーヒーに、ニンニクに対する嫌悪感」「 病的な飢え、或は食べ物を嫌悪する」。

 蟯虫、寄生虫、あらゆるお腹の蠕虫や条虫における、定番の薬。注意深い医師はは、虫のために処方しているとは、決して思わない。その医師は、患者の症状全てを受け取り、それらが、レメディへと導いてくれる。ある時、あるご夫人の家で、まるで肛門を掻いているかのように、犬が後部をカーペットの上で引きずっているのを見た。その人が「先生、うちの犬にレメディをいただけませんか」と言った。私はその口に、Sabadillaを1回投薬した。後に、しばらくたってから、その女性に聞かれた「先生、犬にあげた薬は何ですか」と。私は、彼女に、どうしてそう尋ねるのか聞いた。「2〜3日してから、恐ろしく多くの寄生虫を排出したのは、どうしてですか」と彼女は言った。Sabadillaと Sinapis nigraは、蟯虫がいるケースによく適応する。しばしば、レメディは、患者を一般的に整えるために、元の状態に戻し、そして特別な部分も整えられる。

 女性の生殖器官。「回虫から好色になる」「子宮に、まるでナイフで切られたような、痛みがある」「生理がおくれすぎ、痛みのため、生理の2〜3日前に、圧迫される;減少;発作と驚きによって血が流れ、時には強く、時には弱く出る;血液は鮮やかな赤」。

 ヒステリーな患者;異様に、不均衡な心を伴った患者で、様々な神経質な症状が、同時に生じる。「ピクピク単収縮し、痙攣性の身震い、寄生虫からのカタレプシー」。完全に健康な胃腸や直腸には、寄生虫は適していないという事は本当だ。不健康な所にだけ、繁殖する。抗乾癬の薬を投与した後に、その存在を期待していなかった時でさえ、サナダムシを、瓶に入れて持って来る患者が、何度もいた。有機組織を健康状態に戻し、寄生虫を出す。細菌についても同様だ。それらは、病気の結果としてのみ存在する。病気が、初めに存在する事なくして、それらが、存在する事はわからない。寄生虫を無視して、症状の全体性から、レメディを選んべば、患者は健康を取り戻し、寄生虫に関する限り、症状なく進む。寄生虫は、小さくなってしぼみ、遂には外に出る。レメディを投与後6週間で、中で寄生虫が消えたケースは滅多にない。一方、もし暴力的な方法で、寄生虫を排出したならば、その患者は、何年も、厄介な症状を伴って行くかもしれず、どうして、その人の治療に失敗したのか、あなたはわからない。

 まず、患者のために処方しなさい。適切な体質の治療が、正常な状態に戻すまで、病気の結果は、どれも取り除いてはいけない。