Carbo Vegetabilis(カーボ ベシ/木炭)

 植物の炭であるCarbo vegの勉強を始めよう。これは、十分すりつぶして粉にする事によって、薬用効果がありパワフルで、すばらしい治療薬に変えられた比較的不活性の物質である。十分分割する事によって、病気の本質に類似するようになり、人間を治癒する。旧学派は、胃酸を治すために、その小さじ量の一服を使用する。しかしそれはハーネマンの大きな業績であるのだ。これは天然の形ではかなり不活性であり、真の治癒力はポテンシー化して始めてもたらされる。それは深く作用し、長く作用する抗乾癬の薬の一つである。それは生命に深く入り込み、そのプルービングにおいては長く続く症状を発展させ、ゆっくり知らぬ間に起きている長く続いた状態を治す。特に血管系に影響を与え、更に特に有機組織の側の静脈や、心臓、静脈系全体に影響を与える。Carbo veg.の病因を調べると、不活発という言葉が頭に浮かぶ。不活発や怠慢さ、腫れ、という言葉がしょっちゅう心に浮かんで来るだろう、というのはこのような状態が症状にとても頻繁に起きるからだ。有機組織のすべてが不活発で、膨らみ、腫れている。手は膨らみ、静脈は膨張し、体は充満し膨らんだように感じ、頭はまるで血液で一杯であるように充満した感じがする。手足は鈍く感じるため、患者は足を持ち上げて、血を流させる。静脈は怠慢で、緩み、麻痺している。血管運動麻痺。体の血管が大きくなり、手足に静脈瘤が起きる。

 身体面同様、精神面の状態も全体的に遅い。精神面の働きが遅い。考えるのが遅く、活気がなく、まぬけで怠惰である。さっと自分を動かせる事ができなかったり、何かしたいという欲望が起きない。寝転がって居眠りしたがる。手足はぎこちなく、大きくなったように感じられる。皮膚はくすんでいる。毛細血管の循環が鬱血している。顔は紫色。刺激のある食べ物や飲み物は何ででも、くすんだ顔がほてる。ワインが出される食卓に座っている時、人々を見回すと、Carbo veg.の患者の顔はほてるので、すぐ選び出す事ができるだろう。しばらくしておさまると、彼らはまた紫色になってくすみ、それはほぼ汚くくすむ。 皮膚が怠惰で不活発である。

 このレメディー全体に燃焼が貫く。静脈の燃焼、毛細血管の燃焼、頭の燃焼、皮膚の痒みと燃焼。 炎症部分の燃焼。内側が燃焼し、外側は冷たい。循環の弱さや、心臓の弱さを伴って冷たい。氷のように冷たい。手足が冷たく乾燥しているか、或いは冷たく湿っている。膝が冷たく、鼻が冷たく、耳が冷たく、舌が冷たい。胃の中が冷たく、燃焼を伴う。気絶。倒れ込んだ時、そこらじゅう冷たい汗で覆われる。倒れる時、息が冷たく、顔が冷たい。死体のようである。このような状態すべてにおいて、患者は扇いで欲しがる。

 出血がこのレメディーに共通している。炎症を起こした表面から血液が滲み出る。潰瘍から黒色の出血。肺や子宮や膀胱から出血。血を吐く。受け身の出血。貧弱な循環のため、毛細血管性出血が始まり、出続ける。血が激しく出るBelladonnaやIpecacやAconiteやSecaleのようなレメディーに属する、いわゆる活発に湧き出る出血は、このレメディーにはほとんどなく、受け身の毛細血管性出血が起きる。この種の出血に苦しむ女性で、終始少しの出血が滲み出るため、月経期間が伸びる。分娩後に陣痛ですぐ止まるはずの出血が滲み出る。血管に収縮がなく、緩んでいる。黒い静脈血が滲み出る。 外科手術後、血管に収縮も退縮もない。皮膚に怪我をするとすぐ出血する。動脈はすべて縛られ閉じているが、小血管は血管壁内で、いかなる収縮もないように見える。炎症部は出血するかもしれない。弱い心臓と緩んだ静脈がある。

 また潰瘍だが、前述のような血管の弛緩と組織の弱さを伴う症例であれば、修復せず、組織が作られなくても驚く事はない。一部が負傷すると、剥がれ落ちるだろう。一度潰瘍ができたら、治らないだろう。その組織は不活発である。 そのため不活発な潰瘍が起き、潰瘍から膿漿の、刺激性で、薄い分泌がある。皮膚は潰瘍ができ、粘膜が潰瘍になる。口や喉に潰瘍ができる。緩んだ弱い状態のため、あちこちに潰瘍ができる。貧相な組織がつくられるか、或いは全くできない。 「血液が毛細血管内で停滞する」とテキストにはある。

 壊疽が進むこの弱い部分は、どんなに容易く見える事か。どんなに小さな炎症や鬱血も、黒や紫になり、すぐはがれ、それは壊疽を引き起こすのに十分である。これは敗血症の状態の血液中毒において、特に外科手術やショックの後におけるすばらしいレメディーである。これは敗血症の状態や、猩紅熱や、紫色の染みが皮膚に現れる不活発な形成が起きるどんな病気にも役立つレメディーである。Carbo veg.では、睡眠は恐ろしいといった不安が多い。眠りがけに不安や、苦しみ、痙攣、単収縮が起き、恐怖感が起きる。すべてが恐ろしい。恐ろしい幻や幽霊が見える。幻を伴い、特に不活発で、死んだように眠る。Carbo veg.の患者は不安で目が覚め、冷たい汗で覆われる。疲労困憊。睡眠後すっきりしない。このような患者自身が、自分の睡眠で疲れ果てる。不安でたまらず、眠りたくない。暗闇で不安になる。窒息するかのような呼吸困難を伴う不安。不安がすごすぎて横になれない。

 Carbo veg.においては無関心さが、非常に目立った症状である。受け止める事ができなかったり、環境が呼び起こすはずの印象が感じられなかったりする。患者の愛は実質的にかき消され、そのため話かけられても、何も患者を喚起する事はないし、妨害する事もない。「何を聞いても、うれしいとも、うれしくないとも感じないし、それについて考える事もない」。恐ろしい事はあまり影響しないように見えるし、うれしい事も影響しないようだ。自分の妻や子供を愛しているかどうかわからない。これは不活発や、考える事や沈思する事が不可能の一部であり、これはすべて腫れのため起きる。静脈の不活発性。頭が充満し、膨張する。頭は混乱し、考えられない。物事がそうであるか、そうでないか、自分の家族を愛しているか、そうでないか、敵を嫌っているのか、そうでないのか、認識できない。麻痺し、馬鹿っぽくなる。ここに不安の別の状態があり、夜幽霊が恐く、まるで取り付かれているかのような不安がある。目を閉じると不安、晩に横になると不安、目が覚めるとまた不安である。すぐ恐がる。眠りがけにビクッとし痙攣を起こす。

 頭痛は、ほとんどの場合、後頭部にある。頭全体が膨らみ、充満し、膨張する。頭皮がきつすぎるように感じる。すべてが頭の中を駆け上がる。後頭部のひどい頭痛。動かせない、回せない、横に倒せない、揺らせられない。というのは、まるで頭が破裂しそうだったり、まるで何かが後頭部をつかもうとしているかのようだからだ。後頭部に鈍い頭痛が起きる。後頭部の下方に激しい受け身の痛みがある。頭が重く感じられる。後頭部に痛みがある時、頭が枕に引き戻されるように感じられたり、まるで枕から持ち上げられないように感じられたりする。Opiumのようであり、枕から頭を持ち上げる事ができない。呼気の間、頭の中がズキズキして痛い。Carbo veg.の患者は息が短く、静かで、できるだけじっとしており、最終的に、自分で強いて深呼吸するまで、そのように続き、息は鋭いうめき声と共に出る。頭痛は頭皮の収縮から起きるように思える。咳をすると、頭全体を通して縫われるように痛く、頭全体が燃える。頭が激しく熱く、燃えるように痛い。頭に血が押し寄せ、鼻血がそれに続く。発作的な収縮や、吐き気、目の上の圧迫を伴う、頭の鬱血。熱すぎる部屋から、鼻風邪をひいたような感じになる。このような頭痛の多くは、風邪をひいてから、鼻風邪から、古いカタルのつけで起きる。Carbo veg.の患者は慢性カタルで苦しむ。鼻から自由に分泌液が出るととてもいいが、風邪をひいて分泌液が止まると、頭の鬱血が起きる。分泌液の抑圧には我慢できない。風邪をひく度に頭痛が起きる。寒く湿気た天候や、 寒く湿気た場所へ来て、寒気がすると、頭痛が起きる。後頭部の恐ろしい頭痛、或いは目の上の頭痛、或いは金槌のような物で撃たれたような頭全体を含む頭痛。このような状態はKali bichromicumやKali iodatumやSepiaのようである。このような頭痛の多くは、カタルの状態を止めたために起きる。

 髪の毛がごっそり抜ける。頭に発疹ができる。不活発で、学習が遅く、夜の恐怖で苦しむ学童もまたそうであり、一人で寝ないし、暗い部屋には誰か一緒でないと入れないだろう。頭痛が起きると、帽子の圧迫でひどくなる。帽子を脱いでからしばらくしても、その圧迫を感じるだろう。 汗は冷たい汗で、特に頭や額に汗をかく。Carbo veg.の患者は突然大量の汗を噴き出し、まず額に汗が出て、その汗は冷たい。額から手まで冷たく感じられ、いかなる風でもそこに吹きかかると痛くなり、額を覆いたがる。頭は冷たさに敏感である。加熱され、頭のように汗をかき、その後すきま風が汗をかいた頭に当たると、カタルがすぐ止まり、頭痛が起きるだろう。膝と手が冷たくなるように感じ、汗をかいてもよくならない。

 目の症状は厄介で、それは頭痛と共に起きる事がよくある。目に燃えるような痛みがある。目は光沢がなくなり、深くくぼみ、瞳孔は光に反応しない。患者は精神的に不活発に感じ、考えたくない。どんな労作でも頭痛が起きるので、座るか横になっていたい。 このような状態になる時はいつでも、目がそれを示す。目から明るく光る様子がなくなっているため、患者は病気だとわかる。自分でどこかを見つけ、横になり、そこが暗くなければ、患者は気持ちよく感じるだろう。一人でいたがり、疲れており、日常の仕事で疲れている。紫色の顔で、光のない目で、こけた顔つきで、頭も心も疲れ果てて、家へ帰る。どんな頭脳労働ででもヘトヘトになる。頭が重く、苦悩と頭の中が充満し、四肢が冷たい。血液が上昇する。目から出血する。目の中が燃えるようで、痒く、圧迫する。目が細かい仕事の重労働から弱くなる。

 Carbo veg.は耳から出る分泌液のための薬の一つである。不快臭があり、水っぽく、膿漿、刺激的で、表皮を剥ぐ分泌液で、特にその日がマラリア、ほしか、猩紅熱、特に猩紅熱に帰するもの。静脈系の不活発な状態。静脈は、古い病訴すべてで、最も影響を受けるように見えるが、特に患者が自分について、或は母親が子供について、マラリア熱にかかって以来、調子がよくないという場合はいつでもそうである。娘は麻疹や腸チフスや猩紅熱にかかって以来、調子がよくない。Carbo vegは症状が混乱し、症状の一致が残っていないほど患者がかなり加工されて来た場合だと思える時の薬の一つである。症状がすべて抑圧されてきた老齢者の耳垂れや、老齢者の頭痛。そのような場合は症状に秩序を戻し、健全な耳からの分泌液を作り上げ、反応をもたらし、循環をよりよくするお決まりの薬の一つに、Carbo veg.がなり、それは症例の一部を治癒し、その後もっとよいレメディーを選ぶといいだろう。

 耳下腺の炎症、或はおたふく風邪。おたふく風邪が寒気からその住処を移し、女子は乳腺に、男子では睾丸に移動した場合、Carbo veg.は順序を戻す薬の一つであり、それは元の場所に問題を戻し、安全に続けるよう指揮する事がよくある。耳の中の痛み。不活発でひどい臭いの分泌液が耳から出る。聴覚を失う。内耳の潰瘍。耳の前に何か重い物が横たわっているように思え、それが止めて聴覚が低下しているように見え、特にし何か古い問題に帰する症例においてそうである。

 Carbo veg.の患者はいつも鼻風邪にかかっている。暖かい部屋に入り、1分たったら外に行こうと思ってオーバーを着たままでいる。すぐに暑くなり始めるが、1分たったら外に行くと思い、コートを脱がない。そのようなやり方で、必ず鼻風邪をひく事になる。鼻の中の水っぽい分泌液で始まり、日夜くしゃみをするだろう。患者は熱さで苦しみ、寒さで凍え、すきま風の度に凍え、暖かい部屋では汗をかき、このように両方で苦しむ。快適な場所が見つからず、くしゃみが続き、鼻をかみ続ける。おそらく鼻血が出るだろう。夜は紫色っぽくなる。 鼻風邪は喉の中に広がり、口の中や喉は表皮が剥がれたようになり乾燥する。多量の水っぽい分泌液が後鼻孔と喉を満たす。そして声枯れが始まり、晩には喉頭と喉がヒリヒリししわがれた声になる。咳をすると喉頭がヒリヒリし、触れると痛い。咳をすればするほど、もっとヒリヒリする。この状態が胸まで広がる。薄い粘液の分泌液が出て、ついにはべとついた黄緑色になり、ひどい味がする。そのような鼻風邪である。さてそれと共に、ほとんどはCarbo veg.の病状に関連して、胃の障害が起きる。ガスを伴い腹部がかなり膨張する。鼻風邪と共におくびが出て、酸性の胃障害が起きる。胃障害が起きる度に、鼻風邪にかかるように思える。熱過ぎる部屋に入る度に鼻風邪が起き、くしゃみと胸の疾患とカタルを伴いがちである。

 このような鼻のカタル性の状態は、粘液がある所はどこでも起きうるはっきりとした例にすぎない。水っぽい粘液と出血を伴うカタル状態。 Carbo vegは喉や鼻、目、胸、膣のカタルがある。老齢者の膀胱や胃腸のカタル状態。卓越したカタルのレメデイである。女性は多かれ少なかれ帯下があると好調に感じ、それはある種の防御のように思える。毎日起きるこのような分泌液が、干上がり、局部治療や洗浄、あらゆる種類の局部塗布によってコントロールされ、患者は葬儀屋の手に委ねられるか、或はみじめな廃人にならされる。このようなカタル性の患者は内側から治らなければ、分泌液は出させた方がよい。このような分泌が出る間、患者は楽になる。Carbo veg.の患者が鼻風邪で熱っぽくなるのはかなりよくある事であるが、他の多くの病状では患者は冷たく、手足が冷たく、顔が冷たく、冷たい体で、皮膚が冷たく、汗も冷たい。鼻風邪とカタル性の状態の初期段階では、このような冷たい症状が起きる事ははあまりない。夕方や夜に熱っぽい。だが粘液がさらに多くなる第2段階を過ぎてはじめて、冷たい膝、冷たい鼻、冷たい足、冷や汗が起きる。

 Carbo veg.の顔は大いに研究できる。顔つきや表情において、一般的なものがかなり見える。患者は表情、特に目における一般的な症状を示す。患者はいかに自分が病気か、兆候のポイントを教える。Carbo veg.では、かなり蒼白で冷たく、唇は締め付け、鼻は指し示し、引き込まれている。唇はすぼめ、青く、病気っぽく、死んだようである。顔は冷たく青白く、汗に覆われている。検査するために舌を突き出してもらうと舌は紫で冷たく、息は冷たいが、扇がれたがる。コレラでも、下痢でも、消耗的な汗でも、発熱後の病状でも、本当にそうである。鼻風邪が出て胸に留まった後、ひどい呼吸困難や多量の喀出、疲労性の発汗、ひどい冷たさがあり、患者は扇がれなければならない。呼吸困難が続く咳、疲労困憊、多量の発汗、窒息と表皮剥離を伴い、扇がれたがる。冷たい顔。このように苦しみが顔に表れる。痛みやうずき、不安や悲しみがすべて顔に表される。顔の研究は楽しく、役立つものである。レメディの顔の研究は、非常に役立つ。健康な人の顔を研究する事は役立ち、顔の表現からその人の意図を判断する事ができるだろう。ある人は顔にその人の仕事を示す。その人の考え方や、憎しみ、切望、愛情を示す。食べる事以外好きにならない人、快楽主義者を選び出すのは、いかに簡単な事か。お金以外好きにならない人、守銭奴の顔を選び出すのは、いかに簡単な事か。職業人の多くの顔に愛が見えるだろうし、学生の顔を選び出す事もできる。それは彼らが生きている人生の愛の現れに過ぎないのだ。憎しみを表す人もいる、それは、その人たちが生きる事に対して直面してきた人生への憎しみであり、人間への憎しみであり、生命の憎しみである。しなくてはならなかった事すべてに失望してきた人々においては、その顔に憎しみの印が押されている。人々にそれを見るように、我々はレメディーにおいてそれを見る。顔の研究はとても愉快である。忙しく、思慮深く、よく観察する治療家は、決して口に出して言えない事、顔について知っている事で頭が一杯になる。このように顔の表情はレメディーである。Carbo veg.の顔は、ほんの少しのワインを飲んで耳の付け根まで真っ赤になる。これが強い特徴である。 全身肌が真っ赤になる。ほてりは島のように現われる事もあり、それは共に大きくなり、ほてりのすきまがなくなり、毛髪の中まで這い上がる。すごい事は、このレメディーが、小さじ1杯のワインが肌のほてりを引き起こすのに十分であるという毛細血管循環に、働く事である。

 昔の本には「歯茎の壊血病」について書いてあり、現在我々はそれをリッグ病と呼んでいるが、それは歯から歯茎が離れる物である。歯茎からの出血、歯茎が過敏。歯から歯茎が離れる。歯がぐらつく。「口の中で歯がガチガチと音をたてる」のが聞こえる。歯茎が固定しなくなり柔らかくなるというような状態を炭素が作り出す。歯茎はスポンジ状になり、出血しやすくなり、そのため出血を伴い、歯が弛み、非常に過敏になる。歯が迅速に衰える。歯を磨くと歯茎から血が出る。歯と歯茎の疾患は水銀の乱用から起きる。歯が長すぎて痛む。歯が引っ張られ、裂けるように痛い。熱い物や、冷たい物、塩っぱい食べ物から、歯が裂けるように痛い。熱い物、冷たい物どちらでも痛くなる。この事はシステム全体の一般的な静脈の状態に一致している。

 舌が敏感。舌の炎症。発疹チフスや腸チフスのような、特定な微熱の形態において、歯茎が黒くなり、患者は黒っぽく、血の混じった、不快臭のある、腐敗した滲出液が出る。妨害や接触から出血が起き、舌に黒っぽい滲出液が積もり、それは静脈からにじみ出る黒い血液である。この事は、発酵状態における腸チフスのような発熱の腐敗した形において起きる。このレメディーは、「敗血」に共通して描写されるような発酵症状にたくさんある。Carbo veg.は腸チフスの微熱タイプや、症例に腸チフスの状態が起きる猩紅熱や、虚脱の最終段階において、また冷たさや冷や汗、ひどい衰弱、呼吸困難があり、扇がれたがるコレラや黄熱病の虚脱時に、いざというときの頼みの綱である。ひどく衰弱し、舌が冷たい。

 口と喉は小さな紫色のアフタ性潰瘍で満ち、それは小さく白い斑点で始まるが、それは紫色になり、今や黒い血が滲み出ている。このようなアフタ性の斑点は出血しやすく、燃えるようで、刺すように痛い。水ぶくれの形になる。口の中がひりひりして乾燥し、アフタ性の潰瘍の出血を伴う。これらは口と喉のどんな状態にも見られるCarbo veg.の共通した特徴である。喉のしつこい粘液;喉の血の混じった粘液。このような小さい潰瘍が混じり、広がり、一つの固体の塊になる。大きな表面は潰瘍化し、粘膜が剥離し、その後出血するだろう。小さく黒い点がその上にできる。喉が非常に痛むため、食べ物を呑み込めない。一般的に喉が膨らんで感じられる。

 Cargo veg.の患者はコーヒーや、酸、甘い物、塩っぱい物を欲しがる。消化しやすい物や、よい食べ物をを嫌がる。たとえばガスが溜まる肉や、牛乳を嫌悪する。さてCarbo veg.の体質を作り上げようとするならば、胃から始めるだろう。この静脈瘤と心臓付近の弱い静脈、このような充満さと鬱血、鼓腸、胃腸障害、頭と心の問題、有機組織の不活発さを作り出したければ、この人にたらふく食べさせ、油分や甘い物、プリン、パイ、ソース、そのようなあらゆる消化不良を起こす安物や、ワインをたらふく与えると、Carbo veg.の患者ができる。今までにそのような患者を扱った事があるだろうか。患者が自分の話をするとすぐわかるだろう。その人の生活はミートパイの友達だと十分にわかるだろうし、その人は何年もそういう食生活をして来て、今こう言うのだ「ああ、先生、私の胃が、ただ胃が、ただ胃を何とかしてくださればいいのです」と。しかし、その患者をどう扱うかな。患者はあなたのために、自分で自分をCarbo veg.の患者にし、健康的な食生活に落ち着かせる事ができるようになるまで、かなり時間がかかるだろう。今患者ははしごの一番下から始めねばならない。私はただ、いかにCarbo vegの患者が作られ、どんな胃があり、どのような食生活をして来たかを見せただけだ。胃が燃焼し、ガスで膨れ、ずっとおくびが出て、腸内ガスができ、不快臭のあるガスを放つ。実際、悪臭のある、腐敗した状態である。汗は臭い。胸焼けのするおくびが出て、胃は摂った食べ物が逆流する。

 Carbo veg.は寒気の最後にかなり吐く。嘔吐と下痢。嘔吐と出血。吐血を伴い、体は氷のように冷たく、息が冷たい。脈はか細く、間欠性である。気絶し、ヒポクラテスのような顔で、べとついた黒い血が滲み出る。酸性の血の混じった胆汁の塊を吐く。

 胃の中にガスが溜まるため、胃が膨らんで感じられる。胃に入った食べ物はすべて、ガスに変わるように思える。いつもおくびを出し、おくびをしている間は少し楽になる。Carbo veg.は胃腸に差し込みがあり、燃えるように痛く、不安で、膨れる。これらの症状はすべて、おくびやガスを出す事で改善する。おくびから改善する事は、極めて自然な事であるように思えるが、Chinaを調べると、患者はおくびから悪化する事がわかるだろう。患者がおくびで楽になるという考えについてだが、LycopodiumとChinaでは、楽にならないようだ。彼らは多量におくびが出るが、相変わらず頭が一杯で、時には悪化するように思える。Carbo veg.の患者はおくびから必ず楽になる事を経験している。この事は特別な症状だが、ほとんど一般的になり、極めて一般的であることがある。頭痛がおくびを出す事で楽になり、リューマチ痛がおくびを出して楽になり、様々な種類の苦しみや膨張がおくびを出す事で楽になる。

 このような腹部の充満は、身体の病訴をすべて悪化させる。静脈にあるかのように描かれている充満感は、皮膚下の線維にある事があるので、パチパチと言う音がするだろう。これはCarbo vegの特質であり、リューマチの状態においては、腫れている部分に、この特徴がある事がある。食べ物が長い間胃に留まり、酸性になり、腐敗する。それは腸を通過し、更に発酵し、最終的に腐敗したガスの形で通過する。疝痛や、燃えるような痛み、膨張、充満、このような膨張から起きる圧縮や、痙攣の痛みがある。患者は、胃がまるで表皮が剥げたように感じると訴える。食べ物を食べたり、冷たい水を飲んでから、この事はヒリヒリするように描かれる。Carbo veg.は胃潰瘍を治している。それは深く作用する薬であり、消化不良の物や、ミートパイ、胃にもたれる物を食べてから起きる障害といった、あらゆる胃障害の状態を治す事ができる。

 Carbo veg.においては、他のあらゆる臓器のように、肝臓は活動停止や不活発な状態をとる。肝臓が大きくなる。門脈系が鬱血し、そのため痔になる。肝臓部の痛みと膨張、肝臓が過敏で燃えるように痛く、胃腸が膨張した状態と同時に起きる。肝臓部に緊張感があり、その部分があまりにも締め付けられるかのように、引っ張られる感じがする。肝臓内に圧痛があり、接触に敏感である。

 鼓腸と胃の充満に関して述べて来た多くは、また腹部にも適応する。下痢や血の混じった分泌や、膨張や腸内ガスを伴う顕著な鼓腸状態がある場合、Carbo veg.は敗血症のような微熱の形を示すかもしれない。過剰に腐敗したガスが、非常に不快な悪臭を放って出る。 Carbo veg.の腹部の目立った症状は、まるで塊が入ったかのようなガスのように、小腸のあちこちに腸内ガスが集まっている事である。小腸の締め付けは、一カ所に起きるため、塊か腫瘍があるような感じがし、最終的にはなくなる。ガスから疝痛が腹部のあちこちに起きる。腹部内に燃えるような痛みがある。どんな病気でも、Carbo veg.においては常に燃えるような痛みがある。部分的に燃え、充満感があり、それが鬱血を起こし、血を伴って腫上がる。血の混じった水っぽい便が出る時の下痢や赤痢、コレラ。小児コレラは、便が粘液と混じりあい、水っぽい粘液が血と混じり合う。子どもは疲労困憊から衰弱し、冷たく、青白く、冷たい汗を伴う。鼻や顔、唇がつままれて、ヒポクラテスのような顔になる。あらゆる下痢の問題を伴い、便と同じくらいか、もしかするとそれ以上の衰弱がCarbo veg.を示す。Carbo veg.の下痢では、どんな種類の便であれ、すべて腐敗し、腐敗臭のガスを伴う。 薄く暗い色の血の混じった粘液があればあるほど、レメディーがよく示される。肛門とその周囲が、痒く、燃焼、表皮剥離が Carbo vegの強い特徴である。下痢状態すべてにおける痛み、腹部上が押されると痛い。子どもにおいて肛門の周りの表皮が剥がれる。その部分は赤く、皮が剥がれ、出血し、痒い。大人においては肛門が痒い。小腸の潰瘍。粘膜の潰瘍の傾向は、このレメディーの特徴に一致している。粘膜がある所はどこでも、潰瘍があるだろう。アフタ性に見える。パイエル板の潰瘍。患者は寝床に横になり、血性の血清のような、かなり血が混じった体液が不随意に滲み出る。

 尿が粘液を含む場合の、老齢者の膀胱の慢性化したカタル状態、特に老齢者で、冷たい顔で、冷たい手足、冷や汗を伴う。排尿の抑圧がある。

 男女共に生殖臓器は弱く、緩んでいる。男性生殖器は、だらりと垂れ下がる。生殖器の緩み、冷たさ、発汗。 体液が不随意に出てしまう。

 女性における弛緩は、引きずり下ろされる感覚によって現われ、まるで中身が出てしまうように、子宮が引きずり落ちるように感じる。子宮が引きずり落ちるため、自分の足で立てない。内部臓器がすべて重く、ぶら下がっているように感じられる。

 Carbo veg.の別の強い特質は、子宮から滲み出る暗い色の出血である。ほとばしるような大量出血はあまりなく、このレメディーには出血があるが、滲み出るものである。月経の出血は、月経期からほとんど次の月経期まで滲み出るだろう。血は腐敗し暗く、黒色でさえあり、小さな血餅を伴い、それと共にかなりの血清が漏れ出る。テキストには「 子宮の苦痛からの子宮出血」とある。アトニー、調整の欠乏、弛み、繊維組織の弱さは、その状態によい名前である。Carbo veg.の体質ではアトニーがあらゆる所にある。筋肉は疲れ、四肢が疲れ、全体の存在が疲れ緩んでいる。この事は、血液が大量に出るBelladonnaやIpecac、Secale、Hamamelisに見られるほとばしりへの対比においてあり、それに関連して多かれ少なかれ弾力があるため、それに子宮の収縮が非常に自然に続く。Carbo veg.においては、分娩でも月経でも、或いは偶発的な出血のどれに関しても、子宮が収縮しない。単なるアトニーから起きる退縮不全、収縮がなく、緊張力がなく、弱さと緩みがある。月経や分娩、女性が対象の様々な病訴の後、Carbo veg.が合う事がよくある弱くなる期間がある。不十分な出血、ちょうど滲み出るような出血を伴う残留した胎盤があり、血がほとばしる傾向のない時、妊娠期間中や分娩中ずっと不活発で、痛みがゆっくりであった事を医者は思い出し、こう言う「どうして前にCarbo veg.の事を考えなかったのだろう」と。その女性は1ケ月間Carbo veg.が必要だった。 医者は薬を施し、その事について考える前に、子宮が胎盤を吐き出し、非常にすばらしく事を整えるので、さもなければ必要だった機械的な干渉は必要でなくなる。

 現在では、掻爬(そうは)術やあれこれ他の事をするおせっかいな助産術の事をよく耳にするが、それはホメオパスの愛想をつかさせ、まるでその部分は自然によって作られたのではないかのようで、自分で面倒が見れず、まるで拭き取り、採取せねばならいかのようだ。このように2塩化物などを注入し、女性から細菌を取り出すのは、全く無意味だ。秩序のある状態になれば、細菌はなくなるだろう。ホメオパスはこのような症例を何百も取り扱う事ができ、何の問題もない。どのレメディーがその女性に必要かを、あらかじめはっきりと見れば、悪い症例は一つもないだろう。自分で面倒を見るのだ。異常な状態で起きる不規則な収縮は、もし分娩に入る前にその女性が正常に戻れば、すべて避けられるだろう。Carbo veg.は分娩のために女性をいい状態に準備する薬の一つであり、Carbo veg.を呼ぶ症状が、このような状態に存在する事がよくある。その人は消耗し、緩み、疲れる事がよくある。妊娠で変わった事がたくさん起きる。妊娠中の吐き気、腸内ガス、不快臭、弱さ、静脈の肥大が起きる。下半身の静脈の肥大は圧迫から来ると、妊婦たちは言うだろうが、一般的にはそれは圧迫からでなく、静脈自体の弱さから起きる。

 母乳の抑圧、授乳からの疲労や、かなりの衰弱。自分の子どもの授乳中に、消耗状態になるのは健康な状態にある女性には、自然なことではない。その人が病気だからそうなるのだ。授乳を始める前に衰弱状態にあったのであり、その弱さは適切なレメディーによって修正されるべきである。その後その人は母乳を作る事ができ、足りないとう感じる事なく、子どもに授乳できる。そのような秩序の状態である。Carbo veg.は女性の友人であり、子孫への友人である。ホメオパシーを実際10年実践すると、奇形の赤ん坊が少なくなり、その子たちが皆大きくなり、力強く成長しており、その子らの欠陥や奇形がなくなり、大多数の子どもより美しくなっている事に驚くだろう。それは秩序を保ってきたからだ。医者は患者を観察し調べ、時々小さな薬を与え、母親は砂糖を赤ん坊の機嫌をとって与えられるのを疑わしく見る。それが薬だとか、赤ん坊に関する何かだとか知る必要はない。そのように医者はその小さな子の成長を見つめ、不健康な傾向すべてから脱出させる。ホメオパスの世話になって育った子どもたちは、全く衰弱もなく、ブライト病にもかからず、すべて正常に戻り、長生きし、職業のケアで適切に疲れ、だめになる事はないだろう。小さい子を見るのは医者の務めである。 遺伝や下降の傾向から救う事は、医者の人生の最も大きな仕事である。これは生きる価値がある。小さい子から突然生じたこのような傾向を見ると、それは両親のせいだと、決して公言すべきでない。それはただ不快でよくないに過ぎない。している事に関する医者の知識は、自分自身の物であり、最大の心地よさは自分自身から得られる。自分がした事や、避けた事に誰かが感謝するだろうと決して期待してはならない。一般的にした事に対し、ほめられたいと思っている医者には、良心がない。気高く、まっすぐ立ち、真実に溢れた医者は、夜働き、暗くなって働き、静かに働き、称賛を求めない。家に呼ばれた時、家族が事務所に小さい子どもを連れて来た時、こうする。このようにして、子どもたちは症状を観察され、調べられる。母親が薬をもらおうと子どもを連れて来る時はいつでも、子どもは薬をもらえるが、母親が薬をくれと言わなくても、ジョニーは砂糖をもらい、そのため医者は子どもの機嫌を取る事ができる事を、母親は知っている。それで十分である。

 Carbo veg.において、声は実に多くの症状を表す。鼻風邪を調べる時、その一部は描いた。どう鼻で始まり、喉や喉頭、胸を通過するかを説明した。今、喉頭の多くの症状は鼻の風邪と共に始まり、最終的に永遠に喉頭に留まり、そのようにCarbo veg.の症例が引き出される。Carbo veg.の風邪は喉頭にまず留まるのは時々だけで、 通常鼻を通過する。ほとんどのレメディーは風邪が始まるお気に入りの場所がある。たとえば、Phosphorusの風邪のほとんどは、胸か喉頭で始まる。 Carbo vegではそうでなく、その風邪は鼻から始まり、鼻風邪を伴い、喉頭はただ止まる場所である。もしCarbo veg.の風邪が胸に下降したら、気管支か肺で終わる。留まるお気に入りの場所があり、まるでそこに居続けるように見える。話してから喉頭が弱わる。話す職業や歌手、そして弱く緩んだ人の疲れた喉頭。声枯れは晩に始まる。喉頭は朝はかなり調子がいいのだが、晩になるとすぐ声がハスキーになる。更に深刻な形は、朝に口がきけず、晩に声枯れやハスキーになるのが、より特徴的である。晩にハスキーになり、表皮が剥げる。咳をする時、喉頭の表皮が剥げる。燃えるようだと言う人もいれば、表皮が剥げると言う人もいるだろう。咳をすると、喉頭と気管の表皮が剥げる。喉頭内の粘液がずっと出続け、それを擦って咳で外に出さねばならない。粘膜において同様の弱い傾向が見える。修復の傾向も、回復の傾向もない。喉頭と気管のカタルの状態を伴い、悪い状態から悪化して行く。話した後で声が枯れ、表皮が剥げ、午後と晩に悪化する。晩に無理に何度も咳払いし、喉頭の表皮が剥げ痛くなる。マテリア・メディカについて、もう一つ話そう。.ほとんどのプルーバーは素人で、そのためプルービング中にある混乱が起きる。この事を医者は見なければならない。プルーバーは「喉」と言うが、咳から喉がヒリヒリするのは、ほとんどいつも喉頭がヒリヒリする事を意味する。さて、ここに「喉頭の表皮が剥げ痛い晩に、無理に咳払いする」とう表現がある。咳払いで喉頭は痛くならない。喉がこすれて、喉頭はこすれない。だが無理に咳払いするため、部分的に表皮が剥げて感じられる事がよくある。潰瘍の痛みがあり、喉頭がこすれるような、くすぐったさがある。喉頭がヒリヒリして、そのためくしゃみが出る。喉頭結核。このカタルの状態と、喉頭の回復欠如が長く続くと、結核が始まる。

 Carbo veg.には百日咳の始まりに使用する、最もすばらしい薬の一つである。その咳は、百日咳に見られる吐き気、嘔吐、顔の赤みがすべてがある。その咳が全くレメディーを示さない時や部分的に症例が混乱した時、これは最もよい薬の一つである。そのような症例におけるCarbo veg.の一服は、症状をかなりよくし、百日咳の少数の症状は2〜3日でなくなるだろう。レメディーが永久に治癒しない時、更に明白な症状がもたらされた場合、別のレメディーを呼ぶ。ホメオパスの治療において、百日咳のほとんどの症例は、注意深く選ばれたレメディーで、1週間から10日でよくなるだろう。長い間継続する事が許されれば、6週間徐々に増加し、その後天候によって減少する。秋であれば咳は冬中続く。それゆえ百日咳は、ホメオパスが、ホメオパシーには何かがある事を証明する機会を与えてくれる。

 Carbo veg.の患者は呼吸しにくさから非常に苦しむ。窒息で横になれない。胸が弱く感じられ、まるでもう一呼吸できないように見える。それは心臓の弱さからや、胸が詰まるためだったりする。後者は一番よくある。疾患は喘息性の時もある。このレメディーは喘息を治す。 開いた窓や、椅子によりかかったり、家族の誰かができるだけ速く扇いだりしているのを見るだろう。 顔は冷たく、鼻はつままれ、四肢は冷たく、死んだように青白い。口の前に手をかざすと、息が冷たく感じられる。息が不快に臭く、腐敗している。四肢が冷たく、体にはっきりわかり、手だけでなく、上肢全体がそうであり、足だけでなく、四肢が体にはっきりしている。体は暖かく感じるが、皮膚は冷たい。

 Carbo veg.は吐き気と嘔吐を伴い、ガラガラという音をたてた咳をする。朝の咳は、もっと多くガラガラという音がかなりする;胸は粘液で一杯であり、痰を出そうとして咳をし、吐き気を催すか、或いは咳をして吐く。日中いつでも、胸の中の粘液から、特有な息の詰まり、吐き気、おくびが出る咳が増えるだろう。起き上がれない;しつこく、腐敗し、化膿した、黄色くべとついている。活力がかなり減少し、かなり緩み、精根尽きた人や老齢者。咳や長引く労作から精根尽きた人。疲労。多量の痰を伴う胸のカタル。

 時として、激しく乾燥した切りつけるような咳があるが、最終的に長引く咳が緩み始め、非常に大量の粘液を吐き出す。乾燥したたたき切るような咳だが、胸の中がガラガラといい、咳はよくなるように見えない。咳をするように見え、疲労困憊し、汗をかき、息が詰まる。まるで咳で窒息するかのように見える。最終的にいくらか粘液を出す事に成功し、べとついた化膿した痰で口が一杯になる。何分も続いたり、1時間続いたりする激しい発作において、発作的な咳が頻繁に起きる。冷や汗、冷たさ、顔がつままれたような様相。この事は咳の激発に入ると増える。彼の顔はやつれて見え、とても苦しんで白くなり、咳の発作中にそのように苦しむ。この状態は、老齢者の結核の症例の進行した段階で、治癒できない場合に起きる。そのような状況下でCarbo veg.は優れた苦痛緩和剤を提供する。胸の筋肉を強くするように見えるため、患者は痰を吐いてよくなる事ができる。それは咳を和らげ、吐き気とおくび、呼吸困難が楽になり、一時的によくなる。呼吸困難と胸の衰弱を伴う治癒できない多くの状態において、これはすばらしい苦痛緩和剤である。ブライト病において、また癌疾患において、Carbo veg.は激しい症状を止め、大いに緩和する。

 このレメディーは、百日咳について始めるレメディーの一つである。それは症例を大いに簡素化し、数日で治す時もある。患者は胸が痛くなるまで咳をし、まるで胸全体を殴られたかのようである。一晩中咳の発作がある。Lachesisのように咳の発作の中で眠る。咳いて、吐き気と発汗と窒息で、目が覚めて起き上がる。発作が2〜3時間ないと思ったら、発作が起きて1時間続く。夜2〜3の激しい咳の発作がある。塞ぐ事から始まり、呼吸がガラガラという音が聞こえ、患者はまもなく大変な時が来る事がわかる。

 この事はどんどん進み、人生の終わりまで「湿った喘息」と呼ばれる喘息の症例で過ごす事になる。 本当の湿った喘息は、小さい気管支管の収縮で苦しむ人に起き、そのため最良の時でさえ、胸内に小さなヒューヒューという音がする。このような患者は風邪をひく度に、ヒューヒューという音が増す。彼らは粘液を吐き、始めは多量で、それから硬くなり、最終的に膿状になる。これらすべての間に、ひどい喘息性の呼吸困難が起きる。Carbo veg.は、呼吸が短さが顕著であるため、部分のみの酸化が起き、結果的に起きる後頭部の頭痛からかなり苦しみ、扇いで欲しがる喘息の症例すべてにおいて優れたレメディーである。老齢者の再発性の喘息の症例。暖かく濡れる度に、喘息が起きる。夜に喘息が起きるのは、Carbo veg.の喘息に共通している。迫り来る発作の警告なく床につき、ただ「この天候は好きじゃない」と言うだけで、喘息に起こされる。窒息で目が覚め、床から飛び出し、窓に行き、扇がれたがる。

 Carbo veg.は、老齢者がひどい治療を受けた後の 留まる気管支炎を伴う 肺炎の症例や、肝変であったがなくなっておらず、肺と気管支に悪い所があり、胸の衰弱を伴う症例に必要とされる。咳をした時の胸の弱さ。起き上がってよく咳をするため、或いは呼吸を続けさせるため、胸の筋肉に十分力がないと感じる。悪臭のする痰、冷たい息、冷や汗、扇がれたいという欲望を伴う、肺炎の第3段階。肺麻痺の恐れがある。これはレメディーがうまくカバーする臨床状態の組み合わせである。このような喘息の症例は、しばらくの間進む事があり、それから結節の潜入が来る。もしCarbo veg.が初期に与えられれば、潜入は防げるだろう。

 胸に痛みがあり燃えるよう。肺の中や胸の側に燃えるような痛みがあり、咳を伴って燃焼し、胸骨の後ろー気管の長さ全体ーが燃えるようで、燃焼は咳をすると悪化し、呼吸する時でさえ表皮が剥がれるような感じがする。その人は胸にかかる負担を感じ、抑圧はかなり重い。患者が使う言葉は様々で、同様の記述がすべてある。

 心臓は大いに問題を受ける。必死でがんばっているように見える。もちろん、苦しんでいるのは心臓の近くの静脈である。静脈が鬱血している。患者全体が静脈の状態である。静脈が大変な思いで、重労働を行なっている。弛緩の段階でもがいており、血液のオーガズムが起きており、それは幾人かの作家がオーガズムとして描いているもので、他には体中に感じられる心臓の激動した作用として描かれているものだ。脈動が体中いたる所に感じられる。熱のほてりが上昇し、最終的に汗となる。更年期の女性に合う時がある。特に老齢者に適する。

 中年期の人に起きる早期老化であるかのように、或は老齢期に自然に起きる体力の衰えのように、Carbo veg.の病訴が若い人に毎週起きる。静脈肥大或いは静脈の充満で、手足の冷えを伴う、お年寄りをすばらしく楽にする。心臓の激動した作用の動悸を伴う血液の滲出。大きな機械のようにドキドキし続け、全身が震える。

 脈は微小でほとんど感知できない。まるで血液量が、とてつもなく大きく見えるが、そうではない。血管系全体が弱い。脈が不規則で、間欠性で、度々起きる。血液が毛細血管によどむ。完全に不活発で、心臓麻痺が今にも起きそうである。心臓部が燃えるよう。これに伴い、まるで死にかかっているように、或いはまるで何かが起きそうに、胸にー心臓部に恐ろしい不安感がある。患者はその激動的な作用を感じ、そのためぐったりしている。

 レメディーを熟考すると、手足について、その冷たさと冷や汗について何度も言及しており、特に手足に属するほとんどの症状をカバーしてきた。 Carbo veg.は、下肢ー足首より上の脚ーにできる無痛性の静脈瘤性潰瘍ができるという、一般的な体質の疾患のために優れたレメディーである。このような潰瘍には何の動きもなく、薄く水っぽい分泌液か、或いはべとついた分泌液がある。燃えるような無痛の潰瘍、静脈瘤、手足の腫れ。極めて弱い循環から起きる壊疽の状態。老齢者に起きるような、老年性壊疽のような壊疽の状態。四肢がしおれ、足指や下肢部がしおれ、くすんで見える。その上に水腫れができ、血の混じった、水っぽい体液が滲み出る。火のように燃える。感覚がなくなる。関節がこわばる。足指の間が表皮を剥ぐような汗が出て、しびれる。のしかかった方の四肢がしびれる。右側にのしかかると右手がしびれる。左に向きを変えると左腕がしびれる。部分的に循環が非常に弱いため、もし圧力がかかると、その部分がしびれる。表面が冷たい。 手足が冷たい。患者は不活発で、弱く、常に疲れており、頭脳労働も肉体労働も嫌う。 患者はほんの少しの労作の度に、気絶して虚脱するかのように感じる。

 眠ると夢ばかり見る。呼吸困難で目が覚め、手足が冷たくなって、特に膝が冷たくて目が覚める。睡眠中、脚を引き込む。睡眠後すっきりしない。患者が見る夢は、レメディーが非常に激しく静脈や脳基底部や随意神経系に作用するほとんどのこの種の患者が見るものである。それは恐ろしい。火や泥棒、恐ろしく身の毛のよだつ夢を見る。不安で落ち着きがなく、頭の鬱血で眠れない。血液が頭に押し寄せる。頭が暑く感じられるが、手や肌は冷たく感じられる。胸の内部がまるで燃えているようだが、胸の外部は手まで冷たく感じられる。腹部も同様である。内部に熱を感じ、外部は冷たいのは、Carbo veg.に共通する特徴である。

 発熱は激しく、激しい悪寒と寒気がする。もちろん寒気の間患者は寒いのだが、一つ変わった特徴がある、それは寒気で起きる間は冷たい水を欲しがり、熱が出ると喉が乾かない事である。それは変わっており滅多に見られない。熱が出て暑い時に喉が乾き、寒い時に水を求められないのはよくある。発汗中、水を求めない事はよくある。しかし、この患者においては、冷たさ、悪寒、冷たい息が見られ、寒気の時でさえ冷たい汗をかく事があり、あんなに冷たい水を飲むのは特殊だと言える。それは変わっており、稀で、滅多にあるものではない。故にそれは、Carbo veg.の発熱の状態の強い特徴の一つである。

 このレメディーの寒気において、体の片側が頻繁に自然な暑さを感じ、自然に暖かいが、一方もう片側は冷たい。片側が凍える。寒気は体が氷のように冷たい。寒気はひどい喉の渇きを伴う。汗をかきやすく、特に頭と顔のあたりにかく。夜か朝に汗をかき疲れる。汗は多量で、腐敗臭か或いは酸っぱい臭い。

 黄熱病のような微熱、或いは発疹チフスや腸チフスの非常に低いタイプの形をとる。発熱後、ある程度治まり、反応の欠乏を伴い風邪が長引く。患者は回復するように見えず、寒がり、膝が冷たく、息が冷たく、冷や汗をかき、ある種の麻痺性衰弱である。死んだように見える顔。チアノーゼの顔。手足が冷たい。黄熱病の末期で、顔がかなり青白い出血の段階。激しい頭痛で、体が震え、冷たい息で虚脱し、冷たい汗をかき、鼻が冷たい。鼻と顔がつままれている。生命力が非常に低下し、Carbo veg.の話しを多く物語る。何らか激しい発作や、激しいショック、激しい苦しみの後に反応が乏しい。呼吸困難や、冷たさ、大汗、疲労困憊、虚脱、死体のような様子を伴う、というそのままを出す衰弱した人に、Carbo veg.を与えねばならない。

 外科手術のショック後に、患者が虚脱状態に入ったり、手術のショックから死ぬ危険性にある場合に、Carbo veg.は示される。炎症を起こすのに十分なだけの活力がないため、これは炎症の前に始まる。心臓は弱すぎて、炎症に十分なだけの反応が作られない。炎症は反応の後に起きる。だが反応が起きなければ、Carbo veg.が最も重要なレメディーの一つとなる。

Carbo Animalis (カーボ アニマリス/獣炭) 

 Carbo animalisは深く長く作用する薬の一つである。潜んでやって来て、ゆっくり発達し、慢性になり、特徴的に悪性 である事がよくある不調に合う。貧血における不調、健康を損ねた体質。血管の状態。多かれ少なかれ炭素が静脈に影響を与え、緩み、麻痺する。これは細い静脈に浸透する独特な特徴がある。ちょうど確かに、獣炭の内臓のように、患者はうっ血し、浸透から硬く紫色になり、その状態が続く傾向がある。腺の炎症において、静脈は弱くなり、浸 透され、腺自体は硬くなって痛くなり、その周りの組織は硬くなり、それを覆う皮膚は紫になる。喉と腋下の腺は紫になり、硬くなり、柔らかくなる傾向はない。浸透する腺の後、この薬は炎症作用を急ぎ、脱皮させ、早く健康を損ね、 Hepar,やMercuriusやSulphurのような膿を伴う事がある。しかし、この薬は炎症した部分の毛細静脈を麻痺させ、浸透させ、化膿する傾向がないように見える。

 この患者の有機的組織は不活発な状態で、速い変化はないが、すべてが減速している事がわかる。炎症の過程さえ受け 身。非常に頻繁にゆっくり進む準丹毒の炎症が来て、その部分は紫になり、圧力でくぼみ、これはBelladonnaと対照的 に見える。Belladonnaは腺がすべて炎症し、腫れて、熱くなり、触れないほど非常に敏感になる;まず鮮やかに赤くな り、それから紫になる、孤立させたら分離の傾向を伴う。しかしCarbo animalisの炎症はゆっくりと来て、その過程は 遅く、回復する傾向がない。体のそこら中の静脈が肥大する。硬化し紫になった炎症部分に、激しい燃えるような痛み がある。喉の腺が燃えるように痛い。以前そこねた体質の不活発な横根、梅毒の初期段階、炎症、肥大する、紫、硬 い、燃えるように痛い。乳腺のしこり。ニワトリの卵大の紫色のしこりが乳腺にできる。期待するような化膿にはならず、ただそこに留まる。あまり大きくならないが硬い。

 女性は膣が燃えるように非常に痛いので、医者にもっとよく検査するよう説得する。医者はおそらく子宮頸全体が炎症 を起こし、紫で肥大しているのを見つけるだろう。それが火中の炭のように燃えるように痛いと患者は言う。

 最終的にCarbo animalisは色々な部位、特に腺に、線維の潰瘍を作る。しばらくして、しかしその症例の初期ではない場合、おそらく一時的に潰瘍になった後で停止する;不活発な潰瘍になる。硬化した潰瘍。横根は壊れ、潰瘍を形作る。 すべていっしょに化膿を終え、線維の周りは硬く紫になる。健全な分泌は止まり、血の混じった膿汁がそれに代わり、 周りの部分が燃えるように痛い。今や潰瘍と瘻が開き、その壁は硬くなり燃えるように痛くなり、分泌物は刺すように 痛く、それにCarbo animalisは頻繁に使われるレメディである。

 このレメディは、ずっとひつこい癌疾患、癌性潰瘍にかかっている老人に最も合うレメディの一つであった事は驚く事ではない。それはすべて燃えるように痛く、浸透し、硬くなった、濃い色の組織で囲まれており、すべてじくじくした 刺すように痛い膿汁がある。寝汗と多くの出血を伴う年とった弱い体質における、このような問題を治した事がある。 治療できない症例を改善し、何年も癌のような状態であったものが、後で戻って来たとしても、明らかに取り除く。こ のレメディは,癌に起きる痛みや、硬化、刺すような痛み、燃えるような痛みに、すばらしい緩和剤にある事がよくあ る。もしろん、硬性癌のように非常に進んだ癌性疾患の患者が、完全な健康を取り戻し、癌性疾患が取り除かれる事を教えたくないし、推測させようとも思っていない。我々はその患者を楽にし、少なくとも一時的な秩序を戻せるかもしれないし、そのため、そのような悪性の疾患での苦しみから自由にする事ができるだろう。癌に患う患者のほとんどは、本当にそのような無秩序な状態にあり、「戦い」の一時的な休止のみ期待できる;そして自分が治した癌症例の事 を豪語し回る人は誰でも、疑いの目で見られるべきである。それは癌ではなく、あなたが診ている患者であるから、癌 についてくどくど話してはならない。病気であるのは患者であり、患者が癌になるのに十分である時はいつでも、患者の秩序の状態はあまりに乱れすぎていて治らない。

 Carbo animalisのプルービングは、打ち砕かれた体質の様子を提示する。それは、ちょうど治りにくく反応の欠乏を伴う 年取った弱い体質に起きる症状を、プルーバーにもたらす。そのため、この薬は、悪性の浸潤や硬化 潰瘍の周りや基盤 下の不審な硬化;腺の不審な硬化で苦しむ患者に、すばらしい緩和剤であり続けて来た。腺は炎症を起こし、硬くな り、そうあり続ける。 Carbo animalisは、そのような状態があるレメディのリストのトップに立つ。

レメディ全体を通して異常発達がある。組織はそこここ積み重なり、硬い節になる;腺や臓器内で、組織が積み重な る。有機組織がバランスを失い、肉体の匆々たる破壊という結果になる。ひどい衰弱、エネルギーの欠如、動悸や脈の 不安と異常を伴う。弱い脈、速い脈、不規則な脈。血管内の鼓動。有機組織に動揺があり、時には熱として表現され る。まるで体が蒸気で満ちているように、熱が押し寄せる。胸を通じて、また頭内にひどい感覚、大きな地震が起きているかのよう。これらは、心臓の静脈側の異常な状態による。熱の突然の流れ、あちこち脈打つ。出血。そしてもちろん、女性は男性より出血が多そうだ;そのため生理が早すぎる、長過ぎる、多量すぎる。毎回生理の度に衰弱。Carbo animalisの女性はまるで死んでしまうかのように、生理期毎に衰弱する。そのような特徴的な弱さは、生理の質によっ て全く説明ができない。慢性の硬化、潰瘍の肥大化を伴う、毎年徐々に大きくなる(Aur. m. n.)。子宮頸と子宮全部の硬 化。帯下が多く流れる。子宮分泌物の不快臭。子宮の潰瘍が徐々に悪化の状態に向かう。生理は黒く、不快臭。遂に、何年もの間この条件で歩んできたこのかわいそうな衰弱した女性は、子宮頸悪性潰瘍になり、それは燃えるように痛き、出血し続け、悪臭のある水っぽい物がじくじくにじみ出る。子宮内の燃えるような痛みが、股まで広がる。

 この患者が子供を胸に抱く度に、胃が空っぽで、みぞおちが沈む感じがし、子供を離さねばならない。子宮の問題がた くさんあり、燃えるような痛み、刺すような痛み、ひりひりした痛みを伴う、鼻嶺上の黄茶色の鞍、Sepiaの黄色いまだらの鞍のような何か。子宮の異常な状態。

 頭に血が押し寄せて上って来る、 恐ろしい夢で 睡眠中振るい起きる。このかわいそうな人は、脳底部における問題から の疾患、頭中の裂けるような痛み、特に後頭部に、ひどさが増す、寒さに敏感、寒気が増す、ロウのような青白さが増 す、瘻か癌になるまで、静脈瘤と先に述べた状態すべてを伴う。

Camphor (カンファ/樟脳 )

 樟脳の瓶は家の中ではひどいいたずらをし、我々のほとんどのレメディを解毒してしまう。ポテンシー化した形をとる Camphorは多くの不調を治す。それは神経性の興奮を伴う痙攣やひきつけ、最終的に疲労困憊を伴う急性の不調に適 し、逆上にさえ合う。Camphorの状態は、痙攣または冷たさである。Camphorの興奮の最も急性の時期において、患者 の興奮と逆上は極端であるか、或は過敏性がなくなり感覚をなくし、無意識と冷たさという別の極端に入る。一方がは じめに来て、他方が後に来るように、一人の患者に両極端が見られるかもしれない。極端な精神面の興奮と激しさか ら、体が青く冷たいが覆われたくないといった衰弱や困憊のいずれかになるかもしれない。精神状態では、不安と極端 な恐怖がある; 人への恐怖、不思議な領域への恐怖、暗闇への恐怖; 暗闇は想像上のお化けで溢れている;暗闇ではあ えてベッドから起き出さない;動く物は何でもお化けで、部屋にある生命がない物が生命を得て怖がらせる。逆上。 こ れに加えて腎臓と泌尿の問題があり、Cantharisのようであり、双方のレメディが似ているため, お互いに補助し解毒も する。もしある女性が自分を樟脳で毒し、逆上と興奮があった場合、Camphorが解毒剤として働く。

 精神面の症状の詳細は、ずっと多く考慮する価値がある。患者は低能のような状態に入り、外見はあたかもゆっくりと来 ているように見える。精神と記憶は無くなっている。目は眠っているかのように目を閉じ、答えるが、質問しない。精 神錯乱は熱さ、猛烈さ、狂気を伴い、ベッドから飛び出したい、或は窓から飛び出したい。叫んで助けを求める。不安 とほとんど意識を失う。産褥熱や脳のうっ血、内臓の激しい炎症からのショックにおけるこのような症状はCamphorを示す。混乱はショックから起こったり、激しさと共に起こったりする。患者が激しく苦しめば苦しむほど、すぐに冷たくなり、患者が寒 い時は寒い部屋ででも覆われたくない。この事はSecaleのようだ。.Secaleにおいては、寒い時患者は覆われたくなく、 寒い部屋におり、また逆上もあり、SecaleとCamphの相違に見られるものが何もない。しかし、Camphを通じて共通する別の事があり、それで見分ける事ができる。寒さと逆上と熱が非常に頻繁に混じり合う。Camphorの患者が寒くなる 場合、自分に襲いかかる熱に交代する; 熱のひらめきが、炎症を起こした内臓内か神経に沿って、引き裂くような痛 み、裂けるような痛み、燃えるような痛みと混じりあう。その患者は看護士にとって非常に厄介な患者である;誰も何 も適さない。膀胱の炎症が来た場合、強烈な痛みと敏感さがあり、苦しみのショックからマインドは逆上状態にある。 そして寒さが来て、患者は覆いをとり、冷たい空気を欲し、窓を開けたいが、そうしてしまう前に熱のひらめきが起き、覆われたがり、暖房を付け、熱いアイロンや湯たんぽを欲する;だが、今やその段階が過ぎ、看護士が熱いアイロン を持って来ると、患者は窓を開けて欲しいと頼み、すべて寒くしたい。これらは深刻な症例である事がわかるだろう。この事は後弓反張や痙攣、脳・肝臓・腎臓・膀胱の炎症と共に起き、ひどい疲労を伴う激しいショックと寒さから発生 する。人生において何時間も働いて来て、その興奮が終わり、反応が起こり、まるでつむじ風のように見える人に、こ の事が見えるだろう;疲労困憊するまで働き続け、今や衰弱し、冷たく青くなっている;樟脳ビンを持った老女が評判 になる領域があるが、ポテンシー化されたCamphorは樟脳ビンよりよく働き、患者をすっきりした眠りにつかせるだろ う。

 暖かい部屋での熱のひらめきと発汗を伴う更年期に役に立つ;四肢と下腹部は非常に冷たく、覆われない時は寒く、覆 われた時は大汗をかく。寒くて来るしんでいる間、四肢を暖めるために覆われるのに我慢できない。頭は痛みで充満;拍動性の痛み。小脳をいっしょに締めたような収縮の感じ。後頭部、後頸部全体がハンマーで打たれたよう、頭を前に 曲げて悪化;燃えるような刺すような痛み。前頭の痛み。

 患者を迅速に消耗させる疾患であるコレラにおけるCamphorの事を聞いた事がある。顔は冷たく青く震え、あまり発汗 がない、そのような症例では Camphorを考えるだろう。腸からはあまり分泌物がなく、あまり嘔吐もなく、あまり発汗 もない;だが、突然冷たく青くなり、まるで麻痺し昏迷状態に入ったかのように衰える

 口に泡をふいて痙攣する。青い唇、開口障害、破傷風。嘔吐を伴い顔に冷や汗。丹毒の顔の表情。

 喉の渇きがなく飲みたい。また飽く事を知らない喉の渇きもある;驚くほどの量の水に満足できない。十分な冷たさを得られないし、十分飲めないが、すぐに吐いてしまう。

 胃の刺激は顕著である。すべてを吐いてしまう。舌は青く冷たく、息は冷たい。体から出る物はすべて冷たい。 Carbo v.とVeratのように、胸から出る空気は地下室から来るそれのように感じられる。舌は冷たく震える。このような状態は コレラに見られる。冷たい状態を通して燃えるような痛みがある。体内が燃えるよう、または皮が剥がれたような熱な く燃えるような感覚のように内部がうずく感覚がある。

 胃内の痛みは非常に激しいため、顔に現れる苦悩は Arsenic に等しい;胃に死ぬような苦悩が感じられ、死ぬに違いな いと思う。吐き気と嘔吐を伴い、胃に燃えるような痛み、引き裂くような痛み、裂けるような痛みがある。胃腸内の引 きつけは、痙攣や後弓反張が出るまで体の他の部分に広がる。みぞおちにある苦痛は患者を絶望に追い込む。胃内の 熱。胃内が冷たい感じ。下腹部は疝痛と燃えるような痛みで充満。下腹部が冷たい感じ。

 コレラ性の便;米汁のような分泌物で、不安や落ち着きのなさを伴う、筋肉の痙攣、胸部の締め付け、衰弱、冷たさと 青さを増す;覆われたくなく、衰える。古いCamphorとCuprumとVeratrumは今でもアジアコレラのため結合する。 Camphorは衰弱し、青く、冷たく、覆われたくなく、体は冷たく乾燥している。

 他の二つのレメディはコレラにおけるすべてあるが、Cuprumはあまり冷たさがなく、もっとひきつりや痙攣の傾向があ り、あまり衰弱しない。 痙攣が多いほどCuprumが働く。腸からの分泌が多く、嘔吐と発汗が多いほど、Veratrumを考 えるとよい。冷たさと乾燥は Camphorである。冷たさと多量の分泌物はVeratrumである。

 風邪をひいてから、挽いたコーヒー豆のような焦茶色の膿の不随意の分泌物を伴い切れるような痛みがある。 しぶり腹。冷たく青さを伴うコレラの患者は、吐き気や吐こうと力を入れ、少量の便を出すためひどいしぶり腹に苦しみ、そ こここに痙攣が起きる事がある。この腸の症状は、便を押し出せなくなる麻痺状態まで徐々に増す。直腸は収縮してい るようで痛い。

 泌尿器及び生殖器に問題がある。尿が燃えるように痛い。有痛排尿症。頻尿。困難を伴う頻繁な尿意。 直腸同様、膀胱 にも同じ状態が立ち上がり、恐ろしい拷問を伴う分泌閉止がある。患者は室内便器に座り、尿を放出しようと力むが、 膀胱が麻痺状態である。尿は赤、血が混じっており、Canthのように雫が落ちる。膀胱の頸部がテネスムス。

 Camphorは、我慢できない度合いまで、性的な異常興奮が増す。大きな投薬からのケースでは、それが極端に見られる 事と、逆のケースもある。プルービングでは、性的な異常興奮と不能の双方がある。私はあるフランス人女性をかつて 知っていたのだが、彼女は常に少年たちを家におきたいという精神異常があり、なんとか彼らを少女たちから離す事さえできればと思っていた;そして少年らの性欲を破壊するため、彼らの枕の下に樟脳の袋を隠していたのだ。彼らは皆不能になった。しかし、プルーバーの中には性的な異常興奮が起きた人もいる。それはCanthのようだ。

Camphorは鼻や気道から、鼻から気管支まで、多量の分泌を伴う鼻風邪を作り出す。子供や老人の気管支だ。年とって しなびた人は天候にさらされる度に風邪をひき、寒く凍える。Ant. crud.とAm. carb.とCamph.は80歳代の人にはすばら しいレメディだ。風邪はどれも脅かして見える。老人は若い人のような風邪にかからない;老人は衰弱し、力を失い、 胸がガラガラ鳴り、それを家族は死の音と思い、おじいちゃんの最期の呪文だと思う。この三つのレメディは、肺炎の 進展期のような症例に適する。Ant. t.とAnt. c.,とAm. c. とCamph.は、熱い段階を省いたこれらの症例をカバーする。 Camph. はほとんど熱がない;熱の感覚はある;だが、顕著に熱い段階ではない。この薬には、老人に見られるような 他の症状がある。

筋肉の痙攣、震えと痙攣。震えを伴う発作的な状態。舌の震え。

Camphor患者の一般的な体質的な状態は、寒さと、寒さに極端に敏感である事だ。急性の炎症状態では、患者は寒く、 覆われたくない。 急性の状態では激しい枯渇があり、慢性では喉が乾かない。急性の枯渇におけるArsenic,と同様;だ が慢性においては喉が乾かない。

Camphorで急性において思い出すべき重要な事は、熱の間や痛みがある時、患者は覆われたい事だ。寒さは寒さで楽になり、もっと寒さを欲する。

Calcarea Phosphorica (カルク フォス/リン酸カルシウム)

成長期にある多くの子供はこのレメディを必要とする。頭の骨の形成が遅いか、その子供の成長のペースと歩調が合わなければ、このレメディ(Calc-p.)がしばしば必要とされる。子供が痩せ、何かをする事 を学ぶのが遅く、歩くのを覚えるのが遅く、あるいは足に体を支えるほど充分強さがなく、あるいは精神的発達に遅れがあれば、このレメディは試されるべき1 つである。(Baryta Carb., Borax, Ph.ac., Nat.m, Calcのように試されるべき)。

たるんでいて、しなびていて、やつれた子供。結合しない骨折、腫れた関節丘は、このCalc-p.レメディの強い症状として全てのテキストに認められている症状である。鼻と腸と子宮のポリープを治癒する。首と鼠径部と腹部の肥大した腺を治癒する。頭蓋泉門が開いていて、やつれた子供の、くる病と下痢。関節と肢に リウマチ性の痛みがあり、冷たい天気で悪化するか、天気が変化するたびに悪化する。青白く、蝋のような皮膚;貧血。早く成長する子供の夜の成長痛。肺病体質。骨の病気。潰瘍を形成しやすい。痒みがあり、焼けるような発疹。寒さに敏感。激しい振動に敏感。 

 痛みは、撃たれるような、ひっぱられるような、うずくような、焼けるような、圧迫されるような痛み。下方へ広がる身震いをする悪寒がある。夕方、乾いた熱さ。大量の寝汗。

 このCalc-p.のレメディの問題は、一般的に休息で好転し、動いている間訪れ、疲労でひどく悪化する。ベッドの中で動くと強ばる。一般的に身体的弱さがある。多くの部分のしびれたような麻痺。震え。問題が起こる事への恐れ;動悸。

 電気的なショック、非常にひどいので、患者は立ったままでいられない。癲癇の痙縮。子供の引きつけ;最大の効果を補償するために、痙攣していない時に投与されなければならない。精神的には、上記の全て、疲労と衰弱した脳の全てが示される。記憶の弱さと、精神的尽力が続けられないというところが ある。精神的疲労から頭部に痛み。精神的疲労をひどく恐れる。不活発な精神。バカな行動。精神薄弱の子供。手で頭をつかみ、叫ぶ子供。症状のこと をを考えると、その症状を出現させるか、症状を強める。極度の怒りっぽさ。悪い知らせ、悲嘆、報われない愛情、いまいましさから発症。自分の考えとよく話 すため、孤独を求め、人付き合いと言う骨折りを閉ざす。自分の環境に不満があり、1つの場所から次の場所へ移る。

 冷たい風の中で目眩、精神的・身体的尽力から目眩、座っている所から立ち上がると目眩、冷たい風の中を歩いていると目眩。

 頭部の症状は、より顕著である。学校に通う子供の鈍い頭痛ーいつも頭痛を伴い学校から帰宅する。頭部は激しい振動、圧迫、帽子に敏感; 頭を冷たい水 で洗いたい;静かに、1人でいたい。 頭部に拍動と灼熱感がある。冷たい天気で、冷たい風の中にいた事による、頭全体が痛いようなリウマチ性頭痛; 歩 く事で悪化、身体的・精神的なエネルギー使用で悪化、夜悪化。何度も水頭症を防いできた。前頭痛、額、眼が帽子の圧迫から悪化。頭皮の発汗;額は触ると 冷たい。頭の骨に引き裂かれるような痛み。後頭の冷たさ。頭皮の湿疹。頭皮の潰瘍

 もし斜視、下痢、体重減少があり、子供に脳充血があらわれている時。目の前に、きらきらひかる非常に激しいものが回る。人工の光で読書することからの目の痛み。目のかすみ。目にヒリヒリする痛み。それを考えると悪化する痛み。角膜の潰瘍。目が熱く感じる。涙の流れやすい。

 天気が冷たく変化した時、耳にリウマチ性引き裂かれるような感じ。耳が非常に冷たい。耳の深くがうずくように痛む。耳下腺が肥大し痛む。耳のあたりの発疹。排便後、耳に音がする。中耳の乾燥したカタル。

 Calc-p.のレメディは、全身症状が合う時、鼻の慢性的カタルに役立つ。鼻のポリープ。氷のように冷たい鼻。冷たい部屋での流れる鼻感冒は、温かい部屋では止まる。鼻血。

 青白く、蝋のような顔色、不潔な皮膚。冷たい天候が続くたびにリウマチ性の顔面神経痛。顔に冷や汗。夜、冷たい空気の中で、顔の神経痛;労作で悪化し、 熱で好転する;圧迫に敏感(Mag-p.は熱と圧迫で好転する)。暗い斑点と、膿が顔にある。上唇の腫れ、痛みがあり、固く、焼けるような感じ。

 歯が生えるのが遅く、或は虫歯になりやすい。触れることに敏感、圧迫に敏感、あるいは噛む時に敏感な歯。子供における生歯の問題。口に腐敗した味。朝、苦い味がする。朝、表面を覆われた舌。舌が腫れ、しびれたようで、硬直している。

 慢性的な喉の問題を持つ成長期の子供。扁桃腺肥大。風邪のたびに扁桃腺に作用(Baryta-c. Alumen.) 喉に非常な粘液。夜、喉の乾燥。

 塩分、ベーコン、燻製の肉を渇望。強く食欲。幼児はいつも世話をしてもらいたがる。胃病をおこしやすい。冷たい飲み物、アイスクリ―ム、フルーツが胃の調 子を狂わせ、痛みか、下痢を起こす。食べ物の後、胃に痛み。げっぷと吐き気。胃にヒリヒリする痛み。酸っぱいげっぷ、吐き気、嘔吐。胃に灼熱感。咽頭か喉 をこすった事から吐き気。幼児、子供、妊婦における嘔吐。胃の激痛; 少量の食べ物で悪化する下痢。胃に痛烈な痛み、空っぽの感覚。

 寒くなった後、肝臓の痛み、ヒリヒリする痛み、食後悪化、動きで悪化; 静かにしていた。深く呼吸する事から、あるいは突然の動きから、肝臓に縫うような 痛み。肝臓に拍動。脾臓に切るような痛み。腹部に沈み込む感覚。腹部に灼熱感があり、胸部に上がってくる。腹部の痛みは放屁をする事で好転する。下痢に続 く疝痛。幼児におけるへその潰瘍。放屁から、何か生きているように、腹部で動く。腹部が大きくたるんでいる。

 下痢を伴う腸管膜結核。

緑色の粘液と熱い水のような便; 白い、柔らかな(粥のような)便、大量の便、悪臭にある放屁。フルーツ、アイスクリーム、冷たい飲み物、心痛から下痢。肺病患者における朝の下痢。ひどく悪臭のある便。

 困難な、固い便を伴う便秘。排便中、直腸と肛門からの出血。突き出した痔核が非常に痛く、数週間ベッドに寝続ける;立ったり、歩いたり、ふれられたりすると激しく痛む;熱で好転;一般的苦痛は、天気が突然寒くなるたびにある。痔核は痒く、焼けるようで、黄色の膿みを分泌。夕方、肛門に痒み。 肛門に縫うような痛みがあり、痔を伴ったり伴わなかったりする。肛門の周りと、肛門付近に腫れものと膿瘍があり、血液と膿みを分泌する。結核体 質の人におけるろう孔。灼熱感と縫うような痛みを伴う裂肛。

 弱く、刺激に敏感な膀胱。膀胱のカタル。排尿に頻繁に駆り立てられる。大量の尿。膀胱頸部に痛み。尿道に切るような感じ。前立腺に縫うような感覚。排尿の 前と後に、膀胱頸部に痛み。空っぽの膀胱にうずく痛み。このレメディは糖尿病を治癒する。腎臓のあたりに激しい痛み。

 性欲の増加―痛みのある勃起。尿道と前立腺に、後淋(慢性淋病からの分泌物)の分泌と鋭い痛み がある時、Calc-p.は慢性淋病の多くのケースを治癒してきた。長く続いていて、天気が寒くなるたびに悪化する淋病性リウマチ(Med.)。

 女性は、Calc-p.ほど良い友達はいない。思春期、成熟が遅くい時の苦しみは、この医薬Calc-p.により満たされる。最初の月経期に風邪をひいた 時から、痛みのある月経がしばしば訪れ、この痛みのある月経はレメディで治癒されない限り月経人生を通じてずっと続く。出血の数時間前、子宮と鼠径部にお ける激しい痙攣があり、完全に出血が始まると緩和される。痛みのために、女性は大声で叫ぶ。過度な性的興奮(Platina, Gratiola, Origanumのように)骨盤に、虚弱な、沈み込むような感覚。排尿と排便の間、子宮脱出症。子宮のポリープ。 月経の初めに陣痛のような痛み。大量の月経出血、非常に暗い塊と膜を伴う。昼も夜も白味のような帯下。外陰部に拍動、性的刺激。月経の間、膣と子宮の灼熱 感。母乳を拒絶する子供。1人か2人の子供を生んだ女性は、基本にCalc-p.があると考えてられるかもよく、Calc-p.が投与されて良いかもしれ ない。次の子供はより強く、より良い根本体質になるだろう。

 患者が話したり歌ったりできる前に、喉頭から粘液をこすりとっているのがよく観察される。昼も夜も、しわがれ声、乾燥、空咳。結核性喉頭炎。

 わずかな労作、あるいは階段を上る事で、息苦しくなる。冷たい、湿気のある天気で悪化する乾いた空咳を伴う、やせた、青白い、病弱の人、リウマチ性の根本体質。黄色い喀痰。

 胸部に縫うような痛み。胸部のやつれ。  痰を吐きだす事が難しい。肺病と吐血における非常に有効なレメディ。胸部に非常な発汗。胸部にガラガラ音があり、Caust.のように痰を吐きだす事が難しい。触られるとヒリヒリする痛みの胸。手足の震えを伴う動悸。

  冷たさ、嵐の天候で悪化する背中の痛み、強ばりを伴い、朝悪化する。背中は隙間風に敏感。持ちあげたり、引っ張ったりする事からの背中の痛み。背骨の湾 曲。裂けるような、撃たれるような; 敏感で脊柱にうずき。仙腸骨結合のヒリヒリする痛み。月経期間、腰部と仙骨の痛み。

 冷たい天候で肢にリウマチ性の痛みがあり、動きで悪化、休息中好転、熱から好転。全ての手足の震え。休息した後と朝の強ばり。成長痛のような骨のうずき。痛風性の指と足指で、冷たい天候で痛む。爪の根元に潰瘍性の痛み。

 下肢に、最もひどい裂けるような痛み、電撃痛。これは、下肢ではいつも膝が冷やされ、Calc-p.では冷たい部分がいつも苦痛となる部分であるからだろう。下肢の腱における鋭い痛み。膝と長骨に激しい、うずくような穿刺痛。脛骨にヒリヒリする感じを伴う痛み。脛骨に引っ張るような痛み。ふくらはぎに痙攣。足の潰瘍; 弱く、慢性的; 肉芽はない。 足首のリウマチ。踵骨(かかとの骨)のカリエス。つま先に、刺痛と電撃痛。

 日中と夕方眠い。ベッドに行くと、真夜中、あるいはもっと遅くまで眠くない。

 朝、非常に眠い。鮮やかな夢。眠っている時、大声で叫ぶ子供。恐ろしい夢で驚いて目覚める。

Calcarea carbonica(カル・カーブ/牡蠣の殻)

 Calcareaの対象者を作るようにと言われたら、消化器官が非常に消耗して、それ以上石灰を消化できなくなるまで、 その人に石灰か石灰水を与え続ければよい。そうすると組織が必要とする物がどんどん奪われ、石灰被験者が出来上がり「骨塩量低下」の症例はまさにそのものである。乳に石灰水を混ぜて与えられた嬰児は、しばらくの間、石灰の対象者になるだろう。その赤ん坊は自然の食べ物から石灰を吸収できなくなった状態になり、その結果としてこれかのら描くCalcareaの対象者になるだろう。しかし生まれつきのケースは、生まれつき病気なのであり、そのように生まれ、自然の食物である石灰を生まれつき消化できず、太ってたるんで成長し、不完全な骨を作り出す。骨は石灰より軟骨の比率がかなり多く、骨が曲がり、疾患や破壊性の問題が起きる。骨はただ成長を止め、患者はマラスムスに陥る。赤ん坊が石灰を消耗できないという事で、石灰水を与えるとは何と馬鹿げた考えな事か!アロパシー以外何も合理的ではないのか?一方、我らがホメオパスもアロパシーの薬を使っている。ホメオパスは手に入れられる最低ポテンシーを使い、そのような物質がアロパシーの医者の手によるより、ホメオパスの手による方が、よりよく治るのは不思議に見えるだろう。または、その不調な状態に合うポテンシーのたった一服の投薬で、驚く事に、その赤ん坊が食べ物を消化し始め、骨に必要な石灰物質や必要とする物は何でも、食物から取り入れ始めるようになる。いっせいに歯が生え始め、骨が成長し始め、歩き出せるように脚が固くなり、支えるようになるだろう。髪の毛や骨や爪の障害に合ういくつかの薬の下で起きる変化には驚かされる。レメディは悪い部分に一致するのに、十分ポテンシー化されていなければならない。子供がすでに原物に対し障害を持つため、当然原物であってはならない。十分ポテンシー化されたレメディのたった一回の投薬後1ヶ月か6週間以内に、波打って平らでなく点々がある不規則な爪は、周辺を形作り、滑らかに生えて来るだろう。歯に醜い小さな歯冠や、歯茎から生えて来る時ゆがんだ黒い物を見るだろうが、適したホメオパシーのレメディで治療していると、周囲を形作り、そこから歯が健康そうに見え、そこからちょうど歯が悪い子供がよい歯になるに刺激されたかのように、歯が滑らかで丸く見える。骨がある所に同様の事がおそらく起こるだろう。骨膜は正常に働く。患者が石灰を必要としていたり、食物中の石灰にうんざりしていたり、消化しなかったり、吸収できなかったりするため、石灰を取り入れられない場合がCalcareaの状態であるり、石灰は通過してしまい患者に影響を与えない。そのため多くの病気が伴い、食品から引き出す事ができず、体が必要とする物が吸収できない。誰も、歯を作り上げる原因は自分だったと推測する愚か者ではないだろう。我々の高いポテンシーからホクロの丘は作らず、それはただ健康状態を確立し、そのため消化吸収が進み、秩序が確立し、細胞組織が向上する。健康になり、髪の毛がきれいに伸び、肌がきれいになり、爪もよくなる。

 Calcareaの体質は我々が知りたい事である。石灰による毒に冒された人を知る必要はない。これはレメディの目録ではないので知る価値はあまりない。石灰で石灰の消化不良がもたらされたならば、石灰の消化不良を治すための10あるレメディーの一つが必要だろう。その症状をカバーするのはいつもCalcareaとは限らない。その症状をカバーする薬は、有機組織を異常な状態から正常な状態に変え、消化が正常になり、有機組織に成長と繁栄がある一つである。 Calcareaの症例はその症状によってわかるべきで、患者が石灰による毒に冒されたという事実によってではなく、石灰を全くとったことがない人を診る機会もある。多くは石灰による毒に冒された事がなく、生まれつき石灰が吸収できないのだ。

 Calcareaは鬱血が多く、頭に血液が限定し、足は冷たく、頭が熱く、胸が鬱血している。Calcareaは萎黄病や貧血に大変高い度合いで一致し、太っているにもかかわらず青白く蝋のように白い。太く締まりのない患者もいれば、青白い患者もおり、また弱った状態もある。筋肉が衰えている。首の周りや、そこから下に向かって衰える。貧血状態で、青白く、蝋のように白く、病んで見え、青白い唇、青白い耳、青白い指、青白く黄味ががっている。萎黄病は特に少女の貧血に関連することばである。多くのレメディがそのような状態を示すが、Calcareaは萎黄病として知られている貧血の種類を作り出す。それは最も致命的な貧血を作り出す。どこもかしこも組織が非常に緩む。筋肉の弛緩、静脈の弛緩、血管壁の弛緩がかなりの範囲に広がり、特に下肢や肛門において顕著な痔や脚に顕著な静脈瘤が現れる。静脈が膨らみ、そのような静脈瘤において燃焼する。燃えるように痛く、ズキズキ痛む。出血し滲出する。関節が炎症を起こし、腫れて痛い。

 このレメディに流れる別の特徴は、腺、首の腺、体のすべての腺、特にリンパ腺を攻撃する傾向である。腹部のリンパ腺は固くなり、炎症を起こし痛く、大きなコブのようだったり、クルミのようだったりし、結節がある。Calcareaは結節の形成に役立つ。石灰変形、石灰質の腺、腺の硬化。潰瘍や潰瘍底部、潰瘍の周りの硬化に役立ち、それゆえ悪性潰瘍の成長を緩和し抑える事にすばらしく役立つ、というのは悪性潰瘍は常に硬化した底部があるからだ。老齢者の癌潰瘍ではその成長を大いに抑えられ、体質的状態はかなり向上し、患者自身忍耐力が増し、潰瘍は治癒し始めるだろう。16ヶ月以内で死ぬかもしれない癌性疾患においてCalcareaが示された場合、Calcareaで、もう5年生きるだろう。それはたいしたもので、どんな時でもそれが癌が進むと予測されるすべてである。腺病で腺の周りが湿潤し固く、腫瘍が侵入して周囲の線維を占有している所はかなり燃えるような痛みや刺すような痛みがあり、そのため癒着が起き事が深刻である。このような症例のほとんどすべてに悪性腫瘍がある。それらは腺と全く異なり、皮膚からはずれ、腺は皮膚下に広がり、繊維の連結はない。癌疾患は燃えるような痛み、刺すような痛みがある。症状が合えば、Calcareaは多くの腫瘍、脂肪、嚢胞を治し、腺のこの構築過程に非常に強く関連する。それは腺と骨を作り上げる。

 このレメディに流れているその他の事は、膿血症の状態であり、筋肉の深くに膿瘍がある。首の深くや、股の深くや、腹部に膿瘍がある。(症状が合う場合)Calcareaが膿瘍を保護し、破壊しない事を学んでビックリする事だろう。変動が非常に明確である場合に、膿瘍が消えるのを私は何度も見て来ている。針で膿の存在を確かめた時、そのような膿瘍が消えていたのも私は見て来た。膿腫だけでなく、優先していた膿血症の状態もが消えていたのを目にした。そのようにする薬が2〜3だけある。これについては珍しい事がある。どうしてCalcareaはその液体の吸収を好み、その部分を石灰質にならせるのだろうか。私には説明できないが、症例が合えばそうする。しかしSulph.とSil.はその症状が合えば、化膿を早める。しかしCalcareaは集中と収縮という特別な作用がある。ある症例を示す物もあれば、別の症例を示す物もある。Sil.が示され、膿瘍が実に危険な部位にある時がある。そして、もしSil.が与えられれば、自然に膿瘍が広がる結果となり危険であり、そのような例では安全に膿腫を流し出す手術をせねばならず、たとえ膿腫が安全な部位にあるかどうかわかっても、その患者が必要なレメディをとった方がずっといいだろう。金槌で骨膜を損傷し、筋肉を通して骨膜を傷つけたか打撲している時がある。炎症が起きて膿がすぐでき、もしCalcareaが患者の体質によって示されたならば、執刀は全く役に立たず、非常に有害である。しかし古い観点から考え、ホメオパシーや、我らがすばらしきホメオパシーのレメディをを全く知らない医者が、恐怖のうちに手を挙げる。「おお、もしそのような膿を吸収するシステムを作ったならば、敗血症になり死ぬ」。だがCalcareaの下では再吸収は何らかの形で起きず、患者はどんどんよくなり、発汗が止まり、苦しみは消え、完全に楽になり、食欲が増進し、 回復するまで強くなり、健康でいる。古い観点から判断すると、ホメオパシーの下で出て来る問題について何も結論を出す事はできない。我々は自分の観点と知っている事からのみ判断できる。そして誰かがあれこれ試したが成功しなかったと聞くと、自分自身の失敗を説明しているだけだという事を覚えておきなさい。ホメオパシーはあらゆる知性的な手でそれ自身を証明する事ができ、治療家が知性で法則を利用し症状に従ってレメディを適用する場合はいつでも、症例が描かれたように出て来るのが見えるだろう。

 このレメディを流れる別の重要な特徴はポリープを作る事ができる事である。Calcareaが必要な人は鼻や耳の中、膣内、膀胱内、あちこちにポリープができるだろう。膿疱もでき、変わった小さな乳頭腫もできる。

 他の変わった事は外骨腫を引き起こす事である。この疾患の状態は、石灰の分配が不規則な事から生じる。自然は最もよくできるよう公平に分配しようとすると諸君は思うだろう。だが骨塩量の低下が始まると、石灰が一カ所に溜まり、他の所にはほとんどなくなる。ある骨は軟骨性で、他の骨は上に骨のような物が生える。骨が柔らかくなる。不完全な 骨の形成。「歩き始めるのが遅い」というキーノートはこの事から生じた、というのは脚が非常に弱いからだ。歩き始めるのが遅いのではなく、歩くのが遅いのだ。歩き方はわかっているのだが、歩けない。Natrum mur.は脳の問題があり、その子供は物事を覚えるのが遅い。「骨組織の発達が遅い。湾曲」。筋肉が弛み、股関節症のような関節疾患。リューマチが多い。関節がリューマチや痛風の状態。

 Calcareaの患者は寒がりの患者だ。冷たい空気に敏感。底冷えがする風に敏感である。嵐の到来に敏感で、寒い気候の到来に敏感で、天候が暖かさから寒さに変わる時、暖かさを保つ事が不可能に思え、患者は体を暖かくしておきたい。頭が時々鬱血を起こし、触ると熱いが、自分には冷たく感じる。頭皮はまるで冷たいように感じる。しかし体はほとんどいつも触ると冷たく、寒く感じ、重ね着をしたがる。足が冷たい。色々な部分に汗をかき、部分的にかく。額に、顔に、首の後ろに、胸の前面に、足に汗をかく。寒さに対する敏感さと弱さがこのレメディを流れる。脚の弱さ。持ちこたえる事ができない。ありとあらゆる労作から悪化する。息切れする。太く、ぶよぶよし、貧血になりがちで、ぽっちゃりしている時もあり、顔がほてっている事がよくあり、持続力がなく、そのような患者がちょっとでもがんばれば、熱が出るか頭痛がして病気になって寝込む。Calcareaは持ち上げたり、がんばったり、歩いたり、汗をかくほど歩いてから起きる病訴が多く、これらはとても突然起きる、というのはじっとしても汗が止まらず、必ず病気になるからだ。もし汗をかき、快適になるまで十分長く止まったら、発汗は非常に突然止まるので、寒気がし頭痛もするだろう。弱く、疲れ、不安である。呼吸困難。 心臓が弱い。どこもかしこも弱い。筋肉はずっと努力を続ける事ができず、精神も同様である。精神はずっと努力を続ける事ができない。Calcareaは疲れた患者である。石灰の不足で苦しんでいる。石灰を消化する事がずっとできず、 腺が肥大し、首や四肢が疲労する状態に陥り、一方腹の脂肪と腺が増える。この事は特に子供に見られる。お腹が大きい子供で、弱った手足と首がある。肥大化した腺。青白くぶよぶよし、病んで見える。力が全く育たない肉付きの子供。肉付きがよくぶよぶよに育つ。弱いまま育つ。病気から起き上がった子供は、締まりのない体で、少しの間水ぶくれになる。Calcareaの患者は階段を上れない。脚がとても疲れ、胸も疲れ、階段を上ると息が切れ、窒息する。筋肉の衰弱とたるみの兆候がすべてある。栄養はどこもかしこも低下している。昔瘰癧と呼ばれたこの種の患者は、現在はソーラ状態と呼ばれ、Calcareaは非常に深く作用する抗ソーラの一つである。生命に深く入り、有機組織のあらゆる部分を深く捕らえる薬である。

 では精神面の症状を始めよう。精神面の症状はすべて、精神作用を長引かせる能力が大変衰弱している状態としてCalcareaを示す。頭脳労働で非常に疲れる。不安が多い。精神的に疲れ、肉体的に疲れ、頭脳労働で疲れ、汗をかいて不調になり、興奮し、いら立ち、困惑する。感情に大きな動揺があり、感情の興奮や心配や悔しさから、病訴は何日も何週間も続くか、或は一般的な感情の妨害に力を失う。「自分自身を動かせない」。そのような興奮や動揺や心配の後、しばらくの間よく考える事ができいない。心配や長引く仕事の活用や興奮から起きた病訴に、非常に役立つ。ある種の特別な精神面の感覚が多く、それが大部分のレメディとかなり違う。精神がヘトヘトに疲れて感じられ、このような衰弱や、このように関連付けて行なったり考えたりできない事で、精神異常に向かって進み、その事をくよくよ考え、自分は精神異常だとか精神異常になると確信したり、きっと精神衰弱になると思うように見える、というのは心で思っている事が精神異常か精神衰弱になるとか、人に見られている事だからだ。人に疑わしげに自分は見られていると思い、人を疑わしげに見、どうしてその人たちがそれについて自分に何も言わないのか不思議に思う。気がおかしくなると思い、人が自分の精神状態を見ていると思い、大体それを心に閉まっておく。その事を日中考え、その事でかなり駆り立てられ、その事を夜考え目が冴える。考えて夜遅く目が覚めて横になる。Calcareaは小さな考えに導き、小さい事や小さな考えに心を圧倒するか、或は小さな事をあれこれ考えるが、患者の心はいわば無視できない事にこだわる事に集中する。

 Calcareaの患者が友人にどう感じるか話すと、皆自然にこう言うだろう、「無視したらどうだい。それは何の意味もないじゃないか」と。だが彼にとっては大きな事で、無視できないで、この小さな事すべて結びついて気がおかしくなる事を患者に確信させ、計算できないし、深く考える事ができない;哲学的であったが、哲学的に物事を考える能力を失う。 精神の深さを失ってしまい、知性よりむしろ感情から結論を形成する。物事がそうなって欲しいように結論を作る。この人は気がおかしくなると、諸君はほぼ思うだろうし、患者はその事をあまりにも話し続ける。いかなる議論も受け入れる事はできず、ドンドン悪くなって行く。いつも信頼していたはずの医者の保証を受け入れられない。この人に言って聞かせようとしても無駄に見えるが、それほど遠くに行っておらず、自分の精神面の状態以外の事については論理的に考える事ができる。想像し、想像した物事はそう考え込んだのではと本当に不思議に思うだろう、というのは それは非常に小さな事だからだ。そして精神異常や愚かさや一般的な衰弱に陥った時がそうなのだ。それは受け身の状態であり、その状態で座り、全く意味がない小さな事について考え、座り続け、テキストには「一日中座って、指で棒を折ったり、ピンを曲げたりしている」とある。小さな事をし、そうやって自分を忙しくし、ドンドン疲れて行く。どんな量の考えも浮かばなくなる。 考えを2度同じように全く考えないため、患者が結論を出すのはほぼ不可能である。簡単な形でさえ加える事も引く事もできない。さて患者はこの事を非常に考え、皆が自分を見ていると思い、最終的に目を閉じるとすぐ幻が見え、静かになるとすぐに「今私は眠り、これを取り除くだろう」と思い、寝ようと目を閉じてから、恐ろしい小さなお化けを見て、できるだけ速く目を開けねばならず、興奮状態におり、頭をはっきりする事ができない。眠ると大変な事になり、あらゆる物が見えるため、眠れない。心に一致性がない。強い知性でそのような愚かさを無視する事を我々は知っているが、このような事がCalcareaの患者がこだわる事なのだ。独り言を言う。一人の時、寝床に横たわったり、座ったりし、いっしょにしなければならなかった考えられるあらゆる人やあらゆる対象について、一般的な会話を続け、それが増加し大きくなり、それがすべて現実だと想像する。いかに健康な心から離れているかが見えるが、起き上がった時は会話し、普通の人がする事をするので、この変な事すべてではまだ精神病棟には合わない。一人の時、いっしょに話す人がいない時、このように変な事をする。人といる時はかなりの範囲でコントロールし支配するため、このような事が出て来ない。せん妄状態や精神異常になった時同じ考えをもつ。指をしゃぶりあらゆる特別な小さな事をする。目を閉じると幻や人の顔が見える。「自分の側を誰かが歩いていると想像する」。Sil.のプルービングでそれが非常に強く観察された。それはPetroleumとCalcareaで観察されている。強く精力的な知性を伴う完全な健康状態で、それは感じられないが、神経質な人、特に女性においてはよくある。「恐ろしい幻を伴う精神異常。犬が自分の周りを這っているのが見え、それらを撃退する」。ここに神経質な女性に起きる「まるで駆け上ったり駆け下りたりしたいよう感じて叫ぶ」感覚がある。まるでどうにもならないように感じて叫ばねばならない。それは死による家族の喪失から神経が高ぶり、極度に興奮した人に起きる。母親が自分の子や夫を亡くしたり、若い女性が自分のいいなずけを亡くす。失望し非常に興奮している。ヒステリーな状態である。なおかつ、私は同じ事を男性に見た事がある。一つ思い出した。 経歴からそれが起きた。彼は同じ気持ちがあり、家を上に行ったり下に行ったりしてうろつき、まるで飛ぶか、または窓から跳び出すか何かせねばならないという感じがあると言った。それはヒステリーで見られる精神状態か、神経質な興奮の大きな状態に似ている「殺人、火事、大ネズミなどの事だけ考えたり言ったりする」。それは小さい事や馬鹿げた事を話す事と同じ考えである。誰の興味もない事である。なおかつ私は患者にこのような事を見た事があり、どうしてそうするのか尋ねた。「止まっている間いい事を試し、できなかったら私にいい事をするように思えるので、それが正しいとする」と一般的に言う。「 殺人、火事、大ネズミなどの事だけ考えたり言ったりする」。諸君の患者は他の馬鹿げた事について話すかもしれないが、 座って馬鹿げた事を話し、自分をコントロールできないで、考え、考え、表現し、話し、話し、話すという考えを描いただけだ。激しく呪文を叫ぶ。そしてCalcareaの患者は話す事を拒み、何も言わないだろう。一人の時には独り言を言うかもしれないが、会話に入るのを拒否し、完全に静かに座っているだろう。 Calcareaの患者は働くのを嫌う事があり、仕事をやめる。最も盛況な状態に達するまで仕事を続けて疲れてしまってから、非常に盛況な仕事をやめ、家へ帰り何もしない。仕事は自分にとってよくないと言う。仕事に疲れ、また仕事に行くと気がおかしくなるように思える。仕事を見たくないし、仕事について何も知りたくない。もちろんCalcareaの患者が、仕事での苦しみから弱り疲れる事が多くないのは、すぐに見えるが、私が話しているのは、疲れ果てるまで働き過ぎ、成功のど真ん中で仕事をやめ、家へ帰り、すべてを投げ捨て、それはまるでその人が怠慢に見える。だがそれは精神異常であり、怠慢ではなく、放浪の特質に属し、多くの場合治癒される。患者は勤勉であったが、全て一度に一転する。 大きな変化が心に起き、症状を取る。生まれつきそのようで、生まれつき怠慢で、全然働かないといった人ではなく、怠慢になってしまった人である。その歩みと会話は公正であったが、全て一度に変わり、毒づき始めた敬虔で厳格な人における症状のようである。 もちろんその個人は精神異常である事を我々は知っている。他方、仕事に対して精神異常性が発展したただ普通に勤勉であった患者がおり、ほぼ昼夜異常に勤勉に働く能力があるように見え、朝早くから夜遅くまで起きている。病気の状態である。だからレパートリーで「勤勉」を見ると普通の勤勉の状態を意味するのではなく、誇張されて症状になったものである。患者はとても勤勉になり、仕事に対してマニアックである。

 「メソメソ泣く。意気消沈し憂鬱である」。8〜9歳の聡明な小さい少女が悲しみや憂鬱で、未来の世界や天使について話し始め、死んでそこに行きたいとか、一日中聖書を読みたいのを見るのはおかしな事である。それは変な事だがCalcareaがそれを治した。Ars.もその状態を治すし、Lachもそうである。彼女たちは早熟の傾向があり、日曜学校に参加し、習った事を深刻に受け止め過ぎる。悲しかったり不幸だったり感じる子供や、生きる事を嫌い、人生に疲れた老齢者。それはAurumのようにかなり多い。Aurumの練習で説明したし、深く考えたが、最高の愛は生命への愛で、自分自身の生命への愛が消え、それに疲れ、それを嫌い、死にたいと思う時、患者は精神異常の境界線にいる。実際、それは意志の異常である。諸君はがすべき事は、愛情における異常か、知性の異常かもしれないのを、観察して見る事だけである。ある人は全く傷つかないままおり、ある人は破壊されてしまうかもしれない。Calcareaではどちらも同じように障害を受けているのがわかる。ある患者は随意神系に異常があり、愛全てが歪んでおり、健康だった時に好きだった物に愛情がなくなる。家族や家族の中の誰かを毛嫌いする。或いはほとんど損なわれておらず愛情はあるが、あらゆる変わった事をする。

 恐れが多い。生きる事に疲れ、希望がなく、不安。世界が暗い。「何か悲しい事か、ひどい事が起きるのではという恐れ。理性がなくなるのではという恐れ、或いは人に自分の心の混乱を見られるのではという恐れ」「死への恐怖、消耗や不運、一人出入る事への恐怖」。 恐れが多く、特に随意神経系が妨げられた時はそうである。音がする度にビクッとする。体や心が休息できるように眠れない。恐ろしい夢で睡眠を妨げられる。眠りは落ち着きがない。「不安や抑圧が大きい。落ち着きがなく、動悸がする。絶望、希望がない」。このような症状は白粘液質、青白さ、ブヨブヨした、微病んで見える人と、対になりつながる。「機嫌が悪く気難しい子供。怖がりやすい」。病訴の多くは頭の使い過ぎの後に起きる。病訴の多くは興奮や悔しさや恐れの後で起きる。

 循環が非常に弱く、心臓がかなり障害を受け、興奮する度に動悸が起きる。体を使った労作の度に息が切れ、これらは体内の血液循環にかなり関与し、脳の血液循環にかなり関与し、知性や感覚中枢にかなり関与するので、ほとんどあらゆる機会ですぐ目眩が起き、あらゆる種類の症状と混ざり合うのを見る。 恐れと不安と目眩。もし感情がわき上がったら目が回る。階段を上ると血が頭に上りクラクラする。心の混乱と頭の使い過ぎからの目眩。もしショックを受けたり、悪い知らせがあったり、何か精神面の興奮があったり、悔しかったりすると、このような目眩が生じるだろう。心の混乱、血液が頭まで限定し、手足が冷たく、汗で覆われ、目眩を伴う。「高い所へ上ったら目眩がする」これは上る努力である。血が急激に頭まで上がり、クラクラする。「階段や丘を上がる時。急に起き上がったり、頭を回したり、休んでいる時さえそうなる」。

 Calcareaの患者の非常に顕著な頭の症状の一つは汗で、ほんの少しの労作で頭に汗をかく。他のどこにも汗をかいていないのに顔に汗をかき、体の他の場所は快適なのに頭は冷や汗で覆われる。同様の事が足にも言える。足がとても冷たい時に足が汗をかく。足が暖かい時に汗をかくだろう。人が寒い部屋に入ると汗が止まると自然に考えるだろう。だがCalcareaの患者は、寒い部屋で汗が頭や足に噴き出す事がある。額に汗をかき、そうすると、すき間風が吹く度に寒気がし、そのため頭痛が起きる。頭皮全体が冷たいので、頭を覆わねばならない。だが鬱血の間は頭が熱い。そのように時々頭の中にかなりの熱が生じる。Calcareaの頭痛はボーッとして、意識が曇り、心の混乱を生じさせる。Calcareaの患者は鼻にカタルがあり、多かれ少なかれ分泌液を伴い、ひいき目で見てもかなりの分泌液がある。しかし寒い所へ行くと、分泌液が緩まり頭痛が起きる。目の上の頭痛。後頭部の鬱血。「裂けるような頭痛が、目の上から鼻へ降りる」はCalcareaの強い症状である。時にはまるで大きなくさびがその中にあるように思える。これはとても熱い物で楽になる。 暗闇で楽になり、日光で悪化する。暗い部屋に行って、楽になるよう横にならねばならない。この頭痛は暗い所で横になると改善する事がある。この頭痛は日中どんどん悪くなり続け、夕方までに非常に深刻になるので吐き気と嘔吐を伴う。 それは体質的な頭痛の形の一つであり、2週間に1回起きる頭痛である。7日毎に起きる頭痛や、2週間に1回起きる頭痛。定期的に起きる頭痛である。気持ち悪い頭痛や、古風なアメリカスタイルのきもち悪い頭痛。7〜14日の周期がよくあるが、また患者は非常に寒がりなので風にさらされて乗物に乗ると必ず頭痛が起き、本当に凍えたりとても寒くなると、患者は頭痛が、気持ちの悪い頭痛が起きる。それからまた頭の左側に痛みがある。片側だけの頭痛。頭痛は音で悪化するが、晩に暗闇の中で横になると改善する。こめかみに頭痛が起き、鼻の根元まで引っ張られるようだ。眼窩上の部位から起きる頭痛が鼻まで引っ張られる。こめかみの頭痛は締まる感じや、額の大きな緊張感を作り出すように思える。頭痛は動きや歩行、話しから悪化する。ほとんどのCalcareaの頭痛はひどくなるとすぐ、動悸を伴う。動悸は非常に強いので患者はそれが動悸だと言うだけでは満足しないで、金槌でたたかれたようだと描写する。ほとんどの痛みは圧迫するか裂けるようである。「震盪性の頭痛」。頭の中は縫われるような脈打つ痛みで、まるで2つに割れるよう。頭痛は歩く事やきしみから悪化する。頭の中が冷たく感じる事もあり、まるで冷たい頭が何も感じず、冷たく、木でできているように思える。この無感覚さを感じる事があり、まるで頭に帽子やヘルメットをかぶっているように描く。さて、このような感覚はすべて描写しにくいのだが、それらは同一物だ。Calcareaの頭痛はすべて、多かれ少なかれ鬱血性である。それはCalcareaの特別な特徴であり、内部の鬱血が顕著になればなるほど、表面が冷たくなる。胸や胃や腸の疾患と共に、手足が氷のように冷たくなる。汗まみれで、寝床で寝ている時体の残りの部位が熱を伴う事があり、頭皮は冷や汗で覆われている。それは変だ。病理学のどんな推論の過程によっても説明できない。事が非常に変わっているために説明できない場合、それはレメディの説明として非常に大切になり、患者に処方する場合一般的に外されうる事である。 それはほぼ一般的な状態であり、非常に顕著である。頭頂が燃えるように痛く、額が冷たい事がよくあるか、頭頂の燃える部分を除いて頭全体が冷たく感じられる。また、冷たい空気の中や寒い天候の中を歩くと、Calcareaは頭が冷たく、手足も氷のように冷たいが、足が暖まるとすぐ、極端に他の所へ動き燃焼するため、布団から足を出す。この事は経験の浅い処方家がよくSulphを処方する事になる、というのはそれがSulphのキーノートであるからだ。キーノートに頼る処方家は皆、患者が布団から足を出すといつもSulph.を与えるが、多くのレメディが燃える足や熱い足があるので、Sulphに制限しない事だ。Calcareaは頭がい骨の骨や頭の外部の疾患がある。骨の形成が遅い。泉門が長い間空いたままだ。水頭症の状態や膜組織に滲出があり、骨が成長せず、頭の成長に歩調を合わせるため、縫合線が分離し始め、頭が広く大きく、水頭症を伴い成長する。水頭症の子供は頭に汗をかくのが共通した特徴である。子供が夜ちょうど枕の上に横になると、頭から汗が流れ、枕全体が濡れ、特に夜に汗をかく。脳が柔らかくなる病気の人で、枕が頭の周囲濡れている。困難な歯の成長を通過する子供は、夢の中で恐ろしい時を過ごし、夜金切り声をあげ、枕は頭の周囲に濡れている。 老齢の多血症の患者は、衰弱した体質で、太ってブヨブヨし、リンパ体質の患者で、腺が大きくなり、頭に汗をかき、頭に冷や汗をかく。髪の毛は抜け、規則的に抜けず、それは老齢者に起きるように、あちこちまだらになっている。頭の横側や後ろ側に禿げた部分が見え、房になって髪が抜けたり、2〜3カ所抜けたりする。それから頭や顔に発疹があり、子供や赤ん坊に湿疹が見つかる。「頭の上に分厚いカサブタがあり、黄色い膿を伴う」。不快臭のある発疹’。

 目が疾患を共有して起き、使い方を知っていれば、Calcareaは眼科医の親友の一人となる。あらゆる炎症に特に合う訳ではないが、太くい締まりのない体質の人で、風邪をひく度に目に留まり、炎症を作り出し、それが2〜3日続き、潰瘍が始まるのならば、Calcareaを調べなさい。小水疱ができ、破れ、潰瘍になって広がる。足を水にさらしてからや、風の中を乗物に乗ってから、寒く湿った天候で目の疾患が起きる。角膜の潰瘍。目や頭の病訴すべてにおいて、光恐怖症が非常に顕著であるので、Calcareaの対象者が仮にも妨害される時、普通の光でも我慢できず、日が射す中外にいると極めて痛く、単に明るい陽光の中に出るだけや、じっと見る事、また眼精疲労から、多くの場合炎症が始まる。あらゆる労作で頭痛と目の疾患が起きる。一つの筋肉が弱いため緊張している。目の遠近調節の障害がある。目を使い過ぎる度に悪化し、その一般面のように見え、労作から悪化する。長引く労作には耐えられない;全体と同じくらい自分の部分の真実を見る。読む事、書く事、ある物を見る事がすべてかなりの労力である。Calcareaと共に、部分自体が労作から悪化したり、全身が労作から悪化したりする。Calcareaは白内障を治している。Calcareaは、頭の疾患や発熱と関連する他の目の障害があり、かなりの労作から体調が悪くなり、そわそわしやすい状態や、ほぼせん妄状態である心の混乱に陥り、目を閉じると、とても恐ろしい幻やお化けや幽霊が見える。組織や網膜に障害が見つかったり、検眼鏡で目の障害が見つかるずっと前に、まるでベールや雲なのような物を通して見るように、視野に煙や蒸気が見えると訴えるだろう。「目が悪い」。視力が弱い。筋肉が弱い。ぼやけて見える事で苦しみ、弱さが進み、徐々に目が見えなくなる。目の症状や、頭の症状、神経の症状はすべて、読んだり書いたり凝視する事から悪化する。そのような労作の後で非常に疲労し、目の上や頭内の目の裏側が裂けるように痛むだろう。それが習慣になっている特別な種類の頭痛である。それは頭のどの部分にもありうる。眼精疲労と言う。眼精疲労にすばらしいレメディである(Onosmodium) 。Calcareaは角膜混濁の多くの症例を治して来た(Bar, iod.)。老齢者のケースでは保証できない。それは疾患の結果の一つであり、いつ疾患の結果を取り除くかは、我々にはわからない、というのは、聡明なホメオパスは疾患の結果に対して処方しないからだ。彼は患者に対して処方する。 混濁自体が存在する時、それは症状ではなく、疾患の結果である。患者が一般的な症状に対して処方される時、角膜混濁のような状態は、しばらくするとなくなる事がよくある。患者はよくなり、自分自身でよくなったと感じる。患者の症状は治まり始め、症状が治まった後で、病状は治まり始める。病状がなくならない場合、処方を思いとどまってはいけない。患者の症状すべてがなくなり、患者がよく食べるようになり、よく寝るようになり、よく動けるようになった場合、角膜混濁が消える事は不可能だと思ってはいけない。しばらくしたらなくなるだろう。私がある患者の治療をあきらめて何年もたってから、その人が私の所へ戻って来て、その人の症状がすべて消えていたのを覚えている。「うーん、この状態が消えると思えない。何も処方できない。これ以上薬を飲んでも無駄だ」と私は患者に馬鹿な事を言ったが、6ヶ月後その患者が戻って来て「先生、先生がしてくださった処方で、この病気が消えたと思いますか。ほとんど全部消えたんですよ」と言った。健康状態を回復するのに、自然自身が悪い組織と交換し同じ所に健康な組織を作り、内臓を回復させるのに、どれだけ時間がかかるかという考えを諸君に伝えたいだけだ。時間はかかるし、驚くべきでないのがベストだ。薬ができる事をすべてするだろう。これは私が見た他の事なのだが、症状は残っておらず、かなり長い間待った後でさえ症状はなく、もう一回同じ薬を与えると、最後の症状が患者を向上させ、病状が消え始めたのを見た事がある。ゆえにCalcareaは混濁に対し最高の友人であり、患者に対し処方するので、混濁がありうるままに、どの医者もよき処方家であるべきだ。混濁はそうでなければならない。ホメオパシー医は患者に対し処方するので、処方における特別な事としてそのような事ができるかどうか疑っている。目の疾患があるかどうか、耳の疾患や喉の疾患、肺の疾患、肝臓の疾患などがあるかどうか、医者は患者に対して処方する。

 耳に多くの問題がある。それは耳からべとついた黄色い分泌液を作り出す。寒く凍える天候は耳の問題をもたらし、露出から寒くなったり寒気がしたりしてから、或は寒く湿気た天候に突然変わってから、耳に病訴が加わる。せいぜい考えがここで他のカタルの状態に固執している間に、多量の分泌液が出る。しかし露出と寒さからこれは少し緩み、そうすると少し炎症が起き、十分ズキズキし、頭痛が起きる。それは露出の度に起きる。カタルが鼻や目や耳の中にあろうとなかろうと、頭痛が起きる。Calcareaの患者は、寒い天候や露出から支障がでやすく、寒さに過敏であるため、患者が服を着て自分を守る事はほとんど不可能である。患者はブヨブヨして柔らかく、妨害されやすく、周囲に敏感である。もしそれが耳の問題であれば、聞き辛さ、中耳の膿瘍、エウスタキー管のカタルなどが起きるかもしれないが、これらすべてが頭痛が起こし、耳の周りの腺が影響を受ける。

 鼻のカタルは極めて厄介である。老齢者の根強い頑固なカタルは、べとついた黄色い分泌液を伴い、鼻から大きな固まりがでる。朝鼻をかむと巨大な黒い、血の混じった固まりが出る。夜の何時間かは鼻で呼吸するが、鼻が詰まって口で呼吸する。鼻のポリープを何度も治している。ホメオパシーの医者は、症状を非常に信頼しているので、症例を調べてからレメディが非常によくわかるので、 たいてい症状だけで患者に処方するだろう。疑いなく「この患者はCalcareaが必要だ」と言う。患者に対し処方し家に帰す。3〜4週間後、患者はハンカチにゼリー状に見える固い物を持って来て「先生、私の鼻から出て来た物を見てください。先生がくださった薬でこうなったと思いますか」と言う。おそらく諸君は患者にポリープがあった事を知らなかっただろう。それであまり違いはない。諸君の処方は鼻にポリープがあっても、あるのを知らなくても何の違いもなく、処方前にねじりをはずす事はどうやってもできないので、ホメオパシーを知らない人にねじりをまかせねばならないだろう。そのため検査はあまり重要でなく、ポリープに対して処方する人は患者について忘れてしまう。鼻の骨の疾患。 カタルが長い間出続け、深く居座り、鼻の骨や軟骨が侵入し、いくつか折れてしまう。それで執刀医は骨や軟骨を切って取り出し、述べるに多すぎる手術をし、皆同じ手術を受けねばならないが、治癒するため、その後やはりホメオパシーの医者に行かねばならない。まず治療すべきで、それから何か取り除く必要があれば手術させなさい。

 顔は病んで見え、冷たく、汗で覆われている。ほんの少しの労作で汗が出て、夜額に汗をかく事もある。「顔に冷や汗をかく。顔は青白く悪液質」で、癌や消耗が進んだケースに見られる。顔は黄ばみ、青白く、病んで見え、水腫のよう。顔に発疹がある。唇の周りに発疹があり、唇はひび割れ、口は表皮が剥げている。唇はひび割れ血が出ている。 耳下腺が腫れて痛い。舌下腺と顎下腺が腫れて痛い。腺はすべてCalcareaの疾患に加わる。

 Calcareaは慢性の喉の痛みのための薬である。喉の外観はいつも処方に十分とは限らないが、喉の病訴としては、しょっちゅう風邪をひいているので、一つの風邪が終わらないうちに次の風邪をひいている人の病訴で、そのため慢性の喉の痛みを植え付けられる。始めは本当に似ているのだが、Bell.の喉であるかもしれないが、治る前に次の風邪をひく。この事は Calcareaの患者の一部分であり、風邪をひきやすく、大変露出したり、湿った天候から、すきま風が吹く度に風邪をひく。Bell.の喉の痛みが終わりつつある時、それが終わったと患者が思った時、新しい風邪をひく。おそらくBell.で2〜3回楽になってから、慢性状態に陥り、小さな赤い斑点があり、おそらく喉に小さい潰瘍があり、それが全体に広がる。それは口蓋まで広がり、舌が痛く、乾燥し続け、咽頭に窒息感があり、扁桃腺を覆い、後鼻孔の中まで広がり、べとついた黄色い粘液でいっぱいになる。慢性の炎症。口蓋垂は膨らみ腫れるかもしれない。「部分的にむくみ、赤く、腫れる」がまだらではない。

 Calcareaは胃の働きが遅い。「食べた食べ物は胃に留まる」。消化しないで酸になる。「酸っぱい物を吐く」。ミルクが酸っぱい。ミルクが合わず、消化が遅く、弱い。腫脹で充満感があり、食後はお腹が大きくなり、何もかも胃の中で酸っぱくなり、何でも胃を不調にする。消化力が弱い。Calcareaの患者は卵を非常に強く欲する。小さい子供が卵を切望し、食事の度に卵を食べ、卵は他の何よりもよく消化する。子供が自然に卵を欲するのは滅多になく、その子は足が冷たく、四肢がひどく痩せ、頭が大きく、お腹も大きく、皿をひっくり返したように丸く出ている。膨らんだ腹部とすらりとした手足で、寒さに敏感で、青白い肌で、青白く蝋のような表面をしている。その後、完全に食欲をなくし、どんな食べ物も欲しくなくなる。何も欲しくないが卵は欲しい。肉や暖かい食べ物を嫌う。それは肥大化した腺や甲状腺腫を伴う。ガスが溜まる。酸を吐き、臭い下痢で、それは強い刺激がある酸っぱい臭いで、特に子供がそうである。乳児は未消化の形で便を出し、便は非常に酸が強いので臭い。そのためその部分の皮が剥がれ、オムツが接触する部分の臀部の表皮が剥がれる。腹部が衰弱する時もあり、ガスが出て腹部がたるむ事があるが、ほとんどの場合、腸内ガスで膨らむ。たるむ場合、腹部に結節が見られる。リンパ腺は固く、衰弱した腹部を通じて感じられる事もある。結核の傾向があり、小児腸間膜結核はその一つで、石灰体質の自然な結末であり、これと共に腸の腺疾患がある。腸間膜腺に結節の沈殿物がある。下痢は酸性で、水っぽい下痢、徐々に衰弱し、特に四肢が弱る。風邪をひく度にどんどん消化不良になる。風邪をひく度に新しい下痢がはじまるので、下痢が止まらない。急性の発病である場合、Dulc.が楽にする事がよくあるが、4〜5回楽にするとDulc.はもはや楽にできず、 その時Calcareaがレメディの一つとなる。

 また、それは老齢の長引く頑固な体質に非常に役立つ薬でもある。軽い下痢だけである場合、便は白く、この体質がある場合、便は白いかチョークのようである。乳児は乳を飲むため、白いか薄い色の便が出るのはわかるが、患者がミルクを飲んでいないで、普通の物を食べて生きている場合、便が胆汁を含まず、非常に明るい色や、黄色か白色であり、便秘においては便が非常に明るい色で固い事がよくある。

 Calcareaはある種の消化不良や、寄生虫を形成しやすい発酵があるため、Calcareaの赤ん坊は虫だらけの事がある。便に寄生虫を含み、寄生虫を吐く。Calcareaは正にこの消化不良があるので、症状が合えば、もうそれ以上寄生虫が孵化する事はない。症状は消え、何が寄生虫になったのか本当に不思議に思う。ホメオパシーの治療家は駆虫薬を与えないで、消化を正す事で、寄生虫が成長する事はなくなる。健康な胃腸に寄生虫が増える事はないというのは真実だ。寄生虫が排出によって出てしまうのか、破滅してしまうのか、どうなるのか私にはわからない。薬のような物や駆虫薬で除去する事は、消化不良を増加させ混乱を増やすので、事態を悪化させるだけだ。そして孵化にちょうどいい種類の液体が気に入れば、胃腸内の寄生虫すべてが発生するだろう。寄生虫が生まれて成長する。私は過去20年で少なくとも25回はCalcareaがサナダムシを駆除したのを覚えており、ほとんどの場合その存在がわからなかったのだが、ただ患者に対して処方してきた。私はサナダムシの存在には気が付いていなかった。多くのレメディがそうするのだが、これは他の物以上である。

 Calcareaの患者は性的に弱く、一般的な弛緩と衰弱がある。時には尋常でない欲望が起きたり、夜欲望で目が覚めて寝られない事もある。だが弱い。どんな道楽でも、このように弱く、背中の弱さや発汗、一般的な弱さが後続するため、苦しみのため自制せざるをえない。

 女性も同様に影響を受ける。体質の弱さをすべて聞いた時、驚く必要はない。Calcareaの女性が不妊なのはよくある事だ。 非常に疲れ、弛み、全く生殖に適していない。男性と同様、けん怠感、腫れ、覚醒状態、セックスの度に後で一般的に衰弱する。部位はゆるむ。子宮は引きずり落ちる。部位が強いて出されるような感覚がある。男女共に生殖器が一般的な衰弱と弛緩の状態にある。Calcareaはイボやポリープや有茎性の皮疹ができやすく、それは出血しやすく、柔らかく、スポンジのよう。

 月経期に出血が多すぎ、もちろんこれは自然に早く来すぎる。3週間毎に来る事がよくあり、1週間続き、多量に出血する。月経期は早すぎ、長く続きすぎ、多量である。Calcareaがいつも示されるとは限らず、症状がすべて合わない限り、Calcareaの患者は決まらない。 5〜6個のキーノートだからと心の声がする事があり、Calcareaをあたえるかもしれないが、 患者が Puls.の患者であるべき時、 Calcareaの5〜6個のキーノートがあるからと思って、Calcareaで患者が治ると期待できるだろうか。患者はいつも暖かい物や暖かい服を避け、冷たい外気を欲し、まだまだたくさんのキーノートがあるとしたら、その度にCalcareaで失敗するのがわかる事だろう。特殊な事を一般的である事と結びつけない限り、そして一般的な事を特殊な事と結びつけない限り、レメディが一般性と特殊性を内から外に患者を適合させない限り、治癒は望めない。だからキーノートで処方せず、患者の症状に対して処方するように私は言うのだ。

 Calcareaのどの患者にも常にあるこの弛緩の大きな状態は、また帯下を作り出し、それは多量で、べとつき、継続的に出続け、終日分泌する。帯下は酸性で、ずっと痒く、ヒリヒリし、燃えるような痛みが続き、月経の度に「帯下はべとつき黄色く」月経の出血と混じる事もある。帯下から「膣のポリープ。性器内が燃えるように痛い」。 帯下から「痒く表皮が剥離する」。持ち上げすぎや、興奮、ショック、何か大きな障害、恐怖、大きな感情、筋肉の緊張から起きる子宮出血。そのような弛緩と衰弱の状態。筋肉を緊張させる事ができなかったり、 心身の労作が不能だったりする。

 妊娠の病訴は一般的な大きな弛緩と衰弱である。流産の恐れ。出産後の衰弱、疲労、発汗。授乳からの衰弱。

 Calcareaの声は痛みがない声枯れ。声帯が疲れ、緊張に耐えられないで、ほとんど麻痺し弱っている。喉頭から多量の粘液が出る事がある。喉頭にかなり炎症があるが弱い。Bell. やPhosに見られるような燃焼や表皮剥離でなく、痛みのない声枯れである。Phos.では痛く、Bell.では非常に痛い。痛みなく話す事はできない。しかしCalcareaでは、患者は感じないので、どうしてそんなに喉頭に問題があるのか不思議に思う。これがどんどん悪くなり、結核の傾向を伴い喉頭結核を用心する。早めに与えるとこのような結核の傾向を防ぐかもしれない。これは喉頭結核を治して来た。粘液のガラガラという音がかなりし、ガラガラという音で呼吸し、粗いガラガラという音がし、気官や喉頭、気管支、胸にかなり粘液がある。ひどい呼吸困難。呼吸困難は階段を上ったり、風に逆らって歩いたりしてから起きる。どんな労作からでも呼吸困難になる。この事は喘息や弱い心臓、弱い胸、瘻の恐れに見られる。肺の状態は呼吸の種類によってわかる事が非常によくある、というのはそれはすべて瘻に陥り、疲れて弱るからだ。患者は疲れ衰弱しすぎて、呼吸しようとする事ができないので、階段を上るのや丘を登る事、風に対して歩く事がが困難である。

 胸の問題はCalcareaにとって最高の領域の一つを提供する。血を吐く長引く咳がある。べとつく黄色の粘液や膿みや潰瘍や膿瘍さえ多量に吐く。くすぐったい咳。胸部疾患の恐れにおいて、衰弱のが始まり、青白く、寒さや冷たい空気、湿った天候や風に敏感である。風邪をひくとすべて胸に落ち着き、手足が腺病で衰弱し、いつも大変疲れている。先行するか、或いは肺結核の初期に存在するそのような体質的な弱さに一致する。それは正にその始まりである風邪を制止する。患者はCalcareaをとった後で気分がよくなり始め、一般的な状態が向上し、結核の沈殿物の被包化さえ起きるだろう。それは乾酪性から石灰質の形に変え、ずっと後になって嚢胞が胸に見つかった。結核の沈殿物と共にかなりうまく前進する場合、患者は長く生き、よくなり、一般的な健康状態になる。もちろん誰でも結核の状態でうまくいっている場合、その人は去って行くだろうと思うだろう。肺結核による消耗に対する治癒の事を、都合よく信じたり考えたりしてはいけない。しばらく誰かが何かで出て来たり、消耗を治した別の人は新しい治療があったりする。身体の状態の真の本質についてよく知っている人は皆、そのように自信を持つ事はできないし、消耗を治癒した人に対し私はきっと尊敬をなくすだろう。その人は気がおかしいか、或いは何かがよくないに違いない。一般的にその人はお金目当てである。世界に消耗の治癒を意識的に示す事ができる事について何か知っている人は、ほとんど皆無である。そのような事を避ける事が我々のしようとしている事であり、これがCalcareaのすばらしい領域である。Phos.やStannumのように痰は甘く、大変よく出る。白く黄色くべとついている。ここで一般的な症状すべてを調べよう。痛み、圧痛、痛みの種類、倦怠感、そのような大変多くの症状があり、多すぎて言及できないが、それは記述的でなく、後でこれらの痛みがあるという理由で、それを注意深く調べない方がいい。Calcareaの体質、Calcareaの本質、その性質を調べるべきである。

 背骨の症状がたくさんある。弱く、あらゆる度合いの弱さがある。Calcareaの患者は背骨が非常に弱いので、座っている間、椅子にもたれかかってしまい、きちんと椅子に座れない。後頭部で休む。椅子の背もたれと後頭部が接触する。弱い背骨、敏感な背骨、首の腺が腫れる。また背骨の顕著な状態は、石灰の要素が欠乏している事で、すぐに変形し曲がる。早めにとると、Calcareaがすばらしい助けになり、装具や何の支えもなしで治る事があるのを聞いて諸君は驚くかもしれない。背骨が弱く現れている嬰児を診て、寝床で仰向けに平らに寝させ、示されたレメディを与えるーそれはCalcareaの時もあるーしばらくしてそのナックリングは消え、そのちびっ子はまっすぐ座るようになるだろう。症状が合えば、Calcareaを使ってそのような素晴らしい事が起きる。

 四肢ではあらゆるリューマチの状態があり、それを描写できる。肥大化した関節を伴う関節の痛風疾患、痛風の状態が、特に手足の指の小さい関節に起きる。露出したり、天候が寒く変わったりする度に、特に寒く湿気た天候の場合、関節のリューマチの病訴が起きる。足がいつも冷たいか、或いは冷たくじっとりし、夜寝ている時以外、他の体の部位よりもっと足に重ね着した後で、足が暖かくなり、別の極端さで燃焼に進む事がよくあり、そのため寝床で燃焼する。だが足は非常に冷たいので、患者は体が耐えるよりもっと多く、足に重ね着せねばならない。冷たくじじっとりした足。歩き出しが遅い。不器用でぎこちなく固い。リューマチの状態。 固さはCalcarea全体に属する。動き始めが固く、夜椅子から立ち上がるのが固い。動き始めにあらゆる関節が固く、もし寒くなったり、冷たい雨が降れば、Calcareaの患者はいつも苦しみ、寒さや固さやリューマチから苦しみ、冬に寒くなる度にリューマチになる。

 睡眠はひどく妨害される。遅く寝る、2〜3時か4時に寝る事もある。考えで一杯で、目を閉じると恐ろしい幻が見える。歯ぎしり。子供は睡眠中、歯を咬んだり、呑み込んだり、歯ぎしりをする。夜かなりの時間眠れない。夜、寝床で足が冷たくなる。

Bufo(ブーフォ/ヒキガエル)

 ヒキガエルの首の後ろに沿った小さな丘に鉗子で押し込んで分泌液を滲み出し、それをアルコールに溶かして、プルービングされた。これが今我々がBufo satyhienisと考える物で、私が診療に使っている物だ。Bufoはすばらしい薬で、心の混乱や徐々に痴愚な状態に進行する記憶の喪失を含み、深く心に、特に知能に影響を与える。この薬の最大の使用は、神経質な状態や、筋肉の拍動、震え、痙攣の状態、皮膚や粘膜の潰瘍に見られ、このすべては、痴愚の状態や、頭の混乱した状態、弱い状態へと向かう傾向がある。精神異常や狂信の活動的な状態より、むしろBufoにおいては、どちらかというと痴愚が頻繁にあるのが、これらはレメディーを通じ時折現れる。

 テキストに書かれている一番始めの症状は「自慰をするために一人になりたがる」とある。この事だけが、このレメディーの特徴に光を当てている。それは統率が欠けており、性欲のコントロールが欠けており、倒錯した自慰の実践をして、人間として最低の事に自分を奔走させるような卑しい心である。それは「すすり泣き、昏睡状態になるまで声を出して泣く」という大きな話になる。 臨床的にもたらされたこの状態は、まるで子どものように行なう大人に現れる。 子どものような単純さの側面があり、子どものような無知の状態に心が戻る。大人が子どものようになって、痴愚の状態になる。この精神面の状態は特に、小児期を終えられない、常に子どもでいる大人におけるBaryta carb.に見られる。子どものように考え、子どものように話し、子どものように泣き、子どものようにかわいがられたい、それがBaryta carbにある。てんかんの子どもに、この心の状態が見つかるが、てんかんだからといって、我々はこのレメディーを与えない。子どもが適切に発達しておらず、てんかんだけが見える。原因はかなり後戻りし、本当に乾癬の状態である。そのため、精神面の状態は発達しておらず、子どもは頭脳面で大人に成長せず、しくしく泣き、叫ぶ子どものままである。この発達の欠如がBufoとBaryta carbに見られ、これらは双方とも、体が成長しているにも関わらず、子どものようにいるという事に関係がある。これらの薬に、子どもに属する恐怖と単純さが見え、いつも病気がちで、不完全で、十分成人に成長せず、常に子どものままでいる。「あの女性は子どものようだ」とか「あの男性は子どものようだ」「あのお年寄りは、子どものようだ」と我々は言う。老齢の型にはまった人は、あの人たちは早老だとか、老化しているので、Baryta carbが必要だと言う。この薬はまた早期の老化に太文字で書かれている。50代の人が80代の衰弱した老人のように行動する。5〜6年前にあった事がすべてなくなり、子どものような単純さと無垢をおび、馬鹿げて見える。その時が、この薬の事を火投げる時だ。Baryta carbが今までは導いて来た物であるが、しかしBufoも非常に重要である。「おかしくなった後で寝床から出て、家中を狂ったように走り回る」。痴愚の状態から心の興奮状態に分かれて行く。ほとんどのBufoの患者は受け身で、おとなしく、興奮や狂信の状態ではなく、すべてに対し受け身である。弱い心で、単純で子どものよう。「記憶力が弱く、痴呆」「孤独を好むが、一人を恐がる」「怒って周りの物を咬む」「すぐ笑ったり泣いたりする」。興奮状態や頭脳疲労の間の振戦せん妄に使われて来ており、咬んだり、物を握ったりする。「クスクス笑い」は、笑っていると言うよりもっと表現しており、些細な事を言う度にクスクス笑う。クスクス笑って馬鹿げた事を言う。おかしくない事にクスクス笑う。この単純で子どものような女性には、言った事がすべてがおかしく思える。子どもは笑い、陽気なものだが、変な事を言った時を除いて大人はそのような事にならない。このような症状はてんかんで見られる事がある。「すぐ笑ったり泣いたりする」のはすぐ影響を受け、極めて過敏で、神経質な性格である。また、昼夜過剰に不安で、手を絞って、何も起きないのに何か恐ろしい事が起きると言う。何か恐ろしい出来事や、何かひどい事が将来起き、それはすべて暗闇と絶望の中にあり、床の上を歩き、手を絞り、将来本当に安全で何も起きないのに、同恐ろしい事が起きそうだと同じ事を何度も言う。この事は精神異常の症例で起きる。そのような愚痴は受け身で起き、周囲の事の理解に欠ける。だがそのような精神異常に入ってしまった人は、周囲の物の想像が増す。これらの症状は自慰で増える。

 「理解されないと怒る」。これは精神異常が近づいている。てんかんのある人に精神異常が混ざるこのような状態があり、てんかんがいつも殺人と関連するとは限らない事は、医者や裁判官に知られている。というのは体のてんかんの状態は、筋肉の痙攣や、突然の倒れ、口の泡、舌を咬む事などに限定される事は滅多にないからである。これだけでは、てんかんすべてを構成しない。てんかんは、ある状態は痴愚の状態で、ある状態はてんかんが現われ、ある状態では精神異常の状態になるという下に横たわる乾癬の状態で苦しむ。一家族内でこのような独特の体質を受け継いだ人々は、さまざまに表現する。ある人は精神異常になり、別の人は痴愚になり、他の人は癌で死に、もう一人はてんかんになる。Bufoはこのような体質に潜在し、それは抗乾癬であり、深く根付いた生命力のあるレメディーであり、人間の身体の特徴のまさに中心で、内部に進み、このような精神面の状態から、究極点である手足の指、目、耳などに現われ、そのため接触でさえ病気になる。皮膚にまだらな班があり、それは感覚がなく、他の部分は感覚が増す。さまざまな筋肉の痙攣や、局部の痙攣、時には口に出血を伴う完全なてんかんの発作も起き、無意識になり、倒れる。そのような深刻な状態の他、目眩と呼ばれる穏やかな状態もある。目眩の穏やかな状態は、突然崩れるように倒れたり、突然痙攣を伴い、舌をかんで無意識の状態になったりする。プルービングでは無気力の発作や部分的な昏睡状態が見つかる。ゆえにテキストで、単なる目眩から、完全で深いてんかんまで幅広い状態が見られる。このレメディーの研究は、てんかんの特徴の何かが明らかになるだろう。てんかんにおけるアロパシーの治療からは、発作の様相だけしか得られず、発作がてんかんとして扱われる。彼らは発作を抑え、制御するためにレメディーを探り、患者を治したと思う。彼らは患者にブロム剤を大量に与え、時々枝葉の事柄に分け入るが、ブロム剤に戻り、患者を麻痺させ、間抜けにする。発作に処方するだけでは、決して患者を治す事はない。

 「鬱血性の頭痛」。また、腹部大動脈の輪状繊維における作用は、てんかんでのキーノートを与える。 恐ろしい不安の感覚が腹部に感じられ、突然意識を失う。オーラや暖かさが腹部にまず感じられる。ある人は太陽神経叢とも言う。不安として恐ろしい感覚が起きてから倒れる。

 「光った物を見るのに我慢できない」「黒内障」」など。瞳孔が大きく広がり、発作前に光に影響されない。「視覚が鋭くなる」。

 目の痙攣があるが、幻が増え、感覚が減り、最終的に深刻な栄養失調になる傾向になる。目の上に小さい豆ができる。この小さい豆はまた皮膚上にもでき、外皮が剥け、治らない。潰瘍が角膜上にできる。「目がかなり入り込む」」「目蓋と目の筋肉の麻痺状態」。感覚がすべて妨げられる。「音楽は我慢できない」」。自然な状態にいる人は美しい音楽を楽しむ事だろう、だがこのレメディーにおいては、音楽は不安な状態をもたらす。聴覚はとても暴力的に誇張されるため、小さな音がする度に苦しむ。「化膿した耳垂漏」「「耳や耳下腺の腫れ」「顔の周りの蜂巣炎性丹毒」、慢性歯周炎として知られる特別な病気において「歯が抜ける」。

 「どもったり、口ごもったりする;しどりもどろの話しが理解されないと怒る」「舌をかむ」「舌がひび割れており、青っぽい黒色」「発作前に口が広く開き」、発作が起きそうな事を示し、この状態が増し、そのため発作が起きないと、顎を下ろし、何もかも忘れたかのように馬鹿げて見える。Bufoはよく偽の目眩の発作が少ない事がよくある。この状態で人は倒れないで、数秒すべてが空虚になったり、この瞬間自動的に物事をしたりする。このようなてんかん性の目眩という穏やかな形.において、患者はほとんど何も示さないが、完全に停止する事があり、まるで何も起きなかったかのように進む。発作の間に起きた事は、何も覚えていない。自分がしていた事をちょうどしている時もあり、病気になっている事が誰にもわからない。運転している時、馬を回転させる事があり、自分に戻った時、発作が起きたとわかる。物事を自動的にし続けるようなの心の状態を、かなり多くの薬が作り出している。

 「飲んだら吐く」」「嘔吐に黄色い液体」」「胆汁や血を吐く」」「腹部の痙攣の動きによって痙攣が終わる」。テキストには「発病は元々は腹から来る」と書いてあり、患者は発病より前に腹に不安を感じる。

 「直腸腫瘍」「尿失禁」」。てんかんの発作から痴呆になったかのように不随意に尿が出て、脳が柔らかくなりつつあり、それは実際起きており、柔らかくなる形態で、品位が低くなる。

 ご想像通り、生殖器が非常に調子が悪く、この事は通常、精神異常者の症例にある。生殖器は興奮状態やインポテンツ状態に起きる事がよくあるが、患者は心が卑しく、いつも手を性器に持って行く傾向がある。「精子が出るのが早すぎ、快感がない」「性交中てんかん発作が起きる」。腺の炎症も起き、特に鼠蹊のあたりで、それは梅毒に見られる。

 女性の生殖器では、燃えるというのが最も顕著な特徴で、卵巣内や子宮内が燃えるよう。これは最も厄介な症状の一つで、月経困難症の症例が、月経の始まりか月経中に卵巣か骨盤内に燃焼がある場合、それに取り組まねばならないだろう。生殖器内、卵巣内が燃えるようで、引きちぎるような、裂けるような痛みが腿に広がって下る。これは厄介な月経困難症を形成し、特に卵巣に包虫嚢胞が起きた場合そうなる。これは治らないと言う人もいるだろう。このような状態は全て治る。「卵巣に燃えるような熱と縫われるような痛み」「子宮が膨らみ、燃えるような痛みか、引きつり」。このレメディーはずっと前から、子宮の癌腫で起きるこのような燃えるような痛みのための、すばらしい苦痛緩和剤である。子宮の癌腫における縫われるような、張り裂けるような、引き裂かれるような痛みで、脚に広がって走る痛み、子宮と頸部の潰瘍を伴い、裂けるような、刺すような痛みと、血が混じった不快臭のある帯下を伴う。Bufoは不快臭のある分泌液や、血の混じった不快な帯下が多くある。部屋の中で、この分泌液の臭いから、壊疽や壊疽性丹毒の悪臭があると思うだろう。「膨れた子宮上に巨大な水疱があり、薄い希薄で黄色い液体が出る」」。この事はてんかん状態に起きる。

 「月経が抑圧される」「早く来すぎ、頭痛を伴う」「子宮内と膣内が燃える」「月経直前に痙攣が起きる」。月経前や月経中、月経の時期に痙攣が増えるてんかんになりやすい少女。「月経時に発作が悪化する」「月経中に肝臓に収縮性の痛み」「黄色い液体の帯下」。少女が月経期に無意識で倒れ、4〜5回てんかんの発作が起き、言われるまでそれに気がついておらず、あまりにも茫然としすぎて理解できない場合、Bufoが必要である。

 Bufoは乳癌において、燃えるような痛みや、周囲に形成する水疱のための、すばらしい苦痛緩和剤であってきた。水疱は大きく、黄色く、希薄な分泌液で一杯。特に母乳に血が混じる時、役立ってきた。静脈が大腿部で縄のような場合、白股腫のように血管の炎症の初期に相当する。

 「喉頭内で燃え、表皮が剥離する」。レメディーを通じていかに燃焼が貫いているかがわかるだろう。炎症状態がある所はどこでも、神経が敏感で痛い所、神経の鞘が痛くなり、その通り道を触ると痛い所に起き、そのため座骨神経痛や、大きい神経のその他の炎症状態に使われる。

 「嘔吐を伴う激しい咳」「吐き気を伴う咳」「痰は血が混じったり、鮮血を形成したりする」。胸に冷たい感覚がある。「肺の中が火のように燃える」。燃焼が喉頭まで広がり、肺の壊疽。「喉頭炎、喀血」。前述のような疾患がすべて伴い、胸の中が燃える。てんかんが強い薬でそれた場合に、肺結核の体質が起きる。瘻孔の開口部を閉じたり、刺激性の軟膏によって分泌液が抑圧された場合、肺結核の体質が起きる。外へ向かて現われる事が抑圧される場合に、進む事になる病気の初期の形である。個人のまさに本質に属する体質が、てんかんや精神異常や痴呆、癌、疾患の初期症状に現われる。この薬は初期や体質に相当する。Bufo体質の本質は、疾患の初期症状によって作られた症状に似た症状を作り出す事ができる。 年をとりたくなく、40歳で健康を害しがちである。子宮癌や乳癌、愚行で最後を迎える。疾患の初期や悪性が現れて最後を迎える。それゆえ、薬がまさにその生命へと入り込む。子どもが慢性疾患の異常な傾向が進み、健康な本質もよい脳もなく、虚弱で、発疹が出て、衰弱する。25歳の若者に衰弱の傾向があり、症状がBufoのようであったら、この薬はすばらしい方法で、体質全体を作る。このような症例では、激しい混乱や、ものすごい悪化でよくなるしかない。簡単な段階でこの疾患に取り組む時、患者はそれほど不調や興奮にならないが、根本的には治らない。古い疾患が再発するだろうし、古い淋病が戻り、古い梅毒の状態が起き、潰瘍は粘膜を攻撃するなどが起きる。深く働くレメディーだと、内に潜んでいた疾患が全て出てくるといった、このような混乱が起きやすい。

 「首の付け根に痙攣に導かれた発作」「骨の腫れがこぶしくらいの大きさになる.」「発作前に腕が硬直する」「左腕のしびれ」「毎年再発する手の水疱」「ひょう疽」。実に多くの問題が四肢に起き、麻痺性の疾患などが起きる。

 暖かい部屋は我慢できず、頭痛と顔のほてりが、暖かい部屋やストーブの近くで悪化し、沐浴や冷たい空気で改善する。病訴は足湯で改善する。

 ブルブル震える、規則的に周期的に起きるてんかんや、不規則に起きるもの。てんかんのためのレメディーはない。それはてんかんで苦しむ者を置き去りにしろ、という事なのか。てんかんが起きる人々のためのレメディーはたくさんある。多くのケースは治り得る。

 このレメディーの本質について聞いてから、大いに興味を持って、その症状を読むのではないか。その症状を読む時、それらは描写されてきたような体質や個人の本質や状態にぴったりであるだろう。これは、発作があってもなくても、頭が弱い子どもの発達に使う必要があるレメディーの一つである。

Borax(ボーラックス/ホウ砂)

 ホウ砂は局部の状態に緩和剤や治癒の目的に長く使われて来た家庭のレメディーの一つである。母親か子どもの「授乳による口の痛み」に、ホウ砂と蜂蜜を混ぜてゆすぐというふうに、ホウ砂は古くから家庭で使われて来た。それが外用として使われていた事について、何かピッタリ来るなと、ホメオパスは不思議に思うだろうが、ホウ砂が迅速に口の痛みを治して来た事は事実である。Boraxはそのプルービングにおいて、喉や胃まで広がる口のアフタの状態を作り出すので、ホウ砂がそういう働きをするのは不思議ではない。性器や肛門のアフタの様相で覆われている所を治す。

 不安やそわそわした、敏感さはBoraxに目立つ。この人は些細な事で不安になる。思いもしない知らせや音楽や興奮の音がする度に、ビクッとする。このような不安や神経質さ、自分の内側にある描写できないこのような感じは、上下の動きで悪化する。エレベーターが上がる動きで、ほぼ気も狂わんばかりになり、下降は更に悪化する。下降の動きから病訴がすべて悪化する。子どもの口内の痛みの症例すべて、子どもが下降で悪化したら、Boraxがそのレメディーだと、定番的に言われている。母親が子どもを寝床に寝させようと下ろすと、目を覚まして怖くて泣き出す。高層ビルの最上階からエレベーターで下りたならば、不安は解消されるだろう。 誰もが速い動きで胃に不安を感じ、落ちる感覚があるのは当たり前の事であり、その事は健康な人に当然ある事であるが、車で丘を下りたり、階段を歩いて下りるといったほんの少しの下降の動きでBoraxの状態が激しくあったり、或いは子どもが母親の腕に抱かれて階段を下りて激しい悪化を作り出したBoraxの状態が激しくあったりするが、ちょっとした下降の動きや、丘を下ったり、階段を下りたりする時に、激しくBoraxの状態があると誇張する場合、神経はすべて苛立つ。

 Boraxは強調された活動が体中にあり、感覚はすべて急性に作られる事に気づく。聴覚は強調され、周囲に過敏で、心配しすぎる。あちこちで興奮している生命力。車で丘を下りると目眩がする。神経質な興奮や、恐れ、心配。これらはBoraxの強い特徴である。そのような症状が多いが、神経の要素がこのタイプになる。レメディーを通して他の多くの事が出て来るが、この事は精神面の状態の主なる特徴と言えるかもしれないし、Boraxの症例のキーは広範囲で「下降中や、揺られている間の不安感がある」。そのような状態がある時、下痢は治るだろう。リューマチや月経の問題、その他数多くの病訴は、このキーがあれば、Boraxの投薬で消える。

 ヒステリックな現れ。「一つの働きから、、別の働きへと変化する」。全身を通じて、落ち着きがなく神経質で、不安で、興奮した状態がある。上下にあやしたり揺れ動かしたりすると、子どもは甲高い声を上げて叫ぶ。脳の動き、上下、振れ、揺れなどの動きで、患者は自分を失い、どこにいるかわからなくなり、混乱や目眩がする。子どもを揺らしたら、顔に不安な表現が現れる。「乗物に乗って丘を速く下降すると、とても不安になる」「夜11時まで不安が増す」。不安の悪化の特別の時間、それがBoraxに私が気がついた事である。精神異常に定期的になる女性に気がついた事は、その神経の問題と精神面の状態が夜11時まで続く事である。精神異常の人たちがまるで悪魔に取り付かれたかのように気づくことがあるが、すぐ間隔が来て、まるで何も起きなかったかのように話すだろう。Boraxでもそうで、大きな変化が午後11時に起き、この不安で神経質に興奮している状態は1時間で終わるかもしれない。「むずかり、不機嫌で、不活発」な状態は排便するまでどんどん増加し、排便によって楽になる。「不安な泣き声を聞いてビクッとする」、思いも寄らない音を聞いて、椅子から床に落ちた音を聞いて、或いは思いも寄らずドアが開いた音を聞いて、ビクッとする。これらはすべてBoraxの本性を保っている。Boraxを他のNatrumと比べたら、Natrum carbとNatrum murの神経質な興奮に驚くべき類似性を見出すだろう。音から悪化し、音への過敏さと、神経の過剰な興奮はSodium系すべてを貫いている。彼らはすばらしく強烈な人々である。

 「自分の仕事に従事している間に、強い吐き気が起きる」。Boraxはこの種の問題を何度も治している。 私はこのように起きているのを見て来た。どのようにじっと考えても、吐き気と興奮が起き、仕事を離れねばならず、少し休んでから、また仕事に戻り、お腹が痛くなり、また休まねばならない。頭脳労働や音、興奮から、下降の動きからの悪化を伴い、Boraxの精神面を得る事ができる。.

 感覚中枢を更に調べると「山や階段の下降中に、目眩と頭の充満」が示される。これは同じ不安感の形である。このレメディーはかなりの目眩があり、時にはずっと目眩が続き、下降の時に非常に強烈なため、静かに座って何もしないで置かねばならない。鬱血性の頭痛や、圧迫する頭痛、頭にかなり熱さある事が多くある。

 目の症状もたくさんある。「粒状目蓋」「まつ毛が目に向かって中に入り、炎症を起こす。内反」「粒と目蓋の粘液が分厚くなり、収縮と傷と中に引かれる」。下目蓋は全くひっくり返る。「目蓋が開けにくい」」。

 ナトリウム塩のすべてと同様に、鼻は粘膜の慢性炎症、カタル状態、多量の分泌液、鼻の中に硬い塊ができ、鼻が詰まる。ナトリウム系はすべてこのように鼻に乾燥した塊ができ、鼻から多量の分泌液が出る。Natrum mur.は圧倒的に白い分泌液を作り出し、Boraxもそうである。Natr. sulph.は鼻から黄色い、黄緑色の分泌液を作り出す。Boraxは緑っぽい分泌液を作り出して落ち着き、一般的な特徴であるその分泌液は、白い分泌液である。

 赤ん坊の顔が青白く、粘土のような色。「子どもが口の周りや、額に小水疱ができる」。Natr. mur.は弱っている状態すべてにおいて、また風邪をひいた時、口の周りにヘルペス性の発疹を作り出し、Boraxは忘れられる事もあり、よく知られているのでNatr. mur.の事を思いつく。Natrumの体質があると、Natrumsの一つが示されるよう決定するための個人化をする過程になる。

 「口や舌のアフタ」「舌や頬の内側のアフタ」。これだけではBoraxを示す事にはならないが、Boraxは口がとても痛いので、子どもが乳首や哺乳瓶をはずす場合の、多くのレメディーの一つではある。多くの処方家がそれが示されるためにBoraxを与えるが、体質的状態は調べ出すべきであり、それでレメディーのための体質的基盤があるかもしれないのだ。Sulph. ac.はもっと頻繁に示される。「舌に赤い水疱」「飲んだ後に吐く」。この事から、このアフタ性の状態が食道を通って胃まで下りていると考えられる。このような状態の結果であるような胃の症状がたくさんある。「口の粘液がかなり赤くなっている」。母親や嬰児に起きるような口の痛みはBoraxで治り得る。「食後の度に腸内ガスで膨れる」」「吐き続ける」「酸っぱい粘液を吐く」。胃にアフタがあるBoraxの患者は、喉の詰まりとおくびを出し咳をし、それは「胃の咳」」と呼ばれる。子どもたちが喉の詰まりとおくびを出すので、母親たちは「胃の咳ね」と言う。「脾臓のあたりまで広がる痛みを伴う胃の咳」。

 小さい子が Boraxを必要とする時、夏の病気になる事がよくある。肛門の周り中にアフタ性の様相を見るだろう。.ひどくヌルヌルした便が日夜出て、子どもは哀れに泣き続け、口にアフタができ、子どもは衰弱し、頭を後ろへ反らせている。「排便は頻繁で、柔らかく、明るい黄色で粘液性。「煮た澱粉のような多量の液体が肛門から出る。BoraxはArgentum nitricum同様、それが起きる。べとついた粘液を作り出し、狭窄を伴い、どんどん小さくなり、ついには鉛筆より小さい長細い便を出す直腸の状態もある。この炎症の狭窄はBoraxで治っている。

 このような過敏な子どもは、カタルの状態が一般的である場合、尿が燃え、そのため尿を排出する時、始めに排尿に駆られた時(子どもにもうすぐ尿が出ると気がつかせる時)叫ぶ。尿を出したいという欲望と共に叫ぶ。これが「排尿前に悪化」と言われる意味である。排尿前に排尿臓器の状態が悪化するのではなく、尿が鋭い音をたてたのに子どもが気がつき、叫ぶのである。尿が焼け、泣き始めたので子どもがすぐに排尿せねばならない事があなたはわかるだろう。「排尿後、尿道のがうずくように痛い」「一滴も出す事ができないで排尿したがる」。

 このレメディーは淋病を治している。粘膜がある所はどこでも、アフタのパッチが見つかると思うだろう。Natr. mur.やNatr. Carb.のような別の特徴があり、男女共に性欲をなくし、患者を無感心にさせるため、心と生殖器官が無関心の状態にある。

 そして女性生殖器に関し、Boraxの非常に顕著な特徴が起き、月経の出血が膜組織に見られるだろう。出血前と出血中に分娩のような痛み、まるで子宮が膣から出て来るかのように思える場合、Boraxは非常に激しい膜様月経困難症を治す。生理はわずかであるが、膜が排出するまで同じ激しい痛みが続く。薄膜が子宮の円柱である場合に、Boraxが治すのを私は知っている。このような患者は下降の動きから、びくっとしやすく、これは膜様月経困難症におけるBoraxに導いてくれる。その人は下降の動きを恐がり、左右や上下の揺れを恐れる。「月経中、頭の中が脈打ち、耳の中が音を立てて流れる」「腹部内がつままれ、握られるよう」、この言葉は正確に表現していない、というのは出産の痛みのようで「痛みは胃から広がる」からだ。鼠蹊にナイフで突き刺されたように痛く、それは月経前か月経中に起きるだろう。「疲れており、夜中を過ぎて汗をかく」。しかしそのような事と共に、神経質で、興奮気味という精神面の状態があれば、Borax がこのような膜様月経困難症を治すだろうという事を覚えておきなさい。Boraxのもう一つの基本的な特徴は、次の文にある「卵の白味のような帯下」である。熱い体液を感じさせるアルブミンのような帯下で、脚を滴り落ちる。「白いアルブミンかスターチのような帯下」「刺激性の帯下が2週間毎に現れる」「他に何も伴わない粘液のような帯下」。さて、この刺激性の帯下から、月経の状態から、この見せかけの薄膜が形成し、落ち、どうりで不妊症の訳である。このような女性は皆不妊症であり、このような症状がある人は不妊症であり、この状態が原因である時、Boraxが不妊症を治す。状態に関わらず、不妊症である女性みんなにBoraxを処方する型にはまった人がいるのが見つかるだろう。不妊症にレメディーが与えられた場合、健康な女性にそのレメディーが作り出すのと同様の状態に、投与するレメディーの特色がある状態が見られなければならない。

 他の特徴。母親が子どもに授乳できない場合、Boraxを使った事が何回もある。母親はいつも乳が少なくて濃いと言っている。「乳がべとべとすぎて、まずい味がする」。乳のこの状態で、母親は子どもに授乳できなくなる。これは体質的な状態で、妊娠初期に与えられれば、Boraxの患者は母乳が変わり、母親が子どもに授乳できるようになる。何人か子どもを産んだ母親が授乳できないでいて、Boraxが与えられると、その症例に非常に影響を与えるので、次の子どもに授乳できるのを何度も見てる。母乳の味が悪いため、そして子どもの欠陥のため、このレメディーも赤ん坊が乳房を嫌がる。 赤ちゃんに処方しようと考えるかもしれないが、症例を調べたら、母乳が忌まわしいため、子どもは母乳を飲まない事がわかるだろう。母親がBoraxの一服が必要であり、下痢で母乳を嫌がる子どもを治すだろう。「嬰児が青白く、ほぼ土色になる「子どもは降ろされようとすると、手を放り上げる」。もし母親がBoraxの母親であったならば、子どもはBoraxの子どもになりやすい; 母親と赤ん坊が同じレメディーを必要とするの歯、珍しい事ではなく、双方が同じレメディーを必要とする場合、私は多くの場合に母乳を通じて子どもに投薬してきた。他の特別な特徴は授乳中、反対側の乳房に痛みがある事である。Boraxは分娩の状態に限る必要はなく、人生のすべての段階において神経質な女性にBoraxを特に使う。

 BoraxはBryoniaに非常に似ている胸膜炎を治しており、特にBryoniaのように右側であり、内側に向かない縫われるような鋭い痛みは、まるで右側の肺の上部を後方に貫く縫うような痛みは、Bryoniaの事を考えさせるだろう。

 「しなびた皺だらけの皮膚」「皮膚は青白いか、または鉛色」「衰弱;肉がたるんでしまりのない子どもが衰弱する」。子どもがアフタ性の状態を伴うマラスムスになり、消化できない。吐くか、或いは下痢になり、アフタ性の状態で、腸全体に広がり、粘膜をすべて含む。過敏な子どもで、下降すると泣き叫ぶ。アフタはかなり多くの他の症状を含み、膀胱も含まれるため、排尿前に泣く。アフタ性の状態と下降の動きで悪化;音に過敏で、すぐびくっとし不安になるなどは、最も目立つ、特徴付ける特性である。

Ferrum metalicum(フェーラム/鉄)

 Ferrum metalicumの勉強を始めよう。旧学派は伝統を通して貧血には鉄を与えて来ている。非常に多くの量を、塩化化合物と炭酸塩のチンキの形で与えて来た。患者が貧血になり、青ざめ、ロウのように白く、弱々しい時はいつも、鉄が強壮剤であった。鉄が貧血を作り出すのは真実であり、アロパシーの医師たちが施すような鉄の投与も虚血法もしないFerrumのプルービングを読んだ事がある人は驚いたことだろう。鉄が過剰に与えられて来たプルービングや、そのような環境下では、患者は緑っぽく、ロウのように白く、黄色く、青白くなり、不健康で貧血のような顔色を伴う。唇は青白くなり、耳はピンク色が消え、体の皮膚はロウように白くなり、出血傾向があり、時には血餅も混じるが、通常は多量で、薄く、澄んだ血液で、非常に暗い色をしている。血餅は分離し、液体の部分は茶色く濁って水っぽく見える。患者は次第に衰弱して行く。青白くロウのように白く、筋肉はたるんで弛み、持続できない。筋繊維はすべて、どんな労作からでも疲労する。素早い運動や、並はずれた労作は何でも不可能である。素早い労作や動きで、弱ったり、呼吸困難になったり、衰弱したり、気絶したりする。

 Ferrumの体質の状態を貫く奇妙な事は、痛みと苦しみが休息中に起きる事である。休息中に動悸が起きる事もあり、呼吸困難が休息中に起き、衰弱さえする。患者はゆっくり動き回ると改善するが、いかなる労作でも疲れ、失神状態が引き起こされる。どのような素早い動きでも症状が悪化する。痛みは家の中を動き回ることで改善するため、労作で興奮したり、疲労したりしない。多くのケースにおいて患者は水腫が起きる。皮膚は押されたところに窪みができ、青白く、それにもかかわらず顔は多血症の外観を示す。些細な興奮が起きる度に、顔がほてる。寒気の間、顔が赤くなる。ワインや刺激物をとると顔がほてり、たるんで弛み疲労しているのに、病気であると認めてもらえない。友人から同情してもらえない。弱わって、動悸や呼吸困難で苦しみ、どのような仕事もできず、横にならないといけないと感じる―だが顔はほてっている。これは偽多血症と呼ばれる。血管は膨れ、静脈瘤があり、皮膜は緩む。このために出血が起きやすく、毛細血管からの滲出や、体のあらゆる部分から出血し、鼻や肺や子宮から出血する。女性は子宮からの出血で非常に苦しみ、これは特に更年期中や更年期後に起きる。Ferrumは症状が合えば、思春期の少女やそれに続く数年に起きる「萎黄病」と呼ばれるすばらしい貧血状態に、大きな価値を見出す事だろう。月経の出血はほとんどないが、非常に青白く咳がひどくなる。従って、少女たちにこの病気がよく起きるため、母親たちは皆その事をよく知っていて恐がる。多くの患者をかかえると、萎黄病の症例を数多く見るだろう。

 月経期の初期は多くの出血を伴う事があり、その後かなりの衰弱が起こり、これは月経周期のようなものがが確立されるまで数年続く。これらの症例では、旧学派は常に患者にかなり多くの鉄を取らせるものだが、鉄を取れば取るほど、患者はますます悪くなる。

 鬱血は上へ向かう傾向があり、赤い顔や熱い頭、手足の冷たさを伴う。しかし、頭と顔の熱は赤い外観に全く釣り合っていない。Ferrumの上へ 向かうこの鬱血は、敗血症や他の熱の形で寒気の間に起き、頭は熱いとは限らず、冷たい事もある。顔は赤く冷たいかもしれない。

 Ferrumのもう一つの主要な特徴は、Chinaのように体液の喪失から、長引く出血から起きる病訴がある事であり、長い衰弱を伴う。回復も同化もしない。骨が柔らかく曲がりやすく弯曲する。やつれて弱々しい子供。関節が乾燥し、動くとポキポキ鳴る。突然衰弱し、偽性多血症を伴う。

 顔が赤く、健康そうなバラ色で、道を早く歩けない人や、どのような労作にも耐えられない人にある。しかし病訴が休息中に起きるため、Ferrumの病訴の中には、仕事や、何かをしたり、少し運動してよくなるものもある。神経の過剰な興奮性と敏感さがあり、痛みに対し過敏である。Ferrumが必要な敏感な女性は、顔がほてり、同情してもらえないので、不満を言っている事がよくある。病気のように見えないが、階段を上るとハーハー息が切れ、衰弱を感じ横になりたがる。

 じっとしていると落ち着かず、手足を動かし続けなければならない。手足に引き裂かれるような痛みや、鈍いうずきがある。静かに穏やかに動かすと、 Pulsatillaのようにこれらはなくなる。だがFerrumは非常に冷たいレメディであり、冷たさで改善する首や顔や歯の辺りの痛み以外は、暖かさで改善する。だが痛みのほとんどは熱さで改善し、患者は暖かくしておきたがり、新鮮な空気や通気のようなものを恐れる。
 衰弱と疲労、話す事からさえ衰弱を起こす。不整脈や速脈、或いは遅すぎる脈を伴う疲労、動悸。そしてその後、麻痺性の衰弱が起き、手足がへたばる。貧血または出血からの麻痺性の状態。出血から失神する。筋肉のぐいっとした引きつり、ピクピクした引きつり、舞踏病、カタレプシーが起きる。

 身体面と似ているので、精神面の症状の特徴の何かは、想像しやすいだろう。心が混乱し、患者は涙ぐんでいる。気分の落ち込みや、精神衰弱と落ち込み。非常に高い度合いの落ち込みと落胆。些細な原因から不安が起き、イライラしする。紙がカサカサいうようなわずかな音が、患者を狂乱させる。それが神経的な興奮と落ち着きのなさを起こし、起き上がり、動かなければ ならない。ほんのわずかな反対から興奮する。突然の或いは素早い動き、あるいはほんの少し急ぐだけで、目の前が暗くなり、目眩がし、物がグ ルグル回り、患者は座らなければならない。またこれらすべてを伴い、顔が赤い。一人で休息している時、顔は青白く冷たくなるが、少しの興奮で頬がほてる。

 頭痛は鬱血の特徴があり、血流の上昇が増す。赤い顔をし、充満と膨張がある。目の充満と膨張、首の充満。心臓の動悸。眼球突出性甲状腺腫。頭痛は圧迫で改善する。Ferrumは血管を支えるため、圧迫されたがる。頭に金づちでで叩くような拍動感がある。素早い動きの度に頭痛が悪化する。咳で頭痛が悪化し、咳から頭と後頭部が痛む。これらの痛みは、ゆっくり歩くことで改善する事がある。階段を上ったり、座ったり、椅子から立ち上がったりする事は、この動作が非常に慎重に行われない限り、Ferrumの痛みをすべて引き起こす。いかなる突然の動きも、頭に金づちで叩かれたような、ひどく広がるような感じをもたらすだろう。そしてその後、どちらかというと多少なりとも撃つような、引き裂かれるような痛みが起きる。起き上がったり、咳をしてから、後頭部に打たれたような痛みが起きる、というのは咳は突然の動きだからだ。金づちで叩かれたような頭痛 を伴う心の混乱。頭に血がさっと上る。興奮や風邪、露出から鬱血性の頭痛が起き、3〜4日か或は1週間続く。顔はほてり、おそらく冷たく、頭は幾分熱いが、期待されるほどの熱さではない。

 目は赤く、血管は充血している。かなりの衰弱、呼吸困難、動悸。頭を使う作業である筆記は、頭痛を再発させる。頭皮が非常に過敏。患者は髪の毛を下ろしていなければならない。精神面の混乱と頭痛は出血を伴うか、後続し、分娩中の女性に起こる。目の辺りがむくんで見える。鬱血から起きる視力障害すべて。静脈鬱血で、まぶたが腫れ、膿のような分泌液が出る。音に過敏で、耳鳴りがする。

 鼻の症状は非常に多い。鼻血にいたる風邪とカタルの問題。月経の努力で頭痛を伴い、ほんの少し怒っただけで鼻血が出る。鼻の中にかさぶたができる。顔が極端に青白く、ほんの少しの感情で顔が赤くなってほてる。脚の水腫を伴う顔のほてりや、寒気を伴う顔のほてり。寒気の間の喉の渇きはFerrumの強い特徴である。月経期間中、激しい痛みがあり、痛みが始まるとすぐに顔がほてる。

 胃に入れても何も消化されず、特に吐き気もない。Ferrumで吐き気が見つかるのは例外である。食べ物が胃へ行き、吐き気がなく吐き出し、ただ空っぽになる。Phosphorusのように一口食べておくびが出る事もある。老齢の先生方を含めて、Phoshorusは一口食べて、胃が空になるまで吐き出すレメディだった。ガツガツした食欲。テキストには「普通の夕食の2倍の量でもほとんど満足しない」と書いてある。食べ物がすべて苦い味がし、固 形の食べ物は乾燥し味気ない。食後おくびが出る。胃の中が熱く、食べ物が逆流する。ほんの少しの飲食後、特に肉を食べた後、胃に痙攣的な圧迫感が起きる。肉や卵、酸味のある果物を嫌悪する。牛乳を嫌悪し、常用のタバコやビールを嫌う。甘いワインは合うが、酸味のあるワインや酸っぱい物はすべて合わな い。舌がまるで焼けたように感じる。胃が空になるとすぐ、また食べるまでは嘔吐が止まる。夜中以降すぐ、食べ物を吐く。嘔吐した物は酸っぱい味がする。

 Ferrumは妊娠中に示めされる事がある。妊娠した数週間後、一口食べると吐き始める。吐き気はないが、顔はほてり、たるんで、衰弱する。病気にならずに吐く。胃に充満感と圧迫があり、食後、胃に圧迫感がある。この特有の胃のため Ferrumは普通でない興味深いレメディである。それは革袋のようであり、何も消化しないだろう。一杯になり、一杯だったのと同じくらい簡単に空っぽになる。

 Ferrumは刺激臭で水っぽく表皮を剥ぐ便を伴う、厄介な下痢が起きる。朝の下痢。このような患者の多くは、健康を損ねた体質の老齢の罪人で、長い間便秘を患っている。力んでも効果のない慢性的便秘で、便は固く困難である。

 弛緩がこのレメディを貫く。この弛緩から、直腸や膣や子宮の脱出症が起きる。下半身に引きずりおろされるような感じがあり、まるで臓器が飛び出すようで、実際飛び出す事もある。

 膀胱も弛んでいる。括約筋が弱く、筋肉の動きに規則性がない。そのため突然の動きや、歩いたり咳をしてから、不随意に尿が出る。小さな子供においては1日中 尿がしたたる。遊んでいる間、尿がしたたり、服を濡らし続けるが、完全にじっとし続ける間は、この事がよくなる。膀胱は非常に弛んで疲れているため、尿を保持できず、ある程度膀胱が満たされるとすぐ、たまったものを排出する。この弛緩はこのレメディを貫き、 ちょうど人間ように特徴を与える。諸君は自分の友人が、色々な機会に何をしそうかを知っている。レメディについても同じである。病気の治癒においてレメディが何を成し遂げるのか知るために、何を最もしそうかを知らねばならない。

 生殖器の衰弱と弛緩はFerrumに共通している。月経の出血はその一部として起きる。多量で水っぽい出血か、或は抑圧である無月経、全 く出血がなく、帯下だけが出る。月経の抑圧は、かなり神経質な興奮や、顔のほてり、衰弱と動悸を伴う。膣の脱出症。性交中の膣の無感覚さ。不正子宮出血。月経 が早く来過ぎ、多過ぎ、長く続き過ぎる。

  呼吸しにくく、胸に痛みと妨害がある。胸にかなり重苦しい感覚を伴い、呼吸しにくい。夜、窒息の発作が起きる。気道のカタル性状態、胸の鬱血、呼吸困難。百日咳で見られ るような発作的な咳で、激発で起きる。食後の度に咳が出て、空嘔吐や、胃の中味を空にしようとする事を伴う。頭で感じられる咳。ブランデーやタバコやお茶の飲み過ぎから、咳が悪化する。出血の後のように、体液の喪失後に咳が出る。子宮出血や、他の出血に後続する胸の問題。血を吐き出し、肺から出血する。結核になる傾向があり、自慰で衰弱した人。

 恐怖や興奮、或いは労作から心臓の動悸。心臓の速い動き、または遅い動きの時もある。心臓の脂肪変性。晩に向かって鼓動が早くなる。体中に拍動があり、小さな金づちで叩かれているよう。

 四肢にリューマチ性の痛みがあり、熱やゆっくりした動きで改善し、寒さや労作、或いは速い動きで悪化する。三角筋を通る痛みが他の部分の痛みにより、著しく話されるが、この痛みはFerrumのどの痛みほど顕著ではない。手足を通じ裂けるような痛みがある。腕を上げる事ができない、麻痺性の痛み、つまり、痛みは無感覚である。まるで痛みのため、その部分を動かす力がなくなるような気になる。股関節の激しい痛みは、ちょうど肩の痛みのようによくある。リッペは「左肩のリウマチ」と言うが、右にもよくある。両方の三角筋のリウマチ性の痛み。筋肉と神経に沿った激しい痛み。右三角筋の摘まれるような痛みがあり、右肩に穿刺痛があり、動きと布団の重さで悪化し、熱さで改善する。裂けるような、刺すような痛み。患者は寝床の中で じっとしておこうとするため、Ferrumの痛みは夜起きる。休息はFerrumに痛みをもたらす。日中、ゆっくり動き回ると、それほどひどい痛みはないだろう。手足の冷たさ、そしてまた足の裏や掌が熱くなり、それが変化する。このような衰弱と疲労のすべてを伴い、水腫の状態が起きるため、手足がむくむ。

 夕方の寒気や、発熱や冷たい手足、赤い顔を伴った寒気。寒気と共に足が氷のように冷たい。食後に改善する寒気。寒気を伴う喉の渇き。黄色いシミを作る 大量の汗。症状はすべて発汗中に悪化する。強い臭いの寝汗。発熱症状すべて、ゆっくり動き回ることで改善する。キニーネの乱用後に起きる間欠熱。

 テキストでは、Ferrumは肺病の末期における下痢のレメディであると、書いてある。もし、患者が死ぬ覚悟ができているならば、そういう事もある。Ferrumは下痢を止めるだろうが、下痢が止まったら、患者は長く生きないだろう。下痢は通常痛みはない。苦しいものではあるが、痛みはな く、寝汗も痛みはない。それらを抑圧してはいけない。それらを放っておいた方が良い。患者に平安な停止に移らせなさい。肺病末期の下痢に最良のレメ ディは天然のSaccharum lactisであり、非常に少量与え、患者と見守る人の要望に応じ、頻繁に繰り返し与える。

Ipecac(イペカック/吐根)

 Ipecacは急性疾患において広範に作用する。その急性疾患の大半は、吐き気や嘔吐で始まる。発熱の段階は肩の間の背中の痛みと共に始まり、背中を下りて広がり、まるで折れるかのような痛みで、苛酷さはあったりなかったりだが、かなり熱が出て、胆汁を吐き、喉の渇きは滅多にない。これが Ipecac.の熱や胃疾患、間欠熱や嘔吐発作における寒気の始まりの一般的な様子である。

 胃が混乱している。胃が一杯な感覚があり、胃や胃の下に切れるような痛みがあり、左から右へ移動する。疝痛における切れるような痛みは左から右へ動く。患者は痛みがなくなるまで、わずかに動く事も呼吸もできない。そのため一つの姿勢に釘付けにされ、胃の部分や臍の上にナイフを突き刺されたように痛みが起こり、左から右へ移動し、疲労と吐き気を伴って起きる。

 Ipecac.の病訴はすべて、多かれ少なかれ吐き気を伴って起きる。小さな痛みや苦痛の度に、吐き気が伴う。苦しみは胃の辺りに集まるように見え、それが吐き気を起こす。吐き気や息の詰まりが続く。咳で吐き気や嘔吐が起きる。乾燥した、声が枯れた、くすぐるような、発作的な咳で、吐き気や嘔吐が共に起きる。顔が赤くまるまで咳き、 その後窒息や息の詰まりが起きる。体のどの部分からでも血が少し湧き出る度に、吐き気や、気絶、衰弱感が起きる。それゆえ子宮出血に有用で、鮮やかな赤い血で吐き気を伴ったり、少しの出血は気絶や失神を伴ったりするが、このレメディにはたいへんな圧倒的な吐き気が貫いている。喉の渇きがある時もあるけれども、普通はない。Ipecac.が最高の働きをする時は、喉の渇きはない。Ipecac. と共に、発熱か寒気を伴い、後頭部に痛みが起きやすく、頭や首の後ろを打撲のような痛みが通り、時には背中を下り、首の後ろの筋肉に引っ張るような痛みが起きる。頭の中が鬱血して充満したり、頭の中や後頭部が押しつぶされる感じがする。頭全体がうずき、痛みが充満する。

 Ipecac.はArsenic.のように落ち着きがない事があるが、Ipecac.の衰弱は代わる代わる起き、一方Arsenic の衰弱は継続する。Ipecac.の患者を見ると、寝床の上で寝返りをうち、Rhus,が必要な場合くらい寝返りをうち転がり回り、手足を動かし、落ち着きがない。これは特に背骨がある程度含まれている症例である。Ipecac.は破傷風のように見える症状がある。後弓反張。胆汁を吐き、頭と首の後ろに痛みを伴い、背中の筋肉が引っ張られるようで、頭を後ろへ引っ張る大脳脊髄膜炎に役立っているレメディである。患者が衰弱するまで大脳脊髄膜炎が続き、レメディは一時的に和らげるしかないように見え、全身が後ろへ反り、胃に入った簡単な食べ物さえ何もかも吐き、舌は赤く皮を剥ぎ、吐き気や嘔吐が続く場合、Ipecac.が治すだろう。水一滴さえ下りず、胃に入った物すべて吐き、息が詰まり続き、胃に鋭い痛みがあり、背中や肩甲骨の下が痛く、それはまるで折れるのではないかと思えるほどで、胆汁を吐き、吐き気が続き、ひどく衰弱する場合、Ipecac.が根深い胃炎の症例を治す。刺激を受けやすい胃。腹が膨らみ、敏感で、鼓腸の状態の場合や、胆汁を吐く場合も、それは治す。患者がほとんどずっと排便しようと座り、少しの粘液か、少しの鮮血を排出し、下腹部と直腸と大腸の炎症がある場合に、伝染性赤痢にIpecac.は役立つと証明されている。しぶり腹は恐ろしくひどく、燃えて、排便にかられ続け、ほんの少しの粘液と血が出るだけ。これに伴い継続的な吐き気があり、気張って排便する間、痛みは非常にひどいために、吐き気が起き、胆汁を吐く。時折、家族全員がそれで寝込み、谷全体に広がり、風土病となるかもしれないが、通常は風土病に関する。嬰児において、コレラのような下痢があり、最終的に赤痢の段階になり、しぶり腹が続き、少し血の混じった粘液が排出され、子供は胃に入った物を何でも吐き、吐き気、嘔吐、激しい疲労、かなり蒼白になっている場合に、Ipecacが示される。また、便が多かれ少なかれ多量で緑色であり、子供が頻繁に緑色の粘液を吐き、緑色の凝固物を吐き、母乳が緑色になって吐かれてしまう場合の状態にも役立つ。

 Ipecacの胸の病訴は興味深い。Ipecacは特に嬰児の友人であり、通常、幼年期の気管支炎に示される。嬰児における胸部疾患に終わる、通常の悪い風邪が、気管支炎である。嬰児が本当の肺炎にかかる事は滅多になく、それは一般的に、粗いガラガラという音を伴う気管支炎である。子供が咳き、息が詰まり、窒息し、部屋中聞こえる声枯れしたガラガラという音がし、疾患はかなり迅速に起きる。子供は青白く、死んだように病み、非常に不安げに見える時がある。鼻はまるで危険な病気であるかのようにやつれ、呼吸は危険な症例に現れるようなものである。Ipecacはこれを大変シンプルな症例に修正し、風邪をとめ、子供を治す時がある。昔の本には、嬰児の肺炎ははっきりと異なり、違いを明らかにした描写があり、典型的な症状はIpecacのそれであった。胸部疾患においてIpecacとAnt. tart.を共に調べると、症状が大いに似ているのがわかるだろう。それらをいっしょに調べた事があるならば、「どうやって区別するのか。どちらもガラガラと言う咳や呼吸をし、どちらも嘔吐がある」と諸君は言うだろう。さてIpecac.の症状は刺激を受けやすい段階に対応し、一方Tartarの嘔吐は緩んだ段階において起きる。Ipecacの症状は急速に起き、急性の症状として起き、一方Tartarの嘔吐の病訴はゆっくりと現れる。後者は24時以内に立ち上がる症状には、滅多に合う事はないか、或いは24時以内に立ち上がるTartarの嘔吐の症状は、少なくともこの部類ではない。このグループは何日もたってから起き、肺が麻痺する恐れがあり、刺激を受けやすい段階でなく、刺激を受けやすい呼吸困難でなく、その種の窒息でないが、窒息が滲出からや、肺の麻痺の恐れから起きた場合、気管支炎が終わると起きる。肺が弱すぎて粘液を吐き出す事ができない時、粗いガラガラと言う音が起きる。それから、かなりの疲労が起き、顔は死んだように蒼白で、鼻腔はすすける。もう、この2つのレメディは似て見えないのがわかるね。この2つのレメディの速度を観察すると、病訴の差異が見える。それほどでもないが段階に属しそうするが、どちらかというとIpecac.はその症状が速く、危機に速く影響し、Ant. tart.はその症状をゆっくりもたらし、何日もたってから、危機に影響を与える。百日咳におけるIpecacの価値を見る準備ができているね、というのは百日咳は発作性の特徴があり、顔が赤く、吐き、咳で息が詰まる。赤い顔、喉の渇きがない、激しくゼーゼーと息をし、痙攣を伴い、息が詰まり、食べた物すべてを吐く事が、一般的に見つかる症状だ。

  出血でヒントを与えたが、これがIpecacの大きな領域を広げる。出血におけるその重要性のため、私はIpecacを除外して薬を実践する事はできなかった。私が出血と言う時、切れた動脈からの物を意味するのではなく、手術せねばならない出血を意味するのではなく、子宮出血や、腎臓や腸や胃や肺からの出血を意味する。出血におけるレメディを知らねばならない。もしそうしなければ、力学的手段を使うよう強要されるだろう。だがうまく指示を出すホメオパスは、それをせずにできる。子宮出血の最も深刻な形において、ホメオパシーの治療家は、力学的手段が出血を引き起こした場合を除いて、力学的手段を使わずにできる。この事は砂時計状収縮に関しないし、産後に保持する時や子宮内に異物がある時の状態に関しない、というのはそのような状況下では操作が必要だからだ。区別されねばならない。しかし考慮すべき純粋な力学的な要素があり、出血している簡素に純粋に緩んだ表面である場合、適切に働くのはレメディだけだろう。子宮が継続的に滲み出ているが、出血が少し出る度に勢いを増し、真っ赤な血が少し噴出する度に、その女性は 自分は気絶しそうだとか、あえぐとか思い、出血量はそのような衰弱には不十分で、吐き気、失神、蒼白さが起きる場合、Ipecac.がそのレメディである。真っ赤な血が噴き出て、圧倒的な死の恐怖がある時はAconiteである。分娩中の患者が、頭が熱く、氷のような冷水が無性に欲しく、分娩後すべてが正常に進み、胎盤が出て、このような出血があるとは思いもよらないが、それが発生するならば、Phosphorusがだいたい常にそのレメディであろう。そのようにしおれた女性で、痩せてほっそりし、熱さでいつも苦しみ、布団を剥ぎたがり、涼しくいたく、子宮から血が滲み出る傾向があり、今出血し、血餅か暗い液状の血を滲み出す傾向がある人には、Secale以外は、ほとんど何もできない。舌の上にこれらの薬のどれでも一回投薬で、多量の薬や強い薬よりも素早く、出血を止めるだろう。出血は非常に速く止まるので、経験したての頃は驚かされる。自ら止まれるはずないだろう、と不思議に思う事だろう。多量の月経においてIpecac.がよく示される。女性が風邪をひいたり、ショックを受けたりした時。月経期に特に多量の子宮出血の対象にならない症例において、それは以前全く悪くなかった事で、出血が何日も続きそうで、弱さが伴うため、当然その女性は警戒する。少し血が出ると力がすべてなくなるように思える。Ipecac.はそれを治癒し、最終的に月経は正常になる。自然の有り難い事は、出血を止めるその傾向であり、それは常によい。出血をコントロールする多くの薬があり、それらは指先につけねならない。それらは緊急事態に属する。激しい症状と」激しい発病に対応するレメディを諸君は知らねばならない。Ipecacは出血で溢れている。たくさんの血餅を吐き、潰瘍に関連して血を吐き続ける。激しい出血になりやすい人や出血しやすい人は、症状が合えば、Ipecac.が一時的に出血をコントロールするだろう。

 背中の腎臓の辺りに堪え難い痛みがあり、撃痛で、頻尿で、尿に血や小さな血餅が混じる。尿は血で極めて赤く、それは便器の底にたまり、便器全体にナイフの刃の厚さの血の層が、線になってつく。尿1パイント(約500cc)毎に、便器中に血の層ができる。腎臓が痛くなる度に、尿のそのような状態が伴う。Ipecacuanhaはその出血を止めるだろう。貧血になるまで患者が出血し、浮腫になりやすい時、Ipecacはそのレメディになる事をやめるのは本当だ。それから、その自然の花はChinaとなり、それは患者を、抗疥癬のレメディを必要とする位置に連れて行くだろう。

 そして、「風邪」がある。子供がかかる単純でよくある鼻風邪である。 風邪が鼻に留まり、鼻が夜詰まる場合か、大人が鼻風邪をひき、鼻がかなり詰まり、かむと鼻から粘液と血液を出し、かなりくしゃみが出て、風邪がずっと下へ降り、声枯れが後続し、表皮剥離を伴い気管内まで広がり、最終的には気管支まで広がり、窒息と胸内に沈殿する場合、Ipecacの事を考えなさい。Ipecac.の風邪は鼻で始まる事がよくあり、 非常に速く胸に広がる。この鼻の風邪と共に、多量の真っ赤な血が出る。鼻風邪をひく度に、多量の出血がある。風邪を伴う鼻血の傾向。Ipecac.では、粘膜上に起きる炎症は激しい。刺激が突然起き、粘膜が非常に素早く炎症を起こすため、その部分が紫色になって腫れ、出血は唯一自然な安堵であるかのように見える。鼻の閉塞、匂いの喪失。鼻がとても詰まったため、そこを通じて呼吸できない。

 頭の症状と共に、風邪、百日咳、寒気、多くの炎症疾患、顔がほてり真っ赤になるか、青っぽい赤になり、唇は青く、寒気を伴い唇や指の爪が青い。寒気は激しく、特質的に鬱血性の事があり、硬直している事がよくある。骨組み全体が震え、歯がガチガチ鳴る。

 老齢者の治らない喘息の症例があり、それはIpecac.で和らぎ、そのボトルを持ち歩き、それでずっと楽になったと言う。湿気た天候や突然の天気の変化で苦しむ場合、それは湿気た喘息の症例や喘息性気管支炎の症例において有用である。少し風邪をひく度に、この気管支炎が発病し、咳をする時や、少し血を吐き出す時に窒息し、息が詰まる。夜座って息をせねばならず、この発病は共通しており、頻繁に起きる。このような病人は Ipecacでよくなったと言い、Ipecac.がそのような喘息性の呼吸を楽にしたのは驚く事でもない、というのはそのような症状を持っているからである。このような症例の中には治癒できないものもあり、彼らは高い地位についた人々である。より賢明に投与されたこのレメディーは、より多くの安堵を与えるだろう。Ipecac.の力は発病を止め、そのため患者は快適になり、次に風邪をひくまで、普通の種類の喘息に進む。その咳はガラガラと言い、喘息性である。

 痙攣の薬としてのIpecacはあまりよく知られていない。妊娠における痙攣。百日咳における痙攣は、恐ろしい発作で、左半身全体に影響を与え、麻痺が後続する。子供とヒステリックな女性の間代性、筋緊張の発作。破傷風、体のこわばり、顔の赤いほてりを伴う。これらはIpecacの強い特徴であり、十分深く考えておらず、レメディーがこの状態を非常に著しく有するとしては、十分知られていない。Belladonnaのような薬はより頻繁に書物で述べられているが、発作についての論文の中で、Ipecac.は発作と背骨への作用に関して研究されるべき重要なレメディーである。

 抑圧された発疹において、症状はIpecac.を示す事が非常によくある。発疹が出なかったり、発疹が風邪で引っ込んだり、時には急性の胃腸の現れが後に続き、風邪が抑圧された発疹から胸に留まった場合、嘔吐や寒気、背中の痛み、喉の渇きのなさ、圧倒的な吐き気が起きる時、Ipecac.はまた丹毒も治すだろう。

 猩紅熱の皮疹がゆっくりと出て来た場合、Ipecac.は吐き気と嘔吐に十分である事がよくある。出るべき皮疹が出る代わりに、吐き気と嘔吐を伴いIpecacの症状が胃に起きる。Ipecac.が吐き気と嘔吐をチェックし、発疹をもたらし、疾患は穏やかな進行を進むだろう。

Iodine(イオディン/ヨウ素)

 このレメディは、急性であれ慢性であれ、あらゆる病訴において、心身に感じられる特別な不安がある。動きや姿勢を変えてそれを取り除かなければ、患者の体格を通して動く、ぞくっという感じと共に不安な状態もあるように思える。じっとしようとすると不安が起き、じっとしようとすればするほど、不安な状態が増す。じっとしようとしている間、物を引き裂こうとする衝動や、自分を殺めようとする衝動、殺人を犯そうとする衝動、暴力を行なおうとする衝動に襲われる。じっとしていられず、そのため昼夜歩く。このレメディは、ヨウ化カリウム中にあるそれと同じ特徴を持つため、ヨウ化カリウムの患者を歩かせる。 しかしこれには違いがあり、Kali iod.の患者は疲れずに長距離を歩く事ができ、歩く事だけがその人の不安を消し去るように見え、一方Iodineにおいてはかなりの疲労困憊があり、歩くと極端に疲れ、ちょっとした労作で汗が多量に出る。Iodineは何かひどい事が起きているように思えるような症例に一致し、心が動かなくなる恐れがある。或いは疾患の深刻な形の恐れがあったり、抑圧されたマラリアの進んだ段階や、老齢者の寒気の症例、結核、特に腸結核の恐れがある。

 肥大がこのレメディを貫く。肝臓や脾臓、卵巣、睾丸、リンパ腺、頸管腺、乳腺以外のあらゆる腺の肥大が起きる。乳腺は他の腺が肥大化し。結節ができ、硬くなっている間に縮小する。このような腺の肥大は、腹部のリンパ節である腸間膜リンパ節の間に特に見られる。

 この特別な状況もまたIodineに起こる、すなわち体がしおれる一方、腺が肥大する。それは特別で、体の縮小と手足の衰弱に比例して、腺が大きくなるので、Iodineを考え得る。マラスムスにこの状態が見つかる。体中しぼみ、筋肉が縮み、皮膚に皺がより、子供の顔が小さな老人のように見えるが、腕の下や鼠蹊や腹の腺は大きくなって硬い。腸間膜リンパ節は、結び目のように感じられる。キニーネとヒ素が極端に使用されており、寒気がずっと続くアロパシーから起きたマラリアの老齢者の症例に、我々は同じ傾向を見る。顔と上半身はしぼみ、皮膚に皺がより黄色く、下痢が起き、肝臓と脾臓は肥大し、腹のリンパ腺が感じられる。初期においてさえ、このような状態が起きる恐れがあるだけの時、先を見ると、症例がヨウ素の状態に向かって進行しているのが見える。

 さて、マラリアか湿気た地下室から起き、間欠熱で苦しむ患者を見よう。その患者はドンドン暑くなる。それはいつもの熱の暑さではなく、暑さの感覚である。冷たい水につかりたかったり、顔や体を冷たいスポンジングで冷ましたかったりする。暖かい部屋では窒息し、咳が出て、暑さを恐れ、汗をかきやすく、ヘトヘトになりやすい。急性の病訴が起きるこの種の体質であり、粘膜の急性炎症状態、胃炎、肝炎、脾臓炎、下痢、クループ、喉の炎症が起きる。喉は白い斑点で覆われるようになり、腫れて赤く、これが喉頭の中まで下りて広がる。ジフテリアのように沈殿物がその上にありさえする。Iodineは滲出がジフテリアのそれに似ていて便にそれがあった場合のジフテリアを治している。 このような体質の傾向は、滲出を伴うクループを起こすかもしれず、Iodine.に向かって進行するのが見られる。体のどの部位にも特殊な小さな物が発生する。好ましくなく進行している時、レメディの体質を完全に広げて見なければ、患者の傾向に気が付かないだろう。

 患者の精神状態は、興奮し不安で、刺激を受け、憂鬱である。何かをしたい、急ぎたい、殺したい衝動がある。これにおいてはArsenicumやHeparにたいへん親密に関連している。ArsenicumとHeparの患者もまた、気分を害したわけでもないし、原因もないのに、殺人を犯したい衝動が起きる。暑さに対する過敏性ですぐに決まる、というのはIodineは血が熱いのに対し、ArsenicumとHeparはいつも凍えてる。暴力をふるう衝動は突然起きる。特異な衝動や、いかなる原因もなく衝動が起きるレメディがある。このような衝動は、衝動的な精神異常の症例に見られ、精神異常は暴力をふるう衝動や変わった事をする衝動であり、どうしてこんな事をするのか尋ねられると、患者はわからないと言う。何か他の事において、精神異常である事を患者は知らないかもしれない。患者はよい会社員であるかもしれない。レメディーにはこの事もある。これらの事は前兆である。客の髭を剃っている間に、床屋が患者の喉をカミソリで切りたくなるという衝動が起きると、Heparの下に記録されている。 Nux vomicaの患者は自分の子供を火に投げ込みたい衝動や、愛する夫を殺したくなる衝動にかられる。考えが心に浮かび、それがドンドン強くなり、実際、精神異常になり、制御しきれなくなり、衝動が行動に移される。Natrum sulphの患者は「先生、私がどんなに自分を殺めないよう我慢しているかご存じないでしょう。そうしようとする衝動が心に起きるのです」と言うだろう。Iodineは、怒りからでなく、正義感からでもなく、いかなる原因もなく、殺したいという衝動が起きる。圧倒する怒りが暴力を引き起こす事はよくあるが、Iodineではその種のものではない。読書中や、穏やかに考えている間、患者が自分自身に暴力をふるう事があるかもしれず、これは最終的に延々と大きくなり、最後は衝動的な精神異常の形になる。

 Iodineの患者は肉体同様、心も弱くなり、忘れっぽく、小さな事が覚えられず、頭から出て行く。言おうとした事やしようとした事を忘れ、出かけて買った物を置き忘れる。忘れっぽさは広範囲に及ぶ。しかしこのような状態と共に、 一つの事は忘れず、患者は自分の衝動や不安を追い払うため、自分を強いて何かをし続ける。不安は忙しくしない限り、うんざりさせ苦しめる。精神的に疲労しているけれども、強いて忙しくし続け、働き続け、そのため精神疲労が増す。過労から、不安から、文芸作品の仕事から、脳が柔らかくなる恐れがある男性に「仕事をやめて、休憩せねばならない」と諸君は言う。「どうして」と患者は言い「もしそうしたら、私は死ぬか気がおかしくなるだろう」と言う。そのような状態がIodineとArsenicumの下で起きるが、2つのレメディが一度に仲間を分けるように見える重要な差異がある。Iodineの患者は血が熱く、涼しい所に移動したがり、涼しい所で考えたり、働いたりしたがる一方、Arsenicumの患者は熱さを欲し、暖かい部屋にいたがり、暖かい服を着たがり、寒さで苦しむ。Iodineは暑さで苦しむ。そのため、それぞれレメディにおいて心身共に落ち着きがなく不安な間、心の前に現れ、もし患者が血が熱い患者であったならば、決してArsenicumの事は考えないだろうし、もし血が冷たく、震えている患者であったならば、Iodineの事は全く考えないだろう。.

 一般的な症状の中でまず述べた事は、腺の肥大化の傾向であった。Iodineは私が名付けた体質、つまり心臓の肥大とか、甲状腺の肥大とか、突き出した目に起きる一群の症状をよく治して来た。さて、このような患者の一人(その人は、眼球突出性甲状腺腫と喚ぶ以外何もわからない誰かに、諸君の所へ送られて来たとしよう)がいた場合、彼らが呼ぶような病名に対する絶対不可欠なものは、レメディには示されないが、その兆候は、目が突き出るとか、甲状腺の肥大とか、心臓の肥大とか、心臓の障害の外にある状況間に見られるだろう。もし患者が衰弱し、血色が悪く、熱さに苦しみ、肥大した腺があり、その他のこの薬の症状があれば、投与後、病気名で選ばれた一連の症状の最終的な停止を期待するだろう。

 脳の問題は、急性でも慢性でもIodineを呼ぶ事がある。頭がズキズキし、体が脈打ち、そこらじゅう振動し、拍動は手の指先や足先まで広がり、みぞおちが拍動し、腕に重い脈動が感じられ、背中が脈打ち、側頭骨がズキズキする。激痛みを伴う鬱血性の頭痛が起きる。頭痛は動きで悪化するが、患者は動きで楽になる。患者は動くと不安が楽になるので動くが、動く度に頭痛と動悸が増す。患者が述べている事と、一部を叙述している事を見分ける事が、マテリア・メディカを調べる事における本質である。患者の叙述はすべて一般的な事であり、部分が述べている事はすべて特殊性である。その2つは正反対かもしれず、そのためマテリア・メディカの学生は心配になる事がある、というのは同じレメディー下で、動きからの悪化と、動きから楽なるが見つかるからだ。部分的に何が真実で、全体的に何が真実であるかは、マテリア・メディカの情報源から、すなわちプルービングとレメディーの投与からのみである。患者が暑い部屋にいたがり、頭を楽にするために、窓から頭を出しているのを見つける事がある。その症例では頭は冷たさで楽になり、体は熱さで楽になる。それは典型的なPhosphorusの症状であり、頭と胃の症状に関しては冷たさで楽になるが、旨と体の症状に関しては冷たさで悪化する。それでPhosphorusの患者に嘔吐と頭の症状があったら「外気中に出たいし、お腹に冷たい物を入れたい」と言うが、もし胸の症状があり四肢に痛みがあれば、「家に入って暖かくしたい」と言う。そして患者にこの事をちょうど見るように、レメディの研究においてもそうである。識別せねばならない。

 諸君が期待するように、あらゆる種類の目の問題が、この衰弱した体質にある。いわゆる目の瘰癧疾患は、角膜の潰瘍やカタルの問題、目からの分泌液、目蓋の小さい腺の肥大を伴い、体質的に描かれている衰弱と黄色い顔色を伴って起きる。鮮やかな色の視覚的な幻影。水腫の状態はIodineに一致する。目蓋の水腫状の腫れや、目の下方の顔の水腫状の腫れが起きる。Iodineはまた手足の腫れもあり、それと共に、腎臓疾患に見られるような水腫状の腫れが起きるヨウ化カリウムに、この傾向を運ぶ。それは初期のブライト病の症例を止める事ができる。

 Iodineの病訴を貫く他の主要な特徴は空腹感である。常にお腹が空いている。普通の定期的な食事は十分でない。間食し、それでもお腹が空いている。その上病訴は食後よくなる。Iodineの恐れ、不安、苦悩はすべて空腹の時に増す。胃が空の時、胃に痛みがあり、駆り立てられるように食べる。食べている間は病訴を忘れる、とうのは何かをしているようだし、動いているようで、心は何か他の事にあるからである。食事中は楽になり、動いている間楽になる。空腹と大食いにも関わらず、まだ衰弱してる。「裕福に暮らしているが、痩せ続ける」は、Iodineについてのヘーリングのキーノートの一つである。Natr. mur.とAbrotanumでは、大食漢と同時に衰弱が起きる。栄養が非常に妨害を受けるために肉を作らず、それで衰弱が起きる。

 鼻のカタルの状態は言及に値する。Iodineの患者は臭覚を失う。粘膜が分厚くなり、ちょっとした挑発で風邪をひき、常にくしゃみをし、多量の鼻水が出る。鼻の潰瘍は血の混じった殻を伴い、鼻をかむと鼻から血が出る。鼻は詰まっているので、鼻で息ができない。風邪をひく度にこの事が重なり、ずっと風邪をひき続け、そのため確実にカタルになりやすい。私が描写しているのは一般的な状態である。患者の事をまず考えるべきだ。患者の体質をまず知らねばならない。つまり全体としての患者の真実は何かという事である。それから、患者の部分部分の真実を見つけ出す事ができる。鼻の粘膜が潰瘍の状態にあり続けるか、或いは潰瘍になる傾向がある。時にはこの小さな潰瘍が深い事がある。

 舌に沿って、口中にアフタのような斑点がある。口腔全体がアフタ性の斑点でちりばめられている。既に述べたが、滲出の傾向があり、白いビロードのような、白灰色か薄灰色の滲出が、痛い喉や、鼻の粘膜や、咽頭中にできる。咽頭はビロードのような灰色の外観で線がついているように見える。これは、このような喉の症状と潰瘍の傾向を伴い、喉の疾患において広範に役立つ。扁桃腺が滲出でちりばめられ、前述のような体質にある時、扁桃腺肥大に役立つ。空腹でしおれた患者の扁桃腺肥大。化膿性へんとう腺炎がIodineの状態に向かって進みやすい人に、それが見られる事がよくある。その人はPulsatillaの患者のように、暑さでいつも苦しんでおり、時には、有機組織の変化が起きる前の初期において、Iodineを Pulsatillaと間違えるかもしれない。しかし患者を見れば、衰弱の傾向が見られ、2つのレメディはすぐに分かれるのが見えるだろう。どちらも暑く、どちらも苛立ち、どちらも考えで溢れてる。Pulsatillaの患者はもっと気まぐれで、もっと泣き虫で、もっと大きな悲しみがあり、ずっと食欲がないが、一方Iodineはかなりの量を食べたがる。 Pulsatillaの患者はどんどん神経質になるが、どんどん太る事がよくある。Iodineの患者は痩せて行き、ものすごい食欲で、満足できず、空腹で苦しみ、2〜3時間毎に食べねばならず、食べるとよく感じ、また非常に喉も乾く。食べないでいたら、その病訴が何であれ、苦しみが増す。Iodineのいかなる病訴も断食によって増すようだ。

 Iodineはまた食べ過ぎから起きる消化不良もある。食べ物は酸っぱく、酸っぱいおくびで困り、かなりのガスが出、おくびが出、未消化の便が出て、下痢や水っぽいチーズのような便が出、どんどん消化しなくなる。消化がどんどん弱まり、最後には食べた物を全然消化しなくなり、それでも食欲は増す。吐き、下痢が起き、ロウソクの両端が燃えているかのようなので、そのようにどんどん弱って行く。摂取する物をほとんど取り込まないので、患者が極めて弱いのは驚くまでもない。食べ物の品目は、胃腸を不調にする異物として働く。さて、この問題が起きつつ、肝臓と脾臓が硬く大きくなり、患者に黄疸が出る。便は硬くでこぼこし白いか無色か粘土色で、柔らかくパン粥状の時もある。小さいか、或いはその中に胆汁が含まれていないように見え、この段階は肝臓肥大が起きるまで徐々に増す。ついには腹部が沈んで病み、肝臓の肥大と肥大化したリンパ腺が目に見えて現れる。小児腸間膜結核と同じくらい節だらけで硬い。Iodineは下痢や衰弱、かなりの空腹、かなりの喉の渇き、乳腺のしぼみ、皮膚が干し肉のような皺がよっており、土色の顔色を伴う腸間膜線の結核性の状態に示される。構造上の変化が起きる前に、十分早くレメディが投与されれば、疾患の進度を止めて治るだろう。

 これは、衰弱した瘰癧にかかった子供の朝の下痢に、非常に役立つレメディである。

 体質の状態がある場合、患者がそうあり得る種類が変化する排便に対して、最重要である。ゆえに顕著な体質の状態があれば、レメディにつながるかなり多くの一般面の症状がある症例において、下痢のような小さな症状は重要でなくなる。その患者における体質的な状態は、「変わった、稀で、特殊」であるものである。ほとんどいかなる種類の下痢状の便も、もし体質的な状態がこのレメディでカバーされれば、治るだろう。急性の下痢であり、それが精力的な体質に起き、下痢しかない場合、より繊細な詳細をすべて知る必要があり、下痢の特徴は稀で「変わった、特殊」な特性になる。 

 老齢者の尿失禁。このような体質的症状すべてがある男性において、睾丸が縮小し、インポテンスになり、夢を見て射精し、性本能や性力をなくすか刺激を受けやすい状態で、性本能過敏である場合、iodineは特に適する。また睾丸が肥大化し硬く、他の腺のように硬化肥大したり、或いは精巣炎、精巣の炎症と肥大が起きる時もそうである。

 子宮や卵巣の腫れと硬化。前述のような体質における卵巣腫瘍をIodineは治している。それは乳腺の縮小を治し、衰える患者の肉付きをよくして太らせている。

 カタルの状態を作り出すその特質は、それが作り出す帯下において説明される。子宮の帯下は、その頸部の腫れと硬化を伴う。子宮が大きくなり、月経過多の傾向がある。帯下は大腿部を痛くする。Iodineの分泌液は刺すような刺激性である。鼻からの分泌液は唇の皮を剥ぎ、目からの分泌液は頬の表皮を剥ぎ、膣からの分泌液は大腿部の表皮を剥ぐ。

 このレメディーは激しい咳が起き、胸の症状を伴い呼吸の深刻で堪え難い困難さ、呼吸困難が起きる。この繊細な体質において、クループのような窒息する咳が起きる。また、非常に数多くの呼吸のこれらの症状を 読んでいる間、その体質的状態を頭に入れなければ、それを投与する事はできないだろう、というのはそれらは広範囲に及び、かなり多くのいわゆる病訴を含み、個人化するのが困難であるからである。

 さて、ここで注意してもらいたい病訴がもう一つある。関節の肥大を伴う老齢者の痛風の体質において、かつて患者はかなりよい体格であったのだが、痩せてしまい、お腹が空いていても、食べ物が何かに役立つようには思えない。関節は大きくなり、圧痛がある。多くの痛風体質の人は温かい部屋を欲するが、Iodineの患者は涼しい部屋を欲する。その関節は痛く、寝床の暖かさで悪化する。涼しい所で元気になり、外気中にいる事を好む。どんどん弱って行き、動き回ったり食べたりする事で一般的に改善し、心身の事を心配する。Iodineは痛風の発病を止め、しばらくの間気持ちよく過ごさせる。

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